「発達障害の子とキャリア支援」と題した教育エッセイを当社教育事業部取締役の飯島が『しんぶん赤旗 教育エッセー』に寄稿しました。
- 掲載日:2018年1月9日、16日、23日、30日の4回掲載
- 掲載:しんぶん赤旗(こちら)

「発達障害の子とキャリア支援」と題した教育エッセイを当社教育事業部取締役の飯島が『しんぶん赤旗 教育エッセー』に寄稿しました。

先日も「2018年の発達障害支援を予想する 第4話 新制度の就労定着支援事業」でお伝えした来年度の新事業である『就労定着支援事業』。遂に要件が発表されました。平成30年1月18日 官報 23ページ~をご確認下さい。
主なポイントは…
Kaienは7つの事業所で年間200人程度の就職者を出しています。『Kaien経由の就職者数 172人→233人/年』 定着支援は3年間となりますので、普通に考えると、500~700人の定着支援となります。
上の計算式に当てはめると、当社が事業所をいくつ出すかによりますが、サービス管理責任者は10人以上、更に支援員も15人程度必要になりそうです。
一般的な事業所では就職者は年間5~6人。当社以外の同業他社を見ても10人程度。その3~4倍就職させている当社の場合は、定着支援事業のスタッフも他の会社の3~10倍必要になります。今回の官報の要件によると、上述のようにサビ管が新たに10人、支援員も15人ぐらい必要になるということです。
今の当社の就労移行支援事業のスタッフと同じぐらいの数の社員が必要になります。つまり、会社の規模を倍にしないといけません。
うーん、ありえませんよね…。これまでたくさん就職者を出してきたお陰で、一夜で会社を倍にしろと…。ある程度は予想していたとは言え、定着支援事業の大きさに気圧されそうです。厚労省に見放された感じもしますが、これがルールですのでしっかりと適応していくこと、準備していくことに全力を上げたいと思います。それと、せっかくですのでこれが発達障害に特化した定着支援事業だ!という業界標準を作っていきたいです。
なおもし制度の中で対応できない分が出てきた時も(つまりサービス管理責任者が足りずにカバーできない支援分も)可能な限り、”民間対応”・”自主対応”で頑張っていきます。
というわけでサービス管理責任者と定着支援員を大募集です。当社のウェブサイトに是非是非アクセスして下さい。→ 会社説明会・職種紹介

株式会社Kaienでは2018年春から夏を目指し、当社としては関西初の拠点となる就労移行支援事業所を大阪市内に設立予定です。
現在、開設から携わって頂けるスタッフを募集しています。応募職種と人数は以下のとおりです。
応募職種の詳細や、首都圏で活躍する当社スタッフへのインタビュー記事、応募方法については当社の採用ページをぜひご確認ください。
Kaien採用情報 https://corp.kaien-lab.com/category/recruit
会社説明会(大阪でも開催中)https://kaienrecruit.doorkeeper.jp/events/
応募に関するご質問 recruit@kaien-lab.com
みなさんのご応募を心よりお待ちいたしております。
日本評論社から隔月で販売されている『こころの科学』。早稲田大学 梅永雄二教授によって、当社が執筆・編集した『発達障害の子のためのハローワーク』を取り上げていただいています。

鈴木慶太+飯島さなえ 監修、TEENS執筆チーム 編著『発達障害の子のためのハローワーク』………梅永雄二 https://www.nippyo.co.jp/shop/magazine/7623.html

