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障害者枠と農業 隣百姓は今は昔

2014年11月30日

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秋田での講演から日帰り。自宅に向かう電車の中です。それにしても秋田杉をふんだんに使った、非常に美しい会場でした。

地方で講演させていただくときはなるべく地方の状況を質問するようにしています。将来、当社のビジネスという意味でも重要ですし、やはり東京だけでは世の中は動いていないからです。

そこで「障害者枠っていうと農業とよく言われるけれども、(農業の厳しさを知る秋田のような)地方から見るとそのアイデアの困難さがわかりますよね」という会話になりました。

何を隠そうわが鈴木家も、もとはミカン農家。僕はまったく土いじりはしませんが、父親はすでに半農生活をおくっている血が流れています。農業の厳しさは折に触れて聞きました。またNHK時代に鹿児島で東北で様々に取材した時も、育てることの難しさをしのぐほど、売ることの難しさ(流通の困難さ)を見聞きしていました。

もしかしたら昔の農業は良かったかもしれません。変化を象徴するような「隣百姓」という言葉をきょうは学びました。ネットでさがしたら、『隣の百姓が種を蒔けば種を蒔き、水をやれば水をやり、稲刈りをすれば稲刈りをするという、自分では考えず、隣のするとおりに真似をする百姓が自分の事をやや自嘲的に表現する言い回し』なのだそうです。

今の農業は違います。JAを通していてはなかなか稼げないそうですし、それこそTPPなどで一気に外国産が入ってくると、売れる商材を探す力、ブランドを作り出す力が必要になります。右へ倣えでは隣近所で共倒れしてしまうわけです。土に触れて、のんびり、障害者に良いのではないか、という都会の人が考える、農業はすでになくなってしまっているのだと思います。

もちろん、知恵をしぼれば、新しい農業を考え出せれば、当然雇用の受け皿になるはずです。当社は農業に進出する知恵も実現する体力もまだまだないのですが、可能性の道筋は細いもののやはりその先の可能性の大きさは魅力的ですので、特に地方に行った時に農業の話は毎回振ってみようと思っています。

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