TEENSインターンの魅力を現役インターン生に聞きました <後編>心理・教育・福祉の現場体験が積める有償インターンシップ!
発達障害のあるお子さんのための放課後等デイサービス「TEENS」では、フルタイムのスタッフだけではなく現役大学生・大学院生がインターンとしてお子さんの支援にあたっています。今回は、現場で活躍してくれているインターン生5名にお集まりいただき、Kaienで働き始めたきっかけや、やりがいについてお伺いしました。
メンバー紹介
ファシリテーション
- 堀井:共立女子大学大学院 家政学研究科卒。TEENSで1年間のインターンを経験した後、2017年度にKaienへ入社。
- 高橋:筑波大学大学院人間総合科学研究科卒。TEENSで1年間のインターンを経験した後、2017年度にKaienへ入社。
参加者
- 田野崎:東京大学大学院人文社会系研究科修士課程2年。TEENS新宿で指導員として勤務。
- 田中:立正大学心理学部臨床心理学科4年。TEENS川崎で指導員として勤務。
- 谷口:慶應義塾大学総合政策学部4年。TEENS新宿で指導員として勤務。
- 佐藤:慶應義塾大学総合政策学部4年。TEENS三鷹で指導員として勤務。
- 石下:筑波大学大学院人間総合科学研究科博士前期課程2年(修士) 。TEENS新宿で指導員として勤務。
Q. インターンのやりがいや、インターンを通じて学んだことは何ですか?
石下) 子どもがめっちゃかわいいです。元々大好きでしたけど、大学の研究ってなると子どもと関わる機会も減っちゃってて、ここに来て子どもと関わる機会ができたことはうれしかったです。
TEENSには発達障害に特化しているのでコミュニケーションが上手じゃない子とかが集まってて、そういう子同士が一緒に楽しく遊べる雰囲気を作ることができたときに、すごくうれしくて。いつも仏頂面でコミュニケーションを取らない子が、ワードバスケット(注:TEENSで流行中のカードゲーム) をやるとすごく笑うんですよ。かわいくて仕方がないです。
堀井) 私も、TEENSに入ってから「こんなに子どもが好きだったんだ」って知りました。私は小学校教員と幼稚園教諭と保育士の資格をもっているんですけど、そこで実習していた時と比べて、ここではなぜか子どもと関わるのが楽しいんだって感じられて、すごくびっくりしました。
高橋) 僕も子どもが好きかと言われるとそんなでもなかった。発達障害というものに興味をもってここに入ったんですけど、確かに子どもたちみんな一生懸命で、いい子で、かわいいですね。
佐藤) 私は、子どもと接する中で人とのコミュニケーションのとりかたがすごい変わったなって思っています。障害持っているかたには「対等に扱いなさい」って、よく学校とかで言われるじゃないですか。多分大多数の人は自分が対等に扱っていないなんておもっていないし、差別なんてしてないって思っていると思うんですけど、私も初めて支援に入った時に、全然何もわからずにただただ「支援しなきゃ、支援しなきゃ」って思ってなんとなく上から目線で指示をしちゃってたんです。でも、そうすると子どもって全然言うこと聞いてくれないんですよね。
なんでかなって考えた時に、確かに人と接するときに、たとえ正論であっても自分の意見を何も聞いてくれないうちにたくさん指示されるのは、私でもいやだな、って。彼らには彼らなりのロジックがあるんだから、その主張を聞いて、お互いすりあわせていくっていうのが大事だなって思ったんです。それって誰とコミュニケーションを取るときも一緒だって気づいてから少し優しくなれました。友達とかと話す時とかも、私も丸くなったって言われたりして。
堀井) 色んな考えの人がいて、それを尊重すべきだってことに気づけると、私生活にもいい影響がありますよね。
佐藤) そうなんです。あとは、TEENSに着いた時はテンション下がっていたお子さんが、帰る時にはすごく元気になっていたりとかして、そういう姿を見ると私も晴れやかな気持ちで帰ることができます。勤務のある毎週金曜日、楽しかったなって思いながら帰れるんです。
