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シリーズ「10代の発達障害を考える」③ 小・中・高で異なる学びの壁

2014年3月28日

発達に凸凹のあるお子様向けのTEENSが6月に2拠点目を出すことになった。TEENS横浜である。満員御礼が続くTEENS新宿も、新しく開設するTEENS横浜も、通っているお子さんが大人になって振り返った時に、「TEENSに通っていて良かった」と思ってもらえる、楽しく深く実り多い場としていきたい。TEENSを説明する意味もかねて、10代の発達障害について考えている。
3回目の今日は「小・中・高で異なる学びの壁」を考える。

TEENSはもちろん、大人になってガクプロやKaienに通う人たちの話を聞いていて思うのが、高校になって苦労するケースが多いということである。もうちょっというと大学受験に苦労するケースが多い。これは、小中学校までの勉強といろいろとルールが変わることが大きいと思う。以下、高校の時の変化だけでなく、小中のときや大学での壁も含めて、簡単ではあるがまとめてみた。

<小学生 概念の壁>
小学校の時の壁の一つは概念の壁かなと思う。実は小学校で教わることは、基礎的ではあるが、根源的。1+1がなぜ2になるのか、時計を読むためにいつの間に60進法の概念を理解しないといけない、またこれは小学校の範囲かわからないが「ゼロ」という人類が”つい先日”獲得した概念も当たり前のように教わる。漢字も意味と音があり、呑み込みの弱い、一つの視点から考えやすい、発達障害(いわゆる学習障害的な難しさがあるケース)の子はなかなか苦戦する。これが概念の壁である。

<中学生 難易度の壁>
中学校で勉強ができにくくなる子の場合は、純粋に難易度の壁に阻まれることが多いと思う。小学校までの単純な知識ゲームから、少し応用が出てくるのが中学校。ここで難しさを感じて得意教科と不得意教科が一気に出てきてしまう子が目立つ。もちろん、中学校の時は、周囲の子たちも落ち着かず、思春期でませていく同級生に取り残される感じがでてきて、精神面でも落ち着きがとりにくくなるのも懸念材料ではある。

<高校生 量の壁>
中学校までの勉強、あるいは高校でも定期テストまでは、暗記が通用しやすい。例えば英語の定期テストも、試験範囲の英語と日本語訳を丸暗記できれば、じつはかなりの部分は答えられる試験が出てくる。コツコツ勉強するタイプで有れば、定期テストはクリアしやすいのである。一方で、高校になると実力テストや大学の入試は、範囲がわからず、記憶で通用できる範囲を超えることが多い。このため、これまでの勉強方法が通用しなくなる。もちろん、中学校の時に「量の壁」にぶち当たる子もいるし、小学校の時からもいるのであるが、入試に関連したテストで出やすくなってくるように思う。

<大学生 リポートの壁>
ちなみに、 10代の最後になる大学での難しさの筆頭はリポート・論文。大学入試までと違って、自分で問いを立てる、というのがリポート。これに苦戦する人が多く、ガクプロでのサポート内容にもなっている。

これを上手に乗り越えて、 大人になってから自分の特性に気づくのが良いとも限らず、小さいころから苦労を重ねても、自分自身の凸凹を上手に理解するきっかけになり大人ではスムーズに社会に溶け込むケースもあり、どちらがよいかは本当にわからない。

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