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広がるか? 発達障害に特化した精神科デイケア発達障害専門プログラムの診療報酬化(2018年~)に伴う予想

2018年5月20日

ここ最近の平日はほとんど大阪に滞在しています。当社としては関西初拠点となる就労移行支援事業所 Kaien大阪天六の立ち上げのためです。何回かシリーズで設立日記を書いてきましたが、カウントダウンが始まっていて、その役割をスタッフのブログの方に移管させていただきました。

ということで社長ブログは普段の視点(会社の立ち位置や、発達障害支援の全体感、採用に関する目線)に戻ってお伝えしようと思っています。通常モード第一回となる今回は、『発達障害専門の精神科デイケア』の動きを取り上げたいと思います。

【参考】社長ブログ: Kaien大阪 設立日記⑥ 関西10連泊で設立準備
【参考】スタッフブログ:<Kaien大阪天六 2018年6月オープン> 関西初拠点 カウントダウン

成人発達障害支援研究会 キックオフイベントに参加して

上述の通り大阪滞在がルーティンになっていて特に説明会など開きやすい土曜はここ最近は関西に滞在していましたが、先週はあるイベントが有るということで早めに東京に戻っていました。それが「成人発達障害支援研究会」の第6回研究会のキックオフイベントです。

「成人発達障害支援研究会」は、この界隈では知らない人がいない昭和大学附属烏山病院が事務局をされ、5年前の2013年にたちあがった研究会です。主に全国で成人の発達障害支援を行う病院・クリニックが参加されています。立ち上げの2013年の頃から、当時烏山病院の病院長で今は晴和病院に移られている加藤先生に気にかけて頂き、参加を許されて今に至ります。

個人的な参加頻度としては年一回ほどではありましたが、研究会には厚労省や東京都の担当者がいらっしゃる他、全国の中核となる病院から医師やコメディカル(精神保健福祉士や臨床心理士等)が集まってきています。このため福祉界隈・企業界隈しかしらない者にとっては参加させて頂けるだけでも大変貴重な場です。(今回は”民間代表”として急に挨拶も振られ、タジタジでした…。)

精神科デイケアは統合失調症やうつ/双極性障害などが主な対象だった

そもそも精神科デイケアというのを皆さんはご存知でしょうか?このあたりは素人知識で申し訳ないのですが、精神科に通う患者さんが日常生活のリズムを取り戻し社会適応力を高めるために医師の指導の元、コメディカルが実践していくものです。

ただもともとは統合失調症やうつ/双極性障害などを想定したプログラムであり、実は医療としての報酬体系もそれを念頭に置かれて作られていました(もとい、いたそうです。)ですので、発達障害の方向けのプログラムを実践しようとしても、報酬体系的に(つまり病院の売上的に)、またプログラムの内容的に、どうしても中途半端になったり、そもそも採算が取りづらかったりというのがあったようで、発達障害のデイケアというのはなかなか広がっていませんでした。

事実、Kaienの就労移行支援に通われる方で、もう少し医療のサポートを受けながら、コミュニケーションや日常生活を学んでほしいなというタイプの方がいても、なかなか日中の活動が出来る精神科デイケアを発達障害の人向けに開いているところがなかったのが実情です。そのため、うつの患者向けのところに(効果はどれほどかわからないけれども)つないだり、それこそ昭和大学附属烏山病院や晴和病院などごくごく限られた病院・クリニックにつなぐということしか出来ませんでした。発達障害の方を受け入れてくれる精神科デイケア探しというのは当社のスタッフの業務の一部になっていたほどです…。

(解説:ある程度”整った”人はダイレクトで就労移行支援でサポートが出来ますが、やはり二次障害などもある方は、ご本人の障害特性の受け入れや、日々の生活の困難性が高まり、就職活動から遠ざかってしまう時期が長くなってしまう場合があります。この場合、福祉の就労移行支援よりも、医療デイケアにつないだほうが良い方が多いのです。当社でも全体の数%程度ですが毎年、医療デイケアにいったんリファーし直すということが起きます。)