石下) 僕もここ働くとそういう気持ちになれます。ここのスタッフってすごく褒めてくれますよね。子どもだけじゃなくて、インターンに対しても。大したことじゃないんですけど、手すきだったから気づいたことをやると、ありがとうって必ず言ってくれて。そうしてもらえるともっと頑張っちゃおうかな、ってなりますね。そういうのが当たり前なので、支援でうまくいかないことがあってもスタッフの方が明るくしてくれて…月曜日に勤務をしているんですが、一週間の始まりがすごく楽しくって、毎日頑張れます。
堀井) すごい、心から言ってくれるんですよね。さりげないこととかでも。私も仕事始めたころ、全然仕事を覚えられていなかったけど、誰かに貢献できているっていうのを言葉とか態度とかで教えてくれたのでありがたかったです。
石下) 発達障害のある方との関わりでも大事ですもんね、感謝をきちんと言葉にするっていうのは。
田野崎) そうですね、スタッフやインターンがそうやって楽しく、自分を肯定的にとらえながら働いていないと、子どもたちに伝わってしまいますもんね。だからスタッフの中でお互いにお礼を言い合う、っていうのは大事だなって思います。好きでないと、楽しいって思ってないと、支援にでますからね。
堀井) 今TEENSのスタッフ間でもポジティブフィードバックがテーマになっています。スタッフが一丸となって支援をしよう、悩むときもあると思うけど、まずはこちらが楽しみましょうってね。
Q. 将来に向けて今後とりくんでいきたいことを教えてください
田中) 僕は丁度4年で、就活生なんですけど、Kaienへの就職も視野にいれています。その話をスタッフの方に相談していたので、合宿来ない?って言ってもらえたのもありました。なので来年からフルタイムとしてお世話になるかもしれません。
僕は心理をやっていたので、子どもと関われる仕事って、臨床心理士をとらないと働けないのかなって思っていたんですけど、でも資格があっても稼げるお仕事ってあんまりないので、どうしようかなと思っていたところでKaienと出会ったことで視野が広がりました。できればこの道を続けていきたいなって今は思っています。
堀井) 社員になったらやりたいことってありますか?
田中) やりたいことですか。そうですね、これまで支援の中で成長をしてきた実感があるので、まずは支援に向き合って、楽しく仕事をしながらも、成長し続けたいです。
堀井) お子さんと関わる仕事で、お子さんが主役なのはあたりまえですけど、関わっている自分たちも成長していくべきで、成長できるって感覚はすごくありますよね。
石下) 自分は地方に発達障害の人を支援できる場を作りたいなって思っています。今は社長の鈴木さんからも色んな企業の話を聞いて、企業の中で運営の仕方とかっていうのを学んでいる最中です。地方に貢献できるような場を作るような立場になりたいなっていう夢があります。
今発達障害の認知が広まって、学校に実は発達障害のお子さんがいるっていうのはわかってきているけど、その子に対してどう対応すべきかっていうのはまだまだ広まっていないって現状があります。全国にニーズはあるけど、でも地方はまだ充実していないんですよね。地方の福祉をみたときにまだ介護の色が強くって、「発達障害のある子のための塾」とか、そういう視点には至っていない人が多いんです。だからそういう場所を作りたいですね。
堀井) ここから学んで、新たにTEENSみたいな場所を作りたいってことですか?
石下) はい、ここでは会社の運営の仕方っていうのも学べているし、新しい視点っていうのも取り入れられているので、ここで経験をすることでものにして地方に持っていきたいです。
高橋) 僕も北関東にいましたけど、ほとんどなかったですね。確かにそういうのは必要だと思います。
田野崎) Kaienには地域パートナーシップ制度(注:Kaienのプログラムやノウハウを支援機関に提供する制度。詳しくはこちら) ってありますよね。それは?
石下) はい。でも、まだそういうのを取り入れる環境自体が少ないと思っています。ここで得たノウハウをもって、それを活かした場を作りたいです。発達障害の子が勉強できる環境だとか、介護としての福祉ではないものを地方に広めていきたいですね。
堀井) 経営面もインターンとして学べているってことですか?
