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来年度(令和3年・2021年度)の障害福祉の報酬改定方針が固まる社長ブログ

2020年12月12日

昨日、来年度(令和3年・2021年度)の障害福祉の報酬改定方針が固まりました。

見出しは「医療ケア児」支援

医療的ケア児の新たな判定基準を導入というのが一番大きいです。

3 医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進
○ 障害児通所支援の基本報酬区分に医療的ケア児の区分を設定すること等を通じて、地域において必要な支援を受けることができるサービス提供体制を強化する。
○ 放課後等デイサービスなどの障害児通所支援について、共通的な基本報酬を土台として、ケアニーズの高い障害児の支援や専門職による支援などを評価する報酬体系に見直すとともに、支援の質を向上させるための従業者要件の見直しを行う。

  • 医療も進化し高齢出産も増えるので、今後も医療的ケアが必要とする子どもは増えるでしょう。今回の支援策拡充は、不妊治療の保険適用も進む中、安心して子供を生む社会になるというメッセージだと思います。(今は残念ながらそういう安心感がないですからね…。)
  • 当社も以前、医療ケア児の放デイを立ち上げるべきではと社内に語り掛けたこともありましたが、「発達障害×仕事×強み」という文脈からはやはり外れるという結論でした。違う法人でしたい、という社員や外部組織とうまく連携すべきところかもしれません。

就労系の在宅利用 コロナ特例から恒久的な措置へ

さて、当社に関するところでは…

就労移行支援及び就労継続支援における在宅でのサービス利用に係る要件の緩和
○ 在宅でのサービス利用について、新たな生活様式の定着を見据え、本人の希望や特性を踏まえつつ、更に促進するため、令和2年度に限って新型コロナウイルス感染症への対応として臨時的に要件緩和した取扱いを、令和3年度以降は常時の取扱いとする。

が驚きの施策です。(こちらの動画や下記の「パートナー募集」のように)当社としては大歓迎なのですが、

  • 在宅の利用は「支援の放置プレイ」を生みやすいのは事実。事業所によってはモラルハザードを起こしやすいですし、そういった悪質な業者を取り締まるためにまた文書や確認事項が増えて支援への時間が減るのは避けてほしいなと思います。
  • 就職先(いわゆる出口開拓)でも在宅が求められることになります。就労移行支援に在宅で通ってもらったものの出口は従来のまま…ではやはり世間様が許さないと思いますので、福祉の通所が在宅ならば実際の働き口も在宅勤務を広げることが必要でしょう。テレワークの流れに乗り、数は増えそうですが、まだ障害者雇用のテレワークは高付加価値の業務がほとんどなく賃金も低いことが多いですので、そこを当社も頑張りたいです。

パートナー加盟募集

 

放課後等デイサービス 受難続く

財務省から名指しで検討を促されている「放課後等デイサービス」。参考:<財務省>総括調査票(21)障害福祉サービス等報酬

障害福祉サービス等に係る総費用額や事業所数は、全体として近年増加してきているが、放課後等デイサービスについて見るとその伸びは著しく、伸び率は、障害福祉サービス等全体の総費用額・事業所数の伸び率を大きく上回っている。なお、令和元年度における放課後等デイサービスの総費用額は、障害福祉サービス等全体の総費用額の12.1%を占め、事業所数については全体の13.3%を占めている

 

今回の厚労省による方針でも、事業所数の抑制と、総額の上昇を防ぐ意図が、様々に見られます。

① 基本報酬の体系の見直し
○ 受け入れる障害児の状態及び当該児童の割合に応じて定められている現行の区分1・区分2の体系を廃止する。
※ 基本報酬について、経営状況を踏まえつつ、見直しの必要性を検討する。併せて、極端な短時間のサービス提供に係る評価の見直しを検討する。
② 児童指導員等加配加算の見直し
○ 児童指導員等加配加算(Ⅰ)の報酬単位数について、経営状況を踏まえつつ見直しを行うとともに、児童指導員等加配加算(Ⅱ)は廃止する。

なぜ自己負担を上げないのか?

放デイについては明らかに予算を使いすぎていると、一国民として感じます。主に高齢者のリスクが高い新型コロナで湯水のようにお金を使う政府・自治体を見ても、未来目線の予算の使い方じゃないなとがっかりします(しかもせっかく使ったお金が最も活躍・疲弊している医療現場に届かないという…のは酷いと思います)が、一方で将来に必要だからと言って(しかもそのエビデンスが明確かと言われると、まだ議論はありそうな)放課後等デイサービスに、障害福祉の8分の1程度が使われるのは不健全だと思うからです。

そこで、毎年思うのが(医療ケア児などを含まない、いわゆる軽度の児童生徒が放デイに通う時の)自己負担の引き上げです。

  • 後期高齢者(75歳以上の高齢者)の医療保険の自己負担。所得に応じて1割から2割に引き上げるという話が出ていますが、下の世代からすると、ようやくか…という感じですよね。(安いから医療を気楽に受けすぎて、モラルハザードを起こしているという指摘です。)同じことが放デイでもできないかということです。
  • 放課後等デイサービスも1割負担が軽すぎるのだと思います。なので雨後の筍のように事業所も出るし、利用者も軽微な出費なので支援側に求める質が低いままになっている気がします。所得制限を設けながら、3割でも5割でも自己負担を求めれば、質の高い業者が必然的に残りますし、予算も使わずに済むはずなのですが…。

とはいえ、そういったお話を聞くことは皆無…。ですので、放デイの受難時代はまだまだこれからも長期間、続きそうです。もちろん必要に思っている利用者・ご家族はいますので、体力が続く中でしっかりとサービスを出していきたいと、一経営者としては考えています。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴

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