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“健常”と”障害”の状態の「円」での理解



本日午後は、学生向けプログラムを中座して、昭和女子大学で講演を行った。大学につくと、正門?に「鈴木慶太氏」と大きな立て看板があった。

写真を取っていたら不審者と思われたようで警備員さんから声をかけられた
女子大での振る舞いは気をつけないといけない

再掲となるが、以下が今日のスライド。

Kaien 発達障害の特性を活かした職業訓練と職場開拓 ~民間企業での取り組み~

なお、今日お話した中で、上手に伝えられなかった概念が有り、ここでまとめておきたい。

健常・障害を一つの軸で考えるとよくわからなくなる。円で考えたほうが良い。(健常・障害という別はあまり好きではないが、概念を伝えるためにあえてお伝えする。社会に適応しやすいタイプ、適応しにくいタイプ、
と読み替えていただいたほうが良い。)

上の矢印のように、Aという健常者がいて、B・Cという障害者がいるという矢印のような一つの軸で世の中を捉えている人が多いと思う。しかし、実際、同じ「障害者」という括りで捉えられる人も身体障害者と発達障害者ではサポートの方法が違う。どう考えたらよいか?

僕は円のように考えるのが自然だと思う。

真ん中に健常の状態がいて、そこから同じ距離離れているが、実はまったく正反対にBとCという障害者がいるという理解である。つまり周辺から離れた(Marginalized)状態を障害と言う。なので障害者雇用とひとくくりに言っても、BとCの支援方法はかなり異なる可能性もある。

このため、これまで「障害者支援」をしていた人も、実はBの支援に詳しいかもしれないが、新しいCの状態へのサポートは本当にわからないかもしれない。また、実はこの周辺をぐるっと一周カバーしているのが障害福祉という制度である。なので、結構無理がある制度になりつつあると思う。

ということが言いたかったのでした。

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第1回成人発達障害支援研究会@昭和大学附属烏山病院に行ってきた

4時間以上のロングランの「昭和大学発達障害医療研究センター」開所記念講演会に参加してきた。開所記念と同時に「成人発達障害支援研究会」(ウェブサイトはこちら)も立ち上がったとのこと。当社からは図々しく5人も参加。僕は東京都自閉症協会の一人としての参加という意味合いも兼ねて出席した。

厚労省や文科省からの出席者、北海道や名古屋、山口、そして韓国の事例発表もあった。TOSCA (東京都の発達障害者支援センター)の方や首都圏の発達障害を診る医療関係者、就労支援関係者など馴染みの顔が多かった。

今回、僕が参加させていただいた目的は、医療や病院でできることを知ること。そしてそこから、当社としてできることを理解するということだった。いみじくも、プレゼンテーションの中で院長の加藤先生も当社を例に”株式会社”も参加できるのが発達障害の成人の支援で、大きな中での医療の立場と連携の必要性を仰っていた。小企業ながら営利目的の中でできることを探していきたいと改めて思った。

烏山病院のリハビリテーションセンター入口

どの発表も納得感があったが、今回特に興味深かったのが、ATR脳情報通信総合研究所所長の川人光男先生。紫綬褒章を受けたばかりでノーベル賞候補にもなっている方だとのこと。なるほど、『精神疾患の計算論的神経科学』は、これまでの考えをふっ飛ばしてくれるほど新しい物事の見方で非常に興味がわいた。

これまで、疾患に対応するアプローチは「物理的(機械的な手術)」、「化学的(つまり投薬)」、だけだと思っていたが、脳は電気信号を行う組織なので「電気」によるアプローチもあるというのは、とてもわかりやすく納得。発達障害(特にASD)と他の疾患との「計算論的」な類似点も興味深く、先生の本をじっくり読ませて頂きたいと思った。

