Kaienを営利企業にした理由
数日前ですが、こんなことを言われました。「Kaienさんは儲かることしかやらない」
うーん、よくわからない噂なのでいちいち反論していても仕方がないですが、儲けは事業の継続性のために重要なものの、お金を軸にしている会社ではありません。そもそもMBA出てお金を稼ぎたいなら、投資銀行かコンサルに行きます。会社を、しかも福祉業界で起こすというのは経済合理性がありませんので。。。
もともと自分には社長業はあっていない(※先日も息子に「パパみたいな弱虫に社長ができるの?」といわれるぐらい)。本当に事故の連続で起業してしまった感じなのです。なので、誰かがやってくれればそっちのほうがよいです。僕はアセスメントとかプログラム作りは自分でもなんでこんなに臨床感覚が鋭敏なのかなぁと不思議に思うほど得意だと思いますが、社長業はあってはいないからです。
福祉業界にいる営利企業の他のプレイヤーはなかなか営業熱心で、ガツガツ系が多いので、Kaienも同じ穴のむじなにされているかもしれません。が、当社は完全に職人系の会社。営業費もウェブサイトを作る以外は今のところほぼ0円で、口コミで来ていただいている感じで、慎ましくしているつもりです。
当社の「役割」やスタッフに求める「働く力」を見てもらえればわかりますが、サービスを作る時も、行うときも、この原点に立ち返って判断しています。ニーズ調査からサービスを決めるいう通常のマーケティング戦略は取らず、つまり、ほかの業者のマネ(類推)から事業を行うということはせず、というのもそうすると10%よいものは作れますが、その程度ですので、無から有を作り出すような10倍良いものを作るために、市場調査・ニーズ調査から1歩も2歩も先を行ったところからサービスを考え出すようなことをしているつもりです。
採用情報
http://www.kaien-lab.com/company/recruit/
そもそも同業他社が何をしているか、どこに拠点を構えているかすら知らず、お客さんが「こういうものが欲しかった」と言ってもらえるような感動を与えたいと思って事業をしています。社内で話す時は、AppleとかTesla Motorsの話をここで例えとして挙げていくのですが、今日は略。
では、なぜ株式会社にしたのか、営利形態をとったのか、つい昨日も採用面接で聞かれましたので考えをまとめておきます。
最大の理由は、、、発達障害の力をつかって営利企業ができることを証明するためです。NPOではどうしてもチャリティーでしょ、と思われてしまいますが、発達障害の人を活用することで資本主義でも勝てることを示すのがもっとも発達障害の理解・啓発につながると思ったためです。まだその100分の1もできていないですが、営利云々が目的ではなく、営利企業で存続することが啓発につながるという理解です。
2つ目の理由は、、、人材確保がしやすいこと。僕だったら、営利企業からNPOへの転身はかなり思い切りがいります。非営利の世界に入ってしまうと、履歴・経歴書の幅が広がる反面、株式会社に勤める人事から見ると、この人ぶれているのでは?と感じられてしまう恐れがあると思うためです。もちろん偏見ではありますが。。。この点、ベンチャー企業への転身というのは社会的な事業でも履歴・経歴書上、連続性を感じやすいとおもいます。このため、Kaienで多様な優秀な人材を集めるには、営利企業にしていたほうが集めやすいと思ったためです。実際当社には、非営利出身もいますし、営利出身もいますし、よいバランスとなっています。
3つ目は、、、資金調達がしやすいからです。株式会社にはさまざまな制度融資があり、行政のサポートが受けやすいです。金融機関もそれがあるためにお金を貸してくれます。僕はたった10万円しか出資せず始めた企業なので、やはり銀行にはお世話になる必要がありました。会社だからこそ借りられたお金は多いです。
最後は、、、意思決定がしやすいこと。当社では種類株という技を使う必要がありましたが、自分の出資レベルが少なくとも、株式会社は少数の人の意思で意思決定をすることができます。一方で非営利法人の持ち主=株主は”社会”であるために、ある一人の意思では組織が動かしにくくなります。歯止めは効きますが現代社会の課題の変化に臨機応変に即時対応していくためには株式会社の意思決定のスピードは魅力的です。
株式会社にするデメリットは、、、あまり思いつきませんが、「所詮金儲けでしょ」と思われてしまうことでしょうか。。。こういう記事を書かないといけないわけですので。。。
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