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今は不安しかない でもKaienがあってよかった ~私とKaien 第12話~

 『私とKaien』は当社の就労移行支援を利用していた訓練修了生や、ガクプロやTEENSをご利用中のお子様を持つご家族など、Kaienと一緒に発達障害の魅力を世の中に広げていただいている方々へのインタビューシリーズです。

 第12話は5年間当社に通った女子大生・Yさんへのインタビュー。相談室登校が続いた小中時代、診断を受けた高校時代、Kaienとの出会い、そして大学での留学経験やガクプロでの4年間を経て、この春から事務職で働く彼女に話を聞きました。

子どものころから波乱万丈です

 小さいときは親の仕事で海外に住んでいました。日本人の多いマンションで。お誕生日会を開いたり、学校帰りすぐ遊びに行ったり。子ども同士でも仲が良かったです。めっちゃ楽しかったぁ。

 でも、子どものときは知らない人に喜んでついていっちゃうみたいな…。親のいる前で知らない人に抱っこをされても、嫌がらずそのままスーパーに連れて行かれて、連れ戻しても平気な顔をしていたとか。それと、テレビでエレベーターに閉じ込められる場面を見て、住んでいた所では高層住宅だったんですけれども、10階20階まで階段を使っちゃうような。そんな小さいときから特性があったんだって今は思いますね。

 小4のとき日本に帰ってきてからは波乱万丈です。

 転校当日、校長室で待たされているときも、ずっと泣いていて。全校朝会でいきなり前に立たされて、あいさつしないといけないとか。皆ざわざわしているし。突然のことで不安で仕方なかったと思う。クラスでも周りと馴染めなかった。小学校ってずっと同じメンバーじゃないですか。そこにポンって入って。嫌だって言っているのにちょっかいをやめてくれないし。それと帰り危ないから規則で三人で帰っていたんですけれども、仲間はずれにされて、道が細くて。二人並んで私は一人。嫌だけれども、危ないから一緒に帰らないといけないとか。

中学校までは相談室登校

 5年生の夏休みが終わってランドセルを背負って出ていこうとしたら発作。学校に行けなくなっちゃって、過呼吸みたいな感じで。お母さんが病院調べて行ったら、パニック障害ですねって。結局、小学校のときはそのあと保健室登校。行けなくなってから人目が怖くなっちゃって。バス乗れないし、電車乗れないし、エレベーター乗れないし。

 中2のときにはじめて相談室の先生にいじめられていたということを言って、それまでずっと親にも言えなくて。親に言えないから家のトイレで一人で泣いていたりとかもしてました。自分の生きづらさの原因をいろいろ探していると、いじめとかの過去の事とか、見つめるようになって、やっぱこれは親にわかっていてもらわないといけない、だから言おうと思ったかな。

 発作がつらくて。過呼吸がひどくて体が硬直してくる。夜に発作が起きた時は結構つらくて、このまま死ぬんじゃないかと思って、親に「今までありがとう」と言ったこともあります。ある時「その発作では死なないから」と言われて、発作は大変だったけど「それでは死なない」と分かって少し安心しました。

 でも、なんで生きているんだろう。どうしてこんなに生きづらいんだろう。と長い間思っていました。パニック障害が小学校のころには収まっても、そのあと抑うつが続いて、ずっと考えていたときもあります。答えは出ない。辛すぎて自分がこの世に存在している意味が分からなかった。

診断を聞いたとき ホッとした

 高校は定時制で日中行けるところに行きました。相変わらず体調が悪くて、ほとんど親に送り迎えしてもらってましたけど。授業にはフルで行っていた。周りの人が変わったのが大きいかな。体育は体力的に無理だったからレポートを書いてました。前例がないといわれたけど。でも、高2のときに体調不良が悪くて、親とも毎日喧嘩が絶えなくて、自分から入院したいといって入院しました。入院すれば何か変わるかもしれない、家族と離れたいって感じで。

 その入院のときに病院の先生が発達障害のことを気づいたそうです。高2の冬ぐらい。退院した後に、「あなたがあなたであるために」という本のコピーみたいなので線がひかれたのを渡されて、3つの特徴がありますよと典型的な発達障害の説明をされました。

 診断された時は、先生の説明を聞きながら途中から泣いてました。今まで辛すぎて自分の苦手な部分があって。なんで私はこう、上手く出来ないんだろう、と出来ない自分をずっと責めていたから。 今までの辛いところが言葉に全て表現されていて。脳がそうなっているんだと分かって、診断されてすごくホッとしました。もし診断されなかったら、原因がわからず適切な対処できずに、今も苦しんでいたと思う。 でも病院から帰ってきて、少なからず本当に自分は発達障害なんだろうか。という気持ちはありました。それから自分で、ネットや本で調べ当てはまる部分も多く「やっぱりそうなんだ」と納得をしました。

