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海外メディア 『米研究:自閉症には少なくとも2タイプある』

今週かなり取り上げられているニュース。カリフォルニア大学の研究者が、オーストラリアの学会で発表とのこと。

『米国の研究グループ 自閉症には二種類あることを突き止める』
US Researchers Identify Two Different Strains of Autism -FOX NEWS-

だいぶセンセーショナルな記事の調子。1960年代にがんの発生原因が複数あることがわかったことに並ぶほど重要な発見だと言っている。

2つの種類とは、以下のものだという。またまだ他にもサブグループがあるかもしれないとのことだった。

  1. 男性だけにみられるタイプ。脳が急に大きくなり、生後18ヶ月すぎに自閉症の傾向がみられるようになる
  2. 男性にも女性にもあるタイプ。免疫システムがきちんと機能していないケース

1,2のタイプとも結局は同じ自閉症の症状を示すのはまだ「よくわかっていない部分」だとのこと。
実はうちの子も、頭がとても大きかったし、今でも大きいので、1はありえるかも、と思ってしまった。免疫の部分については以前から言われていたところであるが、その正体がある程度突き止めたということなのか。メディア程度の記事なので詳しくはわからない。あとは専門家が似たような調査で本研究成果を確かめていくとは思う。

発達障害丁々発止1 『片付けられないアスペルガー!?』

これまで雑然と書いてきた、自閉症スペクトラムを中心とする発達障害に関する私見。これからは「発達障害丁々発止(ちょうちょうはっし)」というシリーズで書いていこうと思う。

というのも、、、(1)あまりに偏った情報や事実から遠い情報が巷に溢れているので、なるべくニュートラルな立場から情報発信したいという思いと、(2)自分も何を以前どこに書いたのかわからなくなるほどブログには記述したものの整理されていない情報があるので同じタイトルで通したいと思ったからである。

特に(1)について、タブー視されて「触れられていない」発達障害の話や、なぜか定説となってしまっている一般的な発達障害の理解に物申すという意味で、丁々発止と名付けた。あんまりしっくり言っていないので後で変えるかもしれないけれども。。。

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何回続くか分からないが第1回、ADHDとアスペルガーについて。。。今回のメッセージは「片付けられない人、特に女性はADHD」というのは誤解のケースがあるということである。もっというと、アスペルガー症候群でも片付けられないことは十分に説明ができるということである。

片付けられない=>ADHDというのは、『片づけられない女たち』という全米ベストセラーによって確立しているようだ。(※なお本ではADDと表記されている。ADHDとADDの違いは僕の理解だと行動面まで影響がでないパターンがADDで出ているパターンがADHD。つまりADDは脳の中で発想が湧き上がりすぎて注意が散漫になってしまうだけで、行動が落ち着かず同じ動作を保持しにくい、という面が見えにくいケースと理解している) 

Amazon.co.jpより

たしかにADHDの人は注意力が散漫というのが特質の一つ。片付けの場面では、一つ一つの物に思いを馳せてしまい、ついつい手が止まってしまう。それがあまりにも頻繁に起こるものだから、なかなか本来の目的である片付けが出来ない、というわけである。たしかにそういうケースはよく聞くし、一緒に誰かに手伝ってもらうという解決方法が取れない場合は、片付けは非常に大変な作業になるのだという。

一方で、アスペルガー症候群の人も、タスクの分解が苦手、分解ができても優先順位をつけるのが苦手、同時平行の思考が必要な作業(※手前のものを一旦テーブルの脇に置いて、奥にあるものを捨てると、テーブルのスペースがアクから、、、などといった思考)が苦手、であることから、片付けが苦手である、という説明もできる。

アスペルガー症候群の人は字義通りに受け止める傾向がどうしてもあるので、一旦自分がADHDと信じてしまうと、アスペルガー症候群という診断を上手に受け止めることができなくなってしまうケースがある。これまでKaienにいらした相談者にも複数そういうケースがあった。片付けができないからADHDというのはちょっと単純すぎるので、本当に気になるケースはやはり専門医に聞いたほうが良い。

