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2年前グルーポンの創業者達に会う(2)

2010年12月13日

前回のエントリーはこちらから。

レフコフスキ氏の授業は次のような感じであった。彼の周りで始まっている実際の事業から面白そうなものを10個ぐらいピックアップ。興味を持った事業ごとに4人程度の学生がチームを組み、実際の起業家やスタッフと話し合いをしながら学生コンサルティングをするというものである。

日本ではインターンシップで学生がベンチャー企業で働くことがある。(※最低賃金は貰っていないから、活動と呼ばれているみたいではあるが) が、MBAで行われるものは、無料ではあるけれどもコンサルティングという形が多い。レフコフスキ氏の授業もそうだったが、課題を学生側が見つけてあげて、解決法を提案するという、なんとも偉い関係である。

そのうちの一つでレフコフスキ氏の推薦のもと現れたのが、Andrew Mason(アンドリュー・メイソン氏)だった。そうグルーポンの創業者で、今日(2010年12月現在)現在CEOである。

ただ当時は The Pointの社長という肩書きであった。ちなみにKelloggはノースウェスタン大学の経営大学院だが、メイソン氏はノースウェスタン大学の学部生だった。音楽部だったらしい。つまり音大生だったわけである。専攻の楽器はわからないがピアノが得意らしい。

シカゴの1月。寒い夜、だったはずである。でもお腹が出て、Tシャツだか、よれよれのシャツだか、冬とは似つかわしくない格好。いつシャワーを浴びたのかなというボサボサな感じであった。レフコフスキ氏とは真逆な感じで、非常にのんびりとした、スローモーな感じの男だった。

彼はまずThe Pointというサービスに付いて説明し始めた。レフコフスキ氏が1億円を投資して、彼の会社の元従業員であるメイソン氏のアイデアに惚れて始めたサービス。ある政治やボランティアの運動についてウェブサイトに投稿し、賛同者を集めて、お金を集めていくというウェブサイトである。ただこれがうまくいっていなかった。設立後1年経ってもパッとしない。(ちなみにこちらがそのサイト)

そこで2008年の11月、つまり僕が彼らに会う2ヶ月ほど前に、「みんなの力を合わせて何かを始める」というアイデアと「ウェブで場を作る」という部分だけ残して、なにか別なことを始めようと考えついたのがグルーポン。その経緯については英語ではあるがこの記事に詳しい。

レフコフスキ氏が言っているように、とにかくやってみて失敗することが大事。そうじゃないとなにがうまくいくかなんか、プランを書いてもわかりゃしない。グルーポンはThe Pointという失敗を経て、生まれたビジネスである。

卑近な例を挙げるが、当時考えていたKaienの姿と、今の事業内容と、来年以降考えている事業は、かなり違う。「自閉症のイメージを、特性を活かした営利事業をつくることで、変えていく」という柱は一緒ではある。が、オペレーションは当初ナイーブに考えていたものとは大きく違う。グルーポンですらはじめ迷走していたんだからと、最近思い直すようにしている。失敗を重ねることが成功への唯一の道らしい。

そうそう、さっきはメイソン氏の外見や雰囲気についてネガティブなことを書いたが、彼の話しを聞いていて思ったことがある。彼はなによりも脳天気。バカンス中であるかのように悠然としていた。失敗を重ねても、楽しく次を目指す。うーん、今の僕に何よりも必要なことである。米国には起業家が「覚悟」ではなくって、「趣味」でやっているとしか思えない人がいる。はやく僕もその境地に達したいものである。

起業から15ヶ月。こう言うことが分かってきたのは早いのか遅いのか。。。1秒前は過去らしい。前向きに考えていきたい。折角、凄くなる前のグルーポン創業者たちにすれ違えたのだから、そこでの学びを活かして、グルーポンの100分の1でも、1000分の1でもいいから、Kaienをインパクトの有るものにしたいものである。

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