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村上主義(村上春樹ファン)と発達障害

2015年4月8日

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最近は、作家の村上春樹さんが期間限定で開設している「村上さんのところ」を覗くのが日課になっています。サイトによると、これまで使われたハルキストではなく、村上春樹さんやその作品を愛する人は村上主義と呼ぶようになったようで、このブログでも使わせてもらいます。

村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト
http://www.welluneednt.com/

僕は正真正銘の村上主義者、、、と言いたいところですが、ごく一部の本しか読んだことはありません。もともと東大の文3に入ったのは、谷崎潤一郎が好きで研究したくて入ったわけですが、文学の才能がないことが良くわかって経済学部に転じ、それ以来あまり小説は読まなくなってしまっています。

このため、最近読んだ村上作品といっても『海辺のカフカ』や『1Q84』程度であり、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は読みたいのですが、読んでいないですし、『ねじまき鳥クロニクル』や『アンダーグラウンド』、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』などもまだ読んでいません。

でもでも、僕は自分のことを、(軽度かもしれませんが)村上主義だと思っています。読んでいない理由は、読み始めると止まらないから、仕事に支障が出るから、それほど村上作品が好きだから、、であり、もう少し余裕が出たら読もうかなぁと思っている次第です。

で、「村上さんのところ」を読んでいると、様々に学ぶところがありますが、ふと「他人をうらやましいと思うか?」という質問への答えで、発達障害を思い起こしました。

村上さんにおりいって質問・相談したいこと 『他人をうらやましいと思いますか?』
http://www.welluneednt.com/entry/2015/02/13/203200

リンク先を見ていただければわかりますが、村上さんの答えはNO、つまりうらやましいと思わないというものです。この答えを見て僕自身は結構びっくりしたのですが、確かに村上さんの文体はぜい肉がないというか、どろどろとしたところが感じにくい、よく言われる「英文を翻訳したような日本語」で、とても新鮮に思え、それは”うらやましさ”という面倒な感情がないところもあるのかなぁと思いました。

で、同時に連想したのが、最近僕が書いたブログ記事のことです。

うらやましいと思わないのがうらやましい ”孤立型”の人たち
http://ceo.kaien-lab.com/2015/03/blog-post_21.html

こう書くと、村上さんが発達障害なのか、というような感じに思えるかもしれません。もちろん、そういうことを示唆したいわけではありません。たしかに、早寝早起きで、毎年マラソンに出ているほどジョガーで、規則正しくルール通りに暮らし、人付き合いも限定的(らしく、付き合いが良い方ではないということ)で、、、というと、要素的には発達障害っぽいと感じられなくはないのですが、規則正しく暮し、普段付き合う人の輪は小さ目、という人はもちろん発達障害でなくても沢山いるわけです。。。

僕が村上春樹さんと発達障害を関連付けた理由はほかのところにあります。それは、僕が何で村上文学に強い引力で惹かれていっていたか、そしているのか、というのが、発達障害がキーワードなのではないかと気づいたということです。

つまり、ふと思い出してみると、村上作品の中の登場人物が非常に(苦悩しない、つまり孤立型の)発達障害的な人物が多いからではないかと思い始めてしまったわけです。今、手元に本がないので、例えばこの人物は、、、、という事例を上げることは難しいのですが(※)、たしかに孤高の存在が多く、周りの現象に左右されず、あたかも他人のように自分のことを語り、という感じで奇妙な登場人物が多いながら、その自由さというか、素直さというか、諦観というかに、僕は魅力を感じて、村上主義になっているのかもしれません。

(※ふと思い出しましたが、1Q84で重要な役割を果たす少女 ”ふかえり”は発達障害の一つのディスレクシア=読み書き障害として描かれていると、僕は理解しています。)

村上作品を初めて読んだのは、おそらく高校生の時の『ノルウェイの森』だったと思います。その時に発達障害のことは全然知りませんでした。十数年たって発達障害という概念に子どもを通じて出会い、その魅力にひかれていった身としては、発達障害オタクになれ、発達障害の人たちと接することが楽しいと思える人生になったのは、息子云々の前に、もともとそういった特徴の人が好きだったのだろうなと感じてはいましたが、村上作品に元々惹かれていたという事実がその証拠の一つ?だったような気がして、パズルのピースが見つかったような感覚がしています。

なお、村上作品に限らず、多くの文学作品は精神的に苦しんだ人物を描いているわけですが、村上春樹さんの意識と無意識、精神・心へのアプローチはほかの作家とは違うような気がします。以下、『村上さんのところ』でも双極性障害の人が村上さんに尋ねている答えです。 

村上さんにおりいって質問・相談したいこと 『意識と無意識を隔てる扉を開いて』http://www.welluneednt.com/entry/2015/03/19/113500

村上主義は人口比でどのぐらいの割合なのかわかりません。しかし、もしかしたら村上作品を愛する人は発達障害について興味を持ってくれる人が多いかもしれません。上手く言えないですが、発達障害のことをわかってもらう糸口の一つになりそうな気もしますし、卑近なところでいうと当社の採用面接の時にも村上作品をどう思いますか?と聞いてみたら、なんだかわかるところもありそうな気がしてきました。

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