採用情報

7月開所を目指す!Kaien代々木 首都圏7つ目 発達障害の方向けの就労移行支援 スタッフも募集中

 昨日は最近何かと話題の都庁に行ってきました。とはいっても、非常に当社的な話です。新しい就労移行支援事業所を立ち上げるための説明会に行ってまいりました。

当社としては7事業所目の就労移行支援事業所

 今のところ当社は、秋葉原(2箇所)、池袋、新宿、川崎、横浜に、就労移行支援事業所をあわせて6拠点運営しています。今回新たに渋谷区の代々木に新拠点を立ち上げる準備を進めています。

【参考】Kaien 事業所一覧

 東京都内の新設拠点としては2015年の池袋拠点以来になります。山手線の西側では当社の利用希望が多く、新宿だけでは収容できないことから、半年以上の時間を掛けて、新宿第2拠点を探していました。以前も書いたとおり障害福祉施設はなかなかビルオーナーさんがOKと言わないことも有り難航したのですが、今回ほぼ問題なさそうです。

 もちろん、今後、東京都の福祉保健局や渋谷区の障害福祉課とのやり取りがありますし、概ねOKをもらっているものの管轄の建築課や消防にも最終的な確認をする必要がありますので、諸々の行政手続で気が重いのですが…7月1日の開所を目指していきます。梅雨のさなかだと思いますが、気分爽快な開所を迎えたい!と心の底から思っています。

できれば一番エッジの立った事業所に

 Kaien代々木をどのような事業所にするか?1・2駅しか離れていないKaien新宿と性格を変える必要があると考えています。新宿はガクプロ(大学生向けの就活支援塾)も同フロアに併設しているので、支援の連続性を考える拠点により色付けしていこうかなぁと思っています。他方、代々木は、ビットバレーの渋谷区にあるということで、やや強引ですが、より年齢高めの方、より就業経験の有る方、に当社らしい、従来福祉ではできづらい体験ができる拠点にしようというのが今の個人的な考えです。

代々木駅から徒歩5分程度。代々木公園が目と鼻の先です。ビルの1階部分となります。

スタッフも募集中 近々関西も

 実は概ねスタッフの配置も見えてきていますが、良質なスタッフは居るに越したことはないです。ぜひこの機に応募をして頂けるとありがたいです。

 この代々木で首都圏での拠点拡大は徐々にペースダウンしたいのですが、一方で首都圏でも子ども向けサービスはまだまだ当社の拠点が少ないので今まで以上に拡大したいと思っています。

【参考】TEENSは今まで以上に拠点を増やしていきます厚労省方針 放課後等デイサービスの開設要件厳格化を受けて

 また地方の展開は本腰を入れるつもりです。まずは関西だと思っていて、関係者にご挨拶に行くとともに、なによりもスタッフ=同志を集める必要があります。数ヶ月後というスパンではないですが、1年後には形にしないとというペースで考えています。ぜひわれこそは!という方はご連絡頂ければ幸いです。

【参考】採用情報

発達障害支援のキモを学ぶ「科挙」&新ビジネスプラン創出「FedEx Day」 スタッフ合宿 2017春

 先週金曜・土曜と1泊2日で社員合宿でした。

 これまでは半年に一回、全社員が参加していましたが規模等を考え、今回から断念。半分ぐらいのスタッフでの参加でした。(残り半分は拠点を守る=通常業務をしてもらいました。)その他、取締役、そして地域パートナー(当社のプログラムを首都圏以外で活用している福祉企業・団体)の方も複数名参加いただいています。

 前回から始めた「科挙」と呼んでいる発達障害支援のキモを学び試験を行う仕組み。今回は進化したものが出来たかなぁと思います。僕個人としても、①大人の発達障害、②面接・ファシリテーション技法、③仕事術(時間管理・段取り、PC・クラウド操作、ミーティング・報連相の意義と方法論)の3講座を担当しています。今月末までに提出される回答が楽しみです。

【参考】研修・人材育成 ~発達障害支援のプロフェッショナルを育てるために~

 合宿のもう一つの柱が「FedEx Day」。日本では当たり前ですが世界的には24時間以内に配送するサービスは珍しく、それに掛けたプログラムがFedEx Dayです。つまり24時間で新しいサービスを届ける仕組み。今回は15名ほどが挑んでいます。とはいえ、進化した「科挙」に比べると「FedEx Day」は今回やや小粒にとどまりました。幾つか取り入れる改善策や新規の打ち手はありそうですが、当社を大きく変えるようなものはあまりなく。でも、すでに次回以降の合宿ではより「FedEx Day」を充実させる施策を打っているので、合宿の効果をしっかりと追求したいと思います。

 個人的な成果は「科挙」でも「FedEx Day」でもなく、やはり「取締役会」。今回は正式に開催したわけではないですが、5年後10年後を見据えてどう動こうかと。いつものオフィスから離れて、信頼できる人達と話す場は刺激になります。要は僕の決断次第。次回の取締役会・合宿までにはしっかりと考えて、社内外の人が期待してくれるような動きを見せたいと思います。

 次回合宿は7月。「科挙」を履修する新入社員と「科挙」の再履修の方々(どのぐらいですかね…)と、「新FedEx Day」に参加者と、外部の参加者と取締役。やはり30・40人ぐらいの規模になるかなぁと思います。

発達障害愛 発達障害オタクトーク ~放課後等デイ・TEENSの現状と今後~ 第1回

 当社の想いや現場での働き甲斐をお伝えする『懸け橋』。今回からは5回シリーズで、昨年末(2016年12月)に教育事業部の執行役員に就任した飯島さなえと、社長の鈴木の対談をお送りします。当社の小中高生向け事業である放課後等デイサービスTEENSに焦点を当てながら、当社で働くとは?発達障害とは?を考えます。

対談:鈴木慶太(代表取締役) × 飯島さなえ (執行役員 教育事業担当)

 

発達障害オタクトーク

鈴木)今日はなんで呼ばれたと思ってます?

飯島)鈴木さんに最初に言われたのは、「オタクトークをしましょう」と。「それはいいですね」みたいな。だからテーマとかはそんなに深く聞いてないですけど。

鈴木) 確かにオタクトークをするためになんだけどね。気をつけなきゃいけないのは、発達障害のことをからかってるって思われるかもしれないこと。そこが結構難しい。

飯島)あー、それは違いますね。

鈴木)違うでしょ?でも、そういう風に受け取る人は結構いると思うんです。

飯島)いますいます。だから「語弊が生じるかもしれませんけど」って、枕言葉のようによくつけますけど。私は、発達障害の人にものすごく敬意を持っています。

鈴木)『さんまのからくりテレビ』ってあなた知ってる?

飯島) 知ってます。あの『ご長寿早押しクイズ』のですよね?あれがなんですか?

鈴木)あれも、現場の人はご長寿の人を愛していると思うんだけど。見方によっては。

飯島)高齢者を馬鹿にしているってことですか。あー、なるほど。

鈴木)うん。若干。認知症があるのかなっていう人を、笑っているとかって捉えられる可能性がある。

飯島)でも、馬鹿にしてるわけじゃないってことは、発達障害のことを本当に好きじゃない人には、結局分からないだろうなと思います。

鈴木)うん。だけどやっぱり発達障害の子どもがいる親御さんとかも、「子どもに発達障害があって良かった」って本当の意味ではなかなか思えないというか。あるいは、発達障害を抜きにして子どものことを考えるのが難しくなっている人は結構いるから。

飯島)うーん。何をどういう風に気をつけていけばいいですかね。あんまり気をつけてしゃべれる気がしないので。上手く編集してほしいなと。確かに誤解を受けるだろうなっていう気持ちはあります。

鈴木)あるよね。

飯島)私が使った言葉を他のスタッフがそのまま使っている時に、場面によっては、「あ、なんかこれちょっと危険かな。誤解されないかな。」って思うこともあります。

鈴木)面接技法の中で「自己覚知」っていうキーワードがあって。つまり「自分がどういう風に他者から見られているのか」っていうのを知らないと、同じ言葉を使ったとしても、対面している人に対する響きが違うということね。その辺をちょっと気をつけて喋っていきましょう。

あなたはなぜTEENSへ?

鈴木)まず飯島さんが入社した時に、「なぜTEENSをいいと思ったか」とか。入った時の感想から聞こうかな。どのあたりが他と違うかと思ったかとか。

飯島)私はKaienに入社する前は、大人向けの生活介護で働いていたんですけど。自閉症の重度の方が集まっている施設で。やりがいはあったんですけど、やっぱり子どもが好きなので、「子どもが見たい」と思って。発達障害の子を専門に見ているところを探していて。Kaienともう1つ別のところを受けていたんです。でも、当時のTEENSってWEBサイトに「発達障害」という言葉を載せてなかったんですよね。「発達凸凹」って書いてて。

鈴木)うん。確かに。SEO対策としては最悪。

飯島)そう。だから探すのがすごく大変で。検索して検索してやっと見つけたっていう感じ。TEENSのサイトは埋もれていたので。Kaienを先に見つけて。そこから「あれ?子ども向けもあるみたい」という感じで。もう1社受けてた会社と比較すると、Kaienは「発達障害」とも書いてないし。なんですかね。「世の中に知らしめよう」ていう感じではなくって、「自分たちがいいと思うものを自分たちのできる範囲でコツコツやってます」っていうっていう印象を受けて。子どもが読んでも大丈夫な文章というか。あれはなんで「発達凸凹」という言葉で書いてたんですか?

鈴木)うーんと、何かを始める時は偏りがあった方がいい。メッセージがすごく強い方がいい。そうじゃないと際立たないし。そこは僕の中でのこだわりで。仰る通り、子どもが見ても大丈夫なようにというのもある。言葉狩りじゃないけど、「発達障害」という言葉を使わずに表現しようっていう取り組みは常にあって、その中の一環だね。でも個人的には発達障害を障害じゃないとはやっぱり言い切れないと思うんだよね。

飯島)あぁ、障害と思っている。

鈴木)なんて言うのかな。「障害」っていう言葉自体が悪じゃなくって。だって普通に「障害」って言葉を使うから。自分の障害もあるじゃない。飯島さんの障害も。

飯島)はい。あります。

鈴木)僕自身の障害も結構ある。「あの人、大丈夫なのかな?」と思われる部分もあったりするわけじゃない?

飯島)うん。別になんていうことはないというか。誰もが障害を持っている。

鈴木)そうそう。TEENSとかKaienに通っている人もいない人も、苦手さとか障害は普通にあると思うんですよね。ただ「発達障害」ってあまりにも使われ過ぎている言葉で、レッテルを貼られやすい。「そうじゃない、新しい視点で見ています」っていうメッセージを伝えるためには「発達障害」っていう言葉を使わない方が初めは良かった。

飯島)はい。

鈴木)で、ある程度、「自分たちはこういう風にやるんだ」「こういう風に接するんだ」っていうのが固まっていくと、使い古された言葉を使ってもメッセージが弱まらないって思うようになって来た。「ある程度固まってきた」というのは、自分たちの目線からの話だけど。

飯島)今は「発達障害」という言葉を使うように変わってたっていうことですよね。

鈴木)その通りです。

飯島)当時は、TEENSは新宿拠点しかなくてひっそりやっていたので、世に知らしめる必要もそんなになかった。口コミだけで常に満員になっていたので。だからなんて言うんですかね。アウトローというのかな。なんか尖っているなっていう。ウェルカムじゃないんですよね。採用のページとかも。

鈴木)あぁ、確かに。

飯島)応募したければどうぞみたいな感じで。フォームも応募しにくいフォームで。

鈴木)そんなことないよ。そこまで難しくしてない。

飯島)でも、「電話でもメールでも受け付けますよ」っていう感じでは全然なくって。その感じがかえって良かったですね。それで選んで決めました。あと、横浜に新拠点ができますよっていうタイミングでもあったんで、楽しそうだなって。

鈴木)あぁ、なるほどね。

飯島)それが二年半前です。

お仕事体験の衝撃

鈴木)入ってみた感想は?TEENSに対するものでも会社でもいいですけど。

飯島)会社に対しては、それまで社会福祉法人という超福祉畑にいたので。シュレッダーが1つ故障して、それを買い替えるにも書類を書かなきゃいけないんですよ。「これこれこういう理由でシュレッダーが壊れて、必要なので買ってください」って。そういう「効率」っていう言葉が皆無のスピード感のところで働いていたから、最初はついていくのが大変でした。情報量も違いますし。

鈴木)TEENSのサービスについては?今考えると、なんかもうボロボロだったよね。

飯島)一番最初に入ったのが学習支援で。

鈴木)うん。

飯島)なんかまぁ、普通だなと。

鈴木)うん。

飯島)ぐらいの感じでした。正直なところ。スタッフは一流な人がちらほらいて。その人たちが接している分には、子どもたちがすごく伸びてる感じもした。でも、全員が全員そのレベルを保ててるかというと。システムがちゃんとしてなかったので、そういう感じでは全然なかった。「まぁこんな感じか。ふーん。」っていうのが正直なところでした。でも、何日か後にお仕事体験に入って。これはびっくりした。今まで色んな療育とかプログラムを見てきましたけど、お仕事体験は一番すごいなって。

鈴木)飯島さんにとって、それまでの一番はTEACCH(注:アメリカ、ノースカロライナ州の州立機関であり、個々の自閉症者とその家族にさまざまなサービスを提供している。自閉症の人は発達が遅れていたり劣っていたりするのではなく、健常発達の人と比べた場合に発達の様相が異なっていて不均衡である、という基本視点を持つ。自閉症を治す教育や支援をするのではなく、自閉症児者が自閉症のままで自立して活動し社会との共生を目指す。)だと聞いたけど。

飯島)TEACCHは私の中で土台なので。TEACCHって、プログラムというか考え方とか理念なので。ABA(注:応用行動分析学と呼ばれる科学的なヒューマン・サービスの包括的な体系。子どもの行動を、環境との相互作用の枠組みで捉える理論のこと。)を応用した手法とか、ポーテージプログラムとか色々な理論・支援法があって。子どもたちの困り感に寄り添って対処療法的に対応したり、社会性を伸ばすSSTみたいなものとか。世の中に色々な理論があったけど、「働く」っていうところに主軸を置いて、何て言うのかな、きれいごとじゃなく、現実社会で生きていくための力をつけようっていうブレのなさに…。