また韓国からの発表では、2年以上前にこのブログに書いた「韓国の自閉症スペクトラム率が欧米より高く2%超」ということについて触れられていた。その後、発表されたドクターとお話をしたが、今韓国でもこの数字について議論が有り、調査が行われているという。加えて、「日本や韓国は社会が求めるコミュニケーションのレベルが高いからそういう率がでているのでは?」という問いについては、逆に「欧米のほうがノンバーバルのコミュニケーションを良く使うので、そういった機能が発達しやすく、その基準でみるとアジア各国は有病率が高く出るという考えもある」といわれ、ふむふむとおもった。 

明日は、昭和”女子”大学。今日はもっぱら聞き役だったが、明日は話す方になる。

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今週末の昭和女子大学での公開講座 スライド公開



今週末、昭和女子大学の生活心理研究所で公開講座を担当する。お陰様で満員とのこと。もしかしたらお断りされた方がいるとおもうので、スライドを公開しておこうと思う。いつもの僕のセミナーで使っているスライドばかりだが。。。(これからの、これまでの講演リストはこちら

Kaien 発達障害の特性を活かした職業訓練と職場開拓 ~民間企業での取り組み~

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帽子を頭に合わせるのではなく、頭を削って帽子に合わせるビジネス

昨日(会社を結婚させ離婚させ稼ぐビジネス)の続きでもないが、ビジネスの話。

当社は、行政の制度にのっとって発達障害者向けの職業訓練・就活支援(『障害者就労移行支援)を行っている。お陰様で少しずつではあるが事業が伸びている。新しい事業所を、と思って探す時、直面する壁は行政である。

ビジネスの基礎の基礎でファイブフォース分析というのがある。その事業がどのような環境に置かれて収益性があるかを示すもの。HBSのマイケル・ポーターが提唱した考えだ。 下のように5つの力が働き、その力が弱ければ弱いほど、独占状態になっていく。

買い手 供給企業 新規参入 代替品 競争企業間

当社の福祉事業の場合に関係するのは新規参入障壁。(マイケル・ポーターも障壁となりうる要素として行政を挙げているのだが、まさにそれである。) 「公共事業」は、様々な規制があり、新規事業者にとっては参入障壁が高い。社会福祉法人など古参プレイヤーがこの面では有利になりやすい。

ある行政職員に言われたのは、「行政のお金をもらうには、帽子に頭を合わせるのではなく、頭を削らないといけないです」というもの。たしかに、「これほんとうに必要??」というルールも多い。

こういう不条理を感じると、新卒で働き始めたころはかなり騒いでいた。さすがに年齢を重ねるとちょっとは落ち着いて考えられるようになった。制度に従うことで利用者の不利益になってしまうこともあるが、大きな目的を見失わないためには、上手に頭を削るしか無いなと感じる。

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ちなみにポーターは、ビジネスがいかに社会に役立つか、という社会起業っぽいことをTEDで話していて面白い。残念ながら英語なのだが。。。

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会社を結婚させ離婚させ稼ぐビジネス

MBAの頃だったか、投資銀行の仕事というのは「会社を結婚させて離婚させてその仲介料をどちらの時もとるビジネス」とまとめていた先生がいた。

同じようなこと。人材紹介にも言えるかもしれない。「一人の人材を何度も回転させる(つまり入社させて退社させて、また入社させてお金を稼ぐ)ビジネスだ」と聞いたことがある。

さらに今日聞いたのが、障害者の就労支援。「一度支援し、また次、失敗したところでお世話する」というような話。

いずれも、雑すぎる物言い。多くは結果的にそうなってしまったという感じだと思う。でも、人材紹介や就労支援は当社も営む事業。なので、なんだか耳が痛い気がした。後ろ指を指されないように、きちんと愚直に日々業務を行い、コツコツと信頼を得ていくことが大事だなと思う。

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二次障害の苦しみ

発達障害の関係で、難しいなと思うのが、二次障害である。

うつ 躁うつ 不安障害 適応障害 強迫性障害 パーソナリティ障害 アダルトチルドレン が僕がお会いする中で、(上げた順に)おおいと思う。

今日もある方のお話になり、発達障害の苦しみというよりも、その後の人生で「社会に付け加えられてしまった」二次障害の苦しみが大きいなと感じた。就職活動や就業に影響が出るのは総じて二次障害である。

