AERA最新号。発達障害を職場の戦力にするというテーマで、当社代表 鈴木のコメントが掲載されました。

- 発行日: 2022年12月12日
- メディア: AERA 2022年12月19日号
- 記事: https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=23933
AERA最新号。発達障害を職場の戦力にするというテーマで、当社代表 鈴木のコメントが掲載されました。

日経BP「未来コトハジメ」の記事として、当社のニューロダイバーシティの力を伝統工芸に活かすDenPukuが特集されました。

2009年に創業したKaienは、発達障害がある人材の支援に特化した企業。2022年からは、伝統工芸と発達障害者の仕事を結びつけた新しい取り組み「DenPuku」をスタートさせている。これは、各種の伝統工芸品づくりに発達障害の人が関わる仕組みを用意し、工芸品の生産を支援するプログラム。
対象製品を企業のノベルティなどにフォーカスすることで、適度な難易度に設定しているのが特徴。その上で必要な技術を細分化し、作業者が着手しやすくし、少しずつステップアップできるようにした。また自宅でもできる内職型を可能にするなど、コロナによるリモートワークの普及も背景に全国どこでも働ける体制を築く予定である。
現在、ノベルティとして採用したい顧客企業の開拓を進めている段階だ。KaienがDenPukuを手がけるに至るまで、鈴木慶太代表に起業の道のりから語ってもらった。
先月ジュネーブで開かれた障害者権利条約批准後の初審査。本ブログでもお伝えした通り、早速国連から「勧告」が通知されました。
【前回のブログ】そもそも「障害者権利条約って?」「国連が日本を審査?」「勧告とは?」という方は下記リンクをまずお読みください。
勉強になります…障害者権利条約後の初審査を視聴 – コーポレートサイト : 株式会社Kaien (kaien-lab.com)
勧告の概要や全文は国連のウェブサイトで誰でも確認できます。
↓↓↓↓通知概要↓↓↓↓
UN disability rights committee publishes findings on Bangladesh, China, Indonesia, Japan, Korea, Lao, New Zealand, Singapore and Ukraine
09 September 2022
↓↓↓↓通知文章↓↓↓↓
Word資料(日本への勧告全文)
主要なところを訳すと下記のようになります。(www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。)
The Committee noted with concern that people with disabilities, especially people with intellectual and/or psychosocial disabilities, older people and children who require more intensive support, have been placed in institutions for long periods, thus being deprived of family and community life. It asked Japan to take expedited measures to end institutionalisation by reallocating its budgets from residential institutions to arrangements to support people with disabilities to live independently in the community.
The Committee also expressed concerns about children with intellectual and/or psychosocial disabilities, and those who require more intensive support are segregated from regular schools. It recommended that Japan cease segregated special education, and adopt a national action plan on quality inclusive education, with specific targets, time frames and sufficient budget to ensure that all students with disabilities are provided with individualised support at all levels of education.
委員会は、障害者、特に知的及び/又は心理社会的障害者、高齢者、より集中的な支援を必要とする児童が、長期間にわたって施設に収容され、家族や地域社会の生活を奪われていることに懸念を表明し、日本に対し、入所施設からの予算を再配分することにより、施設収容を廃止する措置を早急にとるよう要請した。委員会は、日本に対し、障害者が地域社会で自立して生活することを支援するための手配に、入所施設から予算を再配分することにより、施設収容を終わらせるための迅速な措置をとるよう要請した。
また、委員会は、知的障害や心理社会的障害を持つ子どもたちや、より集中的な支援を必要とする子どもたちが、通常の学校から隔離されていることに懸念を表明した。委員会は、日本が分離された特殊教育を中止し、すべての障害のある生徒が教育のあらゆる段階で個別の支援を受けられるようにするため、具体的な目標、時間枠、十分な予算を備えた質の高いインクルーシブ教育に関する国家行動計画を採択するよう勧告した。
日本の英字新聞のサイトは記者会見の様子も踏まえて報じていて、雰囲気がわかりやすいです。
U.N. panel urges Japan to end segregated education of children with disabilities (The Japan Times)
Jonas Ruskus, vice-chair of the committee and co-rapporteur for the country, said at a press briefing that Japan must reverse its “negative trend of (segregated) special education.”
同委員会の副委員長で同国の共同報告者であるジョナス・ラスクス氏は、記者会見で、日本は”(分離)特殊教育の負の流れを逆転させなければならない “と述べた。
今回は日本だけではなく、韓国やニュージーランドも審査対象でした。上のリンクでそれらの国への勧告も読めますが、日本だけが是正を求められたわけではありません。
外交儀礼かもしれませんが、2016年の障害者差別解消法以来の国としての努力は認められている部分が多くあります。
読むと他国もこれまでの歴史など絡んでいて色々な問題があるなぁと感じます。(例えばニュージーランドは先住のマオリ族における障害支援が進んでいなくて貧困が多いなどが指摘されています。)
が、今回、「国の政治家・官僚任せにはしておけない!」と、NGOが(他国に比べて桁違いに多い)100人以上もジュネーブに乗り込んだ理由は、やはり日本で遅々として進まないところを訴える目的があったのだと思います。実際、国連委員からの勧告もNGOの主張がおおむね認められたと言えるのではないでしょうか。
勧告を読むと、法律用語の修正から、予算の配分への要求など、多岐にわたるのですが、特に2点が大きく言われています。
一つが「隔離生活」。もう一つが「分離教育」ですね。いずれも主に知的障害や精神障害の人に対する部分です。(※バリアフリーという、障害だけではなく高齢化も巻き込める課題は、予算が付きやすくある程度進んだということなのでしょうかね…。)
日本はけた違いに精神科の病床が多く、入院期間も長い国です。
多くの方はご存じないと思いますが、精神科は統合失調症の治療がメインといえ、入院も統合失調症の人たち向けに作られてきたと言ってよいと思います。
しかし世界のトレンドとしては1970年ごろから急速に「入院から地域生活へ」が論じられ、実際ほとんどの国は隔離ではなく、地域で生活をしながら医療や福祉の資源が受けられる形に変化してきています。特にイタリアが有名で、映画などでも複数見られますので、ぜひご鑑賞ください。

が、日本は何を思ったか、世界が病床を減らす中で、統合失調症の人を長期入院させても問題ない病床を作ってきた歴史があります。そしてその病床数はなかなか減りません。
これは国策の失敗とか、医師会の責任だ、と糾弾することもできますが、ここまで何も変わらないということは、世論としても国民が黙認している、むしろそのほうが都合が良いと思っているということなのでしょう。あるいは障害当事者もそちらの方が都合が良いと思っている人も相当いるのだと思います。
「隔離生活」は入院だけにとどまらず、障害がある人が日々過ごす居住場所についても触れられています。残念ながら日本の障害者は隔離された施設で一生を過ごすことが諸外国に比べて多く、その是正も今回求められているのです。
同根の問題は教育でも指摘されています。つまり障害があるがゆえに分離した教育を受けているということです。
実際、特別支援学校も、特別支援学級も、通級も、いずれも右肩上がりの在籍数となっています。(データはいずれも文科省2019年データより)



