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「なんだこれ!?」と驚いたKaienの支援~懸け橋 第3回~ TEENS川崎 エイブルシーカー 大嶺あきな

2016年11月29日

 お子さんがTEENSに来て、いやな気持ちで時間を過ごすのはもったいないと思うんです。だから、少しでもモチベーションをあげて取り組んでいけるのかいつも考えています。支援の中でハッとひらめいた方法で、お子さんが積極的に課題に取り組めるようになると自分がいる意味があるんだなと思います。

 インタビューシリーズ”懸け橋”。3回目は放課後等デイサービス TEENSのエイブルシーカー 大嶺あきなさんにお話を伺いました。

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自分の見立てや支援に悩んだ言語聴覚士時代

 言語聴覚士として8年間、北海道の病院で、未就学から低学年のお子さんの療育に関わっていました。私のところに来るお子さんの親御さんは発達障害に詳しいわけではなかったです。だから、療育を通して伝えたことを自宅でも一生懸命取り組んでもらって、それが目に見える効果となって表われることはとてもうれしかったです。

 でも、ほとんどのお子さんが通って来るのは月に1回とか2回。だから、本当に私の見立てや支援がどのくらい効果的だったかというと自信は持てませんでした。また、自分一人で見立てて支援策を考えるので、本当にこれで効果のある支援ができるのかと悩むことも多かったですね。

 30歳くらいになって、周りが結婚・出産をしていく中で自分の生き方について考えました。そう考えた時、私は家族のためにお金を稼ぐ必要もないし、引っ越しだって自由にできる。だから働く場所もこだわらなくていいし、資格にこだわらない支援の仕事も選べるんだと思うようになりました。そんな自由な気持ちの中で見つけたのが、東京にあるKaienでした。

「なんだこれ!?」と驚いたKaienの支援

 一番惹かれたのは「お仕事体験」でした。今までは「遊び」を通じて楽しく学ぶ支援だったので、全然違う視点に興味がわきました。

 実際に働きだしたら、これまで私がおこなってきた「支援」という枠組みとは全く逆のアプローチで子ども達に接していることにとても驚きました。前職ではそれぞれのお子さんの課題に合わせたオーダーメイドの訓練をする、という流れでしたが、ここでは「お仕事体験」「学習支援」などの枠組みが最初にあって、そこから支援が始まります。よく言われる「構造化(見てわかる支援)」もそれほど強調されていなかったり、「楽しく学ぶ」ではなく「よりリアルな社会」を体現できるようにカチッキチッとした緊張感がありました。

 最初はこのようなアプローチに戸惑ったのが正直なところです。前職は早いうちに診断を受けていて、本人も家族も「障害児」として受け止めている人たちが多かったので。でも、TEENSのお子さんたちの多くは「通常級」にいて、いわゆるグレーゾーンにいる子たちが多い。つまりTEENSのお子さんたちは、将来必ずしも発達障害に詳しい人たちばかりではない環境、完全に構造化されていない社会で働くことがあるんです。だから「あ、そっか。だからこういう支援が必要なんだ」とストンと落ちました。

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閃いた方法が上手くいくと、自分がいる意味があるんだなと感じる

 TEENSには「勉強がイヤだ!」と言って来る子が多いです。学校では「いつもみんなよりできない」、家でも勉強ができなくてしかられる、そういう苦手なことをしにくるわけですから、イヤですよね(笑) でも、せっかく来るんだったらイヤな気持ちで過ごすのってもったいないなって思うんです。だから、少しでもやる気になってもらえるようにしたくて、どうしたらモチベーションが上がってやる気になるのか、常に考えてます。

 先日も、市販の教材では全然取り組めないお子さんに対して、「書く教材」ではなく「手を動かして並べ替える教材」をその場で一緒に作ったら、積極的に問題を解くようになったんです。ちょっと視点を変えて閃いた方法で、お子さんがやる気になったり、積極的に取り組めるようになったりすると、自分がいる意味があるんだなと思います。

 

同じ拠点で相談出来たり、助け合ったりできるのは働きやすいと思う

 私は遊ぶのが好きだし、一緒に楽しみたいと思っちゃうんです。だから、小さいお子さんはうまく気持ちを乗せて、課題に取り組んでもらえるように工夫をしていけるんです。でも、中学生・高校生のお子さんの中には淡々とした口調で接する必要のある子もいたり、私自身もその子の人生に必要かわからない勉強の意味を問われたりすると上手に答えられなかったり、戸惑ってしまうことがあります。そんな私を見てか、あるお子さんは別のスタッフにはピシっと背筋を伸ばして話すのに、私の前ではふざけてしまうんです。そんなふうに困ったなという状況にもなると、拠点のみんなで話し合って、その子の支援において自分の役割を確認するようにしています。みんなが無理に一つの支援をするのではなく、みんなでそれぞれの強みを活かしながら支援ができるのはとてもやりやすいです。

大嶺あきな TEENS川崎 エイブルシーカー

  • 出身 北海道北見市
  • 幼少期 4人きょうだいと10数人のいとこに囲まれ、にぎやかな環境で遊びながら育つ。
  • 小学時代 将来なりたい職業は「小学校の先生」。一番身近な職業人だったのかもしれない。
  • 高校時代 作業療法士をしていた姉の影響で医療や福祉の分野にも関心を持つようになり言語聴覚士の道を選ぶ。
  • 専門学校修了後 言語聴覚士として北海道の病院に8年勤務。
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