二次障害が出ないためにはやはり小さい頃からの『継続したサポート』が必要なのだと思う。これも統計をとっているわけではないが、一時点のサポートではなく継続というのがとても重要に思える。

なお、統合失調症との合併はあるのかなんとも言えない。なにしろ僕があまりお会いしたことがないからである。以前ある先生に教わったことは、統合失調症の幻聴・幻覚は、なにも外界からの刺激がなくても発生し、発達障害の幻聴・幻覚は、なにか外界からの特定の刺激があるときに発生する、というものだ。

本来重なるものではないような気がしていて、むしろ誤診ということがおおいのかもしれない。 『統合失調症と発達障害』(過去の記事から)

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告知 「発達障害と障害年金」等

幽霊役員ではあるが、所属している東京都自閉症協会。2つのイベントをご紹介。

なかなか聴けない「障害年金」について。身体障害や知的障害に比べると制度的には”後発”である精神障害に含まれることの多い発達障害は、年金としてもまだ知られていないところが多いはず。11/21(木)に「高機能自閉症・アスペルガー部会」の11月定例会とあわせて講演が行われる。こちら(障害年金専門の社会保険労務士・山下律子先生をお迎えし、障害年金についてお話を伺う)。

またこちらも僕は参加できないが、11月8日(金)夜~10日(日) に開催される、自閉症フレンドリー 2013 「息子とおやじでアウトドア in 夕日の滝」が、今週末ぐらいまでは参加者を募集しているとのことがメールで回ってきた。 こちら(息子とおやじと男のスタッフだけのキャンプ)。

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TEENS(子ども向けお仕事体験)に名刺導入 働くと昇進します

TEENSのお仕事体験  

(古着のオンライン店舗(KODOMO福)の運営を中心に、子どものうちからチームで「はたらく体験」を積んでいきます。想像することが苦手なタイプが多いため、多様な作業を通して「はたらく」ことをリアルに考えます。上司・部下の間のコミュニケーションを通じ、学校とは違う大人の世界を組織のダイナミズムを様々な角度から体感します。)

働く場をより意識してもらうために、今月から名刺を導入中。”働く”と給料がたまり、昇進する仕組み。はじめはインターン(研修生)から。塚田農場さんに似ているかなと思う。

表は役職と名前 NJは当社での暗号

裏面が給与表 昇進を目指してレッスン

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『偽ルンバ->本物ルンバ』で感じたこと

今足元で自動掃除機が走っている。これまで当社では、価格が5分の1程度の偽ルンバ(模倣品)を使っていたが、あまりにも故障が多く、本物を昨日から導入している。

新宿事業所を疾走する本物ルンバ

スタッフによると、本物がついた様子は「段ボールを空けた瞬間の喜びようを見ていると、三種の神器を手にした昭和の大家族のようだった」とのこと。当社の訓練所の雰囲気がそのまま表れているような気がしてそれはよかった。スタッフにも訓練生にもいい人が集まってきていると思う。

もう一つ感じたことがある。それは本物のすごさ。

シリコンバレーで起業家支援事業を行っている元アップル社員のGuy Kawasakiという人の講演を僕はよくYouTubeで見るのだが、Guy Kawasaki曰く、「本物の商品にはDICEE」が備わっているという。

  • Deep ・・・ 本物の商品は「深い」
  • Intelligent ・・・ 本物の商品は「賢い」(こういうのあったら良いなというのを形にしている)
  • Complete ・・・ 本物の商品は「総合的だ」(一部のサービスではなく全体を見てくれる)
  • Empowering ・・・ 本物の商品は「力をくれる」
  • Elegant ・・・ 本物の商品は「美しい」

偽ルンバと違って、本物ルンバは、やはり本物だけ有り、DICEEが備わっている。当社もこういう印象を人に与えられるようなサービスづくりを目指していきたいなと思った。

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こしょこしょ

職業訓練で行うオンライン店舗。新しいお店がオープンした。すでにAmazonでオープン。従来、当社はデスクワークが多かったが、”作業系”も増やすために新設。主に秋葉原サテライトで取り扱う予定。

こしょこしょの在庫

 
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センター試験”衣替え” 発達障害傾向の子どもへの影響は?