鈴木)でも当時のお仕事体験は、今思うとまだ甘かったと思うけどね。

飯島)今思えばまだ全然なんですけど。

鈴木)ままごとに近かったよね。

飯島)でもシステムとして、「子どもたちに働くことを教えることで、生きる力をつけていくんだよ」っていう視点が、当時他にあったんですかね。少なくとも私は知らなくて。

鈴木)今も他にはないんじゃない。

飯島)いや、今はTEACCHとか。子どもの頃から就労を視野にいれて支援しましょう、っていうのに力を入れています。でもTEENSは世界的にも先駆けでしょうね。

仕事を通じてソーシャルスキルを学ぶ 

鈴木)自分の子どもが発達障害と診断された時に、僕が一番初めに気になったのが「働けるか」ということだった。というのも僕は若干「働くオタク」なんだよね。

飯島)確かにそうじゃないと、こういう仕事をできないですよね。

鈴木)うん。自分が働くことも好きだし、人が上手に働くことを望んでいる。サッカーを好きな人がサッカーを広めたいと思うのとほとんど一緒なんだよね。

飯島)カズみたいな。キングカズ。

鈴木)こんな面白いことあるのに、なんで皆つまらなそうにやっているのかなって。

飯島)でも、NHKで働いていた時は面白くなかったって言ってたじゃないですか。

鈴木)いや、働くことは好きだった。

飯島) 働くことは好き。

鈴木)働くことは常に好きで全力でやっていたけど、自分が上手に活かされていないっていう感じが常にあって。不全感というか。もうちょっと上手く働けるはずって思った。だから転職した。というかMBAに行ったんですけど。

飯島)あ、そうですね。

鈴木)だけど「こういう風にやれば上手に働けるのにな」というのが常にあったわけね。それは発達障害の人かどうかに関わらず、周囲にも押し付けで教えてますけど。あとはなんていうかな。どうして働くのが面白いかって言ったら、感謝されるからね。感謝されてないとお金ってもらえないはずだから。

飯島)確かに。そうですよね。

鈴木)うん。だから大きな意味でのrewardっていうの?報酬が受けられるのが仕事では面白い。だから僕は働くことが趣味なんだよね。

飯島)発達障害の人たちにとって、「報酬」っていうのはすごく大きいキーワードで。

鈴木)いや、どんな人でもそうでしょ。

飯島)まぁそうですけど。発達障害の人には特にそうかなって。なので、「働く」っていう枠組みの中で成長していくというプログラムにしたのは、すごく理に叶ってると思ったんです。

鈴木)お仕事体験というプログラムは、論理で考えていって積み上げた上での発想というよりは、たまたま親御さんと話していて浮かんだものなんだけどね。

飯島)そうなんですか。

鈴木)初めの内は、TEENSで何をすればいいのか分からなかった。何をしたら子どもたちが働けるようになるのかなって、すごく悩んでたわけ。

飯島)はぁ。

鈴木)ある時に親御さんと話していて、ちょっと待てよと。「Kaienにはもう就労支援のプログラムあるよね」と。「それを子どもにやればいいんじゃないの?」と思ったわけ。「ヘッドフェイクラーニング」って言ってるけど。

飯島)ヘッド…

鈴木)ヘッドフェイクラーニング(注:その体験に直接的に必要となる知識の習得を目的にするだけでなく、体験を通して得られるソフトスキルを学ぶことを目的とした学習方法のこと)。子どもたちは、「お仕事」っていうちょっと大人っぽい感覚で、大人の世界に半分足を突っ込んだような感じになる。だけど、実はそこで学んでいるのは仕事のノウハウというよりも、より広く、いわゆるソフトスキル・ソーシャルスキルというか。「チームワーク」「協調性」「役割分担」「コミュニケーション」とか。その辺を学ぶことができるよねと。

僕は子どもの頃、野球や音楽をやってて。その時に「プロ野球の選手になりたい」とか「プロのオーケストラで吹きたい」と思っていたかというと、思っていた時もあったかもしれないけど、基本的にはそうじゃない。ただ、そこから学んだことは多い。でも発達障害の子って、集団で何かをする場になかなか行けない。じゃあ、どうやったら、そういうチームワークを体験できる場を発達障害の子に与えられるかと考えると、仕事の現場ってまさにそういう場なので。だから仕事を面白く、楽しく体験できる場があればいいなっていう発想かな。TEENSのお仕事体験が生まれたのはね。

飯島)はい。

発達障害オタクトーク ~放課後等デイ・TEENSの現状と今後~

飯島さなえ

大学卒業後、成人の自閉・知的障害者の通所施設(生活介護・就労継続B型)で 3年間勤務。 2014年Kaienに入社。TEENS横浜・TEENS川崎で勤務後、2016年に執行役員(教育事業部)就任。

関連ページ

  • 就労移行支援 発達障害の人に特化した職業訓練・就活支援・職業紹介・定着支援
  • ガクプロ 発達障害(含・疑い)のある大学生・専門学校生向けの就活サークル
  • TEENS 発達障害のある小中高生向け 放課後等デイサービス 学習支援とお仕事体験
  • 当社の採用情報

日本経済新聞 電子版「就活で自覚する発達障害の壁」に当社コメントが掲載

2017年3月6日付の日本経済新聞電子版記事「就活で初めて自覚する 発達障害の壁」に当社代表鈴木のコメントが掲載されました。

  • 掲載日:2016年3月6日
  • 掲載:日本経済新聞 電子版
  • 記事URL:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO13637250T00C17A3000000/blank_blue
  • 記事タイトル:就活で初めて自覚する 発達障害の壁
  • 内容:「売り手市場が続く新卒採用の中で、発達障害をもつ学生の就活が社会問題になりつつある。彼らの悩みと個性を企業はどう受け入れるのか。」という記事の中で、なぜ発達障害の人が現代の就活に困難を感じるかを当社代表の鈴木がコメントしています。

メディア掲載情報

関連ページ

日本経済新聞 電子版 就活で自覚する発達障害の壁 という記事で当社のコメントが掲載されました

  • 掲載日:2016年3月6日
  • 掲載:日本経済新聞 電子版
  • 記事URL:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO13637250T00C17A3000000/blank_blue
  • 記事タイトル:就活で初めて自覚する 発達障害の壁
  • 内容:「売り手市場が続く新卒採用の中で、発達障害をもつ学生の就活が社会問題になりつつある。彼らの悩みと個性を企業はどう受け入れるのか。」という記事の中で、なぜ発達障害の人が現代の就活に困難を感じるかを当社代表の鈴木がコメントしています。

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明日の当たり前を創る 鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』 第5回

 当社の想いや現場での働き甲斐をお伝えする『懸け橋』。5回シリーズで、社長であり社員番号1番の鈴木、2番の田中正枝、昨年末に取締役・執行役員に就任した3番の須賀智美の鼎談をお送りします。

 これまで管理職がいない、完全にフラットな組織であったKaienも、スタッフが150人を超え、約700人の利用者に日々サービスを提供する規模の会社になっています。更なる成長を見越し、社長に指示系統が集中する状態から、社員一人一人がより力を発揮しやすい強固な組織作りをしている最中です。

 初期から在籍するメンバーが、今までどう働き、今後を見据えているか。最終回は3人が考える今後のKaienです。

 

古参社員が考える明日のKaien

鈴木: じゃあ、最後に、これから会社をどうしたいか、自分はどうしたいか、どう役割を果たせるか?これを聞きましょう。

須賀: やっぱりどうしても今までって日々日々の仕事に邁進してきたんだなぁと思うんですよね。鈴木さんも含めて全社員が。もちろん日々手を抜かずにやってきたからこそ、ある程度の成果が出てきたんだと思うんです。ただ、今出ている成果は日々の積み上げでしかない。

 まずは鈴木さんが日々以外のことを考えられるようにしないといけないなと思うし、自分も考えられるようにしないといけないと思う。全社員が考える必要はないけれど、考えられる人が出てくる会社にしないといけないなと思う。今試行錯誤している会社の新しい制度もそのためのもの。一人ひとりがやみくもに働くのではなく、自分の持てる力を上手に発揮し、成長する、組織ごとに役割分担をして効率的に様々な分野をカバーすることで、会社全体ができることを増やしていく。目の前だけでなく、中長期を見る人、周辺を見る人も出てくる。攻めも守りも時間軸、視野の広さが必要なので、自分も含めてそういう視座で物事をとらえられる人を増やしていく。

鈴木: ゆとりがある人がある程度いないと、見落としちゃうところがあるんじゃないかということですね。確かに、皆全力投球で手を抜かないのがKaienのカルチャーなんだけれど、逆に言うとゆとりを作っていない。だから何か異常事態が起きたりとか、徐々に変化が起きている時に気づきにくい。一日単位で見ているから、というのはあるかもしれないですね。余裕がある人がもう少し長い単位で見たり、抜け漏れをチェックしたりといういい意味の遊びが会社にないといけない。

須賀: そうですね。日々の延長でしか物事を考えられないようにならないようにとか。

鈴木: それは重要ですね。「明日の常識を創る」というか、「明日の当たり前を創る」というのが少なくとも僕のテーマで。明日を考えるためには、今日の延長線上で考えてしまうとちょっと違いますからね。田中さんは、どういう会社になるべきか、どういう役割を果たすか。

田中: 私はKaienがとても好きなので、どういう形をしていても好きなんだろうなと。

鈴木: Kaienの核となる部分が残っていればということですよね。

田中: ああそうです。それがなくなると駄目だと思うんですけれど。

鈴木: 伝統文化が残ってほしいなと、だけど新しい色を取り入れてほしいということですよね。

須賀: 伝統文化と言えば、私はとにかく海のものとも山のものともわからないKaienの扉を初期にたたいてくれた人たちをずっと大切にしていきたい。彼らがいたから、今、訓練生が毎月のように就職することが普通になった。新しい普通をこれからも作るうえで、働き続けることとか、キャリアアップを普通にしなきゃいけない。どうやって?はまだノープランですが。あと、もう一つ。今、経営本部で訓練修了生3名が活躍していますけど、会社の規模に応じてこれからも採用したいし、他社ではできないほとの戦力化を実証すること、それを発信することもKaienが果たすべき役割だと思っています。

 

石が社会を変える

鈴木: 最後に僕への質問はありますか?

田中: 新体制で鈴木さんはどういうことをされるのでしょうか?

鈴木: 今は少なくとも就労移行支援の執行役員も兼ねているので、就労移行支援の執行役員を育てるか、探すかというのがまず大きな仕事。自分の代わりをまずここで作らないといけない。もう一つはマーケティング、集客、採用で、人を引きつけるために僕が結構重要な役割を果たしているから、そこは相変わらずやっていく。

 採用面接でKaienの文化をきちんと伝えて、入社したいと思ってもらう。書類の段階でそう思ってもらうのは、ウェブサイトをきちんと作るということになると思うんですけれど。集客のところもウェブサイトを作ったり、文言を考えたりするのは僕が得意だと思うので。

 だから、就労移行支援の大きなかじ取り、採用、Kaienを利用したいお客さんを増やしていくことを今後も僕がやっていく。それから今はまだKaienは福祉の会社だと思うのですけれど、もっと他にできる可能性があると思うので、5年後・10年後にKaienの価値を使って社会が受け入れてくれるサービスを作って、売上げを上げていくのを考えたり動いたりするのが僕の仕事でしょうね。

田中: 一次面接は、引き続き鈴木さんが全部やるんですか?

鈴木: やったほうが良いと思うけれども。

須賀: 文化の話に戻っちゃいますけれど、結構好評ですよね。鈴木さんが一次面接をすることは。

鈴木: そこでKaienで働く意味付けができていないと、その後あまりよくないと思う。それと、そこで断る人もいるじゃないですか。二次面接に進みませんって。一次面接の段階で、応募者の人がこの会社で働くのは自分には違うなと思ってくれるので、お互いにとって余計な時間を使わずに済むのでいいですよね。

須賀: あとは会社の姿勢みたいものを面接の場で感じるんですよね。

鈴木: もちろんそうです。採用試験というよりはプチ研修ですよね。相手の能力を見ているだけでなく、文化を伝えて、当社がどういうものがわかってもらう場なので、それは続けていくことになると思います。

 これからの時代は、ちょっとビジネス的に言うと、営業戦略とかよりも人材の戦略が大事。とにかく優秀な人が希少価値で、ビジネスの常識というのは既にコモディティ化しているから。なので、いい人を採れるか、採った人をより良くできるかが会社の力の源泉ですね。残念ながら、福祉の世界は1000万円・2000万円の給料を渡せないから、その辺から宝(のような人)を拾ってくることはできない。なので、石をきれいに磨く。でも良い石を取ってくるのは結構重要。

須賀: 私たちは石か。ははは(笑)。

鈴木: でもそうでしょう。石が社会を支える。宝が社会を支えるわけではないよね。

 

鈴木: さて、時間も90分過ぎたしちょうどよいね。じゃあここらで終わりにしましょう。

須賀・田中: ありがとうございました。

鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』

田中正枝

Kaienの社員番号2番であり総務所属。県税事務所、メーカーでの勤務を経て、損保系会社の人事事務に。2010年にパートタイムとしてKaienに入社。翌年からフルタイムとして勤務。

須賀智美

Kaienの社員番号3番であり取締役・執行役員(経営本部担当)。大学卒業後、13年間鉄道会社に勤務。退職後、上智社会福祉専門学校、慶應義塾大学大学院へ。2010年、大学院在学中にパートタイムとしてKaienに入社。2012年、大学院修了と同時にフルタイムとして勤務。

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  • 就労移行支援 発達障害の人に特化した職業訓練・就活支援・職業紹介・定着支援
  • ガクプロ 発達障害(含・疑い)のある大学生・専門学校生向けの就活サークル
  • TEENS 発達障害のある小中高生向け 放課後等デイサービス 学習支援とお仕事体験
  • 当社の採用情報

Kaienの文化と社風 Q&A② 鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』 第4回

 当社の想いや現場での働き甲斐をお伝えする『懸け橋』。5回シリーズで、社長であり社員番号1番の鈴木、2番の田中正枝、昨年末に取締役・執行役員に就任した3番の須賀智美の鼎談をお送りします。

 これまで管理職がいない、完全にフラットな組織であったKaienも、スタッフが150人を超え、約700人の利用者に日々サービスを提供する規模の会社になっています。更なる成長を見越し、社長に指示系統が集中する状態から、社員一人一人がより力を発揮しやすい強固な組織作りをしている最中です。

 初期から在籍するメンバーが、今までどう働き、今後を見据えているか。第4回は前回からの続きで、社長からの○×クイズでKaien文化を探ります。

本当に発達障害の強みを活かしているか?