なお、これも念の為ですが、精神科のデイケアというのは病院・クリニックで受けますので、医療サービスの一環です。一方当社が行っている福祉サービスでも同じような発達障害のデイケア的なものはあります。例えば自立訓練(生活訓練)事業と呼ばれるもの、あるいは就労継続B型でも似たようなサポートをしてくれるところもあるかもしれません。地域活動支援センターというのも福祉の領域で就職にまだつながらない人を支援してくれる日中の場所です。が、やはり病院やクリニックは、医師が直接に関われること、だからこそお薬の調節など踏み込んだ支援がしやすいことから、福祉で就労支援をする立場からは大変心強い存在でした。

【参考】使える福祉・医療サービス 発達障害の人が障害者手帳・受給者証等で使える福祉・医療サービス
【参考】発達障害に特化 仕事力向上と就職支援(福祉制度の就労移行支援事業)

小規模な発達障害専門デイケアが設置しやすくなる 診療報酬化による追い風

長くなりましたがこのような状況をみて、成人の発達障害外来を全国で初めて立ち上げた昭和大学附属烏山病院が中心となって、厚労省に働きかけて、この度ようやくのことと聞いていますが、発達障害専門の小規模デイケアを対象とした診療報酬が制度化されたわけです。まだピカピカの制度ですので、今回の研究会でもどのようにすればこの制度を使えるのか、全国の病院・クリニックで解釈に混乱が見られましたが、おそらく徐々に進んでいくものと思われます。

なお当初はASD(自閉症スペクトラム圏)の方が主な対象であり、40歳未満の方で、働くことに将来的につながると思われる方向けだったり、週1回の利用だったりと、色々と制約はあるようですが、それでもまずは精神科デイケアを通じて働くことに近づくことをこの制度が示せれば、より広い意味で発達障害専門のデイケアが出来てくるものと思われます。素人予想するに、大規模でも出来たり、ADHD向けにもなったり、対象年齢が上がったり、あるいは週の回数が増えたりなのでしょう。

Kaienとして発達障害専門 精神科デイケアの増加にどう寄与・反応するか?

当社としては発達障害専門のデイケアが出来ていただくのは上述の通り大変ありがたいことです。当社として何が出来るかこれから考えていこうと思います。 例えばおそらくクリニックの先生も知らないことがあるかもしれず、日々日々お付き合いのある先生方に直接働きかけていくのもありかもしれません。あるいは今回の発達障害専門デイケアは、明らかに就職を目指したものですので、福祉の就労移行支援として医療には難しいもの(例えばより企業に近いもの)を提供していく必要があるかもしれません。もしかしたら逆に発達障害のデイケアが増えることで知見が支援者内で共通化されていく可能性もあり、知見化されたものを福祉の中でも取り入れてより広い層の人に対応できるスキルを高めるべきかもしれません。

実は10月に北海道・札幌で、今回の研究会の大会が開催されます。そこでは診療報酬化された精神科デイケアの推奨プログラムとなっている、昭和大学附属烏山病院で開発されたプログラムの実践者向け研修会も開かれますので、当社スタッフを派遣しようかなぁと思っています。(あるいは自分自身が行くという手もありですが…。)初回なのでほとんどの参加者は医療関係者かもしれませんが、福祉の関係者も回を経るごとに増えていく可能性もあります。 いずれにせよ今回の制度改正により増える可能性のある発達障害専門デイケアに注目をしていきたいと思います。

Kaien・TEENSの元インターン生が活躍する医療現場

実は今回キックオフイベントに参加して嬉しかったことが一つ。数年前にKaienの子ども向けサービスであるTEENSで働いていたインターン生が、その後、病院にコメディカルとして勤務して、今回のイベントで再会できたことです。

当社のインターンは、TEENSの現場で戦力になってもらうだけではなく(その後当社でフルタイム採用される人もいますが)、Kaienの外で活躍して発達障害の魅力を広げてもらう力になってほしいという思いを込めて採用しています。福祉・医療の外で活躍しているOB/OGもいるのですが、このように医療の中核で発達障害支援のスタッフが当社のOB/OGというのは大変心強いことです。

インターンや採用についての情報も最後に貼り付けておきますので、ご興味のある方はぜひウェブページをご覧ください。

【参考】発達障害のミッショナリーを育てたい 2018Kaien内定イベント
【参考】特集⑥ 学生インターン
【参考】会社説明会・職種紹介

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