自閉症スペクトラム 感覚過敏・鈍麻
2012年9月2日
今議論されている米国医学界の新しい基準DSM-Vでは、自閉症スペクトラムの診断要素として、感覚過敏や鈍麻が、主要ではないにしろ入る見込みだという。
実はこれは非常に大きな要素である。
発達障害の生きづらさの中では、客観視とか認知といった部分だけがひとり歩きする傾向がある。が、実は、感覚的に過敏だったり、鈍かったりで、社会的な制約を受ける人が多い。人によっては、働けない最大の理由は、感覚過敏・鈍麻による苦しさである人もいる。疲労が強く出やすいため、長時間働けないからだ。
Kaienに辿り着く人は、ある程度「感覚」の課題が少なく、1日5時間の訓練には通い続けられる人が多い。KaienはIQが高い人向けなどと言われるものの、実際はそうではないと断言できるが、(発達障害に由来する)身体的な制約が多い人はまだ十分に受け入れられていないのは事実だと思う。
ちなみに米国ではsensory friendly (感覚にやさしい)という名前のついたイベントが、映画だったり、演劇だったり、クリスマスのサンタのイベントだったりで行われているほど、音や光、匂いに敏感んな発達障害の人に気を使った企画が各地で行われているほどである。
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日本だとまだ障害関係の行政担当者が、発達障害は気持ちをサポートすればよい、などと感覚過敏をまったく知らない状態だったりするわけで、愕然とするわけだが、当社もフォローが充分でないという現状では同じ穴のムジナかもしれない。
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