クロ現「深刻化する“若年女性”の貧困」
2014年2月2日
当社が横浜市で行っているモデル事業でお世話になっている、臨床心理士の鈴木晶子さん(インクルージョンネットよこはま)がNHKのクローズアップ現代に出ていた。10・20代女性の貧困問題を取り上げたルポでゲストをつとめていた。風俗店で、託児所や寮を整備しているところがあるのだというのがなによりも衝撃的な内容である。
(番組サイトからの抜粋)
- ここ数年、生活の苦しい10代、20代の女性や、シングルマザーが、特に目立ってきているといいます。店では、子どもを預ける託児所と提携し、その費用を負担。風俗店の中には、託児所を自前で運営しているところもあるといいます。
- この女性は20代のころ、生活のために、一度風俗店で働いた経験がありますが、その後は別の仕事に就いていました。去年、体調を崩して働けなくなり、生活保護を申請しましたが、生活状況を細かく調べるのに時間がかかると言われ、断念しました。
当社に来る大人の女性たちも仕事がなくて来る人が多数を占めるので、当然、貧困層が多くなる。発達障害だと貧困になるわけでもないし、貧困の原因として発達障害が常にあるわけではないが、関係は残念ながら深いと思われる。今回の取材の中でも、貧困以外に発達障害の傾向での苦しみを抱えている人がいたのではないかと推察される。
番組の中では生活保護が申請しにくいという状況が示唆されている。予算で占める割合は多くなってきたとはいえ、まだ数%。それにもかかわらず、昨今の生活保護叩きで、国民としての権利も行使しにくいことがあるようだ。僕も個別相談で生活保護のことをかなり選択肢として口にするが、本当にぎりぎりの状態にならないと申請を考えないケースが多い。また、(一方的な聞き取りなのでどこまで信じてよいかわからないが、確かに番組にあるように)行政に相談に行ったもののあきらめた話しは数多く聞いた。
発達障害は小さいときは圧倒的に男の子が見えやすいが、大人になると女性でも見えやすくなる。女の子は(発達障害があっても)言葉の遅れやちょっとした対人関係などで課題やトラブルが発生することが実は少ない。このため小さいころは見過ごされがちである。でも大きくなると、臨機応変な対応が求められることが多かったり、状況をみて動くことがより強く求められるので、社会・組織の中で浮きやすい。
性風俗は1対1の対応で、集団よりはコミュニケーションがとりやすいと思われ、発達障害系の女性でも働いている人がいると思う。実際に当社の個別相談でお会いした人の中にもいる。そういった(自分の意思で選んだわけではない)過去を聞くにつけ、いたたまれない思いをしたが、社会全体でこのような状況が進んでいるというのは僕としても驚きであった。
番組内での鈴木さんの言葉。 性産業というのが、実際、職と共に、住宅であるとか、夜間や病児の保育も含めた保育にまで、しっかりとしたセーフティーネットになってしまっていて、じゃあ実際それが公的なところで、こんなに包括的なサービスが受けられるかといわれると、そうではないというのがかなり、現実なんじゃないかなというふうに思っていて、これ、社会保障の敗北といいますか、性産業のほうが、しっかりと彼女たちを支えられているという現実だと思いますね。
当社につながった女性はかなりの割合で、しかもかなりの速度で就職して行くのであるが、女性の貧困は日々向き合う課題である。よりしっかりと稼げるサポートを目指していきたいと改めて思った。
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