子どもが少なくなる中で、特別支援学校の在籍数が増えるというのは、世界のトレンドと超逆行しているわけです。
が、とはいえ、こうなるということは世論も、そして当事者・家族もメリットがあるからと言えます。すなわち今は分離されていたほうが「教育も受けやすくなり」「就職もしやすくなり」「生活もしやすくなる」という状態に、日本はなってしまっているということです。
私の周りを見ても、むしろ特別支援学校に通わせて、確実に障害者雇用で就職してもらいたい。さらには知的障害の認定を受けてグループホームに入ったほうが、安寧な暮らしがおくれる、と考えて子育てをしている親は非常に多いと思います。
つまり形だけインクルーシブ教育を強化しても、当事者・家族が見向きもしない状態になりえます(そしてその状況が今の特別支援教育の隆盛を支えているのでしょう)。そうではなく、仕組・制度・文化から、教育だけではなく、雇用や生活、経済面も合わせたうえで、国連の勧告に答えないと、誰のメリットもない変更になってしまう可能性が高いわけです。
当事者や家族を無視した、形だけのインクルーシブは意味がなく、今は分離教育を選ばざるを得ない事情をまず理解すべきですね。
今回、会議から勧告まで、一連の流れを見ていて思ったのが、「分離」はNGだが「行き来」はOKではないかということです。
すなわち教育にしろ生活にしろ、障害者だからこちらにしなさいというのがおかしいのではないか。例えば障害児であっても、24時間365日障害児であるわけではなく、ある場面で障害の特性が強くである。あるいは受験期など特定の期間に支援がより必要になる、のだと思います。あえて分かりやすく言葉を使うと、「障害児 時々 健常児」とか「健常児 時々 障害児」みたいな感じなわけです。
日本の場合は、生活にせよ、雇用にせよ、教育にせよ、行き来が出来ないのが問題ではないか。例えば、年度の途中でも、通級から普通級に簡単な手続きで変更出来たり、またその逆も柔軟に対応してもらうことが重要なのではないか。そういったフレキシビリティが社会に求められているのではないかと思います。
今回の勧告も、特別支援教育が否定されたわけではありません。むしろ「通常教育の中で個別に特別支援が保証された制度を作ってね」ということです。通常教育を受ける権利を担保しなさいということであり、よりよく学ぶためには時に分離された空間で支援されることは検討されてしかるべきです。
実際、インクルージョンというのは四六時中一緒にいることではないでしょう。違いを認め、時に分けて教育・仕事・生活をし、時に一緒に教育・仕事・生活を受ける権利として、生きた制度や文化が出来るか?
国連から与えられた宿題の回答期限は2028年です。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧
「障害者権利条約後の初審査」とは?と思った方。私と一緒です。
障害者権利条約というのを知らない方もいるかもしれません。これは「障害者の権利に関する国際的な基準」のようなもの。日本も批准していますので、わが国でも障害者の権利擁護を国際水準にするための元となる考えなわけです。
そして日本の障害者施策を根本から変えた(はず)の、権利条約批准から8年。その進捗を国連によって審査し、改善事項を初めて!指摘される場がついに(だったようです…)開かれたというわけです。
初めて日本政府に通信簿が渡される瞬間だということですね。
参考:国連の障害者権利委員会が初の対日審査 精神医療などが論点に(福祉新聞)
国連の障害者権利委員会は8月22、23両日、障害者権利条約を批准した日本の取り組みに対する初の審査をスイス・ジュネーブで行った。精神医療や教育をめぐる問題が大きな論点となった。(福祉新聞)
とはいえ、正直に言うと、私自身、権利条約とその国際的なチェック体制についてはなんとなく聞いたことがある程度でした…。今回のジュネーブでの審査もノーマークで…。終わった後にSNSで騒がれているのをみて、初めて覚知した次第…。お恥ずかしい限りです…。
が、物事に遅すぎることはないということで、俄か勉強をしてみましたし、下記の動画も全部見てみました。
知識ほぼゼロから議論を拝聴しましたので、なかなか大変でしたが…。感想をざっくりまとめたいと思います。(もちろん一回動画を視聴しただけで勘違いや記憶違いがたくさんあると思います。ぜひご指摘いただけますと幸いです…。)
国連のウェブサイトでアーカイブ動画がいつでも視聴できます。日本語です。あわせて5~6時間です(1.5倍速と2倍速も出来るので時短も可能です)。
参考:1日目の様子 https://media.un.org/en/asset/k1k/k1k93alkiw
参考:2日目の様子 https://media.un.org/en/asset/k1m/k1mf5n4xhk
そもそも事前情報を知らない私のような方は、下記のDPI日本会議のサイトや動画を見てからのほうが良いかもしれません。
参考:障害者権利条約 初の対日審査(建設的対話)が終了しました。積極的な障害者施策の改善を強く期待します(認定NPO法人 DPI日本会議)
ちなみに今回の審査を経て、今月中には勧告も出るとのことです。
同委員会は9月中旬までに日本に対し、総括所見(勧告)を出す予定だ。勧告に法的な拘束力はないが、各国政府は〝国際基準〟に沿うよう対応を迫られることになる。(福祉新聞)
では、鈴木の気づきをまとめます。
個人的には「司法」の話が分厚く質問されていたのに驚きました。たしかに権利条約では何より障害のある人が社会で意思決定(※参照 抜粋下)をしていく体制整備が求められています。逆に言うとトラブルにも巻き込まれる可能性が高まります。その際に司法の場で様々な合理的配慮が得られているのか、世界レベルでは関心事なのを知りました。
同条約は、最も重要な基本原則として「個人の自律(自ら選択する自由を含む。)」の尊重を掲げ(中略)一律に行為能力を制限することを否定し、誰もが自ら意思決定することができるよう、必要な支援を可能な限り尽くすこと(意思決定支援原則)を指導理念とする制度を求めたもの (日弁連サイト)
一方で明治の香りを色濃く残しているのが日本の「民法」です。外国の委員に指摘されていましたが「心神喪失」だとか生々しい単語が残っているわけで、これは差別的に感じる人が多いのも確かです。官僚の回答を聞いていると意味があるのもわかりましたが、他の用語に置き換えられないのかなぁというのは素朴に感じます。
また、6年前のやまゆり園の話が何度も国連の委員から出ました。それだけ衝撃的な出来事だったのだと思います。(やまゆり園は知的障害者向けでしたが)精神病院への「隔離」や地域移行が遅々として進まない日本の現状の象徴だと、各委員が考えているように感じました。
つまりやまゆり園は障害者が暮らす生活の場所であったのですが、権利条約で意識されている地域(つまり一般の人と出来るだけ同じような環境)での生活とはかけ離れているとも見えるのでしょう。もちろんどの国にもいろいろな障害のある方向けの生活の場があると思いますが、地域で暮らせる人は地域で暮らそうというのが権利条約の大きな思想だと理解しています。
実際、日本の「精神病院」での入院期間の長さは、他国に比べて異常に長く、改善もなかなか見られません。また強制入院も多く、病院で一生を終える精神障害者の人数も高止まりで、各委員から何度も質問でつかれていました。他にも精神病院の驚くべき現状は目を覆いたくなるほどで、ブログでも書いたコロナ禍における精神科病院の異常さを見てもわかるところです。
参考)誰もが知るべき日本の恥部 ETV特集「ドキュメント 精神科病院×新型コロナ」を見て
他にもインクルーシブ教育については日本の傍聴団の関心も高かった話題です。が、こちらも日本の回答はびっくり!レベルの肩透かしでした。インクルーシブ教育が叫ばれる中で、かつ少子化の中で、特別支援教育がどんどん勢力を増しているのは、国際的には異常な傾向なのですが、それが何故起きていてどうしたいのかは何も分かりませんでした。(私の聞き間違えかもしれませんが、日本では特別支援学校や支援学級がインクルーシブ教育の概念に入っているとかいないとか…。そんなことはないかもしれませんが…。)
ただし議論を聞いていると特別支援教育かインクルーシブ教育かという話ではなく、その両者をいつでも気軽に行き来できるような柔軟性こそ重要なのでしょうね。どちらも必要なわけですからね。この柔軟性は雇用の現場にも言えるのかもしれません。配慮がより必要な時の働き方と、そうではない働き方を、行き来できるような形が理想ですから。
さて、内容はともかく、今回聞いていて非常に違和感があったのが、委員からの質問について、日本側からほとんどと数字での説明がなかったことです。
厚労省は流石に担当官庁なので幾つかデータで示していましたが、他の府省庁は「条約に基づいて○○という法令が制定された。現在、適正に運用されていると考える」というような回答が目立ちました。性善説的に制度があるから大丈夫と主張する日本代表団に対して、(障害のある女性や子どもなどの話も何度も出てきたことで分かる通り)悪意のある人たちから脆弱な人たちをどう守るのかという性悪説も踏まえた上で対策を確認している委員側とは、なんだか思想的な大きな開きを感じました。
またこれも質疑の中で出てきたキーワードのような気がしましたが、「事前」に配慮したからOKだよね、というような考え方から、障害のある本人から申し出を受けた「事後」に配慮を検討し続けようね、という考え方に変わったというのが、権利条約のエポックメイキングなところだと思うのです。(事前のほうがよく聞こえますが一律の配慮しかできないです。一方で事後のやり取りを入れると個別対応が出来ます。) が、日本側の思想はあくまで「事前・一律」の話ばかりに聞こえ、おいおい、と突っ込みたくなるところが多くありました。
とまあ、肩透かしのオンパレードに、日本の官僚は大丈夫なのかなと感じました…。これが高度な外交手段なのだとしたら残念です…。
でも日本の国民も官僚も政治家も決して障害者のことを軽く見ているわけではないと思います(あるいはそう信じたい)。そもそも、障害者手帳の取得ベースで換算しても、既に人口の約8%、じきに10%にもなろうとしている一大少数派が障害者なのですから…。
なのにこの数時間のやり取りですら、日本のエリートと欧米の(少なくとも思想の元にあると思われる)委員との考えとの隔たりを感じる。根本的な差はどうして生じるのか??足りない知識ですが、頭をひねって考えてみました。すると、日本の?アジアの?政治や思想の限界みたいなのに行き着く気もします。
例えば、冒頭で日本側の代表スピーチ。「心のバリアフリー」という閣議決定もされた言葉が何度も出ました。この紋所が目に入らぬか的な感じで…。
心のバリアフリーとは「様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うこと」であり、私もその考えを否定するつもりはありません。しかし権利条約の深さと比べるとなんと浅いことか…。極端に言うと「優しくしていれば大丈夫」とも聞こえる、標語的な言葉です。これを代表は後生大事になんどもおっしゃっていました…。
障害支援の現場レベルでも「障がい」か「障害」か、ぐらいで議論が止まることも多く、いつも忸怩たる思いをします。日本・アジアでは、おもてなし的な、ニュアンス的なものが障害者の支援には重要だという文化が根っこにあるような気がします。どちらが進んでいる進んでいないというよりも、お国柄なのでしょうかね。少なくとも私は「権利」を定める条約にはそういうふわっとした部分はあまり関係ないと思うのですがね…。
儒教と家族というのも根深いのでしょう。今話題になっている宗教と政治の問題でも、故安倍元総理が旧統一教会系のイベントで”家庭の価値を強調する点を高く評価”と来賓あいさつで述べていましたよね。また親学推進協会が発達障害を親の子育てのせいだというのも似たところにある気がします。政治がかなり家庭を重視しているということです。
儒教の影響なのでしょうか…。日本やアジアでは家庭が社会の中心単位であり、個の尊厳や権利という考えにあまり馴染まないのではないか?どうしても政治家も大衆も官僚も、どこかで家庭というセーフティーネットを信じているのではないか?
もちろん欧米でも家庭は大事ですが、障害のある人など社会から周辺に見られやすい立場の人は、家庭が頼れないケースが多いことを想定しているのだと思います。そこで法令によって担保された地域サービスが個として生きていくことを支えるのがまずベースにある、その上に家庭があるという風に世論が発展してきて、権利条約につながっているのではないかと推測します。
もう少し踏み込むと、日本では「家庭が何とかするでしょう」という世論が強く、いつまでも家族の内部で抱え、どうしようもなくなった時に施設に頼むという、イチゼロになりやすいから、精神病院での入院率や滞在期間の高さになるのかもしれません。数千年続いた伝統はなかなか変わらないのでしょうね…。
飛躍しちゃいますが、関連としてあげたいのが憲法問題。ここでも、家庭・家族の存在を高めようという機運を一部の?結構の人たちに感じます。
憲法改正というと、国防についての意識が乏しい現憲法を変えたい派と、9条を守りたい護憲派がぶつかっているような気がしますし、それをメディアも大々的に取り上げている気がします。が、実はその裏で、GHQによって作られた「個」の権利を大事にした憲法を、「家庭」を重視した憲法に先祖返りしようとしている魂胆が見え隠れして、私は気持ち悪くって仕方ありません。
自分はどうしても欧米型の教育を受けた、逆に言うときれいに洗脳された人間かもしれないので、もうニュートラルに考えられないのは確かです。その偏った考えかもしれない脳を振り絞ると、憲法にしても障害者の法令整備にしても、生きる上での尊厳を担保するために、一人一人の意思決定とそのためのルール整備が必要な気がしています。
最後に…。冒頭で書いた通り今回の審査を経て、国連から「勧告」が出るとのこと。拘束・分離から、地域でのインクルージョンというのが大きな勧告内容になるようですので、どのように国会が動くのか、ちゃんと見守っていきたい、あるいは声をあげるべきところでは上げないとなと思います。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧
当社発のオリジナルアイテム。「ニューロダイバーシティ」を広めるTシャツ/ポロシャツ(白黒)を作成。

