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障害年金 認定医に地域差

2015年1月3日

当社について。まずは利用説明会にお越しください。採用情報も下記から。

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スマートフォンにニュースアプリを導入しました。なかなか快適です。いろいろ試しましたが、初期段階ではスマートニュースが使いやすいです。というよりもグノシーの広告か記事かわかりにくいデザインは読みづらいです。でも今日はグノシーで探せた話題から。

障害認定医に地域差、最大14倍 年金支給に不公平も
http://www.47news.jp/CN/201501/CN2015010301000874.html

なかなか日の当たりにくい分野だと思うのですが、

1人当たりの担当件数で見ると最も多い神奈川県と最少の鳥取県で約14倍の差があることが3日、共同通信の調べで分かった。

とのことで、共同通信の記者の専門性の高さに驚きました。記事によると、

認定医からは「更新のケースでは書類1件を十数秒で見ており、まともな審査はとてもできない」との声が上がっている。

そうです。

まず障害年金についての秒解説から。年金制度は、高齢になるともらえる老齢年金だけではなく、障害があると20歳以上ならもらえる障害年金というものがあります。(他に遺族年金がある。) 

障害年金は年齢という絶対的なわかりやすさがないものなので判定する人がいてそれが今回の記事に出ている認定医です。障害年金は「遅れてきた障害」である精神障害や発達障害には厳しめであり、かつ身体障害や知的障害にくらべて精神や発達は見えにくく数値化しにくいことから、認定の難度は高めだと思われます。

生活保護に比べると半分程度ですが、6万円/月ほどもらえる障害年金は、生活を支える上で安心材料になります。就職をしていても最低賃金レベルであることの多い障害者雇用にある人からすると、非常に大きな力になります。例えば最低賃金で一生懸命働いて12万円/月だとしても単純計算で6万円が底上げされればそこそこの額にはなるからです。また、自分も親だからわかりますが、親としても子どもが就職した時の安心感と同じように年金を一度受給できれば(その後は記事にあるように基本的には更新されていくはずなので)安心して死ねると思っている人が多いでしょう。

が、発達障害の、特にボーダー層の人のケースは就職も困難さがあるのにもかかわらず、障害年金が認定されにくいと思われます。知的障害でもないし、生活面で困難さも伴いにくいからです。このため、 客観的に証明がしやすい知的障害というステータスのために、IQテストの前に睡眠不足で臨むほうがよいと嘘とも本当とも思えぬアドバイスをする人もいますし、障害年金を取るために裁判に至るケースは実際あります。 それに記事にあるように地域差があることを見越して、引越しをする人もいるそうですし、障害年金とネット検索をすると、様々な社労士が申請サポートをしていることがわかります。制度が複雑なことと、本人や親が切実なことから、成功報酬でビジネスが成り立つほどの隠れた業界なのです。

そもそも障害年金は昭和19年の戦時中に作られた制度です。詳しく研究したわけではないので間違っている場合はゴメンナサイですが、戦時中=傷痍軍人の増加というタイミングと軌を一にしているのは偶然ではないと思われます。つまり制度の趣旨として精神障害や発達障害という人の生活をサポートするということはなく、戦中の制度がそのまま残されている不思議な例の一つだとも考えられるでしょう。

いくら資産があっても、生涯の稼ぎによって支払いが決まってくる老齢年金と、障害者年金は基本的には年金制度としては財布が一緒。富の再配分というのが年金の趣旨ではないのはわかりますが、現役世代が生まれてきた時代がただただ競争が激烈な社会なので稼ぎがないもしくは足りないのに、障害年金が形式的に処理されて支給されない事態が起こっている一方で、世代が違うだけでストック(資産・貯蓄)があっても潤沢に日々老齢年金が支給されて(ステレオタイプではありますが)のんびりゴルフをしている高齢者層がいるのはなんだか変だとおもいます。

生活保護というものと障害年金というものと老齢年金というものと、いろいろと制度的に疲弊が来ていると思いますので、フローだけではなくストックも見たうえでの生活の困窮度という視点から何らかの制度改正がないと、この国は老齢年金を払い続けてバランスを崩しかねないなと思います。記事にあるように、地域差でバランスが崩れて、もらえるものがもらえない可能性があるのは障害年金の制度としては良くはないですが、その小さな矛盾に切り込むよりも、そもそも生活保護や老齢年金も合わせて考えて、もう少し困窮者、低所得者の現実に即した制度にしてほしいなと思います。

生活保護ももらえず、現代資本主義からははみ出しやすく(つまり失業しやすく)、なので障害年金を受給するために右往左往する当事者や親を見ていると、「頭に合わせた制度(帽子)がある」という理想とは正反対の、「制度という帽子に合わせて頭を削っている」人たちが生まれている現実は、社会にとっては損失でしかありません。制度をかえられるのは政治家ですので、国民がもう少し生産的に時間を使える制度にしてほしいなと、かれらには思います。投票にいけ!!と言われるかもしれませんが、こういう細かな意見は政党には託しづらく、政治家としても行動しにくいと思うので、早めに国民投票を検討してほしいです。

あまり政治には近づかないつもりですが、いろいろと現場を見るとやはり思うことは出てきます。。。今後も折に触れて仕事を通じて見える矛盾をブログにしていきたいと思います。(次に書こうと思っているのがバリアフリー法。バリアフリーといいながら、実は多くの人にバリアを新たに作り出している矛盾をお伝えしたいと思います。法律が悪いというよりも運用が悪くなりがちということなのですが、社会全体としてマイナス面も結構大きい法律だと思います。)

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