鈴木: 次は、発達障害の強みを活かした支援に本当になっているかどうか?

(札を上げる 須賀=〇 田中=〇)

鈴木: なっている?僕はまだ数パーセントだと思っているんです。お二人とも悩んで札を出したけれどどうですか?

須賀: 凸凹が原因で起きる不都合をなるべく減らそうとはしていると思いますけれど。特性があるから配慮してくださいではなくて、特性はあって配慮も必要だけど、自分ではこういう対策をしているので、ここまでは大丈夫ですと言えるくらいの自己理解と対策を武器にしている。

鈴木: でもそれは、マイナス部分である弱みをなるべく見せないようにするという風に聞こえますね。

須賀: あ、そうですね。

鈴木: 発達障害の強みを活かすと書いていながら、「本当に活かせているの?」というのは常に命題として意識していて。Kaienの支援はどこまでできているのかなという気がしちゃうんだよね。

田中: 強みを活かした支援というのはどんなものだと思いますか?

鈴木: 僕の定義を言うと、さっきの話(注:第2回 支援者と利用者は同じ船に乗っている)のように、多くの場合、発達障害の当事者と支援者は分けて考えられる。そうじゃなくてまず彼らを一人の人間として認めることが、その人の個性や得意を活かすための前提となる。だから、まずは「受け入れる」ことが「強みを活かす」ということ。人間として平場に立つというか。

 発達障害の人と接する時に、いわゆる健常者と接する時と違うアプローチをするかというと、全く一緒。もちろん一人一人に合わせて変えるけれど、そこに何か違うツールを持ち込むことは絶対ないですよ。そういう接し方が強みを活かすというか。それによって、一人の人間として認められている感覚になるというのがベースにまずある。

 次に、発達障害の人の強みって、「カレンダーを覚えられる」「プログラミングが強い」とか、そういうハードスキルじゃないんですよ。彼らの強みは、Kaienの社風にすごく近いと思うんですけれど、「手を抜かない」「嘘をつかない」「本物を売りたい」「人に貢献したい」といった根っこの部分が強みなので、それを活かすのが発達障害の支援だと思っています。ADHDの人だと「発想が豊か」「視点がユニーク」とか、ASDの人は「安定を求める」とかもあるんですけれど。

須賀: Kaienでよく言う、「強みと弱みは表裏一体」というところに通じますね。きまじめで融通が利かないけど、手を抜かないし、嘘はつかないという。そういう意味での強みを活かすはできていると思います。でも、世の中はハードスキルを強みとして求めるんですよね。

鈴木: 求める。それもあって、僕も創業前後に書いたメッセージでは、発達障害の強みを活かすというのをその文脈で書いていたんですよ。でも今は、まずインクルーシブというか、受け止めるということが強みを支援することと考えています。あとは、その人の価値基準・人間性の部分が強みという理解です。そういう意味では〇。でもハードスキルの側面で、発達障害的な強みを活かせているかと言われると×です。

ワンマンか?

鈴木: Kaienはワンマン企業・ワンマン社長の会社か?〇か×か?

田中: えー、難しい…。

須賀: 実は私はあまりワンマンだと思っていないんだよね。 

田中: 私も。

(札を上げる 須賀=× 田中=×)

鈴木: それじゃ話にならない(笑)。

(田中=〇×へ)

鈴木: 田中さんは△ということで。じゃあまず須賀さん。

須賀: もちろん、これまでは超フラットな組織で、鈴木さん一人だけがトップですけどね。

鈴木: 大株主で、創業者。かつ代表取締役で社長と。全部を握っている。

須賀: ワンマン社長って、私の勝手なイメージでは、社長だけが元気という会社。Kaienは全然違うじゃないですか。社長だけが元気で、皆がしらけてる感じではない。

鈴木: でもワンマン批判は常にあると思うですけれどもね。

田中: 一見すると鈴木さんは横暴に見える時もある。

鈴木: 横暴!

一同: 笑

田中: ワンマンか。横暴ではない…。

鈴木: 横暴という言葉を使ったのなら、横暴なのだと思います(笑)。

田中: 私の辞書が間違えていたということで…。色々お考えの上でそうなっているというのが良く見ているとあったりして、純粋なワンマン、独裁ではない気がします。

須賀: ワンマンの言葉の意味も人それぞれな気がしますが、超フラットといいつつ、何が鈴木さんが決めることで何が自分に任されているのかが分からないと思うことはありました。よくあるパターンは、自分で決めていいと思っていたら、「決めるのは鈴木です」と言われたことですかね、私の場合。

鈴木: 元々僕は引っ込み思案だから、会社を興した時に、先輩から「自分勝手にやったほうが良い」というアドバイスを受けたというのがあって。社長になるには、性格を変えないといけないかなと思った。それが社長なのかと思ってやってきた。それと、ちゅるさんが言っていた通り(注:Kaien共同創業者 対談シリーズ 第3回 フラットな組織原理主義)、この原理で行けば成功するという思い込みが結構強いから、それを突き進むという意味ではワンマンかもしれないですけれどもね。

 会社が小さいうちは、いかに迅速に意思決定できるかが結構重要なんだよね。なので、ある程度すべての権限が自分にあったほうが良いかなぁと思っていたのは事実ですね。ただそういうやり方だと、大きくなった時に現場の細かい声が無視される可能性が強くなってきたので、今後は組織にしていくんですけれども。

須賀: それはいろんな場面で実感していました。超フラットであることのメリットがずっと大きくてここまで来たけど、ここのところメリットとデメリットがどっこいどっこい、働きやすさを考えればデメリットが増えているのだろうなと。

鈴木: あとさ、例えば孫正義さんが独裁だとか言われるけれど、独裁は独裁でもいい独裁だったら良いと誰かが言っていて。皆が納得する答えをいつも出してくれたら、それは独裁でもよいんですよ。

田中・須賀: うん。

田中: 少し前にサンテグジュペリの「夜間飛行」という物語を読んだのですが、主人公がまさにそんなイメージのリーダーです。

鈴木: 今までは、それになろうと思っていた。自分の価値基準、感情だけで意思決定するんじゃなくて、会社としての価値基準で、社員が納得することを上の人が言ってあげるというのは考えています。

 ただ、それも会社が大きくなると上手に機能しない。少なくとも孫さんぐらいの影響力があるパワフルな人だったらあれだけのことを上手にまとめられるけれど、僕は社員が100人ぐらいの段階で、一人でまとめていくのはちょっと難しいと思った。だから、あとは組織化することで細かい声を拾えるようにして、現場で細かい意思決定をできるようにすることにした。それなりにビジネスモデルの形ができて、Kaienの強みができてきているから。あとは、現場を信じて現場が意思決定をする。

須賀: どんなに優秀でもどんなに効率化しても、一人の人間ができることには限界があるから。1を10にすることと10を100にすることはやはり違くて、Kaienも10を100にするために組織化するタイミングなんだよねと強く思います。同じことができる人も早く増やしていかなきゃいけない。

鈴木: じゃあ僕はこれから何をするのかというと、もっと長いスパンの意思決定をしないといけないと思っていますね。今まで、利用者にどういうメールを書くかというところまで意思決定していたから。それはちょっとやりすぎだったと思う。

鈴木: 以上で〇×クイズは終わりですけれども何か感想は?

須賀: 今のワンマンの話を聞いていて思ったのは、経営者の孤独。これまで、鈴木さんを見ていて、今葛藤しているんだろうなと感じながら、いい意味で付き合えている部分もあれば、悪い意味でひいちゃっている部分もあった。これからは自分もそういう葛藤を正面から引き受けていく立場だし、そうやって会社も自分も成長していこうと覚悟をしているところです。

鈴木: まあ常に怖いですからね。怖さを感じない経営者というのは僕は信じられないです。僕が毎朝起きてやることは、利用説明会にちゃんと申込みがあるかなってチェックすること。今までは、それくらい細かく見て意思決定しないといけないという責任感があった。けれどそれで弊害も起きているので、何回も繰り返しますけれども、現場に任せて自分はもう少し大きな舵を取るので良いのかなと思います。

鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』

田中正枝

Kaienの社員番号2番であり総務所属。県税事務所、メーカーでの勤務を経て、損保系会社の人事事務に。2010年にパートタイムとしてKaienに入社。翌年からフルタイムとして勤務。

須賀智美

Kaienの社員番号3番であり取締役・執行役員(経営本部担当)。大学卒業後、13年間鉄道会社に勤務。退職後、上智社会福祉専門学校、慶應義塾大学大学院へ。2010年、大学院在学中にパートタイムとしてKaienに入社。2012年、大学院修了と同時にフルタイムとして勤務。

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明日発売の週刊現代 「ちゃんと知っておきたい 大人の発達障害」 取材を受けたので、おそらくコメントが掲載されます

 明日(2017年2月27日 月曜)発売の週刊現代に「大人の発達障害」が掲載されます。先週取材を受けて、僕のコメント部分も掲載される可能性があります。

 週刊誌の取材では身構えてしまう自分がいます。今回も取材趣旨を聞くのが20分、取材が30分ぐらいでした。原稿も自分の部分は見せてもらいましたが、どうなるかは少し心配もあります。

 週刊現代の読者は圧倒的に男性で、50代など年齢も高めとのこと。「うちの息子(娘)は発達障害なんかじゃない」と頑なに否定する親御さんもいてそういう人はネットではなかなか調べないでしょうから、週刊誌などのいつもの媒体でふと読めるというのも良いのかもしれません。スティグマ・偏見がつかなければ良いなとは思います。

 ということで明日発売です。

 

【追記 2017年2月27日】

 今日コンビニに行ってみたら、3月4日号は2月20日に発売、つまり1週間前の前号だったことが判明しました。どなたか読んだ方がいましたらお教えください…。

【追記 2017年3月3日】

 現代ビジネスのウェブ媒体に全文が掲載されました。
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51072

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社員合宿の成果② 本を出版します!! 発達障害のあるお子様向けのハローワーク 発達障害に特化した就労支援を行なっている当社が、子どもにすすめる150種の仕事を一挙紹介

 本を出版することになりました。4月25日の発売予定とのことです。昨日スタッフが、もうAmazonに登録されているということを教えてくれました。今後、情報を徐々にオープンにしていきたいと思います。まず決まっているところは・・・

  • 発売予定日: 2017年4月25日(火)
  • タイトル: 発達が気になる子どものためのハローワーク (Amazonリンク
  • 出版社: 合同出版

というところです。

『13歳のハローワーク』を意識

 「発達が気になる子どものためのハローワーク」というタイトルから気づいた方も多いと思いますが、2003年に発売されてミリオンセラーとなった13歳のハローワークの発達障害版を目指しています。

 100万部は無理かもしれませんが、以下記すようになかなかの自信作ですので、ぜひお買い求めください。類書が思いつきませんので、新鮮で納得できる内容となっていると思います。

 500種以上の職種が紹介されている本家には到底及びませんが、150の仕事を紹介するだけではなく、発達障害の傾向のあるお子さんを幾つかのタイプに分けて、タイプごとにオススメの職種を紹介しています。親子で読んでほしい内容です。

 またその業界・職種で働いている(いた)発達障害のある先輩のインタビューも敢行。実際にどのような印象を持ったかがリアルに分かります。加えて、親御さんに読んでほしい現実的な内容(障害者枠についてどう考えるかなど)も章を分けてかなり詳細に解説しています。

当社の社員合宿の成果

 前回、性教育のイベントが社員合宿発という記事を書きましたが、実はこの本もスタッフ合宿を経ています。

 僕(著者)も一番初めの本の方向性やその後のディテールにも口を出していますが、実際大部分を書いたのは社員です。当社の2回に渡るスタッフ合宿でおそらく10人程度の社員が関わった努力の結晶的な作品となっています。(どうしても販売面を考えると会社の代表者が名を連ねたほうが良いのでしょうけれども…。)

発売は4月25日

 くどいですが、発売は4月25日。ちょうど2ヶ月後の予定です。(Amazonリンク

 今後、実際に執筆したスタッフが本の内容、制作秘話的なもの?について様々に発信していくと思います。ぜひ当社発のニュースをフォローしてください。

すでにAmazonでは予約注文もできるそうです。

 

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Kaienの文化と社風 Q&A① 鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』 第3回

 当社の想いや現場での働き甲斐をお伝えする『懸け橋』。5回シリーズで、社長であり社員番号1番の鈴木、2番の田中正枝、昨年末に取締役・執行役員に就任した3番の須賀智美の鼎談をお送りします。

 これまで管理職がいない、完全にフラットな組織であったKaienも、スタッフが150人を超え、約700人の利用者に日々サービスを提供する規模の会社になっています。更なる成長を見越し、社長に指示系統が集中する状態から、社員一人一人がより力を発揮しやすい強固な組織作りをしている最中です。

 初期から在籍するメンバーが、今までどう働き、今後を見据えているか。第3回は社長からの○×クイズでKaien文化を探ります。

鈴木: ここからは〇×クイズ。札を昨日池袋の東急ハンズで買ってきたんで…。使い方わかりますよね。

仲が良い職場か?

鈴木: じゃあ用意できたので行きましょうか。まず一つ目は、うちの会社は仲が良い職場かどうか。

(札を上げる 須賀=× 田中=〇)

田中: いがみ合ったり、足の引っ張り合いはしていない気がします。

鈴木: 政治がない。誰かを出し抜いてというのがない。それこそ競争がないという意味で仲が良いと言っているのかな。

田中: そうだと思います。

鈴木: 須賀さんは×。

須賀: 仲が悪いと言っているわけではなくて、一人一人が自分で立てている感じがする。

鈴木: それぞれ自立してる大人だからね。

須賀: 前職は職場の仲間と四六時中一緒にいたし、家族づきあいなんかもあって、まさに仲良しだったんです。仕事が嫌いな分、その仲間に救われていて、仲間がいるから何とか働けていた。でもKaienでの仕事は仕事自体が楽しいから、自分自身で立ちやすい気がします。ウェットに付き合わなくてもKaienに普通にいられる。人間関係が原因で問題が起きたり、辞めるとかがない会社じゃないかなと思います。ある意味ではそれを仲の良さと言ってもいいのかもしれないですけど。だからもしかしたら〇なのかな?