街を歩けばそれだけで啓発が出来、理解も進みます(英語ですが)。
✅ニューロダイバーシティは脳の多様性を表す言葉で障害という概念よりもより実際的
✅発音記号と単語の意味と例文を辞書風にデザイン(例文は2つ、どのように脳多様性を職場で活かすか、どのような配慮が必要か)
2022/9/19の創業セミナー「ニューロ・ダイバーシティ サミット JAPAN 2022」でお披露目予定です。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧
当社の子ども向けサービス「TEENS」の合宿に少し顔を出しています。
この夏、オンライン療育の「しごと未来塾」で、自分の障害特性/少数派らしさを研究(『じぶん研究講座』といっています)してきた小中高生。一泊二日でまとめの研究合宿を行っています。
支援者の言葉を使うと、「障害理解」や「障害受容」なのですが、胸を張って自分の特徴を伝えて配慮要求をできる人間に育ってほしいという意味で「少数派研究」とか「じぶん研究」という言葉を使っています。
今は、自分の苦手をどのように言い換えるか(リフレーミングするか)をゲームを通して学んでいました。
それにしても、夏本番の野球小僧っぽい子もいれば、今冬だっけ?という着こんだ子もいて、見た目からもとても多様です。
わが社でのイベントでありながら、こういうところに参加できるご家庭に生まれたお子さんは幸せだな…。他にも似たようなイベントが広がればよいな…と感慨深く見ています。