廃止とか衣替えとか言われているセンター試験。大学受験は5年後に現在の形ではなくなるらしい。今、小学生の子どもたちは明らかに影響を受けることになる。時事通信のネット記事はこちら

新しい到達度テストや、同時に検討されている国公立の二次試験改革は、KaienTEENSに来ているタイプの人たち(つまり発達障害の人たち)にはどう影響があるか、僕の考えを簡単にまとめてみた。

<プラスになりそうな点>

一発勝負から複数回への挑戦になるのはおそらくプラス。

診断を受けた人が「僕の心はコップ。他の人はバケツのように見える」と言っていたとおり、プレッシャーに上手に対応できないタイプの人は多い。複数回チャレンジは誰にとってもプラスに捉えられる要素かもしれないけれども、発達障害系の人にはより朗報になると思う。

加えて、一度体験することの重要性が大きい(※つまり想像が苦手なタイプである)人には、慣れによる得点アップがのぞめる。初めての場には弱いタイプにはとてもよい変化だと思う。

<マイナスになりそうな点、でも人生を考えるとプラスになってほしい点>

二次試験改革は、お勉強ができるタイプにはマイナスになりそう。つまり点数さえとれていれば良い、という状況から、論文や課外活動など、より幅広い対応が必要とされると、苦手な部分が出やすいと思う。学力という偏差値だけではない、主観の入り組んだ、点数がつけづらい評価が導入されると、苦しむであろう人は案外多いはずだ。

具体的には、「学校に過剰適応しているタイプ」には酷な変化かもしれない。具体的には入れる大学のランクが変わってしまう、という印象である。(※東大生の10人に一人が発達障害という「巷の噂」も聞くが、そういう人たちが東大に入れなくなる、ということだろう)

ただし、主観の入り組んだ、点数がつけづらい評価、は、大学に入ると直面する評価基準でもある。また就活ではより強くその風が吹く。

発達障害傾向の学生をみていると、大学に入ったあとに、その環境変化についていけず、中退や休学をしてしまう人が多いのは確か。なので、きちんと個人にあった大学に入学できるように二次試験を変更するのであれば、それは大きな意味ではプラスなのかもしれない。

有名大学に入ったから、と親も子も安心してしまうことの抑止にもつながる。今の合格はあくまで学校の偏差値制度というゲームで勝ったことしか意味しない。「ゲーム」への過剰適応であって、その後のチミモウリョウとした社会の基準で評価されているわけではない。

ゲームのルールが18歳と22歳はびっくりするほど異なると、就活の段階で気づいても、すぐには取り返しがつきにくい。もう大学の名前でその後の人生が極端に変わるわけでもない。二次試験がその後の社会との橋渡しの第一歩であるとしたらそれはそれで歓迎すべきかもしれない。

・・・

と、、、2つ書いたところで頭が休止してしまった。また思いついたら、付け足していきたい。

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Kaien 日本LD学会でのプレゼンスライド

日本LD学会でのプレゼン。1週間ほど前。僕ではなく別の当社社員に対応してもらった。

当社ウェブサイトのニュース『LD学会で2つの発表』への関心が高いようなのでスライドを公開することにした。今後も講演・セミナーの新作ができたら、忘れないようにアップロードしようと思う。

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“友活” を意識する人たち

昨日は大学生向けのセッションを担当。(土曜日は学生向けコースを行っている。)15人ぐらいが参加した。夕方の「しゃべり場」の話題は「友達」について。そもそも友達の定義や価値、作り方についての話だった。