なお、「診断好き」なアメリカでは、Compulsive Hoardingという片付けられない症候群というのも診断名に入れようという動きもあって、症候群・診断で理解しようとすると際限がない。。。このCompulsive Hoarding Syndrome はOCD(強迫性障害、つまり買わないといけないと思ってしまう)とADHDが組み合わされている例が多いとWikipediaの英語版では説明している。

発達障害の場合は、白黒つく診断ではないので、本やウェブサイトを鵜呑みにしないことだけは心がけたほうが良いと思う。それとすべての行動を発達障害にひもづけるのが危険。診断名にとらわれず、自分を受け入れることが何よりも重要かと思う。

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コミュニケーション障害というのはやめてください2

今日は新オフィスの視察(内見というらしい)で某所へ。いくつか見させてもらったが、そのうちひとつのオーナーさんと口論になってしまった。

というのもうちの事業を説明したら、非常に嫌そうな顔をして「障害者の方ですか。消防法とかで大変なんですよねぇ」、「コミュニケーション取れない人ってことでしょう?」という発言。僕が発達障害の説明をしてもすれ違う。 「オーナーさんの理解が一番大切なので、そういう理解のない偏見のあるところは結構です」とこちらから願い下げ。

まあ、、、僕の説明がまだ不十分なのかもしれないけれども、そもそも「健常者」のなかでも、コミュニケーションなんて完全に取れないのが普通だし、自閉症スペクトラムの人だってかなりの部分の人は本当にまったく不自由なく取れる。仕事になるとその弱みが少しずつ顔を出す程度なのだ。(※なおそのあたりは以前のブログ「コミュニケーション障害というのはやめてください」でかいた。)

そもそも、僕とその建物のオーナーさんのやりとりがコミュニケーションが取れていない例。ぺちゃくちゃお互いの言いたいことを喋ることがコミュニケーションと勘違いされているようだった。『お互いに日本語をしゃべっているから意思の疎通ができているというのは錯覚だ(羽生名人)』という感じ。

「障害者」と聞いた時点で、知らない世界の、かわいそうな人達が、、、という偏った視点になってしまう残念な人、と思ってその場の感情のやり場にした。こういうナニクソの感情から始まったのがKaienなので、まあ原点を見させてもらった、と思いたい。

こんなシックな感じの場所も紹介してもらった
ちなみにここは口論になった場所ではないです

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「頭でっかちな社会」

日曜の夜。The Economistを聞きながらアイロンをかけるという優雅な時間を過ごしていたら、あまりにThe Economistが興味深く、ついPCに戻った。というのも、日本の、しかも自閉症スペクトラムの人が置かれている状況に関連する部分があったから。

聞いたのは「アメリカの失業」という10分ほどのオーディオ。文章はこちら。 Decline of the working man | Why ever fewer low-skilled American men have jobs

全体のストーリーとしては、手に職をつけていない層(≒建築現場や工場労働者など低賃金の仕事についている事が多く、かつ学歴が高くない層だとのこと)が、米国でここ数年著しく失業率が上がっていることを浮き彫りにし、その問題についての提言を行うという記事。

失業者の多くは2つのグループに分かれると言っている。

一つは監獄にいるケース。米国は他の先進国に比べて圧倒的に犯罪率が高いとのことで、一度犯罪を起こすとその後社会に復帰できないということだった。(※日本ではニート問題のほうが大きいが、アメリカではこちらの層が非常に大きな問題だという)

そして、もう1つのグループが「障害者」のステータスを求めるという層だとのこと。ここに僕は、はっとしたわけである。

米国のシステムはあまり知らないが、(米国は国民皆保険ではないのだが)障害者のステータスを得ると行政のサポートにより医療費の自己負担が減り、また障害者手当(のようなもの)も行政から受けられるので金銭的に自己負担が減るということらしい。

Kaienでも、もともと障害者手帳を持っていない人がたくさん尋ねてくる。その人達が景気が悪く一般枠では就職が難しいので手帳取得を考えているというケースは多い。日本に特異な現象かと思っていたのだが、米国でも進行していると聞いて驚いたわけである。数字まで似ていて、20年ほど前は障害者の比率は全人口の1.5%程度だったのが、今では5%になっているとのこと。

