自閉症が”Cure”治る
海外メディアから。今日は米国・アリゾナ州の約5億円の州公費かけた大規模な研究で「自閉症が治った」というニュース。The Arizona Republicの記事でこちらから。”Autism therapy group says it cured 6 kids”(訳:自閉症セラピーグループは6人の子供を治したと報告)
記事を読むと、まあすごい。冒頭に書いたとおり、アリゾナ州政府の公費を5億円ぐらい使っている。3年にも及ぶ研究。2~5歳の時に診断された14人にたいして、週40時間のABA(応用行動分析と訳される自閉症の療法ではおそらく米国でも日本でも主流)を実施。つまり一日6時間平均。普通だったら1500万円ぐらいかかるとのこと。加えて、親にもABAなどについて講座をし。。。とのことだった。
(なお、コントロールグループ、つまり対比として、週15時間しかABAをうけていない子供との比較。まあ15時間というのも日本の感覚からしたらかなり恵まれた数字だとは思うんだけど)
出た結論は、IQや社会スキル、言葉において、14人中6人(43%)が正常値であり、「自閉症が治った」とのことである。しかし、これのままではお金がかかりすぎ、すべての子供に広げるのは非現実的。でもアリゾナ州の議員の一人は”The challenge now is money, when we’re trying to sustain current levels of services. But that’s not an excuse, and I think people can rise to the challenge.”(お金が問題ではあるが、それは言い訳には出来ない)とアメリカらしく前を向いている。
僕の感想。
- やっぱり米国は治すという運動が強いなぁということ。このニュース自体もほんの数時間前に読んだものだけど、各所で引用されていた。
- それと、「治る」という定義、目的をどこに置くのか。たしかに親御さんにとっても苦労せず育てられる部分もあったりするだろうし、本人も色々と分かることが増えるかもしれないけれども、何が幸せなのかを今一度考えさせられる。
- また、ABAの創始者も言っているように、ABAは半分の子供には効果があり、残りの半分にはあまり効果がない、その違いは何によって生じているのか判らない、のであり、今回もそれをなぞっただけに思える。
- とはいえ、公費を5億円も、州単位で使っているのはすごい。世論の関心が高い。議員も研究者も、親御さんも、きちんと動いてるなぁと感心しました。
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