当社に来る人は大きく2つに分かれる。真面目すぎて(換言すると怖がりすぎて)言われたことを全部信じてやりすぎてしまう人。想像が苦手で(換言するとすぐ先の将来にも鈍感で)なかなか行動に起こさない人である。前者の場合は「ブレーキを踏んでも良いんじゃない」となるし、後者の場合は「アクセルを踏んだほうが良いと思うよ」というアドバイスになる。いずれも「頃合い」を伝える作業。個別のセッションではしやすいが、大勢のセッションでは「頃合い」を目指しつつも、方向性としては真逆のアドバイスになりかねない。「支援者」としては気を使う部分である。

ただし昨日はもうひとつ思った。「やりすぎてしまう」、「行動を起こさない」、に加えて、「掴みたいがつかめない」である。

友達というのは、発達障害の特性がある人たちにとっては、本質的に捉えにくい部分なのだと思う。家族や同級生と違って友達は(戸籍や名簿などで)目に見える関係でもないし、物理的な損得を与えてくれるものだけでもないし、情報ではなく気持ちの交換をする関係に近いと思うからである。

だからこそだと思うが、昨日参加した学生たちも、友達についてなかなか深く考えている人が多いと思った。そんじょそこらの人よりも、なにが友達なのか、どうして友達がいると良いのか、を長い時間悩んでいるなぁという思いが垣間見えた。

印象に残ったのは、友達を作るにも時間や余裕が無い、というような話であった。”友活”という意識でないと行けない、それほど、エネルギーを使うもの、ということなのだと思う。ちょっと調べたら「婚活>恋活>友活」という結婚までの流れで友活という言葉があることをネット検索で知ったが、昨日聞いた”友活”はもう少し根本的な希望だと思う。

当社のプログラムは「就職をする」ためが主なのだが、裏側の狙いは「社会・人とつながる」こと。働く場所を見つけること自体で所属の場ができるし、それだけでなく「就活の戦友」ができることでその後の人生も豊かになる。

実は毎週呑み会をしたりランチ会をしたりイベントをしたり、しているのもそのため。特に学生向けは「就活サークル」要素が強い。気づいたら数ヶ月後、数年後にはこれが友達なのかもな、と思える関係になれば良いなと思う。

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台風と発達障害 感覚過敏の視点から

今日は10年に1度の台風とのこと。

NHK時代の気象予報士との会話による知識をふんだんに持たせていただいているので、当社は数日前から米軍の台風情報も参考に対策を予想。今日は当社は午前は自宅作業。午後から始動予定である。予想通り空も雲の切れ目が出てきた。交通機関の混乱も午後には回復するだろう。

台風というと、ある発達障害の人には最悪の出来事である。もちろんルーティンが通用しない(いつもの時間にいつもの事が起きない、例えば、交通でも、テレビ番組でも)ことがある。が、案外忘れがちなのが、気圧の変化である。

すべての人ではないが、そこそこの人数の発達障害者は、感覚が過敏である。それは聴覚であることが多く、時に視覚も、触覚も、味覚も、、、ということがある。が、台風の時に大変そうだなぁと思うのが、気圧の急激な変化によって、頭痛、気分が悪い、といった状況になることである。人によっては接近の数日前から起こるという。(予期不安もあると思うが。。。)

台風が近づくと気圧のアップダウンが、短時間で、激しい。1000ヘクトパスカルあったものが、 急に960などになり、数時間後にはまた1000に戻るわけである。当然、人間の体(例えば血管)も、ホメオスタシス(という一定にする力)があるとしても、膨張したり収縮したりの影響を受ける。5%の気圧の変化。それが体に物理的にどう影響するかは、万人で変わらないとしても、同じ体の物理変化をどう脳が感じてしまうか、というのはだいぶ違うらしい。

たしかに、発達障害の一部の人から台風時の苦しみを聴き始めて、自分も台風が来るとちょっと頭痛がしたり、体がいつもの状況ではないような気がしている。現に今も少し血行が悪い感じがしている。