鈴木: なるほどね。仲の良さがそんなに重要視されない会社ではありますね。飲みニケーションケーションがほぼないというのもあるけれどもね。一番ある拠点でも月1行っているか行っていないかくらいですね。

やりたいことに挑戦できるか?

鈴木: 次、第2問。したいことはさせてもらえるか?手を挙げたらやれるかどうか。

(札を上げる 須賀=〇 田中=〇)

須賀: これから先は分からないですけど、「あなたこれをやって」とか、「やりなさい」という形じゃなくて、「誰かやりますか?」という感じでやって来ましたよね。

鈴木: 確かにそうですね。あとは「何か新しいことないの?」みたいな。命令があまりないね。

田中: 無制限にやらせている訳ではないと思いますけれど、動機がちゃんとしているか、プランがしっかりしているか、それを実行できる能力があるかを見た上で、それがあれば任せているのではないかと。藤さんのガクプロのプロジェクトとか(注:入社面接時に、発達障害の大学生向けの支援に関心があると話していた社員が、入社後に実際にサービスを立ち上げに携わった)。

鈴木: 今のところ、僕が採用の一次面接を全て担当しているじゃないですか。だから面接で聞いたことは結構覚えていて、本人が関心のあることを任せていますね。もちろん関心が変わるかもしれないから、その後も対話しますけど。そういった部分で、したいことをさせてもらっていると思っている人は多いかな。一方で、任せてもらったけど期待に応えられていないと残念さを感じている人も多いかもしれない。

須賀: 確かにそうですね。日々の業務がすごいスピードで動いていくので、目の前の仕事でいっぱいいっぱいということもあるし、実際にやってみて任せてもらったことと自分ができることにギャップがあったということもあるし、なんとかやり続けてみたけど、期待した結果が出なくてということもある。私自身はKaienでその3つを全部経験した気がします。

鈴木: 新しいチャレンジをしたけれどまだ力が足りなかったとか、一度戦いに臨んだけれど斬られて今負傷していますみたいな。でもビジネスってその繰り返しだから、一回挑戦して失敗して、そこで学んでもう一回突撃できるかというか。挑戦するエネルギーを会社全体として与えられるかというのが結構重要かなと。

田中: 膝をついてもまた立ち上げればいいと。いろんな会社を転々としてますが、こんなに失敗を許容する会社はこれまでなかったように思います。私自身は失敗がとても怖いのですが…。

須賀: 訓練生やお子さんには「失敗OK」と言ってるくせに自分の失敗には非寛容なスタッフはまだまだいますね。私は負傷した姿も随分見せてきましたが、負傷してどうやってリベンジまで持って行けたのか、自分でも客観視できていないところがあります。

本当に残業はないのか?

鈴木: 第3問。ウェブサイトにある通り、本当に残業はないですか?

(札を上げる 須賀=× 田中=〇)

須賀: 全くなしではないんじゃないですか。

田中: でも他の会社に比べたら、Kaienは皆無に近い。

鈴木: ないね。サービス残業もないからね。

須賀: でも通常の残業というか、正当な残業はあるんじゃない?全くノー残業ではないので。

鈴木: 残業がゼロ時間ではないということね。今のデータだと一人平均月6時間。そこはちょっと難しくて、福祉業界ってある程度給料に限界がある(注:厚労省によって報酬単価や定員の定めがあり、価格や利用者数を事業者側でコントロールできないため)。だから、少し残業をして給料がほしいという要望もあるでしょうし。それに全く応えていないわけではないですが、それでも働き盛りの人の残業が一番働いている人で多くて月20時間ぐらいかな。

須賀: 必要な残業はするとして、やっぱり次の日をできる限り良いコンディションで迎えることは、Kaienで働くようになってからすごく意識しています。人に関わる仕事だから。

研修はしっかりしているか?

鈴木: 次に、研修はしっかりしているか?採用面接でよく聞かれる質問です。

(札を上げる 須賀=× 田中=×)

鈴木: おー。まあそうだよね。二人とも×。

須賀: 研修制度をきちんと作るのは、今後の私のテーマの一つですけれど。今は、現場に出て困らないように、と最低限の内容をお伝えする半日くらいの入社研修があって、あとは現場で学べというようになっちゃっているので。入社後に1週間、様々な拠点を渡り歩いて、Kaienの支援の方法を学ぶことはできるけれど、学んだものを後から振り返る機会や、キャリアの棚卸をする制度がないですね。

田中: 半日の入社研修と、その後の1週間の現場研修から学び取れる人は学び取れるけれど、皆が皆そうではないので、難しいのかなという感じ。

鈴木: 学ぶ力がないとなかなか難しいな。最近は、福祉で一人前になるのには、現場で5年・10年揉まれる必要があるという気がしていて。何を言いたいのかというと、「研修は必要なのか?」というのもちょっと感じてるんですよ。でももっと言うと、未経験者を雇ってよいの?という話にもなる。うちはこれまで未経験者を歓迎してきたわけじゃないですか。そこは矛盾しているんですよね。

 ただ、今の福祉の業界って、現場の支援者が情熱を持てていなかったり、利用者と距離感があったりして、支援者の本来の力が出せていない状況だと思うんです。僕の考えは、専門的な知識はあるけど情熱を持てていない人が支援するよりも、福祉の専門性はまだないかもしれないけれど、すごく情熱があって、馬力がある人がやったほうがいい支援になるんじゃないかというものです。だからこれまで未経験者も歓迎してきた。それにKaienの場合、どのサービスでも訓練のプログラムがあって見るべきポイントもある程度定まっているので、どこを指摘すべきか分かりやすくて、素人でも入りやすいというのもある。

須賀: それもすごくわかります。Kaienの講師(注:職業指導員)はみなさん第一線で活躍されていた企業戦士で福祉はかじっていない。

鈴木:そうだね。残念ながら子ども向けの放課後等デイサービスは今年以降開設要件が厳格になって、素人が現場に入れないことになったので、今後は当社の姿勢も影響を受ける部分はありますけどね。(参照:「社長ブログ TEENSは今まで以上に拠点を増やしていきます」)。今後研修でやっていかないといけないのは、ある程度馬力・経験のある人が更に成長することを手助けすることだと思っています。2~3年目でいかに本物の支援者になれるか、5~10年目にいかに業界を変えるような革新的な支援をできるか、支援をメソッド化できるかとか。その辺は外部の刺激を受けないといけないかなと。

須賀: そうですね。5年~10年くらいのキャリアの人からは外部研修がほしいという話は挙がっています。実践だけで得られない知識や知見を外に求めるということだと思います。

鈴木: 入社1年目ぐらいだったら、職場にいい先輩がいっぱいいるんだし、半年に一回科挙制度(注:支援者としての基礎を身につけるために実施される新入社員向けの研修。受講者は事前に大量の資料に目を通し、長時間の講義を受講。最終講義後に試験に取り組むもの。)もあるでしょう。そこで頑張ろうよという感じかな。でも会社全体で見ると研修が足りないのは確かだね。

須賀: そうですね。そんなにボリュームのある研修を作らなくてはいいと思いますけれど、要所要所でちょっとあるといいかな。

鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』

田中正枝

Kaienの社員番号2番であり総務所属。県税事務所、メーカーでの勤務を経て、損保系会社の人事事務に。2010年にパートタイムとしてKaienに入社。翌年からフルタイムとして勤務。

須賀智美

Kaienの社員番号3番であり取締役・執行役員(経営本部担当)。大学卒業後、13年間鉄道会社に勤務。退職後、上智社会福祉専門学校、慶應義塾大学大学院へ。2010年、大学院在学中にパートタイムとしてKaienに入社。2012年、大学院修了と同時にフルタイムとして勤務。

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「自分にウソをつかない働き方」を知ろう 〜はじめて学ぶNPO・ソーシャル企業の仕事〜 認定NPO法人Teach For Japan・株式会社Kaien 共催イベント 開催前インタビュー

 公立学校への教師派遣を行うTeach For Japanと発達障害のある人の就職支援を行うKaienがトークイベントを開催します。日時は2017年3月24日(金) 19:30から 会場は東京・港区の日本財団ビルです。テーマは「自分にウソをつかない働き方」。NPOやソーシャル企業に興味のある方やキャリアを考えている方向けに、社会課題と向き合う働き方をお伝えします。

 イベント開催を前に総合司会のTeach For Japan代表理事の松田悠介さんと、当社代表取締役の鈴木にインタビューを行いました。イベント概要・お申込み方法も本ページ下部に記載されています。皆様のお越しを心よりお待ちしています。

インタビュー

ご経歴を教えてください。

松田: 2006年に日本大学を卒業し、中学校と高校で体育教師として勤務しました。そこでは、英語の先生と協力して、体育の授業中に英語を使う”スポーツ・イングリッシュ”の授業を展開するなどして、とてもやりがいのある毎日を過ごしていました。ただ、実際に教育現場の内側で活動する中で、さまざまな課題にも直面しました。その課題に向かい合う中で、一度、学校現場を離れて考えを深める必要があると考えるようになり、千葉県市川市教育委員会で分析官として活動させていただくことになりました。

その後、システムを動かしていくには時間がかかりそうだと思い、まずは自分が思い描く理想の学校をつくりたいという思いが強くなってきたことから、ハーバード教育大学院へ進学し教育リーダーシップの勉強をしました。留学中にTeach For Americaと出会い、非常に感銘を受けました。その後、一度、外資系のコンサルティングファームPricewaterhouseCoopersにて人材戦略に携わった後に、2010年にLearning for All という組織を立ち上げ、2012年に本格的にTeach For Japanの活動をスタートさせました。

鈴木: 東京大学経済学部卒業後、NHKアナウンサーとして鹿児島、仙台で働きました。6年間いましたが、自分はあまりアナウンサーに向いていないと。NHKの文化にもフィットしなくて。それなりに仕事が面白くなった時期もありましたが、先を考えると、アナウンサーは自分の能力を活かす職業では無いと感じたんです。

「もっと何かできることがあるのでは」と、退職してMBA取得のために留学することに。学生時代に、MBAを取得された方と授業で接する機会があって。面白そうだと思っていて。2007年にノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院に留学しました。渡米直前に長男が発達障害と診断されたこともあって、MBAでは発達障害の能力を活かしたビジネスモデルを研究することに。帰国後の2009年にKaienを設立しました。

なぜNPOやソーシャル企業を設立しようと思われたのでしょう。

松田: Teach For Japanを立ち上げようと思ったきっかけは2つあります。 1つは、中学時代の恩師・松野先生の出会いです。 中学校の頃、体が小さかっただけでなく、気も弱く、いじめられっ子でした。しかし、その状況を変えてくれたのが松野先生でした。先生は、「どうすれば強くなれるか一緒に考えよう」そう言って一緒に悩んでくれました。その後、先生は常に半歩先を照らしながら、伴走してくれて。結果的に、イジメを乗り越えることができ、厳しい学校生活を乗り越えることができました。その頃から、一人の教師が真剣に向き合うことで、人生が変わり得ることを実感し、自分がこのような教師になりたいと思うと同時に、一人でも多く、松野先生のような情熱を持った先生たちを増やしたいと思うようになりました。

もう1つは、ハーバードの大学院に留学中で出会ったTeach For Americaの存在です。Teach For Americaは教育格差の進む貧困地域や教育課題が山積している米国内の学校に、米国内の優秀な学部卒業生及び社会人を採用・育成し、二年間常勤講師として派遣させるプログラムを展開しています。二年後、プログラム卒業生は、様々な分野のリーダーとして活躍し、社会全体を巻き込みながら教育課題の解決に取り組み続けます。 この事業モデルが素晴らしいだけではありません。実際に学校で活躍している教師たちもきわめて優秀です。2010年の文系学生の就職ランキングでアップルやグーグルを抜いて一位になるなど、本当に優秀な人材が集まっているのです。現場に何度も足を運びましたが、そしてそういった人材が自分の目の前の子どもに徹底的に、真剣に、情熱を持って向き合っていました。彼らと会っているうちに、このモデルが日本にも浸透すれば、きっと日本にも大きなインパクトをもたらすことを確信し、日本でこのモデルを実現しようと決意しました。

鈴木: 元々起業しようとは全く思っていなかった。それでもしたのは「息子が発達障害と診断された」「起業精神が旺盛なアメリカのビジネススクールで学べた」「スペシャリスタナというデンマークの企業を発見できた」という3つの出来事が重なったからです。

渡米の2日前に当時3歳だった息子が自閉症と診断された時は、もの凄くショックで。フライトまでの数10時間の間、本当に留学してもよいのだろうか、と悩みました。でも急いで再就職するよりも、2年間時間を費やして勉強してから就職先を探した方が結果的に子どものためになるだろうと考え。アメリカに行くことにしました。

アメリカでは自閉症の理解がもの凄く進んでいた。自閉症の方の団体が、世の中を啓蒙している。それに比べると日本は自閉症に対する理解がまだまだ低くて。自分の子どものポテンシャルが、偏見で低く見られてしまうのは嫌だなぁと。ずっと不安でした。

最初の一年間は、日本でも同じようなことをできないかなぁと漠然と考えていました。そんな時に「スペシャリスタナ」というデンマークの企業を知って。発達障害の人を雇用して成果を上げているらしいと。他の職場では短所とみられがちな発達障害の特性を、企業の強みに変えている。しかも収益をあげていると。自分の興味・関心にドンピシャで。幸いプランに興味を持ってくれた友人も複数いた。「同じビジネスを日本でも展開できないか」と、彼らと協力してビジネスモデルを書いてみることになりました。

アメリカでは、新しいことをやる人をとにかく応援するんです。当時書いたビジネスモデルは、今考えたらボロボロでした。でも周りがすごく後押しをしてくれて。あれよあれよという間に、アメリカのビジネスコンペティションにチームで出場して優勝。帰国後にビジネススクールの学長に応援されたこともあって、Kaienを立ち上げて事業を開始しました。

「自分にウソをつかない働き方」についてどう思われますか?