–

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧
昨日、当社のADHDの解説記事(下記リンク参照)のアクセスが多いなと思ったら、タレントの木下優樹菜さんがADHD告白したYouTube動画をアップしたとのこと。
LINEニュース・Yahoo!ニュースなどで取りあげられ、検索した人が多かったようです。
木下優樹菜さんが診断基準に当てはまるか、そもそも木下優樹菜さんの過去の言動が発達障害と関係するのかなど、ネットで騒がれているようですが、この記事ではそれには触れません(し、私自身が医師ではないので当然診断やそれに類することはできません)。
しかし彼女の告白動画を見て気になったのが、qEEG(定量的脳波検査)を診断の根拠に喋っている、と思われたところでした。
たしかにqEEGは脳波などに比べるとカラーで素人でも分かりやすいですし、感覚的に理解できる部分もあるかもしれません。しかし信頼できる医師のみなさんに聞くところでは、画像で診断というのは「あり得ない」です。
追記:早稲田メンタルクリニックの益田先生も下記の通り投稿されていますね。
同じ発達障害といっても、様々なタイプがいて、こういうタイプの方もいます。ちょっと失礼な感じがして、若い治療者はイラっとしてしまいがちですが、相手の内心はすごく傷ついているわけです
動画内にあるような、脳検査で発達障害がわかるわけではないので、ご注意ください#木下優樹菜 #ADHD https://t.co/CUGOXkwFK8
— 益田裕介@『AIメンタルケア入門』著者 (@wasedamental) July 26, 2022
じゃあどんな検査ならあり得るのかというと、通常、診断・診療の際に使われるのは下記のような検査です。知能検査と、そのほかの検査に分けて記載します。
どうやら今回の診断は上記のような(通常診断・診療に用いられる)検査をせずに、一足飛びで画像だけで判定したような気がしていて、大きな懸念を持ちました。
もし根拠ある診断が欲しいのであれば、下記のインタビューにある通り、林先生のようなクリニックに行って半年程度しっかり様々な検査を受けたうえで診察というのがベストでしょう。つまり検査するにも様々あり時間がかかるし、そもそもqEEGは検査の項目に入っているところは私の知る範囲ではほとんどありません。
例えば脳波について林先生は下記の通りのご見解です。
「脳波で発達の問題が鑑別できないかと思って15年ずっと見ていますけれども、脳波だけで発達障害なのかその他の障害なのか判別するのはできないというのが結論」(下記記事より)
邪推すると、今後は、芸能人が簡易的に発達障害を診断しよう、みたいなノリで、某クリニックを訪れて、ステルスマーケティングみたいなのをしていくのでしょうか?それをYouTubeにアップして、偏った情報のみに接した人たちが、クリニックに行って、発達障害を診療されたりするのでしょうか?今回の告白はそのきっかけになるのでしょうか?あまり考えたくない未来です。
一方で、たしかに10人に一人程度は発達障害の特性があるわけで、自分は○○の苦手さがある、とニューロダイバシティ的に考えられるのは悪いことではありません。ニューロダイバシティとは
「一人一人の顔や身体が微妙にすべて異なるように、一人一人の脳も異なっているという前提から、発達障害を障害を越えて脳の多様性を理解し、社会に包摂しようという考え」(下記記事から)
です。
これまで人間は画一的な脳をしているという前提でお話しが進むことが多く、せいぜい「頭が良い、悪い」「正確が良い、悪い」「コミュ力がある、ない」「やさしい、厳しい」ぐらいでしかタイプ分けされていなかったものが、発達障害的な、つまり機能的な捉え方をすることで、感情抜きに理性的に人の多様性を捉えられるようになるということかもしれません。
今回はそういう社会包摂への一歩なのでしょうか?誰もが気軽に自分のタイプを知るため(それにしても違う検査が良いと思いますが…)の流れなのでしょうか?だとしたら歓迎したいですね。
最後に、ニューロダイバシティという言葉にたどり着いたので、その名前の入った当社イベントを軽く宣伝をして締めくくりたいと思います。発達障害に関するちゃんとした知識や情報、お伝えしていきます。ぜひお越しください! →ニューロ・ダイバーシティ サミット JAPAN 9月に開催決定

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧
ツクルゼ、ミライ!行動系ウェブマガジン[DRIVE]で、当社の新しい取り組みDenPukuが特集されました

