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障害者雇用はすぐ切られるのか?

2013年12月16日

当社の訓練では、今朝のニュース、という時事ネタの意見交換の時間がある。まだしっくりとした運営はできていないが、狙いは色々有り、やはりその人の視点がどのあたりにあるのかなぁと理解する上で(少なくとも僕には)良い参考情報になるのでやってもらっている。

今日はどういう流れか覚えていないが、障害者雇用の人がすぐ解雇されるのかどうかという話になっていた。なんでも「景気が悪くなると、真っ先に切られるのは弱者である障害者雇用」という論理である。

僕の理解は、むしろ反対で、(1)もし景気が悪くて人員整理をするなら障害者雇用の数倍の年収をもらっている40~50代の人を早期退職してもらったほうがはるかに効率的だし、(2)企業の人事としても障害者雇用の人に退職を迫るのは倫理的にかなり嫌がる担当者が多いので、やはり障害者雇用は景気動向にかかわらず安定していると思う。

実際、障害者雇用の伸び数を見ても、ほとんど景気に関係がない。関係があるのは明らかに、”雇用率”と、それについての行政による”指導”である。

一方で、実は障害者雇用が会社業績とはまた違う変動を見せることがある。それが、(僕の記憶では)「5年問題」、「10年問題」と言われているものだ。(※たしかこの業界では非常に著名な秦さんがおっしゃっていた概念だと思う) ちょうど今夜訪れた定着支援先で話題になった。

5年問題というのは、障害者雇用をやろう!ということで、会社の上層部が動き出すのは良いが、5年ぐらいすると初期につく助成金が打ち切られ、障害者雇用の赤字の側面が目立ってくるというもの。それによって、それまでの居心地の良さが、徐々に悪くなってくるというものである。

また10年問題というのは、障害者雇用をやろう!ということで、会社の上層部が動いた時に、プロジェクトリーダーとして白羽の矢が立った社員(大抵の場合50歳前後の社員で、取締役などに上りつめるでもなく、なんとなく目標が見えなくなった社員に対して、最後に障害者雇用を頼む!といわれる流れが多いと思う)が、やり遂げて退職するまでが10年ぐらいというものである。その後は核を失うため、障害者雇用の勢いが途切れやすい。

景気というよりもこの5年問題、10年問題をどう乗り越えるか。その辺りを当社が上手に協力・支援しないといけないなぁと思う。

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