当たらなくてもよい?10・20年後を予想したキャリア相談Kaienペアトレ実施中
日曜日の今日。朝から「親向けの懇親会」でした。
会場はKaien市ヶ谷。この4月(2020年4月)から生活訓練を開設予定のオフィスです。日曜の市ヶ谷は静か。心が落ち着きます。
ペアトレ参加者 限定企画
今回の「懇親会」は”限定開催”。
当社の「ペアトレ」、10代以降の発達障害を考える『就職準備勉強会』に参加中もしくは過去に参加いただいた方向けのイベントでした。
さらに同時に「個別相談」も開催しました。
親子で来ていただいた方もいましたし、ご両親そろっていらした方もいました。
占いと変わらない?未来志向のキャリアカウンセリング
個別相談では「今どうしましょう」というよりも「10・20年後に我が子はどうなっているのでしょう」という依頼が多いです。
具体的には将来の職種や労働条件を予想したうえで、その未来像から逆算する形で、進学先はどう考えるか、復学すべきか、診断を受けたほうが良いか、障害者手帳は取るべきか、などの具体的な話になっていきます。
実際のところ、10年後や20年後は、そもそも社会がどうなっているかすら想像できないので、一人の人間がその社会でどのように仕事をしているかとか生活をしているかとか、完全にわかるはずはありません。
なので、無責任なカウンセリングになってしまうのでは…と思われる方もいるでしょう。
ただし、占い的になりそうにも関わらず納得してお帰り頂けているのは2つの理由があると思います。
全方位(360度)は不要 30度を考えればよい
一つは凸凹が激しい発達障害の人の場合、いろいろなキャリアを考える必要はありません。
「あれもこれもできそうだ」ということがないということです。
ですので、無数にあるキャリアデザインから、いくつかを主に考えていけばよいのです。
発達障害の特性を考える必要があるので、普通のキャリアカウンセリングよりも難しい部分もありますが、
発達障害の傾向があるからこそ簡単になる部分もあるということです。
個人的には将来の予想は、凸凹がある人のほうがしやすいな、と感じています。
正解ではなく選択肢 選択肢よりも判断基準
もう一つが、正解をお伝えする必要はないということです。
実際、たぶんAが良いと思いますよと言って、例えば半年後や1年後に改めてキャリアカウンセリングにいらしたとき、実はBを選びました、といわれることがあります。
でも違う選択肢を勧めたから無意味だったといわれることはなく、判断基準を話し合う中で選択肢が見えお勧めのソリューションをお伝えしていると、ソリューションよりも選択肢、選択肢よりも判断基準のほうが価値のある情報に感じていただけることが多い気がします。
おそらく凸凹の特性があると、多くの人よりも違う人生を歩んでいくことが多く、歩んでいくための物差しのほうが長い目戦では頼りになるということなのだと理解しています。
次回の開催はまだ決まっていません。しかし自分の支援力を上げるためにも、10年後20年後を考えて、初めてのケースに触れるのはとても意義あるものです。年に数回は開催し続けたいと思っています。
文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