 変更が苦手、見通しがつきにくい、こだわりがある、融通が利きづらい、っていうのは当てはまるかな。それと、自分は普通に思われがちなんですけど、裏で苦しんでいます。発達障害のステレオタイプに当てはまらない。人々の障害に対するイメージとは違う。一方で障害があるからって自分の行動を制限されるのも嫌です。したいことはしたい。ちゃんと理解してほしいっていうのがあります。

自分でKaienを見つけた

 退院後、Twitterで発達障害をバーッて検索して、自分でKaienを見つけた。一番最初に見つけた。当時はKaienしかなかった。何個かあったら時間がかかって迷ったと思う。

 「ここどうかな」と親に言ったら、「じゃあ行ってみる」というので。発達障害がわかってすぐにKaienにきた感じです。本とか読んで自分なりに理解をし始めていたけれども、それだけではやってこられなかったと思います。なので発達障害がわかって楽になったというよりも、Kaienに来て楽になったというのが大きいかな。

 覚えていることは麻布十番の階段を上っていたときに、何か変なところ来ちゃったから話だけ聞いて帰るだけにしようと思った。面談する直前まで、「なんかもう、説明受けて帰るだけにしよう」と思った。鈴木さんの話を聞いて、一番残っているのは地元が同じということ(笑)。話した内容はほとんど覚えていないけれども、変な人ではないな、お金儲けとか、悪質業者ではないなと思った。親も良いって言ったし、親が納得していた感じはあるかな。

 そこからTEENSに結構な頻度で通い始めてから、Kaienが一番の安心材料です。相談すれば大丈夫だというのがある。大学受験のときも、どうやればいいかという道筋を立ててくれたじゃないですか。このペースでここを勉強してとか。寝る前の2時間はリラックスタイムにするとか、日常の過ごし方も教えてもらって。安定した船に乗っている感じです。

大学受験の直前、最後のTEENSでのセッション。Yさんに「何かをメッセージをほしい」と言われて鈴木が書いたメッセージ。ノートの切れ端に書いたものだが今も自宅に取っておいてくれている。

 

大学が一番上手く行った

 大学選びの決め手は、病院が近い、カウンセラーが発達障害に詳しい、英語・留学に力が入れているという3点。通い始めてすぐに相談室にすぐに行って。週1で通いました。悩みを相談したり、レポートの書き方を相談したり、履修登録が本当に苦痛でそこでも相談したりずっと続けていた。大学の相談室の存在は大きいです。

 大変だったのは夢だったオーストラリアへの短期留学。学内で選ばれるためには、GPAと作文、面接、TOEICもあって、頑張った。でも理想と現実はちがかった。環境が変わるっていうのはこんなにつらいのかと思ったし。半年間、毎日日本に帰りたいって泣いていた。

 振り返ると経験してよかったとは思う。本当にどこに行っても気持ち次第だなぁと思った。行けば変わると思っていったけれども、行った先でも悩むのは悩むし、不安は不安だし。幸せを追い求めていったけれども、気持ち次第で不幸にもなるし、ハッピーにもなるしみたいな感じ。

就活・内定 これから

 大学のときも内定するまでガクプロに通っていました。大学1年の頃から、卒業後のことを考える機会が出来た。お仕事体験のときにスタッフの方からフィードバックをもらったり、就活のときも面接練習でフィードバックをもらったり、悩みを相談して聞いてもらえたり。同年代の人と一緒に、発達障害や学校の悩みも共有できました。ガクプロは私にとって安心できる居場所です。

 信頼できたというのがすごく大きい。就活ではスタッフの藤さんの存在が一番大きくて、長い間一緒にいるし。Kaienのスタッフはみんなお世辞みたいのがあんまりないから、裏表がない感じがする。信頼していないとずっと続けて来られない。

 就活では障害者枠しか受けていません。Kaienで一度相談してからいろいろ考えたけれども、発達障害を知っていてもらったほうが安心するからかな。不安になったときとか先の見通しがつかないときに頻繁に相談したいとか。そういう配慮が一般枠だとなさそうな気がする。

 企業数はかなり受けた気がする。30ぐらい?特にメディア系の企業には興味があった。でも上手くいかなかったけど。内定先は食品メーカーです。

 今は不安しかない(笑)。これから荒波に突入していく感じがする。少しでも落ち着いて働ければよいなと思っています。今までは自分のために生きてきた。自分のやりたいことをできてきた。これからは自分のやりたいことじゃないこともやっていかないといけない。自分が納得しないと進めないタイプなので、そこの折り合いが難しいんじゃないかなぁって。でも、Kaienがあってよかった。これからもキスド会とかに顔を出します。

大学時代。海外留学の時はSkypeで特別カウンセリングをしていた。

 

(取材:2017年1月)

 

Yさん:高2から当社の小中高生向けサービスであるTEENSを利用。大学に入ってからガクプロへ。現在都内の大学に通う女子学生。今年4月から大手食品メーカーの事務職(障害者枠)で就職予定。

  • 性別: 女性
  • 年齢: 21歳
  • 診断: 発達障害(2011年)
  • 業種: 食品メーカー(内定先)
  • 職種: 事務
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