第4話は、2018年4月から障害者総合支援法のもとで新しい制度となる「就労定着支援事業」の話題です。
就労系はすでに、当社が行っているような「就労移行支援」の他に、「就労継続A型」、「就労継続B型」という3つの制度があります。
就労移行支援は、障害のある人が就職するために2年を時限に支援する事業所です。その就労移行支援で一般企業に就職することが一般就労と言われています。一般就労でないゴールが「就労継続B型」で、こちらは以前の作業所に近く、特に利用期限なく作業(つまり最低賃金以下で行うので”労働”ではなく”作業”)を行う場所となります。”労働”と”作業”のハイブリッド事業所とも言える所が就労継続A型で、半数以上の人が”労働”者としての契約を結び、それ以外の人が”作業”者としての契約を結ぶところになります。
長くなりましたが2018年4月からここに一つ加わるのが、「就労定着支援事業」です。就職して半年間は「就労移行支援」のスタッフが定着支援をしますが、その後の3年、つまり就職してから3年半まで定着の支援をする制度になります。
就職はさせるものの、特に精神障害の人を中心に離職率が高い状態が続いています。これでは就職させる意義が薄まるということで新制度が出来るわけです。強引に就職先に押し込むような数字だけを目指した支援をしないでねということかもしれません。
この制度については、現段階でまだ固まっていないというのが実際のようです。そもそも何をすれば定着支援と言ってもらえるのか?結果(定着率など)を出すだけでよいのか?でもそうは考えづらいですので、どの程度定期的に訪問する必要があるのか、どのような書類の提出が必須になるのかなど、具体的に知らされている部分はまだありません。
このため行政の方に聞くと、おそらく2018年4月から認可される事業所は出すのはスケジュール的に難しく、数ヶ月遅れるのではないかと言われています。当社もある程度体制を整えていますが、実際に開所できるのは初夏のあたり、運営が軌道に乗るのは秋ぐらいかもしれません。いずれにせよ1月上旬ぐらいに何らかの方針が出てくるのかなぁと予想しています。年明けはとてもバタバタしそうです。
『来年度(2018年度)から始まる就労系福祉サービス「就労定着支援」って何?』(Kaienスタッフブログ)
そもそも「就労移行支援」でも半年の定着はこれまでもする必要がありました。
実際当社は無期限で定着支援はしていますが、定期的に訪問するのは半年後まで。この定期訪問の期間が長くなるともちろんより定着率が高くなると思います。昨年末に行った、当社の就労移行支援をこれまでに受けた人たち1000人へのアンケートでも、定着支援の延長を望む声は強くあります。
が、すでに当社の場合は半年後の定着率はほぼ100%。一年後で見ても95%が定着しています。(全国平均ですと半年後の定着率は80%、1年後だと60~70%台でしょう。)どうしてこれだけ高い定着率なのか?
発達障害の人の場合は、そもそもご自身の特徴を理解し、強みを発揮し弱みが見えづらい求人を紹介し、受入企業にも発達障害の理解をしてもらえれば、就職前に定着支援の必要性の多寡が決まるというのが当社の持論です。つまり定着支援の成否は入社前に決まっているともいえます。
では、発達障害の人に就労定着支援事業はあまり必要ないのか?物事はそれほど簡単ではありません。
数年前に分析した結果ですが、発達障害の人は1年後、2年後、3年後となるに連れて、離職率が徐々に低くなっていく(つまり職場に慣れていく)ことがあまりなく、何年経っても離職率が変わらない、という特徴があります。分析をすると、何年か経つと必ず起こる変化である、上司が変わる、仕事内容が変わるなどに、相変わらず弱いということが有ると思います。換言すると、会社や職場の雰囲気や文化に適応していくということは少なく、常に常に具体的な人や環境に影響を受けているということになると思います。
もう一つご自身の考え方や心身の変化に気づきづらい、セルフモニタリングが苦手ということも有ると思います。周辺は変わらなくても人は内的にも徐々に変化します。その振り返りが十分にできていないと、いつの間に職場の軌道から外れているということも起こりえます。
つまり定着支援では、発達障害の人ならではの難しさに対応するような方法がやはり求められるでしょう。地雷がどこにあるのかを察知する力、またご本人が見える化・言語化できていない変化を支援者が見通せるか、ということがポイントになりそうです。
発達障害×就職支援の型は、①様々な仕事を職業訓練で体験してもらい自身の特性を理解してもらう、②その人の強みが活かせ弱みが目立たない仕事を紹介する、③企業に発達障害の啓発をして構造化・可視化・単純化・反復化を徹底してもらう、という”3本の矢”がほぼスタンダードになっています。
実際このあたりは当社が7・8年前に言いはじめたところ、いつの間にほとんどすべての支援機関が同じようなことを言っていることからも、業界では常識になってきた部分でしょう。定着支援についても、当社がデファクトスタンダードを作っていきたいところです。
その時の肝は、①人と環境の変化を外部の支援者としてどう把握していくか、②ご本人の内的な変化をどう可視化するか、は既に述べました。もう一つは③モチベーションの維持だと思われます。
これは発達障害の人だけではないと思いますが、特に就労移行支援からつなぐ先である障害者枠は仕事内容や賃金に大きな変化がおきづらいものです。加えてそもそも日本のこれからの経済は全体的に斜陽的であり、若者世代の賃金が上がっていくという神話が社会全体でなくなっていくともいえます。この中でどのように働くモチベーションを維持していくのかが定着の課題でしょう。
個人的には同じ会社で10年、20年と働く世の中では日本全体がなくなりつつ有ると思いますので、定着支援というよりもキャリア支援をする事業という考えで、つまり場合によっては会社を上手に渡り歩くこともアドバイスするような広い視野で事業を作っていきたいと思っています。
というわけで年末年始の空き時間を使った2018年の予想はこれにて終わりです。お読み頂きありがとうございました。
新年あけましておめでとうございます。第3話は、障害者雇用率の上昇の話題です。
2018年4月から障害者雇用率が2.2%になります。前話でもお伝えしたとおり、障害者雇用が進んだから障害者雇用率が上がったという側面が無いわけでもないですが、根本には障害者を作りやすい世の中になってしまっているということが大きいことは知っていたほうが良いと思います。
【やや勘違い】障害者雇用に企業が積極的になる → より(雇用の難しい人に)障害者雇用が進むように企業が障害者雇用を進める
【より現実に近い理解】職場(や学校)から排除される人が増える → うつや発達障害などの人が増える中で、 ”障害”・”診断”がある中で働かざるをえない人が増える → (働きたい”障害者”が増えると上昇する計算になっている)障害者雇用率が上がる → うつや発達障害などの障害者雇用が話題になる
障害者雇用率が進んでいるニュースを見たときは、この背景を思い出して、周囲の方に伝えてもらえれば有難いです。
障害者雇用率が上がるということは前から決まっていたことですので、企業も障害者雇用の上昇に向けて既に手を打ち始めています。実際当社の就労移行支援に通っている人たちを見ると、障害者雇用率の上昇を前にこの数ヶ月、非常にすごい勢いで就職が決まっていっています。
【参考】「ぜひ私たちに続いてください!」発達障害に特化した就労移行支援Kaien 修了セレモニーレポート #1
企業の人が「枯渇している」といわれる身体障害の有る人は首都圏の労働市場には以前から非常に少ない上に、知的障害の人は【Fact Check】のようにもともと人数が少なめですので、働きたい人を探すときは精神障害の人を探す必要があるというのは各所で言われているとおりです。
【Fact Check】障害者手帳の発行数で見ると「身体障害:知的障害:精神障害」の比率は「4:1:5」ぐらい。つまり知的障害の人は実は少ないですし、身体障害は60歳以上の人の占める割合が高いこと、は知っておくと良いでしょう。また精神障害の手帳の中には発達障害も含まれます。
まず発達障害の就職者数は大きく増えることが予想されます。既に当社ページでご説明しているとおり、発達障害の方は安定度が高いことから冷静に考えると障害者雇用で採用しやすい障害特性と思われるからです。
【参考】毎週開催!人事ご担当者様向け 障害者雇用無料セミナー
また2017年はびっくりするぐらい発達障害の認知度が進みました。やはりNHKの特集効果が高いと思います。もちろんNスペで「感覚過敏」が過剰に取り上げられるなど、(事実ではありながらも)マスメディアにありがちな局所をデフォルメして伝える傾向があった番組もいくつかあったのかもしれませんが、当社が9年前にスタートしたときには大逆風の中で売り込みをしないといけなかったのが、今ではある程度は発達障害の知識があることを前提に企業にお話しできています。2018年はその傾向が一層と高まると思われます。
発達障害以外でも、今回の障害者雇用率の上昇で好影響が出てきそうなのが地方の人達です。
実は身体障害のある人の雇用も地方では余り進んでいないのです(と聞きます)。「地方にはまだいるよ」と言われますので、障害の種類に限らず、地方での障害者雇用は、雇用率のUPで進む可能性があるでしょう。
特に最近の働き方改革で、在宅で働けるテレワークの仕組みをもつ企業が増えています。子育てママや介護中の社員などに進めている在宅ワークを障害者雇用にも適用してくれる企業が増えると思っています。在宅ワークが進むと地方の障害者雇用市場では大きなゲーム・チェンジになるということですね。
当社も既に就労移行支援では在宅訓練の仕組みが入っていますし、今後は求人の面でも在宅ワークの開拓が進みそうです。これらは4月に正式に公表していきます。
在宅ワークは発達障害でも二次障害のある人、つまりうつや双極性障害、不安障害が強い人や感覚過敏が強い人などにも朗報になりそうです。首都圏でもプラスに働くといって良いでしょう。
【参考】発達障害の二次障害
加えて、時限制度ではありますが、週20~30時間の雇用だと従来は0.5人分にしか障害者雇用率に換算されなかったものが、1人分にして良いよという制度が思考されます。これも障害者雇用率の上昇に適応しようとする企業の解決カードになりそうですので、注目していきたいところです。
制度については当社のブログで先日紹介しています。
【参考】【企業人事 発達障害の豆知識 5】精神障害者(短時間労働者)の算出方法が変わる?
1人雇用したのに0.5人?雇用数の考え方、今後の制度の変更についてお話しします。
人が足りない人が足りないと言われはじめて数年。これまでは雇用率が高い=社会貢献、的な発想な企業が多かったと思います。もちろんそれを否定するわけではないですが、障害者雇用でも戦力にして、人手不足の解消を狙おうという企業の動きがより加速するのではというのが今年の予想です。
それにともなって賃金は上がるのか、事務補助や軽作業に偏りがちな職種が増えそうなのかが、注目されそうです。実際のところ、なかなか増えなさそうだなというのが残念ながら2017年の印象ですが、良い意味で予想を裏切って欲しいです。
なお、人手不足になっているのに、過去の通例のように賃金が上がらないというのは、政府や日銀はもちろん、多くの専門家に議論をよんでいるところです。残念ながら当社の事例を見ても、障害者雇用でもあまり上がっていきません。
個人的にいろいろな記事を読んでいると、フルタイム労働者は給与は余り上がらず、学生のバイトや季節労働者が賃金が上がっているということですので、このあたりのマクロ経済のトレンドが変わらないといけないのかなぁとは思います。
最終回の第4話は、新設なる定着支援事業を予想していきます。