松田: 自分にウソをつき続けるのって、辛いですよね。でも多くの方は「自分のやりたいことが明確になっていない」と思い込んでいるので、「仕方がない」と思って、目の前の事に背一杯になっているケースが多いように感じます。でも「やりたいことがない」わけではないと思うんですよね。最初は思い描いていた夢があったんです。人によってはその夢を持っていたのが、小学生の頃にさかのぼるかもしれない。でもそういった尊い夢を持った時に、周りの大人たちが「現実を見なさい」とか「できっこない」と言って、チャレンジせずに夢が終わってしまった経験を持っている人は少なくないように感じます。私は、その息苦しさをどうにかしたいと思っています。子どもから大人まで、自分らしく、生きられる社会を創っていきたいです。早い段階から始めていくことが大切で、教育が持っている力に大きな可能性を感じています。私は、子ども達が生まれた環境に関わらず、教育の力で自分で道を切り拓けるようにしていくという人生の目的を持っており、自分に対してウソをつかずに自分らしく生きることが教育に携わる者としてとても大切な事だと思っています。

鈴木: 20代前半で仕事を選ぶ時は、人の声を意識する人が多いだろうと思います。親の声とか先生の声とか。周囲の価値観に縛られてしまう。働き始めると、益々心の声を聞かなくなりがちです。上司や同僚の声にどうしても巻かれちゃう。それは怖いことだと思います。何か光っているなという人はもっと単純な心の声を聴いて動いている。

スティーブ・ジョブズのスピーチで、毎朝鏡の前に立ち、「今日自分がやることは、自分が本当にやりたいだろうか」と自分に尋ねるという話があるんですが。NOが続くようなら、現状を変えなければならないと。勿論あれだけ優秀な人だからできることだとも言えるけれど、逆に言うとそれだけ優秀な人でも、そういうことをしていないと心の声を聞けなくなってしまうとも言える。自分の心の声を聴く癖をつけることが大事だと思います。

NPOやソーシャル企業で働くことを考えている方に一言

鈴木: キャリアというのは、今後ますます大学までで学んだ力でそのまま滑っていけるようなものではなくなっていくでしょう。常識がどんどん変わって、求められるスキルセットも変わっていくので。常に自己投資しなければならない。「NPOやソーシャル企業に入る」と考えるよりも、今の時点でそこで働くことでレベルアップできると思うなら、選択肢として考えるのはありという感じでしょうか。

もう一つは、「NPOやソーシャル企業で働きたい人」は「良いことをやりたい、良い人になりたい人」が多いだろうと思います。でも、NPOやソーシャル企業が本当に今良いことをやれているかというと分からないと思うんです。なので、入って幻滅するなということですかね。幻滅する暇があったら自分の理想にその組織を近づけるために動いた方がいいんじゃないと。

コーティングはきれいになってるけど、現実はそれほど変わっているわけではないので。特に課題解決型の組織だったら、その組織が存在するのは、課題がまだ解決できてないということなわけで。中途半端な状況のところに入っていくことになるので幻滅することもあるだろうけど、そこで終わってはだめということですね。

松田: アメリカでは一般的ですが、これからは日本でも、やりがいや自己成長を求めてNPOやソーシャル企業で働く人が増えていくと思います。「お金」でなく、やりがいを重視して、ヒト・モノ・時間全てのリソースが不足する組織の中でどう効率を高めていくか。そんな体験が成長を加速させます。将来のキャリアを迷われている方はぜひ3月24日(金)「自分にウソをつかない働き方」に遊びにきてください。きっと私の考えや、日本財団・青柳さん、Kaien鈴木さんの考えから学びが多い時間になると思います。

イベント概要

Facebookイベントページでもご確認頂けます。

  • 日時:2017年3月24日(金) 19:30〜21:30 (受付開始19:00)
  • 場所:日本財団ビル 〒107−8404 東京都港区赤坂1丁目2番2号日本財団ビル (溜池山王、国会議事堂、虎ノ門駅等から徒歩約5分)
  • 参加費:無料
  • 定員:120名
  • 主催:認定NPO法人Teach For Japan 株式会社Kaien
  • 協力:公益財団法人日本財団

お申し込みフォーム

https://goo.gl/FmYA9M

イベント詳細

  • 総合司会: 松田悠介(Teach For Japan)
  • 内容: 3団体からのプレゼンテーション&会場の皆様とのセッション
    ※会場の皆さんからSNSを使用し、リアルタイムでご質問をいただき、総合司会・松田のファシリテーションのもと登壇者や会場の皆様と対話形式でインタラクティブに楽しめればと考えています。
  • プレゼンテーション内容:
    日本財団 青柳様「社会課題を知って自分ごとにしよう」(仮)
    Teach For Japan 松田悠介「自分らしい働き方をみつける」(仮)
    Kaien 鈴木慶太「自分にウソをつかない働き方」(仮)

登壇団体・企業の紹介

  • 公益財団法人 日本財団
    「ソーシャルイノベーション」のハブとなり、パラリンピック支援、ハンセン病に対する差別撤廃、子どもの貧困の問題の解決、など、よりよい社会づくりを目指しています。あらゆる人や組織をつなぎ「みんながみんなを支える社会」を実現するために、様々なプロジェクト、助成、支援活動を行なっています。http://www.nippon-foundation.or.jp/
  • 認定NPO法人Teach For Japan
    独自に採用した人材に研修を行った上で、2年間、公立学校の教師として赴任させるフェローシップ・プログラムを運営。教師は子どもたちの人生に大きな影響を与えうる存在であり、教室こそがより多くの子どもたちに出会える場所であると捉え、さまざまな教育課題を、教師一人ひとりの手で、ほかでもない「教室」から解決していこうと考えています。 http://teachforjapan.org/
  • 株式会社Kaien
    Kaienは発達障害(広汎性発達障害、ADHD、自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群等)の方が強み・特性を活かした仕事に就く事を応援する就労支援事業と、発達障害のある小中高生向けの放課後等デイサービス事業を行っています。 https://corp.kaien-lab.com/

支援者と利用者は同じ船に乗っている 鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』 第2回

 当社の想いや現場での働き甲斐をお伝えする『懸け橋』。5回シリーズで、社長であり社員番号1番の鈴木、2番の田中正枝、昨年末に取締役・執行役員に就任した3番の須賀智美の鼎談をお送りします。

 これまで管理職がいない、完全にフラットな組織であったKaienも、スタッフが150人を超え、約700人の利用者に日々サービスを提供する規模の会社になっています。更なる成長を見越し、社長に指示系統が集中する状態から、社員一人一人がより力を発揮しやすい強固な組織作りをしている最中です。

 初期から在籍するメンバーが、今までどう働き、今後を見据えているか。第2回はベンチャーと福祉の融合について議論します。

健康でないとダッシュできない

鈴木: 次は「行く人来る人」の「行く人」。つまり辞めていく人なんだけど、実際いるよね。中小企業では少ない方だけど離職率はこれまで1割ぐらい?ベンチャーとしては優秀な方かなと思いますし、離職は悪いことではなくて、組織の活性化のためにも、本人のためにも新しい働く場があってしかるべきだと思うんですけれど、辞めていく人を見ていくと当社の良い意味でも悪い意味でも文化がすけて見えてくる気がするんですよね。どういう人が当社から離れていくかな?田中さん何か有りますか?

田中: 変化が苦手な人かな。拠点が増えたり、訓練を終えて出ていく人もいれば、また新しく入ってくる人がいたりとお客さんの入れ替わりもあるし。より良いものを求めて運営方法が変わるということも実際にあります。そういった変化に混乱して安定していないのが苦手な人は去っていっている気がする。

須賀: Kaienの仕事は、結構地道な仕事ですよね。地道じゃないのかもと誤解して入ってきちゃう人もたまにいるのかなぁという気も。

鈴木: 前回のちゅるさんの話(注:Kaien共同創業者 対談シリーズ 第1回 ファッションじゃない)でいうと、ファッション的に思っている人っていうことかな。

須賀: そうですね。ブリッジコンサルタント、エイブルシーカーっていうスタッフの職名は私もとても気に入っていますけど、すごくスマートな印象があると思うんです。きらきらみたいな。でも訓練生ともお子さんとも、毎回のように同じことを繰り返さなきゃいけない。その積み重ねでようやく変わってくる部分が少しある。そういう地道さが必要。あとは支援というと、利用者から感謝されると思う人もいると思いますけれど、実際はそうじゃなかったりしますよね。

鈴木: あと、お二人からはもしかしたら当たり前すぎて出ていないかもしれないのが、スピード感かな。会社自体が変化するスピードはもちろん、通常の業務のスピードが尋常じゃないよね。Googleの代理店から、こんなにITを使っている会社はIT企業でもありませんと言われたぐらい、できる限り新しいシステムを取り入れて、人間がしなくても良いことはシステムに任せてる。だから、福祉の世界の常識とはやっぱり違うよね。皆徐々に慣れるけども。

須賀: 確かにITの力を借りている部分は大きいですね。いつもPCを持っていて、その場で記録をとって、面談やMTGが終わるときにはログや報告メールが完成しているみたいな。今、自分が入社したばかりの人だったらとてもそんな芸当はできない。

田中: 当社にとってITは紙と鉛筆のような存在ですもんね。自由に操れないのはストレスなんだと思います。使いこなすレベルに到達するまでに苦労している。ただ実際は紙と鉛筆が上手に使えるかではなくて、それをもって何を表現できるかが重要なので。支援力は抜群だけどITが苦手でという方にも上手に働いていただけるようにしていかないと、とは思っています。

鈴木: これも変えなければならないけれど、「できて当たり前」文化がちょっと強いよね。働いている人も皆優秀で、できて当たり前と感じてしまうので、ポジティブフィードバックが少なくなるというか。僕自身、利用者には「よくできたね」と言うことがあるけれど、スタッフには滅多に言わない。できて当たり前とどこかで思っていると思う。それが会社の文化になっているのは変えなきゃいけないなとは思っています。

須賀: 褒めて伸ばすですよね。正直、鈴木さんに褒められたいと思っているスタッフは多いです。私も、「鈴木さんにどう思われても、私には訓練生や修了生がいる!」と思うし、口にもするけど、鈴木さんに「ありがとうございます」と言われると、ホッとする。お子さんには「人の良いところも見つけられるように」って教えてますからね。自分たちもそうしないと。

鈴木: 滅多に褒めない方ですからね…。変えないとね。まだあるかな?Kaienの文化。他はどうですか?

須賀: 取り組んでいることに対して、労を惜しむ人はいないと思うんですよね。ずるくないというか。

鈴木: たしかにね。手を抜いている人はうちの会社で一人もいないと思う。それちょっとすごいね。皆よく走るというか、毎日短距離走をやっているのは感じます。だからKaienを去っていく人の理由の一つに、体力的なこともあるかもしれない。長距離走ではなくて、短距離走を連続する長距離走じゃないですか。だから体力的に厳しい。

須賀: 短距離走を連続する長距離走というのは、よくわかります。訓練生なら10人くらい、お子さんだと20人くらいのケースの担当をしますが、それぞれのケースを考えるときはまさに短距離走でがっと集中する。で切り替えてまた次のレースに出るみたいなことを延々やっていますから。うまくインターバルをとらないと。

鈴木: うちの会社の行動指針の一つ目は、「健康である」だけれど、精神的・思想的・肉体的に健全さを保てていないと、毎日ダッシュできない。手を抜かないというのは、当社の文化ですね。まあベンチャー企業って言うことかなぁ。

支援者と利用者は同じ船に乗っている

鈴木: それとKaienは、支援者と利用者の垣根がほぼないというのも特徴だと思う。現場で真の声を聞く(注:Kaienの行動指針の一つ)と言っているのがそうで、そもそも利用者と一緒にサービスを作ってきたという背景がある。初期の訓練生と一緒にプログラムを作っていったようなものじゃないですか。だから他の会社に比べると、支援者側とサービスを受ける利用者側という視点は薄い気がする。同じ船に乗っている人たちみたいな感じ。

須賀: それは心底同感。私は6年前に始めたかいえんぴあ(注:Kaienが運営しているSNS。訓練生、修了生、登録者、スタッフが加入しているコミュニティ。400人ほどのメンバーがいる)に毎日欠かさずアクセスして書き込んでます。支援者としてでなく、「すが(須賀のかいえんぴあでのアカウント名)」個人として参加している感覚です。長い人とはもう6年。会っていなくても様子はわかる。向こうも「すがさんまだいるんだ」と思ってくれているでしょう。

鈴木: 時々僕が使う言葉では、シェルパみたいなのが理想で。シェルパって山登りの際に、一回か二回先に上ったことがあるから、荷物背負ってあげてこっちだよって言ってあげているだけで、シェルパと登山隊のどちらが偉いとか偉くないとかいうことではない。そういった一体感みたいなものは、Kaienの文化かな。

須賀: あと、一体感とはちょっと違うかもしれませんが、訓練生に言っていること、お子さんに言っていることを自分はちゃんとできているか?と折に触れて考えます。スタッフ同士で指摘しあうこともあります。一回か二回先に上ったことがある、まさにそういう感じですよね。支援する、されるもときに逆転するくらい、少なくとも私は、いろんなものを訓練生やお子さんからもらっている気がします。

鈴木: 他に、少なくとも競争とかはないよね。これはいいのか悪いのかというとあんまりよくないと思うんだよな。まず、出世競争とか社内の競争がない。そもそも今までフラットな組織で管理職すらいなかったから出世ができない。社外にも競争がない。つまり競合他社を考えていない。これはやっぱりよくない。Kaienの価値をより広げるためにも、もう少し周囲を見て、上手に刺激を受けていかないといけないと思って。あまりにもちょっと、なんていうかなぁ。

須賀: 平和すぎる。社内が平和なのはその分も訓練生とお子さんのこと、サービスのことを考えられて良いですが、私も含めて外を知らないといけないですね。毎日変化も刺激もあるからつい満足してしまう。

田中: 当社のスタッフは本当に多様だけれども、みな協調性があり人を押しのけてまで何かしたいというのがなくて、この部分についてはみんな似通っていると思っています。なので「一旗あげたい!」みたいな山っ気がある人も今のところいないです。

鈴木: 平和だね。江戸の鎖国のような状態。でもこれまでのKaienはわりと女性が多い職場だったけれど、これからは30~40代の働き盛りの男性が多く入ってくるという変化もあって。黒船到来という感じ。この前小泉進次郎さんが面白いことを言っていて、黒船が来た時に、例えば坂本龍馬は、「黒船が来た。変わらないといけない。」と言ったと。吉田松陰は、「黒船が来た。乗りたい。」と。

須賀: あはは。私はとりあえず黒船が楽しみです。

鈴木: 外の新しい勢力が来た時に、「自分が変わっていこう」とか、「連れて行ってよ」とか反応はそれぞれですけれど、いずれにせよ引いちゃもったいないと思うんです。なので、さっき田中さんが言ったことにも繋がって、会社として、より変化を楽しむ、受容する文化になっていかないといけないかと思います。他にKaienの特徴はありますか?

