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TEACCHの次の40年

2013年11月3日

1972年から、ノースカロライナ大学で始まったTEACCH(ティーチ)プログラム。40年たちこれからの40年について動画が公開されているとFacebookで教えてもらった。僕自身はTEACCHについては聞きかじった程度なのだが、当社のプログラムも気づかないうちにTEACCHにのっとったものになってきていると思う。

(※TEACCHについてご存知のない方のために、短く僕の理解を。。。TEACCHとは、Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped CHildren(自閉症とその関連するコミュニケーション障害の子どもへの治療と教育プログラム)の略であり、ノースカロライナ大学が1970年代から開発。「視覚化」・「構造化」を主とした支援の考え方。日本でも米国でも発達障害の支援者の中ではメインストリームの一つといえると思う。)

動画はこちら(英語)。

TEACCHが始まったころは、自閉症は0.05%の2,000人に一人といわれ、まだ育ての問題が要因だと思う人が多かったという。それが今や20倍以上。1%を超え88人に一人と言われている。これによって、当初考えられていたミッションをより発展させるという。

特に今後は以下の4つに取り組んでいくという。

  1. 地域での活動
  2. 大人の支援
  3. 幼児の支援 (TEACCHの原点だと思うが、今一度見つめ直すということだと思う)
  4. 専門家の育成

2つ目に関しては特に当社のフィールドと重なる。ビデオの中でも、就労の課題と、大学などの高等教育機関での受け入れ方法について、かなり時間が割かれている。来年9月に開催されるTEACCHのカンファレンスでも主要なテーマになるかもしれない。当社始まって以来の米国出張をしてみたくなる。

また、4つ目については、TEACCH認定制度(支援者と、支援者を育てる育成者の2段階)をはじめたり、オンラインコースをはじめたりするという。すでに1つの無料コース(英語)は以下のウェブサイトから受けられる、という。
http://www.aheconnect.com/teacch/cdetail.asp?courseid=teacch

TEACCHのオンラインコースから

・・・

さてさて、僕が(かなり個人的に)気になったのは、プレゼンの中で宗教という言葉が何度か使われていること。

ノースカロライナ州は米国で言うと南部に属す。南部は宗教が今なお残る。先進国で宗教が日々の生活や政治に強く影響を与えるのは米国南部など数えるぐらいであろう。政治的にも宗教色がより強い共和党の地盤。(ただしちょうど南部の北限にあたるため、大統領選挙では民主党候補も善戦する、いわゆるスイングステートの一つである。) 

今回のビデオで語られる「地域」という概念でも、「教会活動への参加」なども含まれている。そもそもノースカロライナ大学(※)のTEACCH本部がある都市は、Chapel Hill(チャペルの丘)という名前。西海岸のUCLAで生まれたさっぱりした感じを(勝手に個人的に)受けているABAと、ゆったりとした古き良きアメリカ的な雰囲気を(これまた勝手に)感じているTEACCHの違いに少しは関わっている!?かもしれない。

(※また、さらに、どうでも良い知識だが、ノースカロライナ大学は、バスケットのマイケル・ジョーダンの出身大学でもある。大学のカラーは水色。)

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