第2話は、発達障害のある大学生等の支援についてです。(第1話は『2018年の発達障害支援を予想する 第1話 放課後等デイサービス』こちら。)
2016年に合理的配慮が国公立で義務化、私立で努力義務化されてから、大学の教職員が発達障害という言葉に触れる機会は格段に増えてきたと思います。当社にも2017年中、研修や出張授業の依頼が大学からいくつも寄せられました。
合理的配慮の流れに加えて、2004年の発達障害者支援法から13、14年が経ち、その頃に幼少時だった子どもたちは今大学生となっています。すなわち学生側も小さい頃から支援体制がある中で育った子たちが大学入学を果たしているわけで、入る方も新時代に育った人たち”新人類”を迎える状態になっています。
とはいえ2017年、2018年で何かが大きく変わるかというとあまり変わってはいません。唯一変わったのが、障害学生の支援のハブとなる拠点大学が東日本、西日本に一つずつ設置されたということでしょうか。 東日本は東大+筑波大+富山大、西日本は京大+広島大 が選定されています。関係者にはお会いすることも多いので、10月の選定後どのようにプラットフォーム化が進んでいくのか今後聞いてみようと思います。
【参考】社会で活躍する障害学生支援プラットフォーム形成事業 選定状況![]()
ということで原稿を終わりにしても良いわけですが、せっかくなので就職のところを予想してきたいと思います。
第3話でも書くとおり、2018年は障害者雇用率が2.2%に引き上げられるだけではなく、その後時期は未定ながら数年以内に2.3%に引き上げられます。
上に”新人類”と書きましたがこの人達の動きが、障害者雇用率の上昇に大きく絡んでくるというのが2018年の予想になります。 なぜか? 当社はガクプロという発達障害(含疑い)の学生向けのプログラムを行っていて、現時点で180人ぐらいが通っています。
多くは大学3・4年(専門学校生や院生もいます)。つまり就活生や就活予備軍です。この層と接していると年々、障害者雇用への抵抗感がなくなってきているなというのが印象です。子どもの方ではありません。親の方がです。
ガクプロでの個別相談の半分程度は僕が日々行っています。そこで小さい頃から福祉や特別支援のお世話になっている子の親の中には「うちの子を20年見てきて、普通の中で揉まれると厳しいので、配慮される中で働くほうが良いと思う」という人がとても多いです。
確かに人前では問題ない言動が出来るタイプも、アップダウンが激しく、家では、あるいは季節的に大きく崩れる人もいます(ので「え、わざわざはじめから障害者雇用を目指さなくても」と支援側が思っても、あとで「あぁなるほど」という状態を見て障害者雇用の選択の正しさを実感することもあります)し、障害者雇用というのは給与が高くなったり、仕事内容が多様になってきていることもあり、決してレベルが低い就職先でもなくなってきています。
”障害”という言葉に良い響きを感じる人はいないでしょう。ただ支援や配慮を上手に使うことでその人の人生を良くしようという考え方が大きく広がっていることを年々感じます。就職における形が日本の場合、「障害者雇用」しかないということなのでしょう。個人的には「障害者雇用」という制度以外で働きづらい人を雇いやすくする制度があるとそれがよいのでしょうが、今の法制度のもとでは他に選びづらいのが実情であります。
実際2018年は当社でも、発達障害の学生向けに、障害者雇用の合同面接会を開催します。繰り返しますと、必ずしも雇用枠を目指す必要がある人ばかりでもないですが、企業にとっては障害者雇用率の上昇の対応策として、新卒枠というのは一つ流れになる可能性となる2018年になりそうです。
念のために言いますと障害者雇用率が上昇しているのは、障害がある人の雇用が進んでいるからではありません。障害と言われる人の数が多くなっている、換言すると世の中が「普通」と思っている領域を狭めているということになります。特に、消費者・顧客として人が期待するサービスレベルが高くなればなるほど、普通の幅が狭まります。なので、障害者雇用数が向上しているというのは、手を叩いて喜ぶことではなく、それだけの人が一般社会から弾かれやすくなっているという憂いをもって受け止められる必要のある事態と言えます。
このあたりについては「第3話 障害者雇用率の上昇」で更に深く分析していきたいと思います。

