自閉症スペクトラム研究 最新情報がTED動画に
2014年6月24日
TEDでいつの間に「自閉症スペクトラム」のプレイリストがキュレートされていた。(カタカナばかりだが・・・) そのトップを飾っているのが最新(2013年)の研究まで紹介した「Autism – what we know (and what we don’t know yet)自閉症についてわかっていること(わかっていないこと)」。
TED Playlist: Autism Spectrum
http://www.ted.com/playlists/153/the_autism_spectrum
Simons Foundationの研究者が出ているが、とてもわかりやすい(でも今のところ日本語訳はない)。話を要約すると、
- 自閉症がスペクトラムであり、非常に幅が広い症状であることを説明し、
- 米国では根強く言われているワクチン原因説を明確に科学的に否定した後、
- 遺伝子が要因の一つであること、
- 例えば自閉症の兄弟がいる場合もう一人も自閉症なのが一卵性双生児の時は70%台、二卵性は30%台、通常の兄弟は20%以下であること、
- ただし一卵性双生児の場合でも100%ではないということは遺伝子だけとは言えないこと、
- たしかにがんや心臓病、糖尿病なども遺伝する傾向があるが、自閉症はさらに遺伝子による要因が大きいと思われること、
- 現在、遺伝子の特定ができているのは全体の25%に過ぎないこと、
- 一つの非常に強い遺伝子の変異(たった一つの文字の変異)で自閉症になることもあるが、関連する遺伝子は200とも400ともいわれはっきりとわからないこと、
- 遺伝子変異は家系の場合もあるが、突然ある人から始まることもあること、、、
などなどが説明されている。
最後には乳幼児(0歳児)のころからアイトラッキングの設備を使い、これまで2,3歳が多かった早期介入のタイミングをより早くしようとしている研究などが紹介されている。
なお、発達障害というのは日本の定義で、米国では自閉症スペクトラムとADHD、LDをかなりクリアに分けて、こういった場所でも自閉症スペクトラムの話に集約する。どちらが正しいかというと日本のあいまいな分け方のほうが現場の感覚としては納得感が高いことが多いのだが、米国でくっきり分ける理由は(僕も完全にはわかっていないが)別の記事でいつの日かもう少し詳しく説明したいと思う。
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