石下) すっごく学べていますね。
田野崎) 経営とか学べるような福祉関係ってなかなかないですよね。
石下) 鈴木さんだけじゃなくって、スタッフの方々の意識がみんな高くって、もっといいものを作っていこうっていう雰囲気が強いです。その中で自分がやりたいこともやらせてもらえる雰囲気っていうのは、ありがたいです。
谷口) わたしもKaienは入れたら入りたいなって思っていて。入れるかはまだわかんないですけど(笑) なんで入りたいのかなって思った時に、この会社の色や社長の鈴木さんに惹かれたからなんですよね。私はこれって思ったものを突き詰めるタイプなんですけど、支援について「支援者として道のりを示すナビゲーターになりましょう」っていう話を鈴木さんがされていて、それが自分の中で響きました。私も誰かにとってのナビゲーターでありたいって思えたんです。
堀井) 鈴木さんの影響が大きかったと。
谷口) 仕事をする中で鈴木さんに会う機会ってあんまりないですけど、鈴木さんからの週報とかブログとかのメッセージをみて、この人についていったら大丈夫って思いました。端々に感じるぶれなさとかをみたらこの人を信じていいって思えたんです。
今Kaien自体組織づくりを進めている最中だと思うんですけど、インターンの中でもコミットメントの度合いにばらつきはあります。なのでKaienの考え方の魅力とか面白いところに気づいてほしいし、私が教えてあげたいって思いがありますね。魅力がわかるともっと楽しくなるはずだから。そういうのを伝えていく立場の人になりたいです。
堀井) 支援だけでなくってこと?
谷口) いや、まだ全然支援についても知識がないのでそちらも突き詰めたいです。多分10年くらいやらないと本当の面白さは分からないのかな、とは思っていて、まだまだ外側から見ている感覚でいます。私、職人になりたいと思っていて。子どもの時から器械体操をやっていたんですけど、そういうやり方があっていると感じています。自分がいいと思ったものをとことんやって、職人にもなりたい。そういう働き方ができそうだし、したいなと思っています。
高橋) 職人は絶対に必要ですし、職人になれる環境だと思います。
谷口) この会社だったらスペシャリストを目指しながらもジェネラリストにもなれる。そういうのがいいですよね。
佐藤) 私も今就職活動中なんですけど、Kaienで働いていて、私にとっての一番の収穫が働くってこんなに楽しいんだって思えたことでした。今までアルバイトとかしていても、お金のためっていう感じで。友達もいるし楽しいけど、それ以上の喜びはないんですよね。でも、TEENSで働くのは本当に楽しくて。
堀井) 佐藤さん、本当にいつも楽しそうですもんね。
佐藤) はい、「すごく楽しそうに働いているね」ってスタッフの方にもよく言われて、確かに!ってなりました。自分が楽しく働けると、お子さんにも、周りの人にもいい影響を与えられるっていうのがすごくうれしくて。ここで学んだ自分にあっている働き方っていうのを活かして、今後どうしていくかは考えていきたい、て思っている最中です。
田野崎) 私は心理とか福祉とか関係なく歴史を学んでいるので、このまま博士進学をするか、就職するか、というのを迷っている時期です。
ただ、教育に興味をもつっていう機会だけはなんとかして与えたいっていう気持ちはあります。ここでインターンをしていて教育っていうものの重要性をより学んでいて、障害のあるなしに関係なく学びに躓いている子たちが「勉強ってわかったら面白いじゃん!」ってなってくれた時の喜びが大きいです。教育の格差があると将来的な経済レベルの格差にも繋がってしまうじゃないですか。それは障害のある人もそうだし、貧困の人もそうだし、外国人で言葉がしゃべれないから、コミュニケーションをとれないから勉強ができないって子も含めて、そういう社会的に学びにハンデを負っている人たちに対しても教育の機会だけは均等にしてあげたい、っていう気持ちが強くなりました。
堀井) いいですね。元々田野崎さんは違う分野のことを勉強されていたわけですもんね。
田野崎) はい。福祉とか心理とかを勉強している人だけじゃなくて、僕みたいに歴史をやっているとか、まったく関係ない人でも、ここでは学びをえられる。それを福祉以外の分野で活かせたらいいと思うんです。
高橋) 発達障害のことを勉強をすると色んな考え方が変わってきて、発達障害があるない、っていうことよりも相手を人として考えるようになりますよね。皆さんそれぞれ色んなバックグランドでここに入ってきて、いろんなことをここで学んで、それが活かされるのがすごくいいなって思いました。
堀井) 確かに。どんどん色んな人に来てもらって、どんどん色んな方面に旅立っていってほしいです。Kaienはインターンの方を伝道師だと捉えているので、ここで活躍する人も、別の方面で活躍する人も育てていきたい思いがあるので。
高橋) 皆さん色んな考えがありつつ、根っこでは共通していることがしっかりあって安心しました。今後皆さんには自分の強みや理念を尖らせながら、プロフェッショナルになっていってほしいです。
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