世界経済が加速(加熱?)して、社会が動き、そのペースについていくことが何らかの理由でできなくなった人が「障害者」として顕在化する、ということか。戦略を練ったり、人を使ったりする管理層のみが必要とされ、手足となって現場で動く人は切られていく。「頭でっかちな社会」への速度は日本だけではなく、米国でも起きているのだと感じた。(だけど、米国に住んでいたときはあまりそういった大きな変化には気づきにくかった。暮らしたのがたった2年だったからかもしれない。)こうした変化は当然各所で言われているところだと思うが、その影響が日米で似ているところがあるとは。。。

なお米国では労働生産性が非常に良いペースで上がっていたのだが、それについて本記事で話題の中心にいる生産性の低い層を切り落としたことが要因だと言っている。対応としてはやはり北欧が例に出てきていた。労働市場を柔軟にし、雇いやすくレイオフしやすくする一方で、(発展途上国に職がうつりにくい)熟練した職業人にしていく、ということ。日本では基金訓練という公共訓練があるが、多くはあまり良い評判ではない。策は打てども、何かが足りないらしい。残念ながら。。。

それにしてもさすがThe Economist。視点が非常に高く参考になる。

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震災後感じること 「美しい仙台・東北」など

僕の父親は仙台で学生時代を過ごした。その後ゼネコンで耐震設計の技師になった。ゼネコンを定年退職した今は、原発関係の独法で働いている。

僕がNHK仙台に異動になったのは今から5年前。MBAの為に退職したので1年しか仙台にはいなかった。が、仙台局の放送部に居たときは地震・津波の対応もした。女川原発にも視察に行った。

なので、小さい頃も、働いてからも、地震・津波については他の家庭よりも情報は入りやすかったし、仙台という地についても不思議と縁があった。その仙台が圧倒的に苦しんでいる。最近仙台に言ったのは1月初め。その時は変わらぬ美しい街に感動した。

仙台局でつとめたのは1年。短い間だったが、仙台以外にも足を運んだ。女川は取材で何度も行った町の一つ。風光明媚なところだ。局に帰る前に町の喫茶店でコーヒーを飲んで取材ノートをまとめた。昨夜その付近の写真をネットで見た。その喫茶店はまったくなくなっていた。

仙台空港のある名取市には公私共にお世話になった人がいる。仙台を去るときも車で最後に立ち寄った。「頑張れよ!」と言われた。彼女は今みんなを励ましているだろう。「こんなのに負けられないぞ」って。目に浮かぶようだ。石巻で取材した漁協の人たちも踏ん張っているだろう。頂いた新鮮な海産物は本当に旨かった。

NHKの職員たちも頑張っている。こちらはラジオで安否がわかる。地震直後には宮島さんが大船渡で中継を出していた。普段クールな杉尾さんはスタジオで泣きながらニュースを読んでいた。相馬さんは、大好きな仙台が傷つき、どんな気持ちでニュースを読んでいるのだろうか。僕と一緒に仙台に異動になった同期の新井は仙台市の若林区役所から中継をだしている。新井に限らずみんないつもの予定調和のNHK節がない。想定以上の混乱で恐怖を感じながらの必死の放送だと思う。

僕ができることは何だろうか。

やはり会社の経営が一番。先日もブログに書いたとおり、この景気停滞でさらに厳しくなるであろう自閉症スペクトラムの人たちの就業・定着をもり立てることだと思う。つまりKaienが稼げる組織になって税金を早く納めるまで成長することである。なので今週も訓練や営業などを通常通りおこなっているし、21日(月・祝)のイベント「I have a DREAM 発達障害者継続就労促進会議」も開催する予定だ。会場を貸してくださる日本ノーベルの担当者も「やりましょう」と連絡をくれた。

あとは発達障害の人でこの見通しのつかない中で苦しんでいる人が多いであろう。その情報を少しでもお伝えするのが良いかと思っている。僕がこの1,2日で人から聞き得た避難時の発達障害関連情報は以下の通り。

Kaienのリソースを使って何かできないかとも思っているが、今のところアイデアは思い浮かばず。なので他の専門家の方が書いてくださったものを転載する体裁が続く可能性が高い。