田中: 他はオープンであるということ。全体ミーティングのログを全社に共有したり、鈴木さんが週報で全体に語り掛けたり。

鈴木: オープンさは今後どうなるでしょうね。今までいい意味で悪い意味でも、情報が全部共有されていて、フルタイムの社員は全員が全部を拾わないといけなかった。でも、全部の情報を拾えない人たちがあまりにも増えてきて。今後は情報の供給をいい意味で減らして、ある程度フラットさは残しながらも、ピラミッド型の組織にしましょうという感じじゃないですか。その時に、社風としてのオープンさが失われないよう気を付けないとはいけないですね。

須賀: これまで以上に、全員集合(注:フルタイムスタッフが月に1回全員集まるMTG)みたいなリアルの場が大切になるでしょうね。重要なことが全体に知らされていれば、オープンだと感じられると思うんです。その重要なことをどうやって発信していくのか、は私のこれからの課題の一つだと思います。

Kaienは福祉の会社か?

鈴木: 次に、Kaienは何の会社かというのが聞きたいんですよ。福祉なのか、ソーシャルベンチャーか、人材の会社か。それをどう定義するか。

須賀: KaienはKaien。

一同: 笑

鈴木: そうだけれどもさ。業種とかに分類されない会社が強いと思うので、僕もそれが狙いですけれど。そうはいっても、福祉の会社なのかなぁと僕は思っていますけれども、どうですか?

須賀・田中: ・・・

鈴木: 福祉ではない?100年後にKaienがどうなっているかは分からないけれど。例えばNOKIAという会社は、携帯電話を作っていたけれど元々は林業の会社だったり。組織のDNAさえあれば、時代の変化に対応していけると思うから、「うちは福祉やります」とわざわざ標榜する理由はあんまりないと思うんですよ。本来的には、福祉が必要ない世界のほうがいいと思いますし。今はある程度福祉なのかなぁと思っていますけれどね。でもあんまり福祉をやっている気はしないよね。

田中: あんまりしない。発達障害の支援をしているから「福祉」とカテゴライズする人は多いかもしれないですが、私はKaienに転職するときに福祉業界に行くんだという意識は皆無でしたし、今もそうです。

鈴木: そうだよね。まとめると、コアは「発達障害」であり、「本物を届ける」 「スピードが早い」 「支援者と利用者の垣根が低い」 「実は競争が少ない」。そんな感じの会社ですかね。

鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』

田中正枝

Kaienの社員番号2番であり総務所属。県税事務所、メーカーでの勤務を経て、損保系会社の人事事務に。2010年にパートタイムとしてKaienに入社。翌年からフルタイムとして勤務。

須賀智美

Kaienの社員番号3番であり取締役・執行役員(経営本部担当)。大学卒業後、13年間鉄道会社に勤務。退職後、上智社会福祉専門学校、慶應義塾大学大学院へ。2010年、大学院在学中にパートタイムとしてKaienに入社。2012年、大学院修了と同時にフルタイムとして勤務。

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  • ガクプロ 発達障害(含・疑い)のある大学生・専門学校生向けの就活サークル
  • TEENS 発達障害のある小中高生向け 放課後等デイサービス 学習支援とお仕事体験
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社員合宿の成果 発達障害のある男子向け 性教育イベント開催報告 ”攻め”の「男子会」と、親御様を集めた「裏男子会」を同時開催

 一ヶ月ぶりのブログ更新になってしまいました。そんなに忙しいわけではないのですが、当社のサイトでの執筆に忙しかったのと(例えば今日は以下をあげています)、社長として書くネタがやや枯渇していた感じでした。

【参考】 発達障害とコミュニケーション 苦手の原因は発達障害か?社交不安か? 発達障害の人の視点で議論してもらいました ~キスド会 2017年2月 開催報告~

 今日は久しぶりに、これぞKaienという話題がありましたのでご報告です。

社員合宿でブレスト 発達障害の特性を意識した性教育イベント

 当社は半年に一回社員合宿を行っています。そこでは新入社員への詰め込み学習を行う他、FedEx Dayという新しいアイデアを出すプログラムも実施しています。

【参考】研修・人材育成 発達障害支援のプロフェッショナルを育てるために

 半年前?1年前?の合宿で出てきたのが性教育の話題でした。コードネームは『ピンクTEENS』。当社の小中高生向けの放課後等デイサービス・TEENSを”ピンク”にしたらという発想で始まっています。

 TEENSはそもそも「働く力を育てる」というのがテーマです。が、この年代の男子のいる親御さんにとってどのように性を伝えるかというのは、(同年代からなんとなく学んでいくことが難しく、かつ直截的に伝えないと分からない)発達凸凹の特性を考えると、なかなかの難問となっています。性は働くことに直結しないかもしれないけれども、明らかに伝えたほうが良い話題だよね、ということで、総勢40人ほどが参加するイベントを初開催することになったわけです。初開催ということで、当社利用者に限ってのご案内となりました。

 当初は、ラブホテルを借りて開催!という案も模索して、実際にスタッフが調べたということですが…結局は当社の会議スペースを利用しています。予算的に無理だったそうで、不可能ではなかったようですが…。

攻めを意識 今回は”オナニー”をとにかく具体的に

スクリーンには、問題 「毎日オナニーするのっておかしい?」 ①異常 ②普通 ③体に悪い ④頭が悪くなる と表示されています。ちなみに最も多かった回答は④でした。

 

 とかく、こういうイベントはお茶を濁しがちですが、『視覚化』『構造化』『単純化』が基本の発達障害支援を踏まえ、今回の「男子会」ではまっすぐに伝えています。

 例えば、どこでオナニーすべきか?しちゃいけないタイミング・場所はなぜか?とかそういう話です。このあたりは事前にだいぶスタッフが気にしていたのですが、出来る限り具体的に伝えちゃって大丈夫という方針は間違えなかったという印象です。

 当然、保護者から「ちょっとHな話が聞けるらしいよ」程度で集まった子どもたちははじめはやや面食らっていましたが、当社のスタッフもそのあたりのファシリテーションは慣れているので、最後は個別に相談が来るぐらいに盛り上がっていました。

 別室では「裏男子会」ということで保護者の方にもイベントを開催しました。送迎できた親御様が待つだけではなく横のつながりや話し合いができればということと、もしお子様の具合が悪くなったときなど不測の事態に備えて、という狙いでした。同時開催でよかったというのが今回の一番の成果でしょうか。個人的にはお母様方の熱量を感じました。

 ただし、今回のイベント。幾つか課題も出ました。今後全国で障害児への性教育をする企業・団体は増えると思いますので、初回の気づきを少し書いておきます。

”秘密の窓”を開けられ困惑するお子さんへの対応

 自閉症ならぬ「自”開”症」(積極奇異といいましょうか、発達障害のお子さんの中には”あけすけ”な感じのお子様もいます)のお子さんは全く問題なく参加いただきましたが、いわゆる自閉度が高めのお子さんは情報量の多さや想定外の内容に驚いた他、(心理学の『ジョハリの窓』でいうところの)「秘密の領域」だと思っていたものが実は「開放の領域」だったというショックを受けた(と思われる)行動が見られました。

ベネッセ教育研究所さんの(僕への)インタビュー記事から転記させていただいています

 

 ある程度の”想定外”を予想して、僕自身もイベント会場にいたわけですが、実際に開催すると、事前のシミュレーションではわからなかった部分も具体的に課題として浮かび上がりました。今回、どのように対応すべきだったか、そもそもどういう告知や伝え方が望ましかったかを踏まえて、次回の開催につなげたいと思います。また今回やや困惑した状態で帰ったであろう数人のお子様はしばらくモニタリングの感度をあげていきたいと思います。

異性が好きという感情が分からない!?

 「異性が好きという感情がわからないのではないか?」振り返りの中で当社スタッフから出た言葉です。ただし、今日はLGBTの話も盛り込みましたが、決して同性が好きな人が多いというわけではないです。「恋愛感情がよくわからない!?」ということが想定外でした。

 個人的な印象では、おそらく「恋愛感情」はあるけれども、①発達障害のお子さんは精神年齢がどうしても遅く発達しがちなので、中高生ではまだ恋愛感情として醸成されきっていない、という見方と、②恋愛感情はあるけれども、感情というのは抽象的な概念であり、具体化されていないものを伝えることが苦手な彼らに発言を求めると「ない」ということになってしまうのでは?ということです。

 いずれにせよ、今回はオナニーに着目していますが、そのような独りでする、具体的なものは伝わりやすいものの、セックスや恋愛感情の伝え方という、複数の人が関わったり、抽象的だったりするものをどう伝えていくかは課題として残りました。

就労・児童・総務のスタッフ総力戦

 最後に今回のイベントを企画・運営した3人の写真で締めくくります。いい笑顔です。

 今回は実はTEENS(つまり児童・教育部門)のスタッフだけではなく、大人向けの就労移行支援、バックオフィスの総務スタッフも参加しています。部署・拠点にこだわることなく、言いたい人に言う、動きたい人と動ける、したいことを形にできるという社風をこれからも大事にしていきたいと思います。

 次回開催も既に視野に入っています。既に女子会は開催していますがもう少し性の問題を掘り下げたり、あるいは男子会も年齢別に細分化したり、TEENSやガクプロ(大学生・専門学校生向け支援)に通っていない外部向けに開放したりと、考えています。

 ピンクTEENSの第2段を乞うご期待。

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嘘は売りたくない 鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』 第1回

 当社の想いや現場での働き甲斐をお伝えする『懸け橋』。5回シリーズで、社長であり社員番号1番の鈴木、2番の田中正枝、昨年末に取締役・執行役員に就任した3番の須賀智美の鼎談をお送りします。

 これまで管理職がいない、完全にフラットな組織であったKaienも、スタッフが150人を超え、約700人の利用者に日々サービスを提供する規模の会社になっています。更なる成長を見越し、社長に指示系統が集中する状態から、社員一人一人がより力を発揮しやすい強固な組織作りをしている最中です。

 初期から在籍するメンバーが、今までどう働き、今後を見据えているか。第1回はKaienの7年半を一気に振り返ります。

売上がない草創期

鈴木慶太(以下 鈴木): まず自己紹介のような形で、Kaienを知ったそもそものきっかけや、一番初めの頃の思い出を教えてください。

田中正枝(以下 田中): 総務の田中です。Kaienを知ったのは、2009年秋の設立間もないころ。元々発達障害に関心があってネットで調べている中でみつけました。ちょうど大人の発達障害がメディアで取り上げられ始めた頃ですね。Kaienが他と違うと感じたところは、可哀そうな人を助けてあげようみたいな感じがないところ。営利団体というのも新鮮でした。

須賀智美(以下 須賀): 私はキャリアチェンジして、福祉の仕事をしようと思っていた時にKaienのことを知りました。福祉の学校に通いながら1年半ほど支援現場の体験もして。でもずっとその道を進むことには違和感を感じて、大学院に進学しました。発達障害の支援に興味があって情報を集めていたら、「MBAを出て日本で起業した人がいるらしいよ」と教えてくれる人がいて、キーワードをいろいろ入れて、Kaienのホームぺージを見つけて。それが出会いです。

 当時鈴木さんは、創業時の複数のスタッフが辞めていってチームを作り直すところで苦しんでいて。けれど、驚くほど正直に現状を話してくれた。Kaienがやっていたことは、私がやりたいことと同じだったし、在学中なのでフルタイムでは働けないけれど、学業と並行してならできる。何かお手伝いさせてください、と鈴木さんに言った感じです。

鈴木: 創業して1年経たない頃で、マンションの一室で3~4人の職業訓練をしていたような時だよね。懐かしいというかなんというか辛い思いでしかないけど…。田中さんは、元々発達障害の支援に興味があって、Kaienの福祉色があまりしないところに面白さを感じた。須賀さんも今までの福祉との違いを感じたんでしたっけ。

須賀: そうですね。今まで誰も手を付けていないことに取り組んでることに興味を持って。

鈴木: 須賀さんは長くビジネスの業界にいて、その後進んだ福祉の業界で、違和感を感じたんですよね。それはどういう点ですか?