2017年から放課後等デイサービスは新規事業所を設立する時の要件が厳しくなりました。2018年4月からは既存事業所の場合も同じ基準が当てはめられますし、どうやら未就学児向けの児童発達支援も同じ要件で運用が始まるようです。それもこれも、「放置デイ」「アンパンマンデイ」と言われるような、テレビを見せるだけのような、専門的とはとても言えないサービスしか提供していない事業所が増えていることや、当社も含まれるのですが営利企業がどんどん拡大しているという要因があります。
たしかに放課後等デイサービスは、全国にある中学校の数(約1万1千校)を今年度中には上回りそうなペースで増えています。利用者は17万人。2000億円の予算が使われ、障害福祉予算の相当部分を占めるようになっています。下にも書きますがこのまま障害児が隈なく放課後等デイサービスを利用すると6000億円とか7000億円とかが必要になり、それって国家予算の100分の1弱ぐらいになります。その他の障害児予算を合わせてこの国の100分の1を障害児の教育に使っていいかと言われると言いような気もしますし、悪いような気もします。(ちなみに厚労省の予算だけで、特別支援学校や支援級のような文科省系の予算は含んでいません。)
質の向上と数の適正化。この2つを果たすために行政が切るカードである「運営・設立要件の厳格化」は効くのか効かないのか?
おそらくあまり効果はないだろうな、2018年も新規設立が続くだろうなというのが僕の見立てです。要件を厳格化しても、総量規制をしない限りは、要件をクリアするようにサービスを上手に変えて事業者は儲け続けるでしょう。他人事ではないのですが、イタチごっこみたいな感じです。
なので早晩「総量規制」ということになるのでしょう。事業者も新しい事業所を立てられなくなる(立てづらくなるのではなく認可されないようになる)し、障害福祉受給者証の発行も厳しくなって利用がしづらくなることが想定されるということです。実際に都内の複数の区では実質設立が認められなくなっています。この動きは2018年は他の自治体にも広がっていきそうです。
ただし、「総量規制」というのはニーズを満たしきったあとの過当競争を防ぐためのものであるべきではないかなと個人的には思います。放課後等デイサービスは発達障害児の数分の一程度しか利用していないと見られます(利用児童数は17万人、小中高にいる発達障害児は100万人とは言わなくても50万人いておかしくはないです)ので、まだまだニーズはものすごくありそうです。これから使いたい人には(総量規制でサービスのパイプを閉ざされてしまうと)不利ではないかという議論はあるでしょう。
また、少し前、オバマ前大統領が、予算は大きい小さいではなく、効果的か効果的でないかで考えるべき、と言っていた通り、障害児教育もそれだけの価値が認められれば1兆円だって注ぎ込んでも良いと思います。サービスの効果が感じづらく、一部資本家や投資家の懐を暖めるだけでしたらあまり意味が無いだけであり、予算の規模はそれによるインパクトを考えないと大きいか小さいかは言えないというわけです。
じゃあどうすればよいのか?
前年も書いたとおり、この状況を脱するためには、要件の厳格化ではなく、自己負担の値上げが良いと僕は思っています。今はサービスが安すぎるのです。なので必要なくても簡単に利用してしまうし、安いから低レベルのサービスでも利用者側は許容してしまいます。神の見えざる手が効いていない状態です。
自己負担比率を上げて1回の利用を、現在の1,000円程度から3,000円とか5,000円とかにすれば、それなりの事業者しか生き残れないでしょう。付加価値をつけるサービスじゃないといけないわけですので。なお、今も制度でも所得に応じて利用料の上限がありますので、1回あたりの見かけ上の負担が増えても、低所得者が不利になることはないと思われます。
もちろん受給者証で規定される利用上限(1ヶ月あたり何回福祉サービスを使えるか)を絞る動きも活発になるでしょう。本当は相談支援機関がそのあたりを適正にするのが良いのでしょうが、この相談支援事業所も民間企業が認可されて運営できるわけで、そこではチェック機能は効かず、そうなると最後に税金を出すもとである行政が受給者証の発行基準を厳しくするということにつながりかねません。(し、実際そういう動きは今後強くなるでしょう。)ただ、せっかく行政から外出しして民間の活力を使った福祉制度の根本の力が削がれるようになるような気もしますので、あまりやってほしくはない手だなぁと思います。
このままイタチごっこが続くとどうなるか?まともな事業者はなかなか残りづらくなる業界になるでしょう。まともにしようとするとコストがかかりますので、制度の弱いところ狙った運営をしている業者には勝てないからです。一度作った制度ですので、明日から全くなくなりますということはないでしょうが、悪貨が良貨を駆逐する可能性はあります。当社も、将来的な制度の不透明感を見据えて、福祉の予算に頼らない発達障害児支援をより大きくしようとしています。
当社の福祉外の事業は4月頃に広報するつもりですが、他の業者にもこういう福祉以外の道を探る動きが広がる可能性が2018年はあるなぁと思っています。
というわけで2018年の発達障害支援を占う。1回目は終わりです。2回目は発達障害学生支援について書いていきたいと思います。2018年の発達障害支援を予想する 第2話 大学生支援 ~新卒の”発達障害学生”が障害者雇用枠に流れる可能性を考える~
毎年この時期にお伝えしている社会的価値の計算です。多くの売上を税金に頼っている当社のような福祉事業者がどれだけ価値のあることをしているか数字で年末に検証しています。
【参考】福祉に税金を使うと経済的に無駄になるどころか得をする (2015年 今年のKaienの就職支援実績・社会的価値など計算しました)
【参考】年末のKaien通信簿 今年は赤点すれすれです Kaienの社会的価値 ~2016年を振り返る 前編~
さて、今年はどうだったでしょうか?就労移行支援を始めて5年。利用者が1000人を超え、就職者も700人を超えました。
【参考】発達障害支援に特化して5年 就労移行利用者が1,000人・就職者は700人を突破 同業他社との比較や利用者・修了者のアンケートで見る5年間の実績
結論から言うと昨年より持ち直して、また昨年は計算方法を間違っていた…ということにも気づき、よりプラスの結果になっています。
233人は発達凸凹のある大学生支援のガクプロを含む数字ですが、就労移行支援だけでも1年で200人を超えました。
今年は7月にKaien代々木をオープンしたため、年間で見ると6.5拠点の稼働という感じです。ですので、1拠点平均は30人超え。(半年で16人という新設のKaien代々木を除くと)もっとも就職者数が少ない拠点でも20人台の後半ですので、あまり拠点によるばらつきはありません。
【参考】Kaien代々木 内定者続々! 半年で16人働いたことがある方もない方も自分の「輝き」をみつけられる訓練プログラム
Kaienの就労移行支援のページでもご紹介していますが、1拠点あたり20人の定員で、そのうち何人が受かったかというのが就労移行支援業界の就職率と言われる数字です。当社は下でも見る通り1年以内に就職する人が大半ですので、公表は135%(つまり1拠点あたり年間27人の就職者)なのですが、今年に限って言うと、155%の就職率で他社の2~4倍ぐらい、全国平均の7倍という結果でした。
素直に良い数字だと思います。