最後に、少し仙台を知る立場として、「被災地」から「生活・観光の地」として魅力をアピールすることじゃないかと思う。まだ助けが届いていない方を考えると不謹慎かもしれない。でも「被災地」についてのことはNHKの彼らが頑張って伝えてくれるだろう。フリーな立場の僕にできる発信と言えば、やっぱり美しい東北を発信することかなぁと思う。暗いニュースが多すぎる今、食べ物の美味しい、美しい東北が早く取り上げられて欲しい。というわけで、少しずつこのブログの端々で東北の名所を取り上げようと思う。1年しかいないので、こちらも他の人の助けを借りながらになるかもしれないが。

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職業に貴賎なし その道のプロになればよい

Kaienのプランを考え始めた2年ほど前と今とで修正しつつあることの一つ。それが、いわゆるホワイトカラーの仕事のみを良しとするのではなく、ブルーカラー的な仕事も重要だということ。当たり前といえば当たり前なのだが。。。

発達障害のイメージは悪い。Kaienというのはそのイメージを変える、同時に持続可能な利益を生み出す組織になるのが目標。もう少し言うと、いままで職を得るのに苦労していた人の中から、世の中の人が「あっ」と驚くような発達障害の職業人を輩出して雇用するのを目標としている。

この場合、ソフトウェアテスターなどホワイトカラー的な、あるいは内勤での活躍ぶりを想定していた。当然これからもその路線は変わらない。やっぱり、「俺達には出来ないのに、こいつすごいなぁ」といわせる状況をあちこちにつくることが、発達障害の人の存在価値を高める突破口になると思っている。

が、同時にブルーカラー的な労働集約的な仕事につくことを応援することも力を入れようと考え始めた。もちろんその職業が数年後もあるかどうか、、、というような所に輩出しても仕方がない。でも、労働集約型のビジネスモデルは今後も見通せる限りあり続けると思う。その組織を支える職種の中で、発達障害の人が力を発揮できる部分は色々見つけられそうだと思うようになった。

そういったニーズをお持ちの親御さんの声は連日のように聞くし、その分野でお金を稼ぐ仕組みもKaienで作れない、と決め付けるのも時期尚早。。。というか取り組む前からは諦めたくない。実際になんだかできそうな気もしている。

ソフトウェアテストのような、いわゆる「健常者」を凌ぐ、というようなかっこ良さはないかもしれない。給料も安いかもしれない。でも長い目で見るとコツコツと働き、その道のプロだね、と評価してもらえるような発達障害の人も当然たくさんいて良い。それが本人の自尊心の向上につながるし、多くの人が持つ発達障害のイメージを変える力になるはずである。

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2年前グルーポンの創業者達に会う(2)

前回のエントリーはこちらから。

レフコフスキ氏の授業は次のような感じであった。彼の周りで始まっている実際の事業から面白そうなものを10個ぐらいピックアップ。興味を持った事業ごとに4人程度の学生がチームを組み、実際の起業家やスタッフと話し合いをしながら学生コンサルティングをするというものである。

日本ではインターンシップで学生がベンチャー企業で働くことがある。(※最低賃金は貰っていないから、活動と呼ばれているみたいではあるが) が、MBAで行われるものは、無料ではあるけれどもコンサルティングという形が多い。レフコフスキ氏の授業もそうだったが、課題を学生側が見つけてあげて、解決法を提案するという、なんとも偉い関係である。

そのうちの一つでレフコフスキ氏の推薦のもと現れたのが、Andrew Mason(アンドリュー・メイソン氏)だった。そうグルーポンの創業者で、今日(2010年12月現在)現在CEOである。

ただ当時は The Pointの社長という肩書きであった。ちなみにKelloggはノースウェスタン大学の経営大学院だが、メイソン氏はノースウェスタン大学の学部生だった。音楽部だったらしい。つまり音大生だったわけである。専攻の楽器はわからないがピアノが得意らしい。

シカゴの1月。寒い夜、だったはずである。でもお腹が出て、Tシャツだか、よれよれのシャツだか、冬とは似つかわしくない格好。いつシャワーを浴びたのかなというボサボサな感じであった。レフコフスキ氏とは真逆な感じで、非常にのんびりとした、スローモーな感じの男だった。

