神様コトラー、労働経済、マーケティング3.0、ビッグデータ、そしてプログラミング「パイソン(Python)」まで
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日経新聞の「私の履歴書」。たしか3月だったと思うが、マーケティングの神様と言われ、僕の母校ケロッグ経営大学院の教授である、コトラー教授が執筆した。実は僕の名前も”日本の卒業生”として触れてくれていた。この度、私の履歴書が加筆されて、コトラー教授の最初の自伝として出版されたので買ってみました。
マーケティングと共に フィリップ・コトラー自伝
http://www.amazon.co.jp/dp/4532169224/ref=cm_sw_r_tw_dp_-3Jjub060NM0Z
左から2行目 日産の初の女性執行委員 (星野リゾートの社長夫人でもある)星野さんの次にあります |
実は僕がケロッグにいた時に、コトラー教授の謦咳に接したのは1回だけ、2009年冬だか春だったと思う。その講演の際に、ソーシャルマーケティング(SNSを使ったマーケティングではなく、社会をよくするためのマーケティング)について強調されていたのを覚えている。社会起業とかが流行っていたころだったからというよりも、そもそもこの言葉をコトラー教授が使い始めたのが1971年だというから、いわゆるSNSのソーシャルではなく、社会正義のソーシャルという意味である。コトラー教授の先見性がわかるであろう。
ソーシャルマーケティングのベースとなるのが、コトラー教授の生い立ち、というのをこの本で知った。
コトラー教授はシカゴの移民・労働階級で育ったということで、労働経済が大きなベースにあるということ。これがために、マーケティングという言葉から想像される「企業企業」した概念から明らかに違う、労働者や社会という言葉とリンクすることがわかる。
なお、コトラー教授はNPOとマーケティングという本はだいぶ前に出しているし、政治の世界のマーケティングはもちろん、パフォーマンスアートや博物館などのマーケティングに関するニッチな専門書も発行しているとのこと。
ちなみにマーケティングは、「消費者にモノ・サービスをできるだけ高く、できるだけ多く買わせる」、つまり「ガツガツした営業」と「テレビCMなどの広告」と思っている人が多いと思うが、それはマーケティングのごくごく一部。
コトラー教授によると、マーケティングは①調査、②セグメンテーション/ターゲティング/ポジショニング、③マーケティング・ミックス、④実施、⑤管理とあり、僕の中で①~⑤をまとめると「より良い商品・サービスを送り出すための顧客との対話(発信と受信とその間の分析)」になるかなり広い概念である。
また、コトラー教授が提唱しているマーケティング3.0とは「価値主導のマーケティング」である。
マーケティング1.0は「製品中心のマーケティング」、マーケティング2.0は「消費者志向のマーケティング」ということ。押し込めば良かった(多くの人がマーケティングと思っているプッシュ型)が1.0。プル型で消費者のニーズを形にするのが2.0としたら、価値観を一緒に作っていくのが、3.0なのだとおもう。
その中で驚いたのが、今ケロッグのMBAは、TwitterなどのAPIを利用する授業があったり、パイソン(Python)を使いこなす授業があったり、超データドリブン(Data Driven=情報主導)な感じになっているということである。
当社はまだそこまでデータドリブンではないが、顧客との対話であるマーケティングの中で顧客が残した足跡であるビッグデータはとても貴重な情報。流石にぼくはPythonは無理だが、小さい会社を経営していても、コトラー教授の大きな教えやゼッテルマイヤー教授の最新の教えはとても為になり、まったくかみ合わないと思っていた福祉の分野でもきっちりと運用できているところに、1000万円以上MBAにかけた投資は正しかったのだ、と思ったのでした。
マーケティングの表層ではなくしっかり深部を理解できたのは今に生きている、はずです。学んだスキルを上手に活かして、双方向の経営・企業としての成長を目指していきたいと思います。
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