当社はこれまで半年後の定着率が高すぎて、あまり意味が無いので1年後の定着率を伝えていたのですが、業界全体が半年で比べていますので、当社も半年後の定着率を出してみました。それによると・・・100%なのですよね。つまり離職率は数百人単位で就職してゼロ。幾つかまだ当社社員がデータ化していないものもあるかもしれませんが、いつにもまして良かったのは確かです。
ちなみに全国平均や他社の数字を見ても定着率は80%前後(つまり離職率は約20%)なので、当社の修了生が非常に安定していることがわかります。
平均月給は16万円台へ下がってしまいました。就職は非常な売り手市場ですので、あまり月給が下がるというイメージは持ちづらいのですが、軽作業に興味関心があったり、軽度知的障害がある人の割合が増えてきたことと関係があると思います。かなり当社のことを応援していただいている方の中にも、「Kaienは勉強のできる発達障害の人が行く場所」「ITとかパソコンとかを使いこなす人が多い」という印象をお持ちの方がいるのですが、それは4・5年前の話。今はいろいろな求人があって、いろいろな人が来ていることがわかります。
グラフは月給ごとの分布です。また数日後にまとめますが、正社員登用されたり、ボーナスが出たりしている人もいますので、月給×12ヶ月以上の給与をもらっている人も多くいます。

ちなみに職種は以下のとおりです。事務が半分以上。残りは専門職と軽作業が同じぐらいです。

昨年はこの数字が10ヶ月近くにまで伸びてしまっていましたが、今年は平均利用月数が7ヶ月。内定から就労移行支援の訓練終了までは1ヶ月程度の方が多いので、内定までは概ね半年ぐらいと思われます。
グラフの見方は就労移行支援開始後、どのぐらいの速さで、どのぐらいの割合の人が就職していっているか(中退は除く)というグラフです。7・8ヶ月で半分の人が巣立っていっていることがわかりますし、1年を越す人は5人に一人もいないこともわかります。(福祉の世界では非常に速いと言われる就職までのスピードです。)

昨年は中退率の計算の時に背筋が寒くなったのを覚えています。それから1年。2週間毎に全拠点でチェックをしていました。昨年も書いたとおりに、支援がほとんど必要じゃない人を選りすぐっていけば中退率は大きく下がるでしょうから、中退率自体は低くすることを狙うばかりではいけないとは思います。就職に遠く見える人を就職させるというのが一つの支援者の力の見せ所でもあるからです。お互い難しいと思って始めて、やっぱり難しかったね、少し支援方法を変えてみようかと違う支援機関をご紹介するという挑戦も絶えずすべきだと思っています。
それにしても去年は中退率が急に跳ね上がった印象があり、今年は支援力を合言葉に運営してきた社員の努力の成果が出たのかなぁと思います。(実際、中退率が下がる中で、他の数字も良くなっています。)
昨年計算ミスした所がおそらくここです。(具体的に言うと、将来の価値をマルティプライで予測するのですが、その時の計算式が間違っていました。ファイナンシャルモデルにはMBAのときは日々触っていましたが今は1年にこの時期しか触らないので、やはり色々できなくなってきてしまっています…)
再度計算式を見直したところ、去年は1.1億円だった所が、今年は2.7億円ということになりました。これはどういうことかというと、当社は6億円ぐらい税金を使わせてもらっているのですが、当社経由で就職してもらうことで、税金を増やしたり生活保護を減らしたりしている額がこの1年で総額8.7億円にのぼるのです。つまり税金で6億投下してもらって、差し引き2.7億円の価値を国庫に返納しているのと同じ計算になります。
最近は、障害福祉を株式会社で行っているところが増えましたが、(まあ当社もそうなのですが…)、時々新聞を見ても、ネットの発言を見ても「社会貢献もしていてカネも稼いで良い事業だね」という論調を見ます。
でも当社のように定員を大きく超える数を就職させない限り、実はその事業単体としては税金をやはり食っていることにはかわりないです。当社の計算式では、定員×60%(つまり1拠点あたり12人)で就職させても、まだ社会的には赤字です。
そもそも単体だけで見るのはややおこがましい(一人就職するのに就労移行支援だけが偉いわけではないです。相談支援期間や地域の福祉機関、若者支援機関ハローワーク、学校やもちろんご家庭などが力になっているので…)ですが、本当にその事業って社会全体に価値があるのかなというのは、出来る限り事実で語るような必要があると思っています。
そうそう、創業以来は10億円の価値を国庫に返している計算になりました。それなりの部分が法人税なのですけれどもね・・・。

ウェブサイトにも新しい数字を既にアップしました。会社概要のページです。
https://corp.kaien-lab.com/company/profile
明日の本ブログで触れるであろう障害児の支援の話題です。今は1兆円を超えた障害福祉の中でも20%を占めるほど大きな予算になっているのが放課後等デイサービスです。当社もTEENSというサービスを6拠点(来年早々7拠点目が出来ます)で運営していて、それなりの税金を投入いただいています。
放デイは発達の傾向のある子どもたちのまだ10%ぐらいしか使っていないと言われていますが、それでも数千億円が使われているわけです。いったい全員が使ったらどうなってしまうのか…。トホホという感じの制度です。放課後等デイサービスが、どういう価値を社会に与えているのか、本当に数千億円の価値があるのかというのは、これからきちんと検証されないといけないでしょう。
実際⑥であげた当社の社会的価値には、障害児支援の部門はコストとしてしか入れられていません。当社全体で見るとそれでも3億円近い価値を出せているのですが、それは就労部分が非常に強いからです。児童の部分の価値が可視化されるとより価値を社会に還元できていることになりますし、可視化しないと公共事業としては潰されかねない運命になってしまう気がしています。
今年当社は「Kaien発達総合研究所」というシンクタンクをささやかながら立ち上げましたので、こういうところできちんと政策提言なり、社会発信なりをしていかないと行けないなと思います。色々と暗いことも書きましたが放デイには意味があると思って当社もしています。具体的にはTEENSのお仕事体験や学習支援は、将来に向けてきちんと価値を生み出していると思いますので、なんとか見える化して、多くの人にわかりやすい結果を出さないといけません。
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【参考】Kaien発達総合研究所を開所 発達障害の可能性・長所を信じるシンクタンク
最後まで駄文にお付き合い頂きありがとうございました。会社が寝静まっている年末年始の間にまだまだ幾つか記事をあげていきますので、お時間あれば引き続きおつきあいください。
予定している記事は「2018年 発達障害を取り巻く教育・福祉・雇用の問題」をシリーズで分析?していこうと思っています。ラインナップは、☆放デイの今後/福祉と学校の連携 ☆発達障害学生の支援 全国へ ☆新制度 就労定着支援事業とは? ☆障害者雇用率が2.2%へ 精神障害者をどう活かすか? ☆増える発達障害専門の支援機関 何が起きているのか? ☆その他 当社話題 です。
本日は株主総会でした。第9期になります。無事終了しました。色々と学びがありました。次回は10回目。よく練った総会にしたいと思います。
株主総会で、教育事業部の執行役員である飯島(会社情報、インタビュー懸け橋)が取締役に選出されました。取締役はこれで常勤3人態勢となります。
【参考】会社情報>会社概要
【参考】インタビュー「懸け橋」 発達障害愛 発達障害オタクトーク ~放課後等デイ・TEENSの現状と今後~ 第1回
そしてその飯島もメンバーとなる「Kaien発達総合研究所」を開所しました。障害者雇用率の上昇、就労移行支援事業
の競争激化と制度改正、放課後等デイサービス
のルール厳格化などあり、日々の運営で手一杯ではありますが…。当社の原点である、パイオニア精神を忘れず、発達障害の長所を活かした何かを創り出すことが目標です。発達障害とビジネス、そしてシンクタンクを一緒にした場になれば良いなと思っています。
決してキテレツなことをしたいわけではありません。本気で発達障害の可能性・長所を信じたサービス・商品ができないかという感じです。よくわからないけれども面白そうという方はぜひご連絡ください。まだ何も対外的には始まっておりませんが…だからこそ動ける余地はたくさんございます。 Kaien発達総合研究所 → https://corp.kaien-lab.com/research/research
他にもコーポレートサイトを少し修正しています。特にフランチャイズ/パートナーシップ、メディア/講演のところとなります。引き続きよろしくお願いいたします。