発達障害の人が過敏というよりも、体が大きな影響を受けているのに、それを感じにくいというのは、鈍感なのかもしれない。鈍感力、というのは安穏と過ごすにはかなり大きな要素なんだなと感じるとともに、敏感な人への配慮は職場で出来たら良いなと感じる。

追記:  実際、『台風過敏』を持ちながら、ある職場で働いている人がいる。上司もそれをわかっていておっしゃった言葉。「他の人よりはるかに良いですよ。急に休まれるより、台風の時は悪くなるって予想がつくから仕事が振りやすい。」 なるほどそういう見方もありますね、と感心したことを思い出した。

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TEENS/学プロの保護者会で感じたこと

今日は2時間の保護者会(お子様向け学習支援&お仕事体験「TEENS」と、大学生向けの就活サークル「学プロ」)を3回行った。あわせて約80人の方が参加された。

学習支援の方法論、お仕事体験の方向性、一般枠・障害者枠の就活の違い、など年齢層に分けて当社からお話をするだけでなく、茶話会形式で交流も行った。年齢が高いお子さんをお持ちの親御さんほど、お母様だけでなくお父様も出席され、かつ、話がより引き締まった(具体的に言うと笑いが少なく、現実社会にどう向き合うかという)雰囲気が強かった。

当社に来るお子さんは、他のお子さんと比べて幼いことが多い。このため高校(やフリースクール)の後、すぐに就職というよりも、何らかの場を通じて社会性をつませたいという想いが保護者の中で強い。大学なのか、専門学校なのか、大学「部」なのか、選択肢がある分、いろいろ悩まれていた。

また、就職に際して、障害者手帳をとるのか取らないのか。取得するにしても一般枠を挑戦するのか、はじめから障害者枠なのか。この辺りのお話はかなり個別になり一般論で語れないが、日本で就職しようとすると、学校までと違って、一般か障害かの二者択一を迫られる制度に直面する。

どんな子でも最終的には様々な制約のもとで色々とある選択肢の中から人生を切り開いていくのだが、発達障害の特性があると、情報が少ない中、どっちつかずの状態で数年後を考えないといけない状態がまだまだ続きそうである。自信をもって当社プログラムを作っていくには、かなり高いアンテナを立てて、良質な社会分析をしていけないな、と改めて思った。

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『日本LD学会 第22回大会(横浜)』

  • 発表日:2013年10月12日~14日
  • 主催:日本LD学会
  • URL:http://www.jald.or.jp/jald_annual_congress_001.htmlblank_blue
  • 内容:当社は2つの発表に参加しました。明星大学や横浜市立大学、富山大学の研究者の皆様と協力し、主に発達障害のある大学生についての支援について当社の知見を発表しています。(1)自主シンポジウム 発達障害のある大学生の就労支援から「実際に働く」 までの現状と課題 (2)ポスター発表 高機能自閉症スペクトラムの人への職場環境における業務管理とコミュニケーション支援

何(職業技能)より、どのように(対人力)を教える職業訓練

最近、当社のキーワードは、WhatではなくHowである。それはTEDの動画を見てから。これまでも当社は、WhatではなくHowをお伝えする事業だったと思うが、動画によってとてもクリアになった。

多くの人は職業訓練というと、何をしているのですか?となる。ITなのか、簿記なのか、ピッキングなのか、などである。これはWhatであり、職業技能である。

当社の職業訓練は(お子様向けのTEENS学生向けプログラムも)、どのように変化の激しい世の中で、他の人の力を使って、効果的に楽しくタスクをこなして行くかをポイントにしていると思う。こちらはHowであり、対人コミュニケーションである。

極端なことを言うと、Whatは当社職業訓練では「穴掘り」でも良いと思っている。穴掘りの仕事でもHow(対人コミュニケーション力)は、デスクワークと同じ部分があるからである。Howを学ぶには、本人たちが興味深く取り組むものであれば、どんなものであっても良い。

数日前にお話をさせていただいた団体の方ともこの話になった。そこの参加者から「発達障害はもちろんだが、広く仕事をするときに必要なことですね」とおっしゃっていただいた。 まさにその通りだと思う。

