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ティーンズ子ども向けサービス

就職できない大人の15%を分析して気づいた 小中高時代の自尊心

当初大人向けの就職支援だけを行っていた当社が子ども向けサービスを始めた理由。それは、就職に辿り着けない人たちを分析したことから始まります。

大人向けの就職支援に通っている人の多くは半年から9カ月で就職していきます。その割合は8割を超えます。しかし15%の人は生活リズムがくるってしまったり、自分からネガティブな思考に陥ってしまって、職業訓練を続けられず、就職に辿りつけていません。そのドロップアウトしてしまう人たちの多くには共通点があります。子ども時代にしっかりと安心した環境で育っていなかったり、自己肯定感を得られる少年少女時代を送ったりしていないのです。

つまり発達障害が原因ではなく、ご家庭や学校で発達障害への理解が得らず、うつなどの二次障害が強いケースです。そもそも自宅から出られず、Kaienに相談にすら来られない人の方が発達障害の成人には多いのです。小さい頃にいじめられ、自尊心が育たずに、社会からほとんど存在しないかのように、ひっそりと暮らしている発達障害の人たちはたくさんいます。

成人した後、そうした状態に陥る人をできるだけなくすには、小中高生のうちに「自分はこれに打ち込んだ」、「こんな得意なことができた」という達成感・充実感を味わってもらうことが近道なのでは。達成感・充実感は、自分自身を肯定する力につながり、最終的には働く力につながっていくのだという思いから、ティーンズはスタートしました。

小学校の高学年になると、発達障害でないお子さんは習い事に塾に忙しくなります。中高ではそれに部活動も加わります。一方、発達障害の子は、もともとコミュニケーション力、集団力が弱いために、そういった輪に入れず、一人寂しく過ごしてしまいます。家で自分だけで過ごす時間が圧倒的に多くなります。その結果が、成人してからの就職力の弱さにつながってしまっています。思春期に近づくにつれ、こうした10代の問題を痛切に感じるようになりました。Kaienでのノウハウを活用した子供向けの働く力を養う、自尊心を高める場を作れないかと考えに考えぬいた事業がティーンズなのです。

なぜお仕事体験

はじめはITやデザインの技術(ハードスキル)を身に着ける習い事を考えました。発達障害の人はIT・プログラミングに向くのではないかという淡い期待からです。しばしばアスペルガー症候群やADHDの人がIT業界で活躍する話を聞いていたという影響がありました。しかし、実際はたしかにプログラマーなどクリエーターに発達障害に近い人は多いかもしれませんが、発達障害の人全員がプログラミングに向くなどというのはありえません。ごくごく一部の人しか向かないことがすぐにわかりました。

しかし、ティーンズではお仕事体験を今も続けています。なぜか?それは仕事というのは、チームワーク、役割分担、コミュニケーション、段取りなど、大人社会で使うソフトスキルが満載であり、仕事を習い事として体験することでハードスキルよりもソフトスキルが手に入るのではないか?そしてそれこそがまさに発達障害のお子さんやご家族が欲しているスキルなのではないかと思ったからです。

体験できる職種も大幅に増やしました。IT/デザインだけではなく、接客、事務、企画など多岐にわたります。ハードスキル×ソフトスキルを楽しみながら学べる、発達障害児向けのキッザニアともいうべき空間を作れています。他の子がしていない体験をティーンズに通うからこそできている。子どもたちにも笑顔が見られ自信を持っている様子がわかりますし、その積み重ねが自尊心につながっていくように感じています。

なぜ学習支援

学習支援でも「仕事」を常に意識しています。四則演算や図形など仕事でも使う基礎学力。一見簡単そうに見えますが、発達障害のあるお子さんの相当数は、読み書き障害や算数障害など学習障害(LD)が見られ、基礎が十分に身に着かないまま働き始めているケースがあるのが事実です。学習障害への対応は一筋縄ではいかず、多くの場合は個別に解決策を探っていく丹念な根気のいる作業になりますが、ティーンズという安心できる空間だからこそ子どもも頑張ってくれるような専門的なサービスを目指しています。

またそもそも学校の勉強についていけないというお子さんは学校嫌いになりやすく、自尊心も下がりがちになります。学校はいろいろと発達障害のあるお子さんにとって不可解なことも起きる場所ではありますが、同世代の子たちに触れ合い学びも得られる貴重な場所です。学校に行くのを嫌がらない程度には、定期テストに追いつくようにしてあげたいという思いもあります。

受験はほとんど意識はしていませんが、これまで9割程度のお子さんが第一志望校に合格しているのは、基礎学力を高め、また日々の学校の勉強についていくという当たり前の繰り返しをティーンズという場で支援できているからだと思っています。

お仕事体験と学習支援のプログラムはティーンズという車の両輪。発達障害のある子どもが生きる力、はたらく力を育むことができつつあります。2016年現在、子ども向けのサービスは首都圏4拠点で行うサービスに成長しました。常に満員。利用希望する人を100人単位でお待たせしてしまっている状況です。

三日月のロゴマークに込めた思い

ティーンズのロゴは三日月です。発達障害があると自分一人で輝くような太陽のような存在になるのは難しいケースが多くあります。でもそれなら上手に他の人の力を利用して月のように美しく輝けばいいではないか。そしてそれは満月である必要もない。少しぐらい欠けていても尖り感のある人間に育って欲しい、ロゴにはそういう想いを込めました。

発達障害があっても必要に「障害者」扱いせず、しっかりと自分なりの輝き方をして欲しい。そしてそれを受け止め活用できる社会・企業で有って欲しい。そしてそれが強い日本経済にもつながると当社では信じています。

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