障害者雇用は、法定雇用率の達成という法令遵守の目的が前面になり、数合わせのみでとどまっている企業が少なくありません。例えば、農業と障害福祉を合わせた農福連携も専門業者に運営を託していることが指摘され、厚生労働省も調査に乗り出しています。
Kaienはそうした現状を変え、発達障害のある人と企業がともに働く環境を作りたいと思っています。実態がしっかりともなったかたちで働く人も企業も『仕事を通して社会に貢献している』と言えるようにしたいのです
13年間続いていたKaienのロゴをこの度変えることになりました。
まずこれまでのもの。

そしてこれからのもの。
これまでのロゴは当事者によってデザインされたものでした。Kaienをkaienと間違えられやすい(つまり大文字と小文字がわかりづらい)ということもありましたが、当社の先取性を象徴してくれていたものだと思います。実際、「発達障害の強みを活かす」という「Enabling Excellence」の文字入りでしたし、少し尖った字体もゴツゴツ感を表していました。
左側にある半球は、自閉症スペクトラムのマークであるパズル模様で、東洋をイメージしています。当社の創業の契機となったデンマークのSpecialisterne(スペシャリスタナ)が欧米を中心に発達障害の力を広げてくれるだろうから、Kaienは日の出づる日本からムーブメントを起こしていこう、世界を照らしていこうという意味で付け加えられていました。
Specialisterneは実際欧米に拠点を広げてくれていますし、当社は日本でとどまったものの就職者数などの実績はSpecialisterneが行動したすべてを足すものと同じぐらいのインパクトは残せています。(今年=2022年9月のイベントでは、Specialisterneの創業者Thorkilと今後の世界について語るセッションがあります。楽しみになさってください)
参考: 「Kaien創業祭 スペシャリスタナのトーキル・ソネ氏の登壇決定」
これからのロゴ。まず海援隊です。
実はKaien(カイエン)は、海援隊とはまったく関係がなくつけられた名前です。(シカゴ郊外にMBA留学をしていた時に、起業クラスで一緒になったメンバーが、日本・韓国・ドイツ・アメリカ・ブラジルの出身だったのでそれぞれの言語で語感が良く変な意味にならないものを付けたというような面もあります…。)
ですが、帰国後Kaienの名前を言うと多くの方が海援隊と結び付けてくれます。海援隊は「日本初の株式会社=資本主義の到来」「理念先行型」などのイメージがあり、Kaienも「弱者支援」というよりも「資本主義の中で発達障害の特性を輝かす」というミッションドリブンな面で非常に似ているからでしょう。
今回は社会のとがり役という立場は維持しつつ、より包括的にインパクトを残していきたいという意味で、海援隊の二引(にびき)の旗をイメージし、新時代を航海していくような船をイメージしたロゴにしました。(海援隊というとその刺激を受けたソフトバンク社が色違いですし、日本郵船社は世界の海に出ていくという意味で二引の旗印となっています。)
現在のKaienは、新拠点や新サービスの立ち上げなど、早速荒波に向けた航海になっていますが、このロゴを軸に、より社会の触媒となるような力を付けていきたいと思っています。(なおすぐにすべてのロゴが置き換わることはなさそうで、無理の無い範囲でウェブサイト、印刷物などを、徐々に変えていく形になります。社内のサービス名、例えばTEENS、マイナーリーグ、ミッテルなどのロゴも、徐々にブランド統一を図る方向性ながら、しばらくは今のロゴデザインが続く見込みです。)

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧
EY Japanと当社が共同で設置した「ダイバース・アビリティ・センター(DAC)」。日経新聞のビジネス面で取りあげられました。EY Japanのニュースリリースとともにご確認ください。

EYジャパンは発達障害などを抱える人材の活用推進に向けた新組織を社内に立ち上げた。就労機会に恵まれない人材を発掘し、能力を生かして翻訳や調査などの専門業務を担ってもらう。業務管理など支援体制を整える。多様な人材が交流することで組織の活性化にもつなげる。発達障害者の就労支援を手がけるKaien(カイエン、東京・新宿)と共同で社内に「ダイバース・アビリティ・センター(DAC)」を設置
- 「Diverse Abilities(多様な能力)」を生かしてチャレンジできるチームを発足
- 障がいを「Disability(能力が損なわれている)」ではなく、「Diverse Abilities(多様な能力がある)」と捉え、適切な環境で特別な能力を発揮できるよう支援
EY Japan(東京都千代田区、チェアパーソン 兼 CEO 貴田 守亮)は、精神・発達障がいの診断のあるニューロダイバーシティ*¹人材の雇用や就労状況の改善を目指し、個々人に合った柔軟な働き方を試しながら、専門的なスキルとキャリアを習得することができる組織として、Diverse Abilities Center(DAC、ダイバース・アビリティズ・センター)を株式会社Kaien(東京都新宿区、代表取締役 鈴木 慶太)と共同で発足(2022年6月1日付)し、第1期生として22名を採用したことをお知らせします。なお、本DACは、EY Japanの全社的な取り組みであり、特例子会社の設立ではなく、EY Japanのマーケッツ部門内に新チームを組成して支援体制を構築しました。
今年(2022年)9月、『ニューロダイバーシティ・サミット JAPAN ~みんなで語る!発達障害~』を開催します。
Kaien創業祭2022(13周年)を兼ねたイベントです。
日本初登壇となるスペシャリスタナ創業者 トーキル・ソネ氏の講演をはじめ、全4チャンネル 10セッションをご準備。双方向の参加型セッションも多数用意しています。
皆様のご参加をお待ちしています。
Indeedの媒体「キャリアガイド」。このたび当社代表の鈴木が取材に応え、キャリア開発の視点から発達障害の方の就労支援についてお話ししました。

「発達障がいの人たちが、自分の特性を存分に活かして働けるように」サポートする。そんなビジネスモデルを日本で成り立たせたのが、株式会社Kaienを創業した鈴木慶太さんです。長男が自閉症スペクトラムと診断されたことをきっかけに「発達障がい×ビジネス」の形を模索する道へと進んだ鈴木さん。現在は株式会社Kaienにて、発達障がい者の方々に向けた職業訓練プログラムやキャリアセミナーなどを提供し、就労支援を行っています。これまで発達障がいを持つ人々の個性と向き合い、就労支援を行ってきた鈴木さんに、発達障がいを抱える人との向き合い方をうかがいました。(ウェブ記事から抜粋)
Kaienの創業の一番のきっかけとなったデンマークの企業 スペシャリスタナ。

デンマークに飛び、トーキルに直談判して、日本でも同じビジネスモデルで挑戦させてほしいとお願いしたのが2008年(Kaienを設立する1年前)。うるさい日本人が来たなと感じられた気がするのですが、それでも熱意を認めてくれ「Family」という表現で協力を約束してくれました。