今年7月に合同出版から刊行させていただいた『発達障害の子のためのハローワーク』。ご好評をいただき、出版半年を待たずに第3刷と相成りました。

図書館での購入も増えそうとのことで、より多くの方に読んでいただけることとなりそうです。なお、Amazonのサイトは在庫切れのことが多いため、そのような際は合同出版社のサイトからご購入ください。
2012年5月に始まった当社の就労移行支援。今月(2017年12月)、利用者総数が1,000人を突破しました。現在160人ほどが利用されていますので修了したのは850人弱。そのうち700人以上が就職されたことになります。
Kaienの創業直後はハローワークの人ですら「発達障害は障害の中でも最も就職させづらいから、特化した支援機関は作らないほうが良い」と言われるほど風当たりが強かったです。思考模索して最初の就労移行支援事業所を秋葉原にオープンさせるまでは創業後3年の月日が経っています。お陰様で以来満員の状態が続き、ニーズに応える形で現在7拠点にまで広がっています。2017年現在、発達障害支援の専業を名乗る業者もそこかしこに出てきて隔世の感があります。NHKも連続して特集を組んでくれていて社会の認知度も高まっています。当社もフロンティア・スピリッツを失わず、良質の人材を輩出することで発達障害の魅力を世の中に発信し続けたいと思います。
上述の通りこの5年で、いわゆる競合他社が大変に増えました。当社ものんびりとしていられません。1,000人の支援を節目に現在『1000人アンケート』を実施中です。回収を始めて数日ですが既に25%ぐらいの回答率となっています。ロイヤルティが高いなと我ながら思います。
1,000人を機にアンケートやその他業界内の数字などから当社の就労移行の特徴を眺めます。
大手の同業他社に比べると、就労移行支援事業所の数は圧倒的に少ないですし、地域も関東に限定されています。

ただし就職率は100%を優に上回っています。この数字は就労移行支援の定員(通常20人)のうち、1年間で何人就職するかという比率で、業界でよく用いられる数字です。全国平均は20%程度(この数字だけは全国平均が出ています。)。同業他社でも公表数字を見ると50~70%台と思われます。そんな中でKaienは130%を大きく超える数値です。100%を超えるのは、一拠点あたり定員を上回る30~40人が1年間に就職していくからです。つまり人がどんどん入れ替わるほど就職までのスピードが速いということになります。

実際「商品回転率」と言われる計算法を応用して推定値を出すと就職までの利用月数は当社の場合は同業他社の1/2から1/3と圧倒的に短期に就職していることがわかります。

(なおこの数字は利用途中でドロップ・アウトしてしまう数字を各社が公表していないため、Kaien以外はあくまで推計ですのでその点ご認識おきください。が、同業他社の利用月数の推計数字はドロップ・アウトが0~10%と低めに推定した時の数字であり、もし就職までの月数がより短い場合は、今度はドロップ・アウト率が高いという事になってしまいますので、やはり支援の目的からはよろしくない結論にはなります。)
ではKaienは強引に就職させているのかというと、以下の数字を見ていただければ分かる通り、そうではありません。就職して半年経った時の離職率は当社出身者は5%を割りますが、同業他社の公表数字はその4~6倍の数字となっており、丁寧さでも当社に分があることがわかります。
なお、ドロップ・アウト率や就職後の給与などのデータについては、当社以外はほとんど公表しておらず比較すら出来ません。
これだけ圧倒的な結果を残しているのですが、運営者が受け取る報酬は同業他社とほぼ一緒。厚労省の仕組みの上で公費を受け取っているため、ルール通りといえばそれまでなのですが。。。利用者集めも他社の数倍は努力しないといけないので、なんだか正直者が馬鹿を見るというか、一生懸命支援をしたほうが損をするような気がしますが、今後もすべきことをしっかりとしていきたいと思います。でもここ最近、スタッフの頑張りに報いるためにも厚労省や政治家に少しお願いをしたほうが良いのかなと思うこと然りです。
うまく行っていると色々言われます。そもそも利用者を選別しているのではということとか、厳しいからこれだけの結果が出ているのではということです。もちろん安全な運営のため、情緒が安定せずグループワークなどで他者を脅かすような言動をされる方はお断りせざるを得ないですのでそういった条件はつけますが最小限ですし、利用者に厳しいというよりもスタッフについて厳しいという点では認めざるをえないですが、見学に訪れた行政、医療、福祉関係者からも、結果を求めすぎだ(つまり雑さが見られる)などと言われたことは一度もありません。
むしろ他の支援機関とは支援の方針やプログラムの内容、コンタクト(やり取り)の回数などが全く違うと言われておりいい意味での違いはあると思っています。それもこれも良い支援をしたい、妥協しないスタッフ教育についてこらえる社員がいるからなのでしょう。魔法はなく、やはり当たり前を、迅速に、いつもとできるかということだと思います。
数ある支援機関の中から当社を選んでくれるのは、一番ご本人を考えてくれているご家族や、専門的な知識を持って冷静に判断してくれる医療機関/行政機関/福祉機関であることが、「1000人アンケート」の一次まとめから分かってきました。

最後にビフォー・アフター。1000人アンケートの最終集計では正社員や給与などの細かな情報も公開予定ですが、ざっくりと仕事についていなかった人が仕事につくようになり、より安定した身分に移っていっていることがお分かりいただけると思います。

利用直前はみなさん仕事がない状態ではないか、と思われる方もいると思います。確かにその通りです。ただし上の数字は、「直前」ではなく「概ね利用の1年前の状況」を伺っています。

