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「知的障害生徒の通学支援」に登壇

2013年12月7日



本日は 国際交通安全学会「知的障害生徒の通学支援」に僅かな時間ではあったが登壇させてもらった。ドイツの事例(フェヒテタルシューレ特別支援学校元校長のヒルデガルト・ローゼン氏)が素晴らしかった。
現行の日本の福祉制度では、点と点をつなぐ発想があまりない。つまり施設は立てても、サービスの質は高めても、そこに通えない状況になりがちである。今回のドイツの事例は「移動能力」を養う取り組みとして、思想や教育プログラムがとても参考になった。
勉強になったことは、”支援アプリ”や”バリアフリー”に頼り過ぎないことである。
子どもにGPS機能がありアプリが入った携帯電話を持ってもらっているというところがあり、最後に質問をした。お答えは、「実際開発はして子どもに持たせたが、ほとんど使われることがなくなった。使わなくても子どもたちは通えるようになった」ということである。
支援アプリと聞くと、非常に耳障りが良いが、あくまできっかけであり、実際の人間力の向上を支えるものに過ぎず、ある程度を過ぎるとアプリに頼らなくても行動できるんだということだと思う。
また、「ドイツだと予算があるからできるんでしょ。。。」ということについては、ローゼン氏は「トイレの改修についても、法外なお金を要求する業者がいる。でも、実際、学校にあるトイレは普通のトイレを自分たちで少し改造したもの。それで大丈夫だった。お金ではなく工夫が必要だ」とのことだった。たしかに、「バリアフリーを!!」と反対しにくいメッセージを発しながら、実は我田引水の業者が日本にも多いと思う。つまりバリアフリーにしようと言いながら、非常に高い設備の設置を突きつける状態になっている。
また、今日は「バリアフリー法」についてお詳しい建築関係の専門家もいらした。バリアフリー法が実際には、「新しいバリアを作るバリアフリー法」になる可能性があることを伝えたら、非常にわかっていただけた。 (※以前“健常”と”障害”の状態の「円」での理解にも書いたが、例えば高齢者や身体障害者にふさわしいバリアフリーにした建物を作っても、障害というのはひとつの軸ではなく円の両端にいる場合もあるので、精神障害者にはまったく不要なバリアフリーだったりする。なので精神障害者向けの施設をつくろうとするときに、バリアフリー法によってまったく使わない設備を設置しないといけないとしたら、お金がかかりすぎ、そもそも施設自体がオープンできず、結局相応しいサービスが提供できずにバリアになってしまう可能性がゼロではないのである)
最終的には思想や工夫が大事。アタリマエのことだが業務に活かしていきたいと思う。
なんとドイツ語の同時通訳!!
初めての体験だった
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