残念ながら私の力不足で、スペシャリスタナ・ジャパン みたいな形は実現しませんでした。その代わりに、人材紹介や就労移行などの日本の制度を活用して人材・福祉企業として今のKaienがあります。ビジネスモデルは多少異なるとはいえ、(他の仕事では弱みになりかねない特性を、環境や職種を変えることで)強みとして活用する、という発想は、完全にトーキル、スペシャリスタナが教えてくれたものです。
Kaienは今年9月で創業14年。関係する方も増えてきたので、今年から創業祭という形で、発達障害×仕事×強み、を考えるイベントを開催することにしました。第1回のキーノートスピーカーとしてお願いしたのが、トーキル・ソネです。

今回はほぼオンライン開催の予定なので、トーキルもデンマークからのリモート参加となりそうですが、おそらく日本初のスピーチでしょう。トーキルには国連や世界各国での活動や、日本への期待を話してもらおうと思います。また事前に日本の皆様からの声も集めトーキルに質問をしたいと思っています。
ちなみにKaienが千人単位で就職者を輩出しているのには、良い意味で驚いてもらっています。母国デンマークでもアメリカでもこの規模は達成していないでしょうから…。このため日本の障害者雇用を含めた福祉制度、それらをさらに発展させる可能性について、トーキル自身も興味を持ってくれているようです。
Kaien創業祭は「ニューロ・ダイバーシティ・サミット・ジャパン 2022」という名称で開催予定。今月中には受付を始めたいと思っています。ぜひご期待ください。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧
日経ビジネス電子版のシリーズ「もっと教えて!発達障害のリアル」。第17~19回は、当社代表の鈴木が発達障害と就職についてインタビューに答えた様子が掲載されています。

「発達障害」という言葉がよく使われるようになった。「もしかして、うちの子も発達障害?」「あの同僚は、もしかして?」「もしかしたら私も?」――そんな思いが頭をよぎった経験のある方も少なくないだろう。 けれど、「発達障害」とは、そもそも何? 本連載では、注目を集めながらも理解しにくい「発達障害」の世界を、できるかぎり平易に、正しく紹介していきたい。 取材、執筆を担当するのは、自らも発達障害(学習障害)の息子を持つフリーランス編集者・ライターの黒坂真由子。「当事者家族として七転八倒しつつも、専門家ではない素人」として、専門家やさまざまな立場に立つ当事者に、素朴な疑問をぶつけていく。(シリーズ ウェブサイトから抜粋)
日本財団では、社会課題に直面する人、あるいはその解決に取り組む人の1日に密着するドキュメンタリー番組「ONEDAYs」を2021年10月より公式YouTubeチャンネルにて配信中。1つのテーマに対し2~3名に密着し、社会課題の身近さ・多様さ・複雑さが描かれています。この度「発達障害者の就労支援」というテーマでKaien代々木の当社社員である黒木順平に終日密着取材。動画が公開されました。ぜひご覧ください。
【ONEDAYs】 社会課題に直面している人たちの何気ない1日に密着するドキュメンタリー番組。全15話放送予定。他エピソードはこちらから
ー 第12話 ー 黒木順平さんは、発達障害の方のための就労支援を行う会社のスタッフ。働きづらさや生きづらさを少しでも解消してもらえるよう、日々彼らの特性にあった支援を心がけていますが…実は黒木さんには、意外な過去が。 今回は、そんな黒木さんの1日に、密着しました。
日本ではなかなかシェアを広げられていないですが、欧米ではビジネスパーソンのメインのSNSになっている LinkedIn。
様々な仕事上のスキルを登録して、採用側と求職者を結び付けられる仕組みがあるのですが、そのスキルに Dyslexic Thinking、ディスレクシア思考力が加わりました。読み書き障害のディスレクシアの長所を登録できるというのです。
詳しくは、Made by Dyslexia というYouTubeチャンネルにもある上の動画を見て頂ければと思います。ヴァージングループの創始者で、おそらく世界で一番有名な「読み書き障害者」であるリチャード・ブランソンが出演しています。
当社も「発達障害の強みを活かす」というミッションで事業を展開していますので、まさに我が意を得たりという感じ。メインストリームの世界にもどんどん発達障害が取り入れられていることを感じます。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧
雑誌 プレジデント2022年3/4号の「徹底解明 精神科、心療内科のウラ側」。「当たり前」ができなくても働ける! おとなの発達障害「サバイバル・ガイド」の中で当社代表の鈴木がコメントを寄せています。