障害のある子への支援としてキャリア教育が注目され始めました。すでに5年にわたって「お仕事体験」のプログラムを小中高生向けに提供している当社の子ども向け事業「TEENS」がとりあげられています。


年単位で考えていたのですが、考えに考えた割にはただ単に煮詰まるだけだったので、関西にもう一つ会社を興すつもりでやらないといけないのだろうなと考えて、求人を出しました。フィットする人がいない場合は僕が関西に住むかもなという感じです。
”エリア拡大”以外にもすべきこと(パイプラインやよちよち歩きのサービス)が多いので、首都圏に後ろ髪を引かれる思いでの船出です。あまり力まずに焦らずに出会いを求めていきます。
ゼロからと言うと言いすぎかもしれません。でも首都圏で今行っているサービスの延長線上とは必ずしも限らない感じでサービスを作るぐらいの気持ちで考えないと、と思っています。起業的な体験をしたい方に来ていただきたいです。ぜひ関西の皆様、お力・お知恵をお貸し下さい。
※その他、首都圏のフルタイム(ブリッジコンサルタント/サービス管理責任者、エイブルシーカー/児童発達支援管理責任者、エンジニア)は募集中ですし、講師(60歳以上歓迎!)は川崎で現在急募です。

来春(2018年4月)入社予定の新卒7名。ほとんどがTEENSのインターンを経て、当社に入社を希望した学生たちです。今回の懸け橋では先ごろ開催した内定イベントの様子をお送りします。
菅原:都留文科大学文学部比較文化学科 TEENS新宿で指導員として勤務
岸:中央大学文学部人文社会学科心理学専攻 TEENS三鷹で指導員として勤務
出納:中央大学文学部人文社会学科心理学専攻4年 TEENS三鷹で指導員として勤務
田中:立正大学心理学部臨床心理学科4年 TEENS川崎で指導員として勤務
谷口:慶應義塾大学総合政策学部4年 TEENS新宿で指導員として勤務
石下:筑波大学大学院人間総合科学研究科博士前期課程2年 TEENS新宿で指導員として勤務
杉本:新潟大学理学部自然環境科学科4年
飯島:教育事業担当 執行役員
鈴木:代表取締役
飯島)それでは2018年度の入社内定式を始めます。こういうイベントは実は当社では初めてです。昨年まで新卒入社は1~2名でしたが、来春はたくさん入社頂けることになったので、せっかくだからこういう機会を設けさせていただきました。よろしくおねがいします。
一同)おねがいします。
鈴木)では、まずは今日の「全員集合」(注:フルタイムスタッフが全員集まり、会社の中長期的な課題をテーマに話し合う場で月1回実施している。この会は内定式の直前に開催していた。)の感想から聞きましょうか?
田中)出席するのは、今回で3回目です。いつも特に事前共有なく参加しているので、どんな状況なのか飲み込みだけで精一杯だったりします。
谷口)私はこれまで何回か参加してます。その時々で取り上げるテーマにもよるのですが一番最初に参加した時に強く感じたのは距離感が近いということでしたね。
鈴木)スタッフ間の?
谷口)鈴木さんとの、ですね。鈴木さんと社員の間にちゃんと対話があるということを感じて、なんというか、スタッフそれぞれが皆、正直に自分の意見を言うんだなと驚きました。
菅原) 私も前回から参加していて、今回2回目の参加です。社長など偉い人だけが話すのではなくて、スタッフのみんなが感じたことを発言している。本当に全員参加の場だということを感じました。
鈴木)そもそも、なぜインターンを募集し始めたか、知っている人はいますか?
理由のひとつに学習支援では福祉にどっぷり使ったフルタイムスタッフが子どもたちに勉強を教えるより、学生の皆さんにお願いしたほうが良い場面というのはあります。ときに高校・数学を教えたりしなくてはいけないときもありますからね。それからまっすぐいうと、人件費の面でインターンの方が安上がりということももちろんあります。
でももともとはTeach For Americaに影響を受けたんです。皆さんはTeach For Americaって知っていますか?アメリカでは公立高校がほとんど機能していないので、就職前のエリート大学生を派遣して大学生に立て直してもらう。それがTeach For Americaのプログラムです。
22~25歳ぐらいの若い人たちが2年間必死の思いで崩壊寸前の学校を立て直し、その後、行政なり企業に就職する。立て直した経験を彼らのその後の人生で発信する媒体になってもらう、いわばミッショナリーですね。そうすれば教育や福祉にとどまらずより広い世界に発信ができる。
当社の柱は3つあって短くまとめると、①発達障害の人たちの力の底上げをすること ②底上げされた力を企業に理解してもらうこと ③その状況を社会に広く発信することです。その中でも③の発信はテレビなどメディアとかを想起する人が多いと思うけれど、一番効果があると僕が思っているのは、現場の状況を理解した人がミッショナリーとして広めることだと思っています。その意味でここに今参加している内定者は4月から当社に入社するわけだから、ミッショナリーの趣旨には反していますけどね…。うちに来ちゃいけないのかもしれない。
一同)笑
飯島)趣旨に反してますね…。ちゃんと続きがありますよね?
鈴木)うん。まだ少ないけれどこれまで既に新卒でうちに入った社員が活躍してくれていて、成功例がでてきているというのが大きい。そういう人を育てることも社会に発信する上でもちろん必要ですね。
鈴木)ところで、皆さんは何歳まで働くつもりですか?
杉本)ここでですか?
鈴木)いや、人生で。みなさん世代は年金が出るのが70歳からだとして、あと50年は働くわけですよね。じゃあうちの会社が50年持つかというと…。
飯島)内定式なのに、なんだかすごい内容になってきましたね..。
一同)笑
鈴木)正直に言うと持たない可能性が高い。本当にそんなもんですよ。だいたい会社って3年以上存続する方が稀なんです。Amazon創業者のジェフ・ベゾスですら「Amazonもそのうちなくなるかもしれないね」とか言っていてたぶんそれは本心なんですよね。なのでKaienもそのうちなくなるかもしれない。だから結局は外にでる可能性は十分にあると思っています。なのでうちにあまり過剰適応しないことが大切です。
一方でKaienは9月18日で8周年。8年間で培った何らかの良いものがこの組織に存在しているのも確かですよね。皆さんは職業人として当社の良いところを学びつつ、職業人としてひとり立ちできるようなくらいの時間軸で働いて欲しいと思っています。そういう会社が結局は強いんですよ。卒業生がばんばん活躍するような会社ですね。例えば日本だと、リクルート、マッキンゼーさんですよね。
もしかしたら70歳までKaienで続く人もいるかもしれないし、5年なのかもしれない。多くのスタッフにとって自分の人生のMAXの時期が当社で働いているタイミングと上手に重なっている期間がどのくらいかによって勤続年数は変わるでしょう。いずれにせよ職業人として基礎を固めてほしいですね。

