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自閉症児の父 米大統領選で存在感Kaien社長ブログ

2019年12月22日

Kaien社長の鈴木です。

米大統領線で「自閉症」が頻出ワードに

以前も紹介しましたが米大統領選挙の民主党予備選でAutism、つまり自閉症という言葉が頻繁に聞かれます。アジア系(両親が台湾からの移民)では民主党初、そして自閉症児の父であるアンドリュー・ヤンが、健闘しているからです。

写真は公式サイトから https://www.yang2020.com/

実は当社の放デイTEENSのニュースレターでも既にご紹介済みのアンドリュー・ヤン。[参考] アジア系初の米国大統領を目指すヤン氏 息子の自閉症について語る ~発達障害 子育て応援マガジン~

ドナルド・トランプ現大統領に挑むための候補を決める民主党予備選はこれまで20人以上が立候補。今までにアンドリュー・ヤンを含む7人ほどに実質絞られています。立候補した時は、政治家でもない、有名起業家でもない、という正直泡沫候補だったのですが…今年8月にはSpaceX/Tesla Motorsのイーロン・マスクの支持も受けて、若者層を中心にさらに票を伸ばそうと懸命です。(Twitterはそのやり取り)

障害がある人が普通(New Normal)になる未来

年が明けるとアイオワ州(2月3日投票)・ニューハンプシャー州(2月11日投票)と、およそ1年間に渡る米大統領を決める選挙戦が本格スタートします。

つい先日(12月19日)にテレビ討論会があり、会場に向かって「自閉症など特別教育を受けている人が家族にいる人は?」と問いかけながら、アンドリューが大きな喝采を受けるシーンが有りました。(下記がそのYouTube動画)

実はアンドリュー・ヤンが描く未来はそれほどバラ色では有りません。

AIやロボットが21世紀の鍵を握る。AIは中国が急速に開発をしていて米国がNO1で有り続けるためには競争に勝ち続けないといけない。しかしAIやロボットは限られた層にしか繁栄をもたらさない。それによって富める者と貧しき者の格差が広がる。メンタルを病むものなどは増え、障害はニューノーマルになり得る。そのような社会を許してよいのか?というのがアンドリュー・ヤンの訴えの根底にあります。

社会派ベンチャーの創業で得た冷静かつ大胆な視点

アンドリューは元々コロンビア大学のロースクールを出たエリート弁護士。年収は1億円を優に越していたそうです。しかしその後2つの起業(有名人から寄贈してもらったものをオークションに掛けるサイト運営、有名大学院への受験予備校経営)を経て、Venture for Americaという、米国の廃れつつある地域にベンチャーマインドの若者を研修後に送り込み、地域の雇用を増やす非営利団体を立ち上げています。(Teach for Americaを思い浮かべた人も多いと思います。たしかに起業版だとアンドリューは説明しています。)

Venture for Americaは、これまで8年ほどで14の都市で3,500の仕事を作り出したといいます。しかしそこでアンドリューが感じたのは、数千の仕事を作り出しても、GAFAなどの巨大企業が潤う中で、地域の接客販売・運転・工場労働などの仕事が数万、数十万単位で失われ、それがドナルド・トランプ大統領を生み出した民衆の不満に繋がったという自分の活動への無力さでした。

アンドリューが大統領選への出馬を決意したのはそうした背景があります。彼の政策は、

  • Googleの検察やAmazonの販売の一つ一つに僅かな課税をしていくというものや、
  • ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI 政府がすべての国民に対して 最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給する政策)を「自由の配当(Freedom Divident)」と導入を訴えていたり、

と非常に先鋭的です。

仕事をすることが贅沢になる社会になるのか?

今、日本で、おもに東京と大阪で、発達障害の人の支援をしていると、AIやロボットで障害者雇用の多くが無くなるのではないかという懸念を覚えている人が多いことがわかります。

個人的にはAIやロボットが進むと実は発達障害の人は雇用の上で有利になるかもしれないと思っていますが、全人類的には働くことが難しくなる可能性があり、驚異とも言えます。フルタイムで仕事をすることが贅沢というような世の中が数十年後に来ているかもしれません。ユニバーサル・ベーシック・インカムの導入は将来的に日本でも必要ではないかと私も思っています。GAFAによる富と仕事の一極集中だけではなく、今の日本の政府や官僚を見ていると、非効率な富の分配だったり、結局利権の私物化が懸念されますので、新しい形の富の分配が効率面でも効果面でも求められると思います。アイデア自体の良さ悪さよりも、導入時の大混乱をどう防ぐかが課題なのだとは思います。

私自身は政治家になるつもりは有りませんが、一人ひとりが充実した人生を送ったり、その中で重要な位置を占めてきた「働くこと」が、今後も多くの人にに生きる意味を与えてくれるものになり続けてほしいなと感じています。アンドリューによると、アメリカの職業訓練の効果は0~15%のものばかり、つまり予算を積んでも、実はあまり雇用に結びついていないということ。アンドリューが当選する確率は今のところ1%もないと言われていますが、ぜひ奇跡が起きてほしいですし、私もおなじ発達障害の子どものいる父親として、当社や福祉に使われる時間とお金が、ほんとうの意味で社会の前進につながるように現場で頑張り続けたいと思います。

 

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴社長ブログ一覧

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