ただし「当社訓練での肝は対人コミュニケーション能力。Howに重きをおいていて、Whatは次に重要なもの」と言っても、なかなかメッセージが届かない人も多い。やはりWhatを見ないとどういう訓練をしているのか、どういう結果が得られるのか、知りたい方が一定数いるようだ。より多くの人に知ってもらうためには、当社の会社説明での語りかけもHowをしっかり伝えながら、そろそろWhatを伝えていかないとなと思っている。

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最近ようやく学習障害が分かって来た

大人の発達障害、というと、ベースとしてはやっぱりASD(アスペルガー症候群などの自閉症スペクトラム)を考える必要があると思う。職場での適応を考えるとき、あるいは就職活動の時に、題としてぶつかりやすいのが対人コミュニケーション能力。それは発達障害の中でもASDに要因がある場合が多いからだ。

換言すると、ADHD(注意欠陥・多動性障害)とかLD(学習障害)は、ASDに重なって見られることがあっても、就職活動や職場で課題となることはASDよりは少ないと思われる。

でも、とはいえ、4年もこの世界にいると、徐々に、「ああ、確かにこれはADHD的な視点で見ると、理解しやすいしフォローしやすくなる現象だ」とか、「これが、LDというものなのか」という気付きがあり、より対応の幅が広くなってきたように思う。

最近はLDへの「Aha!!」が多くある。

LDは、僕の言葉で言うと「局所的な呑み込みの悪さ」となる。たしかに注意が散漫だから(ADHD的な特性)飲み込みが悪い場合もあるだろうし、全体像が見えていなかったり、結果や状況が予想・想像出来ていない(ASD的な特性)ために、指示や説明への呑み込みが悪くなることもあるとは思うが、純粋にどんな場面でも、特定の概念などの呑み込みの悪さが感じられる人がやはりいるような気がしている。

もちろん誰にでもある程度は当てはまることだと思う。が、生活に支障が出たり、就職や定着などに課題が極端に多くなる場合は、やはり学習障害という観点から周囲が接したり、自分も対応を考えたりすると、より生きやすくなるケースがありそうである。

発達障害は奥が深く、ついどんどん考えてしまう。実際学習障害という名前は何回も聞きながら、ようやく4年を過ぎたところで腹落ちをしてきた。当社の目的はそのもの(発達障害)をわかることではなく、上手にその傾向のある人たちを資本主義社会とつなげることである。学術目的ではないので、ある程度わかったら、じゃあその気付きをどう当社プログラムに落としこむかとか、運営に加えていくか、ということを考えて行きたいと思う。

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開所1年 就職33人(うち在職中29人、平均月給17.7万円)

1年前の10月、就労移行支援事業所を千代田区にオープンした。はじめは定員の20人集まるか、不安だった。発達障害に合わせた事業所はほとんど無いからである。

実際蓋を開けて見ると、待機者が出るほどになった。僕は小心者なので、待機させてしまって心苦しく思う分、ニーズがきちんとあったとホッとした。

この1年、プログラムも徐々に変更しているし、訓練生(就労移行支援の利用者)もどんどん変わっていった。数字は結果であり、こだわりはない。むしろ訓練生がいかに楽しい人生をおくる過程に立ち会えるかに重きをおいているつもりである。(換言すると無理やり就職に押し込めても、良い人生になるかはわからない。むしろ逆になりかねない。)

なので、これまで、成果はきちんと計算していなかったが、1年という節目。あらためて資料を調べなおしてみた。

タイトルの数字 「就職33人(うち在職中29人、平均月給17.7万円)」 は秋葉原事業所だけの数字である。定員は20人なので、オペレーションで言うと1.5回転、平均滞在期間で言うと7ヶ月ぐらいとなる。就職者数の30人超は、この狭い業界では驚きの数字だと思う。僕自身もビックリした。