最近は年に1作は、発達障害系のドラマが出ているようですが、たまたま昨夜見始めて今見終わった「思うままの世界」がとても面白かったので共有です。Amazonオリジナルの海外ドラマでAmazon Primeで見放題となっています。先週ぐらいから視聴可能になったようです。
実は個人的にはあまり発達障害系の映画・ドラマは観たことが無い(レインマンすらちゃんと観たことはない)ので他のドラマとしっかり比較をしているわけではないのですが、このドラマは(自分のような10年、家族として支援者として、発達障害界隈に生きている人間からも)非常によくできています。
理由① 支援者目線で描かれている
一見、LAのアパートで共同生活をする3人の自閉スペクトラムが主人公に見えます。が、実際は、ライフコーチ/エイド(生活支援者)として描かれている人の目線が濃く描かれています。だからこそ、親や兄弟、地域に住む人、職場の上司・同僚などの視点が多角的に入ってきます。本人目線の映画やドラマが多かったと思うのですが(つまり「本人 対 社会」という構図が多かったと思うのですが)、このドラマは本人も含む多くの人が発達障害をキーワードに自分の人生を生きている様子がとてもリアルに伝わります。
そもそも、自分が英語を理解していないのか、日本語訳がややずれているのかわかりませんが、As We See It は、見ての通りというような意味にもとれるし、タイトルを見てもWeが強調されているので、さまざまな I が含まれた We で発達障害を描きたいという意図なのかなぁと思っています。邦題だと分かりづらいですが…。
理由② 発達障害3人が並列に描かれている
働いて生活費を稼ぐこと、親亡き後も自立していくこと、このあたりのテーマが3人の20代の自閉スペクトラムの青年の視点で描かれています。通常の発達障害のドラマだと、一人が主人公になるのでどうしても多様性を描きづらい、あるいは一人のキャラクターに複数の発達障害の特性を持たせすぎる感が強いのですよね。しかしこのドラマは3人が共同生活しているという設定なので、複数の特性を描くのに無理ない設定にできている。このため発達障害の界隈で生活している人からも突飛なドラマに見えないのが花丸です。例えばADHDの衝動性もあるタイプ、感覚過敏があるタイプ、2E/ギフテッド的なタイプ、女性の発達障害というタイプ、など複数の視点が見事に描かれています。
このドラマの元ネタは、イスラエルのドラマらしく、そちらは発達障害の青年20人ほどの共同生活を描いたものらしいのですが、さすがハリウッドというかAmazonというか、無駄をそぎ落として3人という視聴者が追いつける人数で発達障害の多様性を描けているのは、プロの技と圧倒されました。
理由③ 俳優陣が当事者である
今回は当事者が、主役3人を演じているそうです。といってもまったくその当事者性は見えないぐらい、凄い演技です。つまり過剰演技もないし、それはないよと言うずれた演技もない、非常に自然に観られます。
そしてなんと、発達障害の当事者2人が、当事者ではない役を演じているということまで、ネットの評論記事に書かれていました。一体誰なのでしょう?とても分からないぐらい俳優陣がとても上手で、発達障害の有無/多寡に限らず、ドラマが作り出す世界に溶け込んでいます。
理由④ テーマ設定が適切である
発達障害のドラマ・映画というと、ちょっとリアル感が無い設定になることが多い。悲観的過ぎたり、コミカルすぎたり。でもこのドラマはとても現実的で、就職や解雇、デートやセックス、支援者との関係、兄弟との距離感、親との距離感、親亡き後の生活、そして普通とは何なのか?ということがとても上手に描かれています。人間関係の中でも、兄弟との距離感は凄くリアルで考えさせられます。
一方で、片づけられない、部屋が汚い、身だしなみが汚いのような、人間関係に関係しない、日々の生活の中の実行機能障害的なものはほぼ取りあげられていないですね。日本で発達障害というと身の回りのことが出てきやすいし、映像化しやすいですが、今回のドラマではそのあたりを削っているのも、視聴者からするとドラマに入り込みやすい理由かと思います。
理由⑤ 日米の比較が出来る
アメリカだと発達障害の人は生きやすいんじゃないかと言われるかもしれませんが、ライフコーチ付の生活を実現するためにも月2000ドル(20~25万円ぐらい)かかることがさらっと第7話ぐらいで出てきます。日本は同じようなサポートを受けるとしてもほとんど税金で賄って自己負担が無い。本当にいい国だなぁと思いますし、アメリカはビバリーヒルズに住むような家族か(ドラマの主人公の一人もヒルズのご子息)、なけなしの金を注ぎ込むような生活をしている家族がいるかじゃないと、日本並みのユニバーサルなサポートが受けづらいという現実が分かります。他にも、パーティーに必ず誰か友達を誘わないといけないという、発達障害で親しい間柄の人がいない場合は地獄のような社会性が求められるようなこともしれっと描かれています。このあたりは日本のほうが生きやすいなと思う点ですね…。
一方でナイジェリアからの移民が発達障害の人に寛容であるなど多様性への理解があったり、みんな自己主張が激しく良い意味で空気を日本のように読んでいないので発達障害的な行動があっても日本ほど「変な人センサー」が敏感でなさそうなところが有ったり、米国だからこそ生きやすそうだなぁという点も見られます。
ということで5つ星的にお勧めです。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧
今日は吉祥寺病院で「医療型就労支援」を行われている清澤康伸さんがKaien新宿にいらっしゃいました。先月の「就労支援フォーラム NIPPON 2021」で一緒に登壇させていただいてからのご縁です。

今障害のある方の就労支援は、厚労省が管轄する障害福祉サービスの中の一つのサービス「就労移行支援」で行われています。
実際、障害のある方で就職を考えるほとんどの人が「就労移行支援」を検討されているでしょう。
2006年の自立支援法の時に制度化され、今や全国に3000ヶ所以上。
障害者雇用が前進する一翼を担っており大きな成果をあげていると言えます。(詳しくは下の動画をご覧ください。)
そんな中、清澤さんは福祉ではなく、医療の世界で就労支援の仕組みを作ろうと尽力されている中心人物です。
そしてこの「医療型就労支援」は、就職率(全国平均や東京都平均の2倍)や定着率(こちらも離職率の低さでは平均の数倍)が全国有数に高いKaienの、更に上を行っています。なんと悔しいことか!!
具体的には、半年ほどで就職(これは当社よりもやや早い)し、しかも脱落者はほとんどなく(当社は10%強ぐらいが中退される)、その後の定着も100%(定着率の高い当社でも1年後90~95%)という感じです。
当社よりも成果が上がっている障碍者向けの就労支援機関はまずないので、今日は同席した当社スタッフが焦っていたというか、先方の荒を探そうとしてしまっていたというか、度肝を抜かれていたほどです。そりゃたまげますよね…。
通常、精神科の病院・クリニックは「診察」(状態を見てお薬を出す等)や「デイケア」(週に何度か通う治療的な居場所)を行っています。そしてその主たる目的は「治療」です。
清澤さんが行うデイケアは、地域生活での安定を治療の一環で目指すこれまでのデイケアとは違って、精神科に通う失業者が就職し定着するまでをサポートする就労支援が出来るデイケアです。
実は就労系のデイケアは、既に復職を目指すリワークプログラムや、仕事終わりに通う夜間のナイトケアがありますが、清澤さんが行う「医療型就労支援」はまだ制度化されていません。
というのも、リワークなどあくまで働くことをサポートする治療的要素の強いデイケアと違い、就職支援や定着支援をデイケアのメインに据えるのは、医療の根幹である「治療」の範囲を超えているのではないかなどの指摘がまだまだ根強い、など超えるべき部分があるとのことなのですね…。
それでも、まだ理解が広がらない中で清澤さんは制度化を目指され、まずは国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)で「医療型就労支援」の成果を残されました。
今は通常の民間病院・クリニックでも再現できるかを確認するため、吉祥寺病院でその取り組みを加速されているというわけです。その様子はウェブの記事でも読むことが出来ます。
障がい者雇用のいま(2)「医療型就労支援」が導く光明(ダイヤモンド・オンライン)
医療型と福祉型。何が違うのか。今日の清澤さんとのお話しで結構明確になりました。表にまとめてみます。ここからはあくまで鈴木の私見です。