須賀: 私は、前職の福祉の現場では、ビジネスの世界と同じような、言ったことは言ったこと、言ったことで自分を不利にはしないというようなコミュニケーションをとることで怒られていて。コミュニケーションの仕方が、ビジネスと福祉の世界では全然違ったんです。「うん、うん」、「そうだね、そうだね」って話を聞く。そして、その情報を整理しようとする。でもその整理は好まれない。私は構造化(注:全体を把握したうえで、その構成要素間の関係を分かりやすく整理すること)とかが得意なんですけれど、そういうコミュニケーションが福祉の支援のスタイルとは違うというか。

鈴木: 共感傾聴や空気を読みながらとか、ビジネスにもないわけではないけれど、福祉の方でより大切にされている感覚やコミュニケーションの方法がある、と。

須賀: なので、私が得意としている方法と、福祉の世界で大切にしているものはなかなか相容れないのだろうなと思ってしまった。そういう現場に入っていこうと思えなかったんです。

鈴木: 初め、お二人がパートタイムとして働いてくれたのはありがたかったです。フルタイムで働きたいといわれても、給料が払えない。当時月間の売上げが30万とかでしょう。田中さんがフルタイムになったのは、横浜市のモデル事業に応募して、スタッフを2,3人雇えそうになった時ですよね(注:2011年に横浜市の発達障害者支援のモデル事業において、Kaienが実施機関に選ばれ事業を受託した)。

田中: 私は当時別の会社に在籍していたので、週0.5日ほどKaienでパートタイムとして働いて。2011年の震災後に、鈴木さんに声をかけていただき、転職してフルタイムになりました。売上げを知らずに入社したので、入社して財政状況が分かると、こんなに大変なのによく雇ってくれたなって。

須賀: 私は大学院を修了した2012年から、鈴木さんに頼んでフルタイムになりました。横浜市の事業が取れたのが私の中で大きかった。これでサービスを広げられそうだし、広げるべきだと思って。

鈴木: その頃が激動だった。グリービジネスオペレーションズさん、サザビーリーグHRさんとの契約が決まって(注:2012年に、両社の特例子会社設立に対し、Kaienがコンサルティングなどのサービス提供を行った)。その半年後には就労移行支援も始めたし。

須賀: 当時は、大学院の論文を書きながら、グリーさんの特例子会社の準備をしてましたね。社員合宿に行く車の中で、特例子会社の名前を皆で勝手に考えたりして。

鈴木: グリーさんの社内コンペで、Kaienをコンサルティングに指名してくれると分かったのが、ちょうど合宿に向かう車の中だったよね。電話を取って、「わー!どうしよう!」ってね。横浜市の事業と同時にグリーさんの方もやることになって。直後にサザビーリーグさんとの契約も始まって。人手が足りるかなという感じでしたね。

須賀: 人もいないし場所もない。当時、田中さんは転々としてましたよね。麻布十番のオフィスから赤坂へ移って、その後五反田に間借りしたり。机二つぐらい分だけKaien、というところで仕事をして。

鈴木: しばらくは事務作業をするスペースがなかったから。赤坂も五反田も、ETIC.さん(注:NPO法人ETIC.)や色んな人の善意で貸してもらったんですよね。

田中: そうですね。転職早々、働く場が転々として、しばらくは密かにハラハラしてました。イベントを開くときに会議室を貸してくださる会社さんがあったり、本当に様々な方々の善意に支えられていたなぁと。ありがたいことです。

Kaienらしさの醸成

鈴木: その後はビジネスモデルを確立した時期で、それほど大きく変化があるわけではないですけれど。その落ち着いて成長してきた段階で、自分はどうKaienの力になってきたと思いますか。社員番号2番、3番として、どういう役割を果たしてきたか。

須賀: 仕事なので、もちろん楽しいことばかりではないです。嫌なこともいっぱいあるけれど、でもすごく楽しくて。発達障害の人と一緒にいるのが面白い。面白いというと誤解を招いてしまうかもしれないですけれど、支援者、職業人として一線を越える感覚ではないかと思っています。とにかくこの数年間、私はその想いを現場でひたすら体現してきたつもりです。

鈴木: それがKaienっぽさかもしれないですね。須賀さんは新しい拠点ができると異動してきたので、半年~1年ぐらいしか一つの拠点にいない。いろいろと回りながら各拠点にそのエキスみたいなのものを注入してきた感じですかね。

 

鈴木: 田中さんは?会社が大きくなると、こういう総務を経験することはないじゃないですか。社長がお金をもらっていない時代から、今は百何十人の社員がいて、十何個のオフィスがあって、色々な免許や登録の業務があって。自分も成長していかないといけないし、やることも増えてきたと思うんですけれど。どういう風に役割を果たしてきたと思うかな。

田中: 前の会社でも事務職でしたが、毎月同じ種類の業務をルーチンとしてしてきただけでした。総務的な事務を知らなかったので、Kaienに入社してからは須賀さんに教えてもらいながら目の前に来るものをなんとかして一個一個こなしてきた感じです。仕事をしながら濃密に勉強させてもらっているなぁと感じています。総務の知識というハードスキルでも、未知なことに遭遇したときの対応方法というか腹の括り方みたいなソフトスキルにおいても。役割を果たすというよりひたすら学ばせてもらっているなぁと感じます。

鈴木: 現在社員はフルタイムが60人ぐらい、パートタイムを合わせると150、60人。辞めていった人もいるし、逆に入ってくる人もいるけれど、どういう特徴があると思いますか?「行く人来る人」ではないですが、まず「来る人」。どういう人がKaienに来てくれているかな?

須賀: 発達障害というキーワードで来ている人もいるし、福祉の世界で今までと違う形で実績を出しているというところに惹かれている人も多い気がします。

鈴木: 福祉と新しさですか。田中さんは?

田中: ソーシャルビジネスみたいなのに興味を持っている人がいらっしゃっているのかなぁと。

鈴木: ほんとに?僕は、社会的に良いことをしようという人が来ているとはあまり思ってなくて。大きな枠組みで、難民問題とか、困窮世帯の問題、保育といった様々な社会課題の中で、「自分は社会貢献をしたいんだ」という人が、「あ、こういうのもあるんだ」という風にKaienに惹かれるケースは少ないような気がするんだよね。いわゆる意識高い系はあんまりいない。

 ただ、嘘は売りたくないという人は来ていると思うんだよね。いわゆるソーシャルビジネス系って結構嘘を売っていると僕は思うわけですよ。自分たちは良いことをしていますと言いながら、実際そうじゃないことってあるじゃないですか。お金もうけに走ってたり、実際より良く見せかけていたりとか。少なくともKaienはそういった部分はないと思う。

須賀: 今のKaienで良くないところ、例えばトラブルとか事故とかヒヤリハットとか、鈴木さんは講演でしゃべってますからね。

鈴木: そういう表裏のなさを感じて来る人はいるんじゃないかな。採用面接に来る人の話を聞いていると、絶対必要じゃない商品をお客様に売らないといけなかったり、社会貢献っぽい会社に入ったけれど、勢いよく成長していく中でいい顔をするためにソーシャルなことを言っているのに幻滅したとか。もっとまともなところがあるはずと思ってる人たちが来ている気はします。

田中: そうかも。地に足の着いたソーシャル感覚を持った人。

鈴木: だからKaienに来る人は、発達障害に興味を持っている人と、売っているものに自信を持ちたい、本物を売りたい人が来ているかなぁと思っています。

鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』

田中正枝

Kaienの社員番号2番であり総務所属。県税事務所、メーカーでの勤務を経て、損保系会社の人事事務に。2010年にパートタイムとしてKaienに入社。翌年からフルタイムとして勤務。

須賀智美

Kaienの社員番号3番であり取締役・執行役員(経営本部担当)。大学卒業後、13年間鉄道会社に勤務。退職後、上智社会福祉専門学校、慶應義塾大学大学院へ。2010年、大学院在学中にパートタイムとしてKaienに入社。2012年、大学院修了と同時にフルタイムとして勤務。

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講演記録が公開『大学における発達障害学生への修学支援とコンプライアンスについて考える』

2016年12月に開催された『大学における発達障害学生への修学支援とコンプライアンスについて考える』当社の発表が日本学生支援機構のウェブサイトで公開されました。配布資料だけではなく、登壇した部分の文字起こしもPDFでご確認いただけますのでぜひご一読ください。当日のイベント内容と当社の発表分、ウェブサイトのアクセスは以下のとおりです。

イベント概要

  • テーマ:大学における発達障害学生への修学支援とコンプライアンスについて考える
  • 開催日時:平成28年12月1日(木曜日)
  • 主催:独立行政法人 日本学生支援機構、国立大学法人 筑波大学
  • 会場:新大阪丸ビル別館(大阪市東淀川区)
  • 参加対象:障害学生支援に携わる高等教育機関(大学・短期大学・高等専門学校)の教職員
  • 参加人数:140名

当日資料・文字起こし

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今は不安しかない でもKaienがあってよかった ~私とKaien 第12話~

 『私とKaien』は当社の就労移行支援を利用していた訓練修了生や、ガクプロやTEENSをご利用中のお子様を持つご家族など、Kaienと一緒に発達障害の魅力を世の中に広げていただいている方々へのインタビューシリーズです。

 第12話は5年間当社に通った女子大生・Yさんへのインタビュー。相談室登校が続いた小中時代、診断を受けた高校時代、Kaienとの出会い、そして大学での留学経験やガクプロでの4年間を経て、この春から事務職で働く彼女に話を聞きました。

子どものころから波乱万丈です

 小さいときは親の仕事で海外に住んでいました。日本人の多いマンションで。お誕生日会を開いたり、学校帰りすぐ遊びに行ったり。子ども同士でも仲が良かったです。めっちゃ楽しかったぁ。

 でも、子どものときは知らない人に喜んでついていっちゃうみたいな…。親のいる前で知らない人に抱っこをされても、嫌がらずそのままスーパーに連れて行かれて、連れ戻しても平気な顔をしていたとか。それと、テレビでエレベーターに閉じ込められる場面を見て、住んでいた所では高層住宅だったんですけれども、10階20階まで階段を使っちゃうような。そんな小さいときから特性があったんだって今は思いますね。

 小4のとき日本に帰ってきてからは波乱万丈です。

 転校当日、校長室で待たされているときも、ずっと泣いていて。全校朝会でいきなり前に立たされて、あいさつしないといけないとか。皆ざわざわしているし。突然のことで不安で仕方なかったと思う。クラスでも周りと馴染めなかった。小学校ってずっと同じメンバーじゃないですか。そこにポンって入って。嫌だって言っているのにちょっかいをやめてくれないし。それと帰り危ないから規則で三人で帰っていたんですけれども、仲間はずれにされて、道が細くて。二人並んで私は一人。嫌だけれども、危ないから一緒に帰らないといけないとか。

中学校までは相談室登校

 5年生の夏休みが終わってランドセルを背負って出ていこうとしたら発作。学校に行けなくなっちゃって、過呼吸みたいな感じで。お母さんが病院調べて行ったら、パニック障害ですねって。結局、小学校のときはそのあと保健室登校。行けなくなってから人目が怖くなっちゃって。バス乗れないし、電車乗れないし、エレベーター乗れないし。

 中2のときにはじめて相談室の先生にいじめられていたということを言って、それまでずっと親にも言えなくて。親に言えないから家のトイレで一人で泣いていたりとかもしてました。自分の生きづらさの原因をいろいろ探していると、いじめとかの過去の事とか、見つめるようになって、やっぱこれは親にわかっていてもらわないといけない、だから言おうと思ったかな。

 発作がつらくて。過呼吸がひどくて体が硬直してくる。夜に発作が起きた時は結構つらくて、このまま死ぬんじゃないかと思って、親に「今までありがとう」と言ったこともあります。ある時「その発作では死なないから」と言われて、発作は大変だったけど「それでは死なない」と分かって少し安心しました。

 でも、なんで生きているんだろう。どうしてこんなに生きづらいんだろう。と長い間思っていました。パニック障害が小学校のころには収まっても、そのあと抑うつが続いて、ずっと考えていたときもあります。答えは出ない。辛すぎて自分がこの世に存在している意味が分からなかった。

診断を聞いたとき ホッとした

 高校は定時制で日中行けるところに行きました。相変わらず体調が悪くて、ほとんど親に送り迎えしてもらってましたけど。授業にはフルで行っていた。周りの人が変わったのが大きいかな。体育は体力的に無理だったからレポートを書いてました。前例がないといわれたけど。でも、高2のときに体調不良が悪くて、親とも毎日喧嘩が絶えなくて、自分から入院したいといって入院しました。入院すれば何か変わるかもしれない、家族と離れたいって感じで。

 その入院のときに病院の先生が発達障害のことを気づいたそうです。高2の冬ぐらい。退院した後に、「あなたがあなたであるために」という本のコピーみたいなので線がひかれたのを渡されて、3つの特徴がありますよと典型的な発達障害の説明をされました。

 診断された時は、先生の説明を聞きながら途中から泣いてました。今まで辛すぎて自分の苦手な部分があって。なんで私はこう、上手く出来ないんだろう、と出来ない自分をずっと責めていたから。 今までの辛いところが言葉に全て表現されていて。脳がそうなっているんだと分かって、診断されてすごくホッとしました。もし診断されなかったら、原因がわからず適切な対処できずに、今も苦しんでいたと思う。 でも病院から帰ってきて、少なからず本当に自分は発達障害なんだろうか。という気持ちはありました。それから自分で、ネットや本で調べ当てはまる部分も多く「やっぱりそうなんだ」と納得をしました。

 変更が苦手、見通しがつきにくい、こだわりがある、融通が利きづらい、っていうのは当てはまるかな。それと、自分は普通に思われがちなんですけど、裏で苦しんでいます。発達障害のステレオタイプに当てはまらない。人々の障害に対するイメージとは違う。一方で障害があるからって自分の行動を制限されるのも嫌です。したいことはしたい。ちゃんと理解してほしいっていうのがあります。

自分でKaienを見つけた

 退院後、Twitterで発達障害をバーッて検索して、自分でKaienを見つけた。一番最初に見つけた。当時はKaienしかなかった。何個かあったら時間がかかって迷ったと思う。

 「ここどうかな」と親に言ったら、「じゃあ行ってみる」というので。発達障害がわかってすぐにKaienにきた感じです。本とか読んで自分なりに理解をし始めていたけれども、それだけではやってこられなかったと思います。なので発達障害がわかって楽になったというよりも、Kaienに来て楽になったというのが大きいかな。

 覚えていることは麻布十番の階段を上っていたときに、何か変なところ来ちゃったから話だけ聞いて帰るだけにしようと思った。面談する直前まで、「なんかもう、説明受けて帰るだけにしよう」と思った。鈴木さんの話を聞いて、一番残っているのは地元が同じということ(笑)。話した内容はほとんど覚えていないけれども、変な人ではないな、お金儲けとか、悪質業者ではないなと思った。親も良いって言ったし、親が納得していた感じはあるかな。

 そこからTEENSに結構な頻度で通い始めてから、Kaienが一番の安心材料です。相談すれば大丈夫だというのがある。大学受験のときも、どうやればいいかという道筋を立ててくれたじゃないですか。このペースでここを勉強してとか。寝る前の2時間はリラックスタイムにするとか、日常の過ごし方も教えてもらって。安定した船に乗っている感じです。

