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毎日通ったTEENSで学んだこと~私とKaien 第13話~

2017年7月30日

 『私とKaien』は当社の就労移行支援を利用していた訓練修了生や、ガクプロやTEENSをご利用中のお子様を持つご家族など、Kaienと一緒に発達障害の魅力を世の中に広げていただいている方々へのインタビューシリーズです。

 第13話はTEENSに5年間、毎日のように通ったhanaさん女性 18歳のインタビュー。現在、都内の自立訓練施設やガクプロに通いながら就職を目指して訓練中です。

思い出したくない子ども時代

 小さい頃は、あまり覚えていなくて思い出したくないぐらい辛い過去でした。

 私が通っている幼稚園は遊ぶ事だけの幼稚園だったのでひたすら遊んでいました。でも小学生に上がってからいじめが始まり、中学でも普通級に行く時にはいじめがあった。支援級の先生や普通級の先生とのトラブルがありました。他にも支援級の子との小さいトラブルやコミュニケーションのトラブルも多かったです。学校に対しては居場所がなかったので、学校以外の療育施設や市の教育委員会がやっているグループに通っていました。療育施設は1年半通っていて、その後高校に入学するまでは高校のアフタースクールに通っていました。

 昔から友達が欲しかったんです。今も友達が欲しいと思っています。でも、今までのトラブルで友達と縁がすぐに切れてしまうと思っているので今は友達が欲しいという願望より話せる相手が欲しいと思っています。

 小さい頃から嫌な事があると解離を起こす癖がありました。中2の時に胃腸炎を起こしました。原因は学校事態がおかしくて環境の変化などが溜まって限界になり吐き続けたり、吐くのが怖くなってご飯を食べるのが怖くなりました。胃腸炎の時の症状は今でも続いていて、環境の変化の影響で身体を壊しやすいです。

診断後、親が変わった

 自分の診断を知ったのは、昔、親と国立公園に行った時でした。中1の頃、親と一緒に行った時に自分が何故障害者手帳を持っているのかが不思議で親に聞いたら、初めて自分の障害について親が教えてくれました。その頃SSTの本を読んでいたからなのか自分がどんな特性なのかを知りたくなって自分からも聞いたと思います。

 昔、小学校から塾に通っていて、中3の終わりの頃に塾を辞めたくて、塾の先生にすごい止められてなかなか辞めさせてくれなかったんです。それで塾の先生から電話がかかって来て自分が悪い事をしてしまったのかと不安が強くなったのか自分を責めてしまい、自分が障害を持ってるから何も出来ないのかと思いました。私の特性として、漢検とかは得意でした。あとは短期記憶の力が強かったので、中学のテストの暗記をがりがりやっていました。

 小5から親が変わりました。親が変わるまでは叱られ続けていた記憶がとても強かったです。親の話から聞くと、小5の頃に通っていた通級指導教室の先生に言われたらしく、「叱り続けてもどうにもならない」と言われどう対処したら良いのかと思ってそこが親の変わる瞬間だったらしいです。私が居心地良くなったのは中2の夏とかだった気がします。手帳を持ってから親も診断名を知って本を読んで障害について勉強してくれて、仕事も変えていました。私自身も療育施設に通ったり今の遅刻や忘れ物、友達とのトラブルなど、親と話し合ったり一緒に整理しながら対策を取ったりしています。

 自分の障害名が分かったとしても自分1人で対策までは考えられませんし、今でも友人関係のトラブルもあるし自分の体の不調も感じ取れないし不調を言語化出来ないから病院でも先生と話していて理解されなかったりするのでそこは親が入ってくれたり親が解決策をSNSで送ってくれたりしています。

自宅にぎっしりある発達障害の関連本。写真はそのごく一部。

 

TEENSは毎日通った

 TEENS(Kaienが運営する放課後等デイサービス)には中2から通い始めました。TEENS横浜ができる前から親が探して知っていました。「同じような特徴の子たちと一緒に勉強出来るから良いよね」ということで入れてくれました。役に立ったこととしては、色々ありますね。お仕事体験で、基本的な敬語だったり、時間の守り方だったり、職場での対応の仕方、パソコンの使い方を、身につくようになりました。こういうのはTEENSでしか出来ないだろうなと思います。