ポイントとしては
となるでしょう。

究極的に言うと、清澤さんが今されている「医療型」は許嫁型やお見合い型に近いなと。
半年の間でご本人の特徴を医療チームがしっかりアセスメント。それをプログラムの中で本人に落とし込む。仕事は就労支援士がぴったりなものを丁度よい時に持ってきてくれる。そういうプログラムです。
これまで仕事の経験があるなど「集団で動く力」「グループワークをする力」が既にあり、「仕事のスキル」もご本人が納得するまで高められていて(あるいは現状以上は期待されていなくて)、いろいろと右往左往して時間やエネルギーを浪費するよりも信頼できる人の「お勧めに従える」ことが出来る人にフィットしそうです。
一方で、福祉型は恋愛型に近いなと思います。
具体的には「集団スキル」を練習しつつ、PCやIT・デザインなどの「職業スキル」も高め、かつ様々な就活という名の”恋愛”もしていくのでそのために必要な「特殊スキル(求人探しスキル・面接スキル・書類作成スキル)」も習得できるようになっています。
まだ働いたことが無いとか、グループワークが苦手とか、将来に向けてスキルを今のうちに高めておきたいとか、就職先は自分が決めたいとか、そういう人向けなのが「恋愛型」となります。
許嫁が良いか、恋愛が良いか…。ここは難しいところです。
実はKaienも元々は許嫁(いいなずけ)型でした。というよりも10年ほど前は発達障害というのは障害者雇用でも一番相手にされない分類だったので、なんとか企業を獲得してきてその会社にみんなが就職するに近い形からスタートしているからです。その人たちが選択肢が無いから不幸だったかというとそうでもなく、選択肢が少ないからこそ、安心して納得して就職する人も数多いことを知っています。
しかしいろいろと発達障害の方を採用したいという企業が増えて、かつ私自身が「自分の押し付けではないか?」「レールやベルトコンベヤーに載せているだけではないか?」というような自己否定の気持ちも出てきて、「幅広い選択肢」から「自己決定」をしてもらいたいという支援者としての欲?から、今の恋愛型に近い形になってきたのです。
すなわち体験できる職業訓練を100以上に増やし、就職先も独自求人を数百を常に抱え、さらに様々なエージェントも活用していくようなスタイルになっています。今や障害者雇用は就職先で絶対ではなく、一般雇用で就職する例も数多くなっています。Kaienは支援者としては様々なメニューを用意し、様々なニーズに対応しないといけないので大変です。
そんな中の今日、清澤さんのお話…。しっかりとポリシーをもって、参加者の理解を得た上であれば、許嫁型も、シンプルなスタイルもメリットがあると、かつての自分を認めたような不思議な気持ちになりました。
専門家集団の「医療型就労支援」が制度化されると、障害者の就労支援業界は大きく変わる可能性があります。
まず、病院やクリニックなど医療機関も、これまで就職支援をしようと思っても福祉型を使うしかありませんでした。それが医療型という得意分野を活かした展開が出来るようになります。ビジネスチャンスとなりますし、これによって救われる当事者も多いでしょう。
一方で、既存の福祉事業所は利用者が激減する可能性もあります。より個性が求められるようになるでしょう。また個性だけではなく、医療型と比較してもそん色ない実績も求められると思います。
当社の場合は、❶専門学校のようにIT・デザインなどスキルアップできる講座をより増やす、❷仕事の未経験者でも集団で働ける力が身に付く体験型の職業訓練を充実させる、という今までの特徴を存分に活用するとともに、❸AIなどを使って支援データを活用して就職に結びつける(本人の特徴を入れれば自動でお勧めの就職先が出て来るとか!?)など付加価値を高めたり、❹医療型のように❶・❷を不要とするタイプには数ヵ月で就職に結びつける「即決コース」を設けたり、などが必要になるかなと思います。(まあ、❶~❹は医療型が制度化されるされないに関わらず、今取り組んでいることだなぁと思うのですが…。)
もちろんまだ数か所でしか行われていない「医療型就労支援」を過大評価する危険性もありそうです。
1拠点だけでしていた時の支援の手厚さ・質が、全国に広がったときに保たれるかというと、大きな疑問ですよね。もしかしたら清澤さんの個人技が大きいということなのかもしれないからです。もちろんそうならないように様々なマニュアル化・資格化を進められていると理解していますが、制度化され全国でされるときには福祉型と成果レベルでは変わらなくなる可能性もあります。
それに何より抵抗勢力がいろいろありそうですよね…。それこそ福祉型の就労移行支援組織が抵抗勢力になってほしくないのですが…。個人的には結果が出ればよいと思いますし、税金を使う医療や福祉である以上はより少ないコストで出来ることが良いに決まっています。ぜひ制度化に向けて関係各所が一丸になっていただきたいところですし、当社もなんらかアドボケートできればと思っています。でもこういうのって10年単位で時間がかかるのでしょうね…。頭が下がります。
なにより新たな発想でぐいぐい実績を残される吉祥寺病院×清澤さんには刺激を受け、当社としてもいろいろと連携させていただきたいな、勉強させていただきたいなと思った次第です。皆さんも一緒に障害者の就労支援を盛り上げていきましょう!!

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧
Kaien社長の鈴木です。毎年年末に行っている社会的価値のレポート。今年もお伝えしていきます。

なお、当社の就労移行支援・自立訓練(生活訓練)やガクプロそして人材紹介(マイナーリーグ)を利用したり就職をしたりした人を中心に、1000人に就業実態調査を行っています。そのデータも入れながらこの社会的価値リポートは書いています。細かな分析が見たい方はぜひこれから書く記事もご覧ください。
Kaienの社会的価値の計算方法は下記のとおりです。創業以来この式で計算し続けています。
会社納税額+社員納税額+Kaien経由就職者納税額(未来分も含む現在価値)+生活保護減少額(未来分も含む現在価値)ー当社に投下された税金=社会的価値
つまり、
ということです。
今年は1億円ほどプラスになりました。昨年の段階ではマイナスの数値になると思ったのですが、思いのほか人材紹介・企業向けサービスが伸びたことが大きいです。
数値に反映している主な指標をもとに、今年の成果を振り返りたいと思います。
ちなみに、子ども向けサービスを除き、大人向けサービスだけで見ると累計分は27億4,250万円のプラス、今年だけでも3億6,675万円は社会的価値を増している計算になっています。
来年2022年は脱福祉依存。ミッテルという新アプリと、企業へのダイバーシティコンサルで社会的価値をあげていきたいと思います。
まずミッテル。今年年末にリリースしました。発達障害のあるご本人や家族を中心に日々の情報を記録。支援者に情報を共有しながら、就職や自立に向けてスキルアップできる教材も備えているものです。これまで福祉の中でいかに価値を出すかという部分が大きかったですが、行政(税金)を経由せず、法人や個人に直接販売して価値を高める方向を強化したいと思います。税金を頂くことが無いサービスなので社会的価値にプラスに働いていきます。
また障害のある方の強みを企業の本業で活かすダイバーシティコンサルティングもプロジェクトを増やしていきたいです。これも福祉に頼らないサービスで社会的価値への貢献部分(真水)が大きいです。既にアサインできる社員が足りない状況になっていますので、採用も強化していきたいと思っています。
https://corp.kaien-lab.com/recruit/recruit
2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、2020年のリポートです。
来年、この振り返りがポジティブに迎えられるように頑張ります。
福祉に税金を使うと経済的に無駄になるどころか得をする (2015年 今年のKaienの就職支援実績・社会的価値など計算しました)

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