自閉症である前に人である
終戦の日。今日も麻布十番のオフィスに居る。ものすごい暑い。夏バテ気味だが、ようやく明日までに行う仕事の半分以上はカタがついた。
週末ということもあり、平日に手がつかなかった残務も行う。そのうちの一つにブラジルに住むJanという人からのメールに返信するという作業があった。知り合い経由でKaienの事業について知ったとのこと。16歳のアスペルガー症候群のご子息がいて、将来どのような仕事がいいか助言をしてくれとのことだった。
Kaienの職業トレーニングでは7割方はソフトウェアテストについて行う。就職斡旋先にもソフトウェアテスターというのはある。ただ、大事にしているのは、「あなたは何が好きですか?どのようなキャリアパスを考えていますか?」ということだ。
Kaienの基本ポリシーは、アスペルガーなど自閉症スペクトラムのことを理解・配慮しながらも、ごくごく普通に接すること。なによりも自閉症である前に人であり、特徴のごくごく一部として自閉症スペクトラムという傾向があると捉えているということである。
人として嬉しいことは自閉症の多寡(※有る無しではなく多寡という言葉が僕は好きである)に関わらずうれしいし、やってほしくないことは誰であってもやってほしくない、はず。別個体なのでなかなか判り合えないことがあるのは、自閉症の多寡に関わらずある。その種類がすこし違うのかもしれないけれども、すべての要因を自閉症スペクトラムに押し付けるのは本質的ではないはず。
だから、アスペルガーだからこの職業が向いているというのは、日本人だから時計や車をつくるのが上手というような極端なステレオタイプに基づいたものに近いと思う。もちろん特性はあるから、営業や接客業は苦手な人が多いのは確かだと思うが、ソフトウェアテスターだけが解ではない。ここを勘違いされる方が多いので、これからも声を大にしていっていかなくてはいけないと思う。
冒頭のJanにもそのような趣旨のことをメールで返信した。こうやって議論が深まってネットワークも広がっていくのは嬉しい。
さあ、仕事に戻ろう。共同創業者のチュルさんと食事の前に終わらせておかないと!!
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