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一手目で王手を掛けたがる発達障害の特徴について

2014年10月20日

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一足飛びをしたがるのは人の性かもしれないが、発達障害の傾向のある人と接していると、より強く感じる。

たとえば、就活をする前に、まず生活リズムを整えてとか、まず面接練習を受けてとか、まず与えられた作業をこなせるようになってからとか、そういうスモールステップをしたほうが良いよ、というアドバイスが通用せず、すぐに”上がり”、”完成”を狙うような言動をする人に出くわす。かなり説得力あるよなというアドバイスをしても頑ななまま。将棋でいうとすぐに一手目から王手を掛けに来る感じである。もちろんそんなに世の中は甘くないので、やっぱり浅い段階から王手をかけまくっても負けまくってしまい、かえって傷つきが多くなるような人に多数あってきた。

以前は、(発達障害の特質として)客観視が苦手だから、自分がすぐに王手がかけられる立場にあると勘違いしている(例えば就活でいうと就職間近だと本当に信じていて、周囲から見ると無謀なチャレンジを繰り返す)のではないかと思っていた。自分が99段目にいるからあとは100歩目を踏み出せばよいという感じである。実際そういう人も多い。

だが、初手で王手をかけるのは無謀だと自分でもわかっていながら、つまり客観的には難しいと分かっていながら、王手をかけ続ける人も多いということがわかってきた。どうやら、それも発達障害の特性に起因するらしいこともわかってきた。以下のように説明されると思う。

就職するために100のステップが必要だとすると、多くの人はそういうものかと思う。そのうちの一つが自己分析であり、業界研究であり、 面接であり、という感じで理解をしつつあるが、自分で考えられるのはそのぐらいで、残りの90以上は道中でだんだん気づいていくのだろう。その時はその時で対処していくのだろう、と雑に考えられるのである。

つまりステップははじめと最後の部分のいくつかしか見えていない状態で、途中の90ぐらいのステップが見えていなくてもあまり怖さを感じないのである。鈍感といえば鈍感であり、楽観的過ぎるといえば楽観的なのだが、大抵多くの人が通った道という経験則や常識感からなんとかなると思えるのである。

しかし発達障害の人は想像が苦手である。途中の階段が見えないとやはり不安になるのである。レールが最後まで見えていないと気持ちが悪いようなのである。幼稚園、小学校、中学校、高校、大学というレールは明らかに見えるので安心感があるのだが、残念ながらその先はレールが非常に多岐にわたっていてさらに先が見えにくい世界になる。

特に就活の場では、上述のように、最初と最後のいくつかのステップしか見えないために不安になりやすい。一歩一歩ステップをあがったほうが良いよとアドバイスされても、頭でわかっていてもやはり頑なに王手をかけてしまうのは、途中が透明にしか見えない階段を上るような怖さがあって、それなら最後の100段目が面接でしっかり見える階段なので、一足飛びにその階段に行けばゴールにたどり着けるのではないかと行動をしてしまうようなのである。

現実的に面接を受けまくることは無理なことではない。つまり透明な中間部分を超えていくこともできなくはないが、成功確率は非常に低くなってしまう。それがわかっていて、でも初めから見えない道を行くという途方もない階段が怖く、どのぐらいのエネルギーがかかるか、途中でどんな怪物が出てくるかわからず、ワープしたいのだと思われる。

と、ここまで書いてあまりわかりやすく書けなかったなぁと思ったが、自分の中ではそれなりに大きな発見であるので、まとめてみました。

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