彼はまずThe Pointというサービスに付いて説明し始めた。レフコフスキ氏が1億円を投資して、彼の会社の元従業員であるメイソン氏のアイデアに惚れて始めたサービス。ある政治やボランティアの運動についてウェブサイトに投稿し、賛同者を集めて、お金を集めていくというウェブサイトである。ただこれがうまくいっていなかった。設立後1年経ってもパッとしない。(ちなみにこちらがそのサイト)

そこで2008年の11月、つまり僕が彼らに会う2ヶ月ほど前に、「みんなの力を合わせて何かを始める」というアイデアと「ウェブで場を作る」という部分だけ残して、なにか別なことを始めようと考えついたのがグルーポン。その経緯については英語ではあるがこの記事に詳しい。

レフコフスキ氏が言っているように、とにかくやってみて失敗することが大事。そうじゃないとなにがうまくいくかなんか、プランを書いてもわかりゃしない。グルーポンはThe Pointという失敗を経て、生まれたビジネスである。

卑近な例を挙げるが、当時考えていたKaienの姿と、今の事業内容と、来年以降考えている事業は、かなり違う。「自閉症のイメージを、特性を活かした営利事業をつくることで、変えていく」という柱は一緒ではある。が、オペレーションは当初ナイーブに考えていたものとは大きく違う。グルーポンですらはじめ迷走していたんだからと、最近思い直すようにしている。失敗を重ねることが成功への唯一の道らしい。

そうそう、さっきはメイソン氏の外見や雰囲気についてネガティブなことを書いたが、彼の話しを聞いていて思ったことがある。彼はなによりも脳天気。バカンス中であるかのように悠然としていた。失敗を重ねても、楽しく次を目指す。うーん、今の僕に何よりも必要なことである。米国には起業家が「覚悟」ではなくって、「趣味」でやっているとしか思えない人がいる。はやく僕もその境地に達したいものである。

起業から15ヶ月。こう言うことが分かってきたのは早いのか遅いのか。。。1秒前は過去らしい。前向きに考えていきたい。折角、凄くなる前のグルーポン創業者たちにすれ違えたのだから、そこでの学びを活かして、グルーポンの100分の1でも、1000分の1でもいいから、Kaienをインパクトの有るものにしたいものである。

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2年前グルーポンの創業者達に会う(1)

昨日の自閉症協会の忘年会でスピーチした内容。ちょっと場違いだった感もあり、でも残しておきたいのでこの場を活用する。

2年前の冬。僕はシカゴ近くのエバンストンにいた。MBAの2年生だった。Kaienの構想を練り始めてまだ数ヶ月たったころ。連日手探りの状態だった。とにかくどうでもいいことばかりしていたように思う。

ビジネスプランに集中するため、授業の方は限界までコマ数を落としていたが、そんな中でも学生の身分を保たせるためにいくつかの授業には出席していた。そのうちの一つが、Eric Lefkofsky(エリック・レフコフスキ氏)の授業である。グルーポンの創業者の一人だ。

彼はいわゆるブリック・アンド・モルタル事業(レンガとモルタルで作っているような古典的な小売店や事業)にインターネットなどのシステムを導入することで、劇的に値段を下げ、使い勝手を向上させ、業界を変えることを得意としていた。一部にはそういう事業に「見せる」ことが得意という批判もあるらしい。

ドット・コム・バブルに上手く乗り、信じられないほどの高値でその時持っていた会社を売り抜いて、おそらく30代前半で、億万長者になった彼は、その後も出版業(※たしか注文にネットを取り入れて中小企業向けにサービスを入れる会社でNASDAQ上場)や流通業(※ここは見学に行かせてもらえたが、帰りのトラックは空のことが多いのだが、その情報を荷物を運びたい人と上手にマッチングさせるシステムを創りだした会社で、やはりNASDAQ上場)に「革命」をもたらして、シカゴの起業家仲間では知られた存在だった。

その彼がなぜかKelloggで授業を持っていた。もちろん外部講師という形ではあるが週に1回3時間の授業をしていた。ちなみに教科書は彼の著書である。1回目の授業に購入して行ったら、彼はなんと無料で配布していて、「太っ腹!」と思ったものである。

これ訳したら儲かりそう
頼んでみようかな?