大学受験の直前、最後のTEENSでのセッション。Yさんに「何かをメッセージをほしい」と言われて鈴木が書いたメッセージ。ノートの切れ端に書いたものだが今も自宅に取っておいてくれている。

 

大学が一番上手く行った

 大学選びの決め手は、病院が近い、カウンセラーが発達障害に詳しい、英語・留学に力が入れているという3点。通い始めてすぐに相談室にすぐに行って。週1で通いました。悩みを相談したり、レポートの書き方を相談したり、履修登録が本当に苦痛でそこでも相談したりずっと続けていた。大学の相談室の存在は大きいです。

 大変だったのは夢だったオーストラリアへの短期留学。学内で選ばれるためには、GPAと作文、面接、TOEICもあって、頑張った。でも理想と現実はちがかった。環境が変わるっていうのはこんなにつらいのかと思ったし。半年間、毎日日本に帰りたいって泣いていた。

 振り返ると経験してよかったとは思う。本当にどこに行っても気持ち次第だなぁと思った。行けば変わると思っていったけれども、行った先でも悩むのは悩むし、不安は不安だし。幸せを追い求めていったけれども、気持ち次第で不幸にもなるし、ハッピーにもなるしみたいな感じ。

就活・内定 これから

 大学のときも内定するまでガクプロに通っていました。大学1年の頃から、卒業後のことを考える機会が出来た。お仕事体験のときにスタッフの方からフィードバックをもらったり、就活のときも面接練習でフィードバックをもらったり、悩みを相談して聞いてもらえたり。同年代の人と一緒に、発達障害や学校の悩みも共有できました。ガクプロは私にとって安心できる居場所です。

 信頼できたというのがすごく大きい。就活ではスタッフの藤さんの存在が一番大きくて、長い間一緒にいるし。Kaienのスタッフはみんなお世辞みたいのがあんまりないから、裏表がない感じがする。信頼していないとずっと続けて来られない。

 就活では障害者枠しか受けていません。Kaienで一度相談してからいろいろ考えたけれども、発達障害を知っていてもらったほうが安心するからかな。不安になったときとか先の見通しがつかないときに頻繁に相談したいとか。そういう配慮が一般枠だとなさそうな気がする。

 企業数はかなり受けた気がする。30ぐらい?特にメディア系の企業には興味があった。でも上手くいかなかったけど。内定先は食品メーカーです。

 今は不安しかない(笑)。これから荒波に突入していく感じがする。少しでも落ち着いて働ければよいなと思っています。今までは自分のために生きてきた。自分のやりたいことをできてきた。これからは自分のやりたいことじゃないこともやっていかないといけない。自分が納得しないと進めないタイプなので、そこの折り合いが難しいんじゃないかなぁって。でも、Kaienがあってよかった。これからもキスド会とかに顔を出します。

大学時代。海外留学の時はSkypeで特別カウンセリングをしていた。

 

(取材:2017年1月)

 

Yさん:高2から当社の小中高生向けサービスであるTEENSを利用。大学に入ってからガクプロへ。現在都内の大学に通う女子学生。今年4月から大手食品メーカーの事務職(障害者枠)で就職予定。

  • 性別: 女性
  • 年齢: 21歳
  • 診断: 発達障害(2011年)
  • 業種: 食品メーカー(内定先)
  • 職種: 事務

自分のことを信じて守ってくれる人 Kaien共同創業者 対談シリーズ 第5回

 当社の想いや現場での働き甲斐をお伝えする『懸け橋』。5回シリーズでKaienの共同創業者であり、社外取締役である徐勝徹(ソ・スンチョル 通称ちゅるさん)と、社長の鈴木の対談をお送りしています。今回は最終回です。

 2009年に鈴木たった一人でスタートした当社も、今ではスタッフが150人を超える会社になりました。更なる成長を見越し、社長に指示系統が集中する状態から、社員一人一人がより力を発揮しやすい強固な組織作りをしている最中です。

 社外取締役として年に数回の会議・スタッフ合宿に参加する立場だった徐も、この半年は月の半分ほどの時間を当社の組織構築のために費やしています。共同創業者2人の対談を通じて、Kaienが生まれる前から今まで、どのようなことを考えて何をしてきたのか、これから何を目指していくのかを皆さんにお伝えできればと思います。

  最終回はKaienの将来についてです。

必要なのは数字じゃない

鈴木慶太(以下K): 採用面接で、面接に来た方に質問があるか尋ねると、「御社のビジョンは何ですか」「鈴木さんは会社をどういう風にしたいですか」とよく聞かれる。けど、僕答えられないんだよね。もともと経営者になりたくてこの会社を始めたわけではないし。

徐勝徹(以下C): もちろんね。

K: 発達障害の人が、憲法の言葉でいうと、幸福を追求できるように何かしたいという気持ちから始まって。会社を大きくしたいとかを目指しているわけではなかった。ある程度大きくしないとやりたいこともなかなか出来ないから、仲間を募って集めてきて。売り上げ目標を立てたり、拠点を何個作りますと宣言したこともない。待機してる人がいっぱいいるから、じゃあ作るといった感じで作ってきた。

 だけど、今後は社員が100人200人になってきていて、通う人も来年だと多分1000人規模になって。自分の中ではまだまだ小舟のつもりだけど、多くの社員からするとさすがに小舟に乗っている感じじゃなくて、「あれこの船どこ行くのかな」となっていて。ビジョンを言わないといけないと思うんですよ。さあ、どうしよう!ちゅるさん、アイデアはありますか?

C: (笑)数値目標とか具体的な目標はある程度は必要だけど、そこに振り回されないようにしてほしいなとすごく思いますよね。根っこから根ざしていない目標を立てても仕方ないというか。例えば3拠点増やすとなった時に、やっぱり早すぎず遅すぎず伸びなきゃいけないでしょう、みたいになんとなく作られた目標だったら意味がないわけで。

 極端なことを言ったら、目標というのは、たとえ3か月ごとに変わっちゃっても、皆がちゃんと同じところを見ているんだったらそれでいいと思うんだよね。一番怖いのは必然性がないこと。なんでその売り上げを立てる必要があるんですかと聞かれた時に、なんとなく線引っ張りましたみたいになっちゃうと、Kaienの良さは絶対に失われると思う。それと、慶太さんはビジョンがないって言っているけど、慶太さんの中にはあると僕は常に信じてるし。

K: 行動指針の3つの役割は常に考えています。でもちょっと抽象的過ぎて、皆が今日明日どうなるか。来年どうなるかがそれだけでは分からない。

C: 3つの役割を3年後、5年後、10年後と考えた時に、どこまで何ができていれば、慶太さんの中でちゃんとできていると思えるかが大事かな。それとの差分を見て、じゃあ拠点を増やさなきゃね、このペースでやらなきゃねと逆算して目標を立てていけば話が繋がる。今までやってきたところの単なる延長線で目標を引いても血が通わない。

K: 一方でね、現場からは数値目標がほしいような話が上がってくるけど、本当にその数字を聞きたいのかなという疑問も実はあるんです。普通の会社っぽく大きくなってきたから、数値目標や事業計画があった方がいいんじゃないの?となんとなく思っているだけじゃないのかなぁと。

C: 数字自体が必要というよりは、あくまで期待値の目安なんだと思うんですよね。売上目標が1.2倍から1.5倍になったところで、自分のやるべき行動が変わらなければ関係ない。だから、自分の行動が変わる範囲の精度で、会社が何をしようとしていて自分は何を期待されているのかが分かればいい。

 例えば、今後新規拠点を5年以内に100拠点増やしますということであれば、今現在自分のやっている事が、将来のこの会社の中で占める割合はこれぐらいになるんだなとイメージできるじゃないですか。あるいは、新規拠点は今までのようにできる範囲内で一歩一歩増やしていきますと言うのであれば話は全然違ってくるし。

K: 自分のことに置き換えてイメージできるようにする、あとは3つの役割に基づいて、あなたは次はこのぐらい進みましょうというのをカーナビのように言ってあげるという感じだね。

C: そこがストーリーがつながらないと、聞いている方も腑に落ちないしね。

最終的に自分のことを信じてくれる人

K: 最後に、共同創業者として今後どういうに風に関わっていきたいか、いけると思っているか。共同創業者であり社外取締役でもあって、この半年ぐらいは組織作りを手伝ってもらって、それが一段落着いたぐらいのちゅるさんの関わり方を話したい。

C: 難しい質問するね。今までは、僕の基本的なスタンスは慶太さんにも時折言っているけど、他の仕事をしてそれなりのお金をもらっていても、Kaienでニーズがあればその時はちゃんと検討しますので、という感じだった。けど、自分の事情が随分変わってきて。MBAを卒業して日本に戻って来てから7年になるんですけど、これって、僕の社会人人生を振り返ってみると例外的な期間で。3年以上一つの国に留まっているというのは今まで一度もなかった。今後はまたご承知の通り(注:奥さんの仕事の関係で)色んな国を転々とする可能性が高くなってきていて。

 その中で、僕が今後Kaienにどういう風に関わっていけるのだろうというのは正直分からなくなってきてはいる。その前に最後のご奉公というか、ちゃんと貢献しておきたいという感じで今は手伝わせてもらっていて。その後に関しても、今までのようにネット経由でも参加できる取締役会だったらおそらく関われるんだろうけど、今のステージのKaienにとってそれが望ましいかというと考えてしまうし。今の組織作りが一段落したら、慶太さんとちゃんと話したいと思っていたところです。

K: 了解です。最後に何か質問は?

C: 質問って難しいね。ちょっと考えさせて。じゃあ、逆に何を僕に期待する?

K: そうね。(しばし沈黙) 僕にとっては今回がそうだったように、ちゅるさんは、最後に出す切り札。そもそもこの会社がこんなに大きくなるとは思っていなくて、自分ともう一人ぐらいでやるのかなというのが、起業した時の本音という感じで。それでも会社が大きくなった時とか、何か失敗した時に、最終的に自分のことを信じて守ってくれる人は誰かなと。それが会社の生みの親じゃないですか。それがちゅるさんなので、その切り札としてどういう風にいてくれるかなというのが期待ですね。

 創業後のこの7年を振り返ると、始めの方は、自分の精神的なカウンセラーとしていてもらった時期はあるけど、事業がそれなりに形になってきた2012年からは切り札を使わなくて良かった。でも今は切り札を使わないと、鈴木商店から株式会社Kaienになれないからお願いしている。今後も切り札を使うときが来るであろうなと。親だから。そこがどういう風になるかは、今みたいな形でかかわってもらうのは難しいかもしれないけど、何らかの切り札としての役割だとは思う。

C: 感慨深いものがありますね。慶太さん自身にも言ったことがあるけど、慶太さんって何を求めているのかよく分からない。正直僕が今回こういう風に(注:当社にコンサルティングに入っている状態のこと)関わることも、心のどこかで押し売りしちゃったかなという後ろめたさがあって。

K: そんなことはないよ。

C: 更に言えば、僕はいまだに読んだことがなくて伝説みたいになっている未出版の本に(注:鈴木がダイヤモンド社で出版直前になった本。2012年に出るはずだったが家族の反対で日の目を見なかった。が、社内や利用者には配布されている。)、僕が結構登場してたというようなことはちらほら皆から聞いていて。慶太さんに読んでと言われない以上は、読ませてというのも変だから言っていないんだけど。周囲からの話でそういう期待値を持ってくれているのね、みたいなものはあったけど、基本的には慶太さん自身の口から言わないじゃないですか。僕に何を期待するかというようなことも、今初めて言ったでしょう。

K: そうですね。周りには言ったりするけど、ちゅるさんには言ったことはない。

C: 2009年に創業してから今回が初めてですよ。なので、あぁこのインタビューやってすごく良かったなって。

K: 最後に信じてくれる人というのは会社の経営・創業だけではなくて、支援の道にも通じるかもしれないですね。いい感じでまとまったかな。今日は本当にありがとうございました。

C: ありがとうございました。

左から鈴木と徐

Kaien共同創業者 対談シリーズ

徐勝徹(ソ・スンチョル)

株式会社Kaienの共同創業者であり、社外取締役。日本生まれの在日三世。早稲田大学卒業後にアメリカの大学院(ミシガン大学公共政策大学院)へ。非営利の分野にて勤務後(韓国でユネスコ、フィジー・ミャンマーで国際赤十字に所属)、日本で戦略系コンサルタントに転身。MBA留学を挟んだ後に自身の経営コンサルタント会社(株式会社プロジェティーム)を立ち上げる。Kaien代表の鈴木とはMBA(ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院)の同期。

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ベネッセ教育総合研究所の「特集 発達障害の就労問題」に掲載

ベネッセ教育総合研究所の「発達障害の就労問題」の特集で、当社Kaienの代表鈴木のインタビューや、利用者の座談会の様子がシリーズで取り上げられています。

掲載サイトから

本テーマのフォーラム第4回は、発達障害のある人に特化した就労移行支援サービスを行っている、株式会社Kaien代表取締役の鈴木慶太氏にお話を伺いました。前編では、鈴木さんが(株)Kaienを立ち上げたきっかけや現在の事業概要、そして日本の福祉政策である「就労移行支援」というサービスについてご紹介をします。

■発達障害のある人の就労に特化する ■「就労移行支援」とはなにか ■関連事業者による障害者人材の「商品化」懸念 ■就労移行支援サービス利用の壁 ■ここ数年で大きく変わった、就労を目指す発達障害のある人の状況 ■20代後半の利用者が最も多い ■現場からのフィードバックを重ねて作られた訓練メニュー ■スタッフに求められる、企業文化と障害への理解 ■Here and Now型の指導

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ベネッセ教育総合研究所 「発達障害のある人たちの就労に関わる問題」を解説しています

  • 掲載日:2017年1月23日~
  • 掲載:ベネッセ教育総合研究所 CO-BO 社会問題を知ることで何を考えるかを考える
  • 記事URL:http://berd.benesse.jp/special/co-bo/co-bo_theme4-7.phpblank_blue
  • 内容:「発達障害のある人たちの就労に関わる問題」の特集で当社代表の鈴木がKaienを立ち上げたきっかけや現在の事業概要、そして日本の福祉政策である「就労移行支援」というサービスについて説明をしています。