研修・人材育成発達障害支援のプロフェッショナルを育てるために
Kaienの人材育成に対する考え方は現場での学びを最大限にすることを基本においています。座学は最小限にする一方で、動画の教材や合宿形式の研修を行い効率的に知識を得つつ、日々の現場で先輩社員からフィードバックが得られる仕組みを整えています。
1. 入社後研修
入社後数日は現場には入らず、すべての新入社員が同じ入社プログラムを体験します。内容は、①当社の人事・評価制度の説明、②IT系システム(業務管理ツール・顧客管理ツール等)の説明、③大人向け・子ども向けサービスの現場見学、④職業訓練の体験、⑤配属予定拠点での業務説明、などに分かれます。またKaienで働く上での根幹となるミッション・行動指針や当社の現状・中期計画についてレクチャーも受けていただきます。
配属後、就労移行や放課後等デイの現場に入る場合をご案内します。
利用者の出欠管理など、まずは拠点の日々のルーティンなどを覚えていっていただきます。そしてそれまでのご経験によりますが、早ければ配属後1、2週間以内に、先輩社員のサポートを受けながら現場支援を行っていただきます。当社の支援は決して個人の担当(マンツーマン方式)ではなく、複数で利用者を担当するスタイル(ゾーンディフェンス方式)を取っています。先輩社員の力を借りながら質を担保する形です。当社では支援の力は実践の中で学べると考えているため、入社後早い段階からどっぷりと支援の現場に入っていただくことを優先しています。
2. ウェブ教材・動画教材
支援のための前提知識 「ブルーム」
当社では「ブルーム」と呼ばれるオンラインサイトを内部で運営しています。福祉的な支援や知識に関するものから、業務に必要なPCやネットの使い方、その他仕事術まで幅広く揃えています。動画だけでも30以上、ページ数は100ページ以上におよぶ膨大な資料です。「ブルーム」で学べる内容の一部をご紹介します。
- 現代の若者社会の理解
- 学校・高等教育の仕組みと現状
- 日本の業種・職種の種類と内容
- 発達障害の基礎知識(自閉症スペクトラム、ADHD、LD)
- 精神障害の基礎知識 他
Kaien・TEENSメソッド
当社が創業以来の実践において、お客様と一緒に作り上げた支援のための独自メソッドです。世界のどこにもないKaien・TEENSならではのノウハウがつまっています。これらも「ブルーム」などで視聴・通読が可能です。
- 働く力(コミュニケーション力、段取り力、自尊心)の理解と育み方
- 支援のための4つのガイドライン
- 職業訓練・お仕事体験とは(職業訓練の内容とフィードバックの仕方)
- 発達障害児向けの学習支援とは(内容と支援方法)
- 状況別・ケース別 支援のアイデア 他
これに加えて、当社では「発達障害 キーワード&キーポイント」をスタッフ向け教科書として配布しています。
3. 医師・専門家による研修
発達障害の専門医にスーパーバイズを受けながら、困難事例について検討する機会や、専門医をお招きして研修を行っています。以下は過去の事例です。
- どんぐり発達クリニック 宮尾益知 医師
困難事例検討会 不登校についての勉強会 - 発達障害クリニック 神尾陽子 医師
子どもから大人まで働き続けることを目標にした逆算での支援を行うには? - 東京大学先端科学技術研究センター 近藤武夫 准教授
GTD研修(東京大学先端科学技術研究センターで実際に発達障害中高大学生に対して行っているタスク整理や自己モニタリングの手法を体験する)
4. 合宿
当社では数ヶ月に一度、スタッフ合宿(1泊2日)を開催しています。時には外部からも講師を招き、ボンディングを図りながら、一気に知識と実践方法を習得します。以下は講義科目の一例です。
- 支援者の心構えとスキル
- 個人情報保護・安全管理
- コミュニケーション
- ファシリテーション
- 目標管理
- 評価方法
- キャリアプラン
- ビジネスマインド
5. 日々のフィードバック
福祉の仕事は”職人”的な部分が多く、利用者の状態によって伝える言葉の選択や支援の速度などが変わってきます。オンライン教材や研修・合宿で知識を入れたとしても、適切に使えるかどうかは年単位、十年単位の熟練が必要になります。
当社では先輩社員の支援の現場に居合わせたり(陪席)、自分の支援の方法を録画し他のスタッフからアドバイスを貰ったり(支援研究会)、月に1回の拠点単位で気になる利用者の支援方法を議論したり(ケースミーティング)、様々な議論の場を設けています。
Kaienでは常に新しいプログラムが生み出されています。プログラムについての勉強会もテレビ会議を通じて全拠点で実施しています。