コーポレートサイト : 株式会社Kaien
MENU

自閉症のサル人間に懐かなかったり、自分の爪を頻繁にかんだりする研究用のニホンザルに着目

2016年11月19日

遺伝子操作ではない自閉症のサル

 ふと仕事の合間にネット記事を見ていたら見つけました。自閉症のサルだそうです。

 研究用に埼玉の和光市で飼われていたニホンザルに注目してということから始まったとのことですから、”研究”というよりも”観察”から始まったもののようです。今後リンクが無効になっちゃうかもしれないので、見つけられた記事をできるだけ貼り付けておきます。

saru_saruyama_boss

 日経の記事(もともとは共同の配信のようですが)によると

遺伝子操作をされていない動物での報告例はなく、世界で初めての確認とみられる。

ということで世界に先駆けた日本の発見であり、これは発達障害の研究面では結構珍しいことです。また、

脳の働きを詳しく調べると、他者の行動情報を処理する神経細胞が他のサルに比べ、非常に少なかった。また遺伝子解析では、自閉スペクトラム症と関連するとされる2つの遺伝子に変異があった。

 ということで、人の発症事例との関連もみられるということです。人間の自閉症の人の脳も、かなり深いところで(つまり他の動物との分化の前と思われる)違いがあるので、動物でもあるだろうなとは思っていましたが、こういう風に科学的に解明の端緒が見いだされると今後の医学や福祉の進歩にも影響してくるだろうなというリアル感があります。

遺伝子操作されたサルはすでに中国で

 なお、少しネットを調べてみたところ、中国では遺伝子を操作して自閉症のサルを作り出しているということが報道されています。

動物実験による自閉症の研究はこれまで、遺伝子、行動、生理機能の面で人間からかけ離れた動物種の実験用マウスに主に依存してきた。

遺伝子操作されたのはマカクザル。このサルは、同じジェスチャーを繰り返す常同行動や、不安を表す行動、社会的相互作用の欠如などの、人間の自閉症でみられるものと同様の行動を示すと、研究チームは論文に記している。

 動物になんてひどいことをという印象もなくはないですが、上に引用した通り、これまでもマウスではさんざん自閉症の解明のために行われてきているようで、医学的にはサルというのは自然な実験の流れなのでしょう。調査結果も非常に示唆的です。

調査の結果「円を描くように移動運動を繰り返す頻度の増加、不安の増大、社会的相互作用の低下」などの行動が観察された。また、調査対象のうちの1匹で、人為的に導入されたMECP2トランス遺伝子が子孫に伝えられ、子でも自閉症の行動がみられた。これは、遺伝子に自閉症の根源があるとする仮説の裏付けとなる結果だと、論文の執筆者らは指摘している。

 発達障害支援の世界にも、こうした遺伝子研究やAI、ARなどの新技術・最新研究がどんどん影響を及ぼすことになりそうです。

関連ページ

この記事をシェア / ブックマークする
Google+1
はてブ
あとで
Line
ページの先頭へ