 高校は星槎でした。中学までと違って、自分が明るくなり、先生や友達が支えてくれました。TEENSも毎日通っていたので、自分の居場所、安心できる場所が色々あって毎日が楽しかったです。TEENSは障害があるとしても自分のように一人一人優れている力を持った子が多いって私は感じます。でも、個性がある子でも友達が少なかったりして同じ悩みを持った人達が多いですね。TEENSのスタッフは他の支援機関とはぜんぜん違う雰囲気。厳しく指摘もしてくれたのも勉強になりましたし、私から相談する時に、はっきり言ってくれるのでそれが私にもとても支えになりました。話してスッキリします。自分の中で改善策が出るように訓練もして整理しながら相談も出来たのでTEENSに通っていて良かったなと今でも思います。

 小さい頃から自分は負けず嫌いで完璧主義なんですがその特性を出すと嫌われたり自分が調子に乗ってしまうので常に謙遜しています。でも謙遜し過ぎると自己評価が低い、そんなに自分の事否定しなくても良い、自分に自信を持てなど周りの人からよく言われています。それで不安を持ってしまったり…。高校の頃からスーパーでアルバイトをしているんですが、バイト先では特に良い気にならないように注意しています。不安が強くてバイトから帰ってきた後泣きながらバイト先で注意をされた度に不安になった所を、親がカウンセラー役になって、毎日のように相談して、親からのアドバイスを活かし、今同じバイト先で3年も続けられています。

 高校入るまでは親と一緒に病院へ相談に行っていましたが、高校入学後は自分ひとりで病院や相談場所に行けるようになってきています。市の相談支援センターなど、相談する場を増やし、自立できるように、親がしていた役割の代わりができる場所を作っています。

アルバイト先でのメモ①
TEENSで教わったメモ取りの習慣が生きている

 

夢はまだないけれども…

 高卒後はカレッジ早稲田自立訓練に通っています。カレッジは90分の長い授業を聞きながら、プリントを埋め、自分にあった勉強を毎日行っています。就職する手も有るけれども、それだけの力はまだない。遅刻はまだするし、言葉遣いもまだまだだし、気を抜くとトラブルが起きやすいのでまだ就職は考えていません。自分にあった職業が分からないので未来については予想出来ないです。その中でガクプロKaienが運営する大学生・専門学校生向けプログラムにも通っています。ガクプロのプログラムはカレッジよりは難しいですね。なかなか行く時間がないですけど。

 夢は今でも無いですね。今は仕事のレベルまで高めるために訓練をしないと行けないかなぁって。訓練訓練と思っていたら、夢がなくなってしまいまして(笑)。でも、障害枠で服飾関係は興味があります。お客さんと会わない仕事で店舗の裏で作業をするのは良いかなぁと。事務作業はTEENSやガクプロでもしてわかりましたけれども、PCでひたすら作業するのは合わないんですよ。集中力が持つ仕事をしないといけないと思っています。売上の計算を少しするとかはできると思うんですけれども、あとは服のタグ付けをする事務作業、ひたすら手や体を動かす仕事が良いと思っています。仕事をしながら自分の好きな服やバッグについて勉強できるかもなぁと。

 昔から人のことを気にしすぎて、自分が苦しんでいた。親からも先生からも最近言われて、自分は自分と思っています。結婚も今はしたくはないです。子どもを育てるのも想像できない。同世代の男性とはトラブルになりやすいので、同居するのに不安になります。安心できる人とつながっていられると良いですね。そして長く自分の事を理解している人と同居だったり結婚をしたいですね。気づいたら一人かもしれないですけれども…。

アルバイト先でのメモ②
自分で何を判断してよいか、何をホウレンソウすべきかをまとめている。

 

(取材 2017年7月)

hanaさん: 中2から当社の小中高生向けサービスであるTEENSを利用。高卒後は、就職を20歳以降に目指すことに決め、現在都内の自立訓練や、川崎のガクプロを利用しながら就職に向けた準備を進めています。

  • 性別: 女性
  • 年齢: 18歳
  • 診断: 発達障害(2012年)
  • 業種: 現在、ガクプロと自立訓練を受講中
  • 職種: ー
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