鈴木)もうひとつだけ。それから会社は「なまもの」です。皆さんはその有機体のひとつの構成要素ですね。何を言っているかというと、絵の具が混ざり重るようなイメージかな。もとの絵の具の色に染まろうと思っても染まり切れない部分もあるだろうし、むしろよりよい色にすることになることだってできる。だからより良い色になるようなエネルギーのインプットはぜひしてほしいと思っています。
そうやって組織を変えるという経験というのがまた次に活きるのではないかと思んですよね。じゃあ僕は前職(NHK)で変えたかって?いや・・・変えていないね。(笑)
飯島)大きすぎる組織はなかなか難しいですよね。
鈴木)でも当社は規模的にちょうど変えやすいサイズだとは思いますね。もう一つ。採用基準をお伝えしておくと、当社では「おもしろいキャラかどうか」が重要です。キャラ立ちしているしているかどうかね。
一同)笑
鈴木)「え!?私は面白い?」って、気になりますか?少なくとも当社に採用されたということは、何らかのキャラクターが確立されているということ。つまり他の絵の具とは重ならない色を持っているということです。それを上手に出して言ってほしいなと思いますね。
僕からは以上です。飯島さんからはなにかありますか?
飯島)そうですね。私の感覚としては、新卒の人と一緒に働くのってすごく楽しいんですよね。みなさん、インターンの期間を経て入社しているおかげか、会社のこと理解して、ここで働く意味を見出した状態でスタートできていますし。情熱をもって働いてくれているのがよくわかります。
なので今年は新卒の方を多くとりたいな、という気持ちは強かったです。その中でこんなに集まってくれたのはうれしいことですし、鈴木さんは羽ばたきなさいっておっしゃっていますが、私としてはできるだけ長く働いてほしいです。
わたしからひとつお願いは、残り少ない学生生活なので、有意義に使ってほしいと思います。インターンにはいってもらえるのもありがたいですが、そこだけにならないように。旅行でもなんでもいいんですけど、4月までのエネルギーをためる期間にしてほしいなと思います。
飯島)ではここからは内定者のみなさんとのお話にしましょうか。
鈴木)皆さんには「10年後のあなたへ」というテーマで話してもらいましょうか。菅原さんからどうぞ。
菅原)私がどういうことをしていたいかというよりは、「どんな社会に生きていたいか」でもいいですか?
鈴木)すごいね、もちろんどうぞ。
菅原)私はそもそもこのKaienという会社の理念にとても共感してここに来たので、発達障害の人に限らず今まで理解を得られていなかった人が上手に働けたり、生きていけるということに社会のみんなが気がついている状態。だから世の中に生きにくいと感じる人が少ないような社会に生きていたいという気持ちがあります。
飯島)立派すぎる回答ですね。ちょっと次の人が話しづらいレベルですが…。次は、岸さん。
岸)うーん。何か熱中できるものを見つけたい。それに向かって頑張ったりしたいなぁと思っています。ざっくりですけど。
鈴木)僕も岸さんと同じ年ぐらいのときそうだったと思う。22歳の時。確かに。何をやってもつまらなかったぁ。…なるほど。
出納)10年後の自分にですよね。私生活でいえば、結婚と出産をしていて欲しい。でも仕事をやめたいという気持ちはなくて。生きがいの一つとして仕事を楽しみたいと思っていて。それがKaienであっても、もしかしたらKaienから出てしまったとしても。漠然としているけれども仕事って楽しいというか、やりがいに感じる何かがあれば良いなぁと思います。
飯島)出納さんらしい答えですね。自分のキャラクターを分かっている!
田中)私の10年後ですよね。まず、漠然としていていますが、組織でも人なんでもいいんですど、ひっぱっていきたいなということ。自己覚知も弱いし、自分のこと薄っぺらいと感じていて、自己を確立する意味で、組織の上の方に行きたいです。
鈴木)自分が薄っぺらいから上の方に立ちたいという考えをもう少し聞きたいです。
田中)上に立つ人ってキャラクターがすごく濃いっていうイメージがあって、そういうのにあこがれています。自分は周りにあわせてしまうというか、適応するタイプなので…。それでもいいのかもしれませんけど、自分はキャラの色付けをしたくて。その結果として、目に見える役職につければいいなぁって。
鈴木)自己成長をするという一つの形ですね。

石下)僕は朝起きて、ポストに新聞を取りに行って。コーヒーをいれて飲みながら新聞を読むという生活を送っていたいです。そしてお休みの日はちゃんとお出かけしたい。
鈴木)何になりたいというより、あるべき状態をイメージしているということだと思うけど、そういうのが一番強いんだよね。
谷口)私は最初ここに入社すると決めたときは10年は続けたいって思っていました。10年続けるというのがまずあって、何をするかはそれほど重要ではないです。
なんで10年かというと、それが何であろうと10年前より全然違う景色が見えるし、成長とはちょっと違うと思うんですが、10年続けると違うというのを今までも経験から感じていたので。目的は職人になること。この会社で働くのは手段です。だからもしかしたら、将来その手段にあたる部分が変わっているかもしれない。その10年後会社があって、手段が自分にあっていればこの会社にいるという、、、10年後、私は31歳ですね。
鈴木)特に職人になりたいというのはそうだよね。何かを極めるには一万時間が必要と言われていますよね。四六時中していたら3年、4年で1万時間に達するけれども、普通に働くなら5年以上かかるから10年というのは納得です。
杉本)私も漠然としているのですが、貪欲に刺激を求めて居続けられる環境にいられたらなぁというのがあります。刺激があたっら楽しいだろうなって。物こと全ては人が運んでくるものという考えを私は持っていて、周りの人が楽しくしている雰囲気があれば、それでいいかなって思っています。
鈴木)確かに刺激があり、かつ周りがニコニコしているような職場になったら最高ですね。
飯島)そうですね。皆さんからいろいろなお話を伺うことが出来ました。それではこのあたりで内定イベントは一旦お開きにしましょう。ありがとうございました。
インターン採用説明会を開催。心理・教育系の大学院生を特に歓迎します。
社会性を学ぶことのできる個性にあわせた放課後等デイサービスの事例として当社が展開するTEENS(ティーンズ)が日本経済新聞にとりあげられました。
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社会性を学ぶことのできる個性にあわせた放課後等デイサービスの事例として当社が展開するTEENS(ティーンズ)が日本経済新聞にとりあげられました。
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