でも就職者数よりも、平均月給の方に満足を感じる。やはり本人が納得して生き生きと仕事の楽しみ苦しみを満喫するには、それなりの給与が必要だと思うからである。もちろん給与はたったひとつの価値基準であり、ほかの要素が充実していれば楽しい職場もあると思う。

が、雇用率という数字にだけ目が行く障害者雇用の世界では、給与水準は忘れられがち。。。なので、高いに越したことはないと思っている。今回、ワーキングプアと言われる年収200万円≒月給16.5万円より高い(かつ障害者平均より5万円ぐらい高い)数字が出たのは、素直に嬉しい。

1年経って、10月1日。秋葉原の2号店ともいえる秋葉原サテライトをオープンした。4月には新宿事業所をオープンさせたので都内で3つ目の拠点となる。正直、この数字よりもいい数字が出るとは思えないぐらい、会社としては好スタートではあるが、一人ひとりの楽しみをゼロベースで考えるという原点を忘れずに事業に取り組んでいきたいと思う。

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Kaien4周年

まだまだ色々あるものの、本日、Kaien設立から丸4年を迎えた。

週末は、台風の影響で上階から水漏れ発生。4人のスタッフが徹夜でオフィスを守ったり、、、

週末にスタッフほぼ全員で行った合宿も、台風時に宿泊するにはタイムリーすぎる場所「民宿川波」で、冠水しないかヒヤヒヤしたり、、、

本業とはかなり関係ないところでエネルギーを使った1週間だった。

合宿では、今後当社が100年続く強い会社になるために会社の意義・役割や社員としての行動指針を作成した。行動指針は、刺激を受けている企業・団体・個人である、Mayo Clinicや、五嶋みどり、マッキンゼー、IDEOなどを参考に作った。今後、修正を重ね、会社のウェブサイトなどにアップしていきたい。

会社として Enabling Excellence
Kaienは、発達障害の方が強み・特性を活かした仕事に就き、活躍する事を応援するプロフェッショナルファームです。

我々の役割は3つです。

  1. 凸凹のある人の特性を理解し、活躍の場をつくりだすこと
  2. 企業に凸凹のある人材の活用方法を伝え、資本主義社会の本来の力を引き出すこと
  3. 凸凹のある人が仕事を通じて職場に貢献していることを社会全体に伝えること

役割を全うするために、当社は多様な知識・経験をもつプロフェッショナルを集め、高め、力を発揮し続けてもらう必要があります。会社の理念はEnabling Excellence(強みを活かす)です。顧客・対象者についても、社内の人材についても、特性を活かすことが会社の発展の礎となります。

社員として Be Professional
Kaienには、困難な挑戦を楽しむ人を集める必要があります。また、多彩な知識・経歴を持つ人達を集める必要があります。このため、Kaienは自立し、チームプレーに徹するプロフェッショナルで構成されます。

1) 健康である
思想的、精神的、肉体的に健康でないと仕事を楽しめない。自分の凸凹や弱さに向き合うこともできず、より苦しい人たちのことを考える余裕もとれない。ただし思想面は特定の宗教等を持つことを排除しない。

2) 多彩な力をチームで発揮する
共通の軸・価値観を持ちながら、多彩な専門性を活用しあうチームをつくる。個々の役割を常に意識し、チームでのインパクトを最大化する。共通の軸からのズレは積極的に確認しあい、より強いチームをつくり続ける。

3) 真摯さを貫く
真摯でないと真実を見ること・伝えることができない。過度な理想主義や悲観的になり現実感がなくなる。自分の成長にも繋がらず、他人の利益にもつながらない。

4) 良質なファンをつくる
顧客にファンになってもらう努力を惜しまない。ともにサービスを作り、改善する。ただし時に嫌われることもある。顧客の長期の成長のために、時に応えられない要望があることを理解し、勇気を持って行動するからである。

5) 革新的なサービスをつくる
10%良いサービスではなく10倍良いサービスを目指す。世界にある様々な既存物・サービスを組み合わせて新しい付加価値を生み出す。

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