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発達障害丁々発止3 『私のせい?あなたのせい?』

発達障害(※)の人が職場で悩む一番の問題は、やはり対人関係。指示の取り違いによる上司・同僚とのトラブル、臨機応変な対応ができないことによる周囲のフラストレーション、自分の表情が硬かったり相手の表情を読みにくかったりによる「心」の会話の不十分さ、などなど。コミュニケーション不全ではないが、微妙にすれ違っているケースが多い。求職中の場合でも基本的には同じで面接やインターンシップの時にそのズレを面接官に感づかれて落とされてしまうことが多い。

とはいえ、Kaienの修了生など活躍しているケースもある。活躍しているというのは現場で戦力になっているということ。障害者雇用であれ何であれ、売上を上げるかコストを下げるか、どちらかに寄与しているという訳である。

活躍できているケースと、パフォーマンスが上がらないケース。一体何が違うのか?結論から書くと、本人の問題だけでなく、周囲の管理レベルに問題があることが多いと思っている。

対人関係やコミュニケーションは一人ではできるものではない。かならず人が複数いて成立するものである。キャッチボールで例えてみると、、、大暴投されたらそれは投げた方の責任。胸の前に投げてあげて取れなかったらそれは論外。受け手の責任。でも、腕を伸ばせば取れたんじゃない?胸の前にそもそも投げている?という疑問は常に生じる。エラーは記録上どちらかに必ずつくけれども、イチゼロの責任分担ではなく、多くはグレーである。

とりやすいボール?
by strollers

実際Kaienの修了生などが活躍しているケースは、本人もさすがだなぁと思うけれども、受け入れ側のレベルもやっぱりすごいなぁと思うことがほとんど。もうちょっと言うと、出来る人たちに囲まれると能力を発揮できる発達障害の人が多いわけである。優秀な管理者に恵まれると『1+1>2』になる感じだ。

そういえば、Kaienを設立するきっかけとなったSpecialisterne(デンマークのアスペルガー症候群の人ばかりを雇用するIT企業)でも、発達障害の従業員と一緒働くと管理した側のレベルが上がるといっていた。マネージャーとして何をすべきかがとても明確になり、発達障害でない人と働く際にも有効だとのことだった。

僕の好きな宋文洲さんの言葉に「管理職の仕事を人を管理すると勘違いしている人がいる。本来は業務を管理すること」というのがある。人を管理しようとすると、表情を読んだり気分に合わせて指示を出そうとする。一方で、業務を管理しようとすると、どうしても構造化して伝えることになるし、視覚化して伝えることになるし、定量化して伝えることになる。福祉の世界で自閉症スペクトラムの子供に接する基本原則を、実はビジネス界の出来る人は普通にしている感じなのである。

こういうと言い過ぎかもしれないが、つまるところ、発達障害の人の管理法をまとめた本をつくろうとすると、MBAとかのリーダーシップ論の本と、表紙は違うけれども中身はほとんど一緒、になるのではないかとつねづね思っている。別に特別なことをする必要はない。同じ人間だし、発達障害の人に心地良いものは多くの人にとっても心地よいもの。ユニバーサルデザインの管理法ともいうべきか。

もちろん発達障害特有の難しさはあり、この夏からKaienでは富山大学の先生方と『知的に遅れのない自閉症スペクトラム障害のある方への効果的なマネジメント(経営管理)の在り方』を研究し始めたところ。もとい、研究に協力させていただいているところである。上手な管理のあり方をいろんな人と模索していきたい。

※特に大人になってから生きづらさを感じる人はADHDよりもアスペルガー症候群など自閉症スペクトラム系の人が多い Kaienの経験だと8~9割はアスペルガー症候群などの診断であり、ADHDが優位にみられる人は少数派。ただし重なっているケースが多いし、そもそも診断名ではなく個々の状況に対する対応が求められる。

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