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2018年の発達障害支援を予想する 第2話 大学生支援新卒の”発達障害学生”が障害者雇用枠に流れる可能性を考える

2017年12月31日

第2話は、発達障害のある大学生等の支援についてです。(第1話は『2018年の発達障害支援を予想する 第1話 放課後等デイサービス』こちら。)

文科省の新事業 『社会で活躍する障害学生支援プラットフォーム形成事業』が本格始動

2016年に合理的配慮が国公立で義務化、私立で努力義務化されてから、大学の教職員が発達障害という言葉に触れる機会は格段に増えてきたと思います。当社にも2017年中、研修や出張授業の依頼が大学からいくつも寄せられました。

【参考】発達障害のある人の「合理的配慮」とは 大学編

合理的配慮の流れに加えて、2004年の発達障害者支援法から13、14年が経ち、その頃に幼少時だった子どもたちは今大学生となっています。すなわち学生側も小さい頃から支援体制がある中で育った子たちが大学入学を果たしているわけで、入る方も新時代に育った人たち”新人類”を迎える状態になっています。

とはいえ2017年、2018年で何かが大きく変わるかというとあまり変わってはいません。唯一変わったのが、障害学生の支援のハブとなる拠点大学が東日本、西日本に一つずつ設置されたということでしょうか。 東日本は東大+筑波大+富山大、西日本は京大+広島大 が選定されています。関係者にはお会いすることも多いので、10月の選定後どのようにプラットフォーム化が進んでいくのか今後聞いてみようと思います。

【参考】社会で活躍する障害学生支援プラットフォーム形成事業 選定状況

ということで原稿を終わりにしても良いわけですが、せっかくなので就職のところを予想してきたいと思います。

新卒枠での障害者雇用が増加していく

第3話でも書くとおり、2018年は障害者雇用率が2.2%に引き上げられるだけではなく、その後時期は未定ながら数年以内に2.3%に引き上げられます。

上に”新人類”と書きましたがこの人達の動きが、障害者雇用率の上昇に大きく絡んでくるというのが2018年の予想になります。 なぜか? 当社はガクプロという発達障害(含疑い)の学生向けのプログラムを行っていて、現時点で180人ぐらいが通っています。

多くは大学3・4年(専門学校生や院生もいます)。つまり就活生や就活予備軍です。この層と接していると年々、障害者雇用への抵抗感がなくなってきているなというのが印象です。子どもの方ではありません。親の方がです。

ガクプロでの個別相談の半分程度は僕が日々行っています。そこで小さい頃から福祉や特別支援のお世話になっている子の親の中には「うちの子を20年見てきて、普通の中で揉まれると厳しいので、配慮される中で働くほうが良いと思う」という人がとても多いです。

確かに人前では問題ない言動が出来るタイプも、アップダウンが激しく、家では、あるいは季節的に大きく崩れる人もいます(ので「え、わざわざはじめから障害者雇用を目指さなくても」と支援側が思っても、あとで「あぁなるほど」という状態を見て障害者雇用の選択の正しさを実感することもあります)し、障害者雇用というのは給与が高くなったり、仕事内容が多様になってきていることもあり、決してレベルが低い就職先でもなくなってきています。

”障害”という言葉に良い響きを感じる人はいないでしょう。ただ支援や配慮を上手に使うことでその人の人生を良くしようという考え方が大きく広がっていることを年々感じます。就職における形が日本の場合、「障害者雇用」しかないということなのでしょう。個人的には「障害者雇用」という制度以外で働きづらい人を雇いやすくする制度があるとそれがよいのでしょうが、今の法制度のもとでは他に選びづらいのが実情であります。

実際2018年は当社でも、発達障害の学生向けに、障害者雇用の合同面接会を開催します。繰り返しますと、必ずしも雇用枠を目指す必要がある人ばかりでもないですが、企業にとっては障害者雇用率の上昇の対応策として、新卒枠というのは一つ流れになる可能性となる2018年になりそうです。

念のために言いますと障害者雇用率が上昇しているのは、障害がある人の雇用が進んでいるからではありません。障害と言われる人の数が多くなっている、換言すると世の中が「普通」と思っている領域を狭めているということになります。特に、消費者・顧客として人が期待するサービスレベルが高くなればなるほど、普通の幅が狭まります。なので、障害者雇用数が向上しているというのは、手を叩いて喜ぶことではなく、それだけの人が一般社会から弾かれやすくなっているという憂いをもって受け止められる必要のある事態と言えます。

このあたりについては「第3話 障害者雇用率の上昇」で更に深く分析していきたいと思います。

2017年 我が社の動き ガクプロ(発達障害のある学生向けプログラム)編
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