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海外メディア 『オランダの精子ドナー、アスペルガー症候群であることを「隠して」問題に』

2011年8月20日

オランダで複数メディアが報じている。オランダ外のメディアもそれに呼応して報道を繰り返している。

Dutch sperm donor hid medical history
『オランダのある精子提供者 自身の医療履歴を隠していた』(Radio Netherlands)

ウェブサイトの記事によると、、、ロッテルダム在住の30才の精子提供者。これまで少なくとも22人の「父親」になっている。子供たちの何人かは自閉症の傾向を示している。この精子提供者はアスペルガー症候群など医療履歴を隠しており、まだ精子提供者としてアクティブである。精子提供を受けた母親たちはこの事実を先月になって初めて知った。オランダでは精子提供は速さと安さの観点から、直接会わずにネットで精子提供者を探すことが多い、、、という。

先日もこのブログ(海外メディア 『兄弟姉妹の自閉症の確率 これまでの想定の2倍という研究結果』)に書いたが、また日本ではほとんどタブーだが、自閉症スペクトラムは遺伝子がある程度の役割を果たしていることは定説になっている。ただすべての発達障害が説明できるわけではなく、わかっていないことが多い。現段階で言えるのは、遺伝子のほか環境要因が複雑に絡んでいるケースが多い、というぐらいである。

今回のメディアの報道は、事実のみ伝えていて、見解や世論の反応は伝えていない。記事のボリュームも少ないので、そもそもオランダの精子提供がどういう制度になっているかもわからない。アスペルガー症候群の診断は、そもそもとても微妙なもの。イチゼロで診断できるものではなく、だれでもその傾向はうっすらある。Wikipediaのアスペルガー症候群の項目をみてもらえると、自分にも当てはまる点が幾つかあると思われると思う。

周囲の環境依存のところがおおく、社会や組織によってその傾向が見えやすくなったり見えにくくなったりする。今回のニュースはいろいろな受け取り方があると思うが、すくなくともアスペルガー症候群は非常にグレーな診断であることだけは理解してもらいたい。

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