ミズーリ=>ユタ&ハーバード=>BBC
週末の午前は海外(米英中心)の自閉症スペクトラム関連情報をリサーチしている。
今日、気になったのは3つ。
■ミズーリ大学自閉症センター 4億円をかけてリニューアルオープン
ケタが違う。。。ミズーリという、日本では余り知られていないであろう州の自閉症センターでも4億円がかけられる。また広さも2500平方メートルということなので巨大。”The technology is overwhelming, but it has been very convenient for the providers and families”との事なので技術も物凄く、支援者にとっても家族にとっても使いやすいとのこと。羨ましいというかなんというか。
この記事中に、”Under the new law, Missouri became the 21st state where insurance companies must pay up to $40,000 annually for therapies for children diagnosed with autism.” というのがあった。
実は米国では(オバマ大統領が頑張っているが)保険は民間の保険が主流で、自閉症のケアが受けられる受けられない、もっと正確に言うと保険でカバーされる、カバーされない、というのは、各人が入っている保険によって違う。米国の自閉症の運動のかなりの部分は、自閉症のケアをカバーする保険を増やそうというプレッシャーを、議員や保険会社にかけるというところである。
で、この記事によると、米国では40%の州に当たる少なくとも21の州で、自閉症セラピーは保険としてカバーすることを保険会社に義務付けるという法律があり、ミズーリ州もその法律を通したばかりだという。(ただし年間320万円まで)
■自閉症を判別するため 進む脳スキャン
二つ目はTimeから。ユタ大学とハーバード大学の研究で、90%の成功率で、MRIによる脳の分析から自閉症が判別できたという話題。
自閉症スペクトラムに詳しい方ならば常識であるが、早期発見、早期療育開始は鍵。ただその判断は専門家でも難しい。「なんとなく気になるけれども」ということで経過を見て、数年後に診断を受け、愕然とした親は多いと思う。今日もショックを受け、自分を責める親御さんがいるかと思うと、やはり正確な早期診断は重要だと思う。自分のケースを振り返ってみても。。。
で、この脳スキャンは、まだ初期段階の調査で、他の発達系の症状(LDやADHD)との区別ができるのかなど課題が残っているらしいが、やはり注目に価する。なにより、これまでは言語の発達や振る舞いによって外部から判断するしかなかったものが、より科学的に捉えることが出来るようになるからである。
■BBC 障害者週間のウェブサイト
これは記事というよりも報道機関の取り組み方。ご存じの方も多いと思うが12月3日からの1週間は障害者週間。(12月3日が国際障害者デーであることによるとのこと)
BBCもそれに合わせて”Access All Areas”(すべての領域にリーチしよう)というキャンペーンを行なっている。自閉症は”hidden disabilities series”(隠れた障害)として取り上げられている。非常に理解が進んでいるようにみえる英国でもまだまだ隠れた存在なのだろうか。
で、日本というと、、、NHK。。。トップページにはまったく見当たらない。。。僕が報道サイドにいたときに何をしていたかというと、たしかし12月というと全国や地域放送の年末スペシャルで追われていて障害関係の報道をしようと思ったことすらなかった。今さらですが反省しています。
とはいえ、NHK内にもこういった領域に注目してくださる方はいて、来週はKaienの1期生である中沢さんがNHKに取り上げられる。職場で活躍する彼の姿。全国放送なのでぜひご覧ください。
12月7日(火)20時~ NHK教育「福祉ネットワーク」