障害者雇用率についての私案
6月1日は障害者雇用の達成状況をお役所が調査する日。もう少し正確に言うと、ある企業で障害者手帳を保有する雇用が全体の何%をしめるかを計算する基準日となるのが、6月1日なのである。
制度というのは完璧なものはなかなか作れないので、つくってしまうと本来の目的とは違う歪んだ行動を誘発する恐れがある。ここで歪む行動というのは、6月1日に合わせた採用行動になりがちだということと、数合わせになりがちだということである。
以前「合理的配慮」に関して複数回書いたブログでも、日本の障害者雇用では「量」は制度に組み込まれているけれども、「質」は担保されていないことに触れた。質を担保しないと、「数さえ雇えばいいんでしょ」ということになる可能性があり、(1)賃金が安く設定されやすく、(2)作業も簡単なものをあてがっておけば良い、ということになりがち。例えば、この前聞いたのは月給が9万円というもの。
もちろん、成果報酬というのが賃金の原則の一つであると思うので、9万円の働きだけしか出来なかったらそれしかもらえないというのもわかるのだが、生活保護よりももらえない、というケースもあるので、どうなのかと思う。
企業サイドにとっても、グローバル経済の中で利益水準が下がる中で解決すべき課題は山積。そんな中に障害者雇用率の達成のタスクが入ってきても、真剣に取り組んでいても、一朝一夕に達成できるところばかりではない。でも行政や世間から「量」についてのプレッシャーがかかる。なので数だけ入れてしまい、ジョブマッチがしっかりせず、パフォーマンスがあがらず、「障害者の雇用って難しい」というマイナスイメージだけが現場に疲弊感として残される恐れすらある。これでは障害者の社会進出じゃなくって、かえって偏見を強めてしまう。。。これは僕の想像ではなくって、そういう会社の例をいくつもいくつも聞いてきた。
なので、「質」を障害者雇用の制度に入れる必要があると思うのだが、日本はなかなか条約が批准されないし、批准されたとしても、「質」をどのように計測するかは議論が当然ある。そこで僕の私案なのだが、、、
僕が考える一案は、賃金水準×雇用率 というもの。賃金水準は「質」を100%表しているわけではないけれども、やはり数は少なめだけれども、しっかりと「健常者並」に処遇していることを賃金は案外映しだしてくれるのではないかなぁと思う。他の指標よりも計算が簡単ということもある。会社によって数を多くする会社もあってもいいし、まっとうなお給料を少し数は少なくなるけれども払うことで「人間らしい」雇用を目指す会社があってもいいし、ということ。
この私案。まだアイデアベースなので、みなさんに叩いてもらえるとありがたいです。さっ、、、今日はこれから勉強会に出てきます。
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