英会話と発達障害のコミュニケーションとの類似点
2015年4月4日
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近々、英語での面接が入りました。僕が面接官のほうです。気が重いです。。。
一応、(以下の過去ブログ記事でも触れているように)米国の大学院に2年間行っていましたので英語はぺらぺらと言いたいところですが、30年程度日本で純粋に育ち暮らした人間としては読みや書きは何とかなるとしても話すのはとても難しいです。
2年前に書いた『MBAと起業(1)』
http://ceo.kaien-lab.com/2011/04/2mba.html
ただ、外国で暮らしたことで発達障害の支援にはとても役に立つことがあります。それは発達障害を疑似体験できたことです。
発達障害の人は、止まったコミュニケーション(つまり自分のペースで出来る、文字など静止した情報でのやり取り)は得意な人が多いのですが、動きのあるコミュニケーション(つまり相手のペースに合わせることが必要な、主に口頭でのやり取り)は苦手な人が多いです。前者のような情報の止まったコミュニケーションを当社では静的コミュニケーションと言っており、後者を動的なコミュニケーションと言っています。
発達障害の人は動的なコミュニケーションと静的なコミュニケーションの熟練度のギャップが大きいことが特徴で、(静的コミュニケーションだけでも卒業できる学校までと違い)、仕事では急に動的なコミュニケーションが求められるので大変なわけです。
実はこの難しさは外国語だとどんな人でも感じる状態です。僕も(一般的には英語は得意な方ですが)英会話になるとてんでダメ。なぜかというと英語の読み書きは静的コミュニケーションで、会話は動的なコミュニケーションだからです。発達障害の人はこうした外国で暮らす状態を国内で味わっているような印象です。
なので日々のコミュニケーションで気を使って苦しいだろうなぁと思うわけです。また話すだけではなく、多くの動的なコミュニケーションでは聞きながら考えるとか、聞きながら書くということもあり、同時並行も求められます。僕も、MBAのクラスで、先生の言っていることはその瞬間はわかるのだけれども、ノートにまとめられなかったり、頭で同時に整理しながら聞くことができていないので数分後には何を言っているのか忘れてしまったりというのが良くありました。。。
この類似点に早い段階で気づけたのはKaienやTEENS、ガクプロのプログラムを作るうえでとても有益でしたし、今も有益です。
ちなみに、僕は米国で暮らすにつれて、徐々に動的なコミュニケーションもとれるようになりましたが、やはり最後は静的なコミュニケーションをより発展させることでなんとか同級生と同じパフォーマンスを出すような戦いの形を身につけました。例えば、面接というのは臨機応変に即時応答しないといけない戦いなので、事前に準備して静的な情報に落として対処したり、それでもダメな時に備えて図とかグラフとかホワイトボードとかを用意して見せながら話すという戦い方です。
こんな感じで発達障害の人に採用面接やその後の職場でのコミュニケーションを伝える時に、米国での2年間は役立っているわけです。共感できるというのは支援者としてとても大きな部分です。数日後に苦しみを体験する場がやってくるわけですが、今の仕事にも生きている!と前向きに考えることとします。
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