正直人気の無い授業だった。50人ぐらいが定員だったが登録していたのは20~30人前後。レフコフスキ氏は多動であり、歯に衣着せぬ物言いであり、また、ちょっと独特というか変わっているというか、なんとも掴みどころのない話ぶり。面白みはあんまりなかった。(実際に多動で有名らしく、ADHDの傾向は非常に強いと思う) 米国のMBAにいる先生は学生へのサービスがほんとうに上手だし、授業の管理も上手だけれども、レフコフスキ氏はいつもグタグタの授業であったし、本に書いてあることの繰り返しである部分もあって、回数を重ねるごとに受講者数は減っていった。何を隠そう、僕も、結局3、4回出ただけでその後は通わなくなってしまった。

それでも、彼が言っていたことで覚えているのは、ビジネスの味噌は一緒だ、ということ。たしかにそうじゃないと一介の弁護士がいくつもの企業を成功させられるわけはない。それとお子さんを病で亡くしていることがあり、多額の私財をつぎ込んで子供向けの慈善活動をしている、と話していたのを記憶している。

長くなりすぎたので、一旦区切ろう。続きは、、、今夜中にかけるかも。。。

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自閉症の子どもに人気のサンタクロース

週末は米英の自閉症スペクトラム関係ニュースを調べている。今日のニュースは「さすがアメリカ」と思わせてくれる話題。ちょっと感動した。

場所は米国の西海岸、オレゴン州の都市、ポートランド。英語だが動画で見ていただきたい。(KGWという地元テレビ局)

内容はというと・・・自閉症の子どもは感覚過敏の場合が多い。照明がキラキラしていたり(視覚)、人ごみでうるさかったり(聴覚)する場は苦手。サンタクロースが大好きなのに、普段行われるサンタのイベントは賑やかすぎてなかなか行けない。そこでSensory Friendly Santa(感覚過敏の子供にフレンドリーなサンタ)という企画をショッピングモールで行った。クリスマスツリーの照明もオフ、クリスマスソングも無し、一列に並んで写真撮影、という非常にシンプルなものにした・・・というもの。英語の記事はこちらから。

「え、その程度で」という声が聞こえてきそうだが、その程度の理解とか配慮ができないのが、残念ながら一般社会。この程度ならば日本でも簡単に行えるだろうし、ぜひこのイベントのまねをするところがたくさん出てきて欲しいものである。

映像の中に出てくる、子どもたちの笑顔がなによりもよい。ある親が「あの子の笑顔を見て、上手にやってる、私(良い意味で)ショックだわ」と嬉しそうに言っているのは、ちょっと感動。

ちなみに、感覚過敏でない人もいるし、一方で感覚が鈍感な人もいる。自閉症スペクトラムには多彩さがあるのを最後に付け加えておきます。

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発達障害天才説について ~マイクロソフトやフェイスブックも!?~

古くはアイザック・ニュートン

20世紀ではアルバート・アインシュタイン

最近ではビル・ゲイツ

こういった人たちが、自閉症スペクトラム(多くはアスペルガー症候群と言われることが多いが)だと噂されている。確かに、例えばアインシュタインは、5、6歳までほとんど言葉をしゃべらなかったといわれ、今で言うと自閉症が即連想される子であったらしいし、大人になってからもその特異な言動はよく知られているところである。またビル・ゲイツにしても、米国に僕がいたときに、「ビル・ゲイツと親しい人の友達」から聞いたのだが、彼は自分の興味のあることは非常に雄弁だが、その他のことになると会話がdysfunctionalな(機能しない、上手くいかない)人だということであった。

またもっと最近、というか現代になると、5億人のユーザを抱えるFacebook。この創業者・CEOであるマーク・ザッカーバーグが、アスペルガーだという噂を聞く。

asperger mark zuckerberg とネット検索すると2万件ぐらいがヒットする。また3年ほど前に放送された米国の番組では、しきりに彼のコミュニケーションや行動のawkwardness(ぎこちなさ、不器用さ)を指摘している。この番組ではFacebookの広報から「CEOは変わっています」と取材陣に忠告したと伝えている。(3分10秒あたり)

