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テルアビブ訪問記(2)

2011年1月10日

イスラエルにようやく着いたと思ったら、もう出国の準備。今回は急ぎ足過ぎた。。。滞在したテルアビブすらゆっくり見る時間がなかったし、もちろんエルサレムにも行けなかった。残念。。。

昨日に続いて、テルアビブのハイテク企業で、自閉症スペクトラムの人が働く現場を見て回った。日程の最後はイスラエルの自閉症協会。日本の社会福祉システムの説明や、アスペルガーなど発達障害の人間の雇用状況についてプレゼンをしてきた。

2日間の感想は、日本でもイスラエルでも、自閉症スペクトラムの人の職業トレーニングや就職活動、職場定着について同じ課題があり、それへの対応も非常に似ていること。つまり、正直なところ、すでに日本で気づいていることが多く、また日本のほうが進んでいるところが多く、あくまで自分たちの行っている方向性を再確認したに過ぎない。イスラエルにまで来て何をやっているのかという気がするけれども。。。

訪問先の一つ
逆光で分かりにくいが、スタイリッシュなオフィス

それにしても、この国では仕事を得るには、英語ができないと話にならない。自閉症スペクトラムの人の雇用の問題でも、最初の質問は英語ができるかどうか?である。職場での会話はイスラエル人の間では現地語で行われるが、それ以外(メールや書類関係、それと頻繁にある海外とのミーティングなど)はイスラエル人間であっても英語とのこと。

今日訪問した2社はいずれもイスラエル資本のベンチャーだったが、数年前にアメリカの巨大企業に買収された会社。自閉症スペクトラムの人間が働いている部署も、イスラエルに10人、カナダに10人、中国に3人というような国際的に分散したチームで仕事を普通にしていた。

日本国内にいると、目の前のことで精一杯になりがち。だが、一度外に出て国際化の波を感じると日本の企業、本当に大丈夫かなぁと思ってしまう。つまり、障害者雇用の受け皿になっている大企業が、海外勢に本業で徹底的にやられてしまって、新たな雇用が国内で作れなくなる。そんな事が今現在も起こっているだろうし、将来的にも続きそうな気がする。

今回の視察旅行の目的は、自閉症スペクトラムの雇用に関する海外の事例を調べること。でも、今回一番感じたのは社会保障というよりも、経済の面だった。厚労省や社会保障の問題とは離れているようだが、やはり国として元気のある企業が少なくなると、結局弱者から切られてしまう。

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