Kaien創業記 番外編創業15周年に寄せて 創業準備メンバー(Marc, Thienからのメッセージ 共同創業者Chulさんとの会話)
Marc
こんにちは。私はMarc Norlandです。私はアメリカのKelloggビジネススクールで慶太さんと Thien、Chulさんの同級生でした。卒業後も、Kelloggスクールで生まれたKaienのビジネスアイデアを皆さんが追い続け、実際の企業として形にし、15周年を迎えたことを帽子を取ってお祝いしたいと思います。多くの小さな企業は15年間生き延びることができない中、大変な偉業だと思っています。これからの15年にも期待を寄せています。
少し過去を振り返らせていただくと、2009年に私は慶太とThienとChulさんと出会い、この3人のビジネスモデルチームに入りました。私の主な役割は人前でプレゼンテーションをすることで、恐らくそれは私が3人の中で最も英語が上手だったからです。
私たちはKellogg Schoolのあるイリノイ州のEvanstonから、南のルイジアナ州ニューオーリンズにあるTulane大学まで行き、そこで年1回行われるビジネスケースコンペ(全米のビジネススクールから各学校の代表者が集まり、ビジネスアイデアを競う大会)に参加し、Kaienのビジネスモデルを発表しました。
決して忘れられないのは、我々はそこで優勝し、表彰台に上り、普段着ないタキシードやネクタイで着飾り、何百人もの人が祝ってくれ、こんな大きな小切手を受け取ったことです。
私のビジネススクールにおける最高の思い出の一つは、ニューオーリンズにある非常に有名なバーボンストリートという通りを、この2万ドルの巨大な小切手をもって、皆で歩いたことです。そしてこの優勝賞金はKaien創業のためのシードマネーとして使われ、今、Kaienは大きな木に成長したわけです。それを実現したKeitaのことを最高に誇りに思っています。
簡単に私のことも自己紹介しますと、2009年にKellogg Schoolを卒業し、私は現在ジョージア州のアトランタにおり、後ろに見えるLEDライトなどの照明器具を作る小さな製造工場を経営しています。Kelloggで皆さんと学んだことが小さな企業を経営していく面白味を教えてくれ、今もこの照明器具を製造する企業を経営しており、同時にKaienの1メンバーであることにも大きな誇りを持っております。
本来はこの素晴らしい創業15周年を東京に行って一緒にお祝いしたいところです。是非、次の15年も同じ成功の軌跡をたどってください。そして、Kaienに新しく加わった二人のKelloggの卒業生もいますし、日本に行って直接皆さんとお会いして、Kaienを自分の目で見れる日が待ち遠しくてなりません。
私がKellogg Schoolにおいて最も誇りに思っていることは、Kaienの創業に関われたことです。
慶太さんをサポートしてくれる人が世界中に沢山います。この15年という素晴らしいマイルストーンを改めてお祝いしたいと思います。
本日これを聞いている参加者の皆さんも、色々工夫されて開催されているこのイベントを是非楽しんでください。
最後にこのお祝いの言葉を伝える機会をありがとうございました。本日は素敵な時間を過ごしてください。本当におめでとうございます。アトランタジョージアからMarc Nolandでした。
Thien
慶太さん、Kaien、創業15周年おめでとうございます。大変な偉業だと思います。今日は私にお話しする機会を下さって、ありがとうございます。
振り返ってみると、15年前のKellogg MBAのアントレプレニュアーシップクラスで、生徒がみなビジネスプランを作らないといけない起業に関する授業で一緒でしたが、その前から個人的には知り合いでしたね。何回か会う中で、お互いのバックグラウンドや家族のことをはなし、そこで慶太がビジネススクールに来る直前に息子さんが自閉症と診断されたことを知りました。そのような家族の事情を抱え、もともとMBA後に考えていた人生計画にも大きな影響を与えたんだろうと当時思いました。
当時慶太が持っていた疑問で私が忘れられないのは、「自閉症を持った子供が大人になった時に、自分自身でどうやって自立して、生計を立てていくのか」ということでした。
当時のメディアは子供と慈善事業に関するものばかりで、障害を抱える子供もいつか必ず大人になり、永遠に親の助けなしに生きていけない人がいるということを、当時のメディアは忘れていました。その問題を自分の子供の未来の点から真剣に考えていることに心を動かされました。ですので、授業でビジネスケースを作るプロジェクトが始まった際に、慶太以外の人とチームを組むつもりはありませんでした。
Kaienのビジネスアイデアを実現できるか、何日もかけて計画を練り直しました。当初は、自閉症を持つ方々の特別な能力をソフトウェアのテストに生かすビジネスモデルでしたが、慈善事業ではなく、企業として一定の収益が計上できるビジネスモデルに仕立て上げました。私のチームでの役割は、人々の心に響き、同時にビジネスモデルとして明確にすることでした。
始めはクラスで1位となり、次に学校のケース大会で優勝し、更には他の学校も参加するケース大会にも出場して優勝し、優勝賞金まで受け取りました。同時に、慶太は実際に創業への準備を着実に進め、2009年の卒業後に起業し、あっという間に15年が経過しました。
先日東京に訪問した際、Kaienの事業所の一つ案内してもらい、訓練の様子を見させていただきましたが、実際に自分の目の前にあるのは沢山あるKaienの事業所の一つで、スタッフの方々にも会えて、興奮を抑えることができませんでした。遠くから何年もKaienの成長を見守ってきましたが、慶太の夢の一部とKaienの1株主であることは、私の職業人生における最高の誇りです。
最後にこの機会を設けてくれてありがとう、そして「おめでとう」。Kaienと慶太、慶太の家族の次の15年の成功を祈っています。そして、本日これを聞いている皆様も、Kaienの1メンバーであることを誇りに思っていただければと思います。本日はありがとうございました。
Chul
2024年9月15日に開催された「ニューロダイバーシティサミットJAPAN 2024」のランチブレークの間に流れた動画です。Kaien創業15周年に寄せて、創業準備メンバーの3人と動画を撮影しました。