ふむ。で、発達障害天才説である。

確かに上述の人たちが発達障害(知的遅れを伴わないタイプでアスペルガー症候群や広汎性発達障害)だという可能性はある。それに、人類の大きな進歩は発達障害の人達によってもたらされている可能性は非常に強いと個人的に思っている。だからこそ、そういった遺伝子が人類の中に残っているのではないかとも。

でも、今の大多数の、圧倒的多数の発達障害の人にとって、「発達障害天才説」はそれがわかってどうなるものでもない。上手に周りとつながれない感覚や、就職に困る状況、職場に定着しにくい状況が変わるわけでもない。あるいはいじめられた過去が変わるわけでもない。

むしろ、かえって無意味な期待をかけられたりして迷惑だと思う。どんなセグメントで切っても天才は存在するわけで、一部の数学者やプログラマーをもって、発達障害はこういうものと決めつけられている気がするからである。

なので、このエントリーをすること自体が矛盾するかもしれないが、天才的な発達障害の人(あるいは発達障害と思われる人)を探すことは意味のないことだと思うので、辞めて欲しいわけである。確かに天才は存在するのかもしれないが、それを取り出したからと言って現状が変わるわけでもない。

コミュニケーション障害と呼ぶのはやめて下さい

今日の職業トレーニングは、4日に1度僕が担当する日。といっても講義形式ではなく自主プロジェクトをスーパーバイズする形が主。SNS関係とウェブ関係の2つのプロジェクトが動いているんだけれども、どちらも本格的な感じで1ヶ月半後の訓練終了時の成果が楽しみである。

さて、夜は打ち合わせ。Kaienの職業トレーニングについては、いろいろな学会で論文として発表していくつもり。これには福岡教育大学の教授で精神科医の納冨先生と、NHKの猪瀬さんに関わってもらっている。

猪瀬さんは僕がNHK鹿児島時代にお世話になった別部署の方。5年以上音信不通だったが、ひょんなことから、論文執筆団の一員に入っていただいている。猪瀬さんは鹿児島時代に社会人入学して障害者雇用で博士課程(!?)を取られていて、Kaienの事業内容について論文にまとめるには本当に適した方。Kaienのミッションにも共感してくれているし、なにより鹿児島で一緒に焼酎を飲んだ仲である。

いつもはNHKにお勤めなので、論文を書くのは深夜か土日。直接会う機会はなかなか取れなかったが、なんとか今夜は都合をつけてもらった。というのも、論文の方向性として若干2人の間でズレを感じたからである。

特に僕が主張したいのが、「アスペルガーや広汎性発達障害は、俗に言うコミュニケーション障害でない、あるいはその障害レベルが感じられない場合が多い」こと。これを論文のメッセージにして欲しいと今日は頼み続けた。

コミュニケーション障害というと、まったく話が通じない相手のように思われてしまうけれども、多くの場合、程度の問題。大体「健常者」でも、コミュニケーションスキルに自信がある人ってどれだけいるのだろうか?多かれ少なかれ誰でも上手にコミュニケーションできない経験は毎日のようにするし、苦手な人と話すときはなかなか意思疎通が難しかったりするもの。コミュニケーションが優れた「健常者」ばかりだったら、そもそもこんなギクシャクした社会であるはずがないし。。。

もちろん自閉症スペクトラム(アスペルガーや高機能自閉症など)と診断された人の中に、俗に言うコミュニケーションが難しい方もいることは理解している。が、Kaienのところにくる方々に限っていうと、業務上は特に認識の齟齬を感じない方がほとんど、というのが現状である。コミュニケーションに関してはいかに「障害者に接している」という過剰な配慮を取り去り、普通に接してもらえるかが鍵となる場合が多い。

もちろん若干の理解・配慮が必要とされる場面もあるが、職種や職場環境次第で多くの部分は目立たなくなる。そして今僕が読んでいる神田橋先生の本にもあるように、「発達障害の人も当然発達する」わけである。

僕らが書く論文で「アスペルガー=コミュニケーション障害」のような短絡的な、誤解を与えやすい定義が早く無くなればいいと思っている。

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