コーポレートサイト : 株式会社Kaien
MENU

第1回成人発達障害支援研究会@昭和大学附属烏山病院に行ってきた

2013年11月1日

4時間以上のロングランの「昭和大学発達障害医療研究センター」開所記念講演会に参加してきた。開所記念と同時に「成人発達障害支援研究会」(ウェブサイトはこちら)も立ち上がったとのこと。当社からは図々しく5人も参加。僕は東京都自閉症協会の一人としての参加という意味合いも兼ねて出席した。

厚労省や文科省からの出席者、北海道や名古屋、山口、そして韓国の事例発表もあった。TOSCA (東京都の発達障害者支援センター)の方や首都圏の発達障害を診る医療関係者、就労支援関係者など馴染みの顔が多かった。

今回、僕が参加させていただいた目的は、医療や病院でできることを知ること。そしてそこから、当社としてできることを理解するということだった。いみじくも、プレゼンテーションの中で院長の加藤先生も当社を例に”株式会社”も参加できるのが発達障害の成人の支援で、大きな中での医療の立場と連携の必要性を仰っていた。小企業ながら営利目的の中でできることを探していきたいと改めて思った。

烏山病院のリハビリテーションセンター入口

どの発表も納得感があったが、今回特に興味深かったのが、ATR脳情報通信総合研究所所長の川人光男先生。紫綬褒章を受けたばかりでノーベル賞候補にもなっている方だとのこと。なるほど、『精神疾患の計算論的神経科学』は、これまでの考えをふっ飛ばしてくれるほど新しい物事の見方で非常に興味がわいた。

これまで、疾患に対応するアプローチは「物理的(機械的な手術)」、「化学的(つまり投薬)」、だけだと思っていたが、脳は電気信号を行う組織なので「電気」によるアプローチもあるというのは、とてもわかりやすく納得。発達障害(特にASD)と他の疾患との「計算論的」な類似点も興味深く、先生の本をじっくり読ませて頂きたいと思った。

また韓国からの発表では、2年以上前にこのブログに書いた「韓国の自閉症スペクトラム率が欧米より高く2%超」ということについて触れられていた。その後、発表されたドクターとお話をしたが、今韓国でもこの数字について議論が有り、調査が行われているという。加えて、「日本や韓国は社会が求めるコミュニケーションのレベルが高いからそういう率がでているのでは?」という問いについては、逆に「欧米のほうがノンバーバルのコミュニケーションを良く使うので、そういった機能が発達しやすく、その基準でみるとアジア各国は有病率が高く出るという考えもある」といわれ、ふむふむとおもった。 

明日は、昭和”女子”大学。今日はもっぱら聞き役だったが、明日は話す方になる。

###

この記事をシェア / ブックマークする
Google+1
はてブ
あとで
Line
ページの先頭へ