採用情報

精神科 2月号に掲載 「発達障害の就労移行支援事業」

当社について。まずは利用説明会にお越しください。採用情報も下記から。

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科学評論社から発行されている「月刊 精神科」の最新号に論文が掲載されました。

発達障害の就労移行支援事業というタイトルで僕が執筆しました。

目次としては

□就労移行支援事業とは
1 障害者総合支援法に基づく制度
2 利用者数・事業所数
3 発達障害者と就労移行支援

□就労移行支援の類似機関
1 特別支援学校
2 就労継続支援A型・B型
3 公共職業訓練
4 障害者職業センター

□就労移行支援を利用する発達障害者の概要
1 年齢別
2 性別
3 診断名別
4 前職の有無と給与
5 ケース

□プログラムの目的と内容
1 目的
2 プログラム内容
3 支援者に求められるもの

□限界・課題

となっています。

科学評論社のウェブサイト(http://www.kahyo.com/category/A1-SESN)ではまだ写真がアップされていないですが、まもなく購入手続きができると思いますので、ぜひご一読ください。

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月刊 精神科 特集『精神疾患と就労』第28巻第2号

  • 掲載日:2016年2月
  • 発行元:科学評論社
  • URL:http://www.kahyo.com/category/A1-SESNblank_blue
  • 内容:2016年2月発行の科学評論社。(発達障害を含む)精神疾患と就労が特集となっています。当社代表・鈴木が「発達障害の就労移行支援事業」を寄稿したほか、昭和大学発達障害医療研究所の医師や東京と発達障害者支援センターの支援員による論文など、発達障害と就労支援に関する話題が掲載されています。

大人の学習障害についてまとめました

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1月も終わります。会社がちょうど踊り場に差し掛かり、このままそれなりに安定させるのか、大志を抱いて上へ進むのか、悩み始めていますが、悩んでいても仕方ないので、コツコツ今できる仕事をしようということで日曜日の夜、余った時間をウェブサイトの編集に回しました。

Kaien > 発達障害とは> LD(学習障害)
http://www.kaien-lab.com/aboutdd/ld/

子どもの学習障害については、当社の小中高生向けの放課後等デイサービス「TEENS」で、当社スタッフが素晴らしい記事を書いているので見てください。

TEENS > 子どもの発達障害 > LD(学習障害)
http://www.teensmoon.com/pdd/ld/

子どもの学習障害と違い、大人の学習障害はとても難しい概念です。ドクターによって、「発達障害 > 学習障害」の人もいれば、「学習障害 > 発達障害」 とより学習障害を広義にとる人もいいたりで、結構混乱する概念と言えます。「学習障害 > 発達障害」 とまでではないにせよ、「学習障害 > ADHD・ASD 」 という超有名なドクターもいらっしゃいますので、もうなんだかわかりません。。。

大人になるとLDは、ASDやADHDよりも、より見えづらい特徴になりますので、ウェブサイトでどのように表現すればよいのか、半年ほど悩んでいました。。。なのでそんなに自信があるものでもないのですが、とりあえず今文章に出来る部分はしてみましたので、ぜひご一読ください。一応、数千人に合ったうえで大人のLDとはこういう感じかなという当社の見立てです。

子どもの学習障害は良く言われますが、大人にも違う意味で学習の苦手さを持っている人がいるんだよというのが伝わり、またそういう人でも上手に活用すれば組織としてプラスになるよというのがわかってもらえればと思います。以下再掲です。

Kaien > 発達障害とは> LD(学習障害)
http://www.kaien-lab.com/aboutdd/ld/

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採用活動を通じて思うこと なぜ学生インターンが必要なのか?

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当社は20歳から70歳まで約120人が働いています。が、全職種で人が足りていません。

これまで1000人を優に超える方から働きたい!と応募を受けてきています。なので選考はそれなりに厳しく行っているとは思うのですが、もっともっと当社で働きたい、発達障害の人の良さを世の中で届けたい、という方が出てきてほしいと思っています。

特に年々一定数が入れ替わる学生インターン(報酬型のキャリアバイトという感じでしょうか)は、人が足りず結構大変です。このため、当社ウェブサイトだけでなく、Wantedlyとかで告知したり、NPO法人のADDSさんと一緒に採用イベントを組んだりしています。それでもまだまだです。

まだケツの青い大学生・大学院生に、発達障害の人のサポートができるのかと思う人もいるでしょう。でも、支援ってチームで行うと良いのです。いわゆる専門家だけではダメです。

インターンのほぼ全員が働く当社のTEENSという小中高生向けのサービスでは、学習支援が大きな柱になっています。学習支援の時に必要なのは学校での記憶が新しい学生の力。いくら臨床心理士だろうが、精神保健福祉士だろうが、福祉の現場で10年20年働いていようが、発達障害のことがわかったとしてもいざ勉強となると数十年前のことを思い起こす必要があって単純な算数でも結構教え方に苦戦したりします。

発達障害の専門性と勉強を教えるという力、フルタイムのスタッフと学生インターンのそれぞれの得意なところをブレンドして、(つまり完全に分業するのではなく、当社ならではの方法で現場で二つの力を混ぜ合わせて)現場で支援をして初めてTEENSが成り立つわけです。なのでやっぱり学生にもいてもらわないと困ります。

もちろん、ちょうどよいぐらいに年齢が離れたお兄さんお姉さんという点も重要です。離れすぎているとやっぱり言いづらいこともありますし、懐に飛び込みにくい瞬間もあります。どうしても上下関係になってしまったりもします。そういう時、学生のコマを持っている組織のほうが強い訳です。

専門家だけで解決しているならば、もう発達障害の課題って解決しているはずなんです。医者も福祉関係者もたくさーん人数いますから。学会も多いですし。でも解決していない。それはやはり専門家に加えて、問題解決のためには様々な匠が集まる必要があって、その一つのパーツが実は学生なのです。しかもインターンの一人という扱いではなく、出来る限りAさん、Bさんという個性を支援で出してほしいと思っています。

ベンチャーというのは、同じようなタイプの人を集めたほうが、濃度が高くなり、一点突破しやすいと思いますが、当社はなるべく多様性のある人材を集めるように意識しています。あまりにも「当社っぽいな」という人はなるべく採用せず、超重要な軸さえ一致していれば、「え、この人を」という人にできれば来てほしいです。

というわけで、発達障害を理解する側面からも、組織やベンチャー企業を理解する側面からも、当社でのインターンはかなり学びはあると思うので、ぜひ来てほしいと思います。

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仕事は能力や技能を社会に還元する手段 ~私とKaien 第3話~

『私とKaien』は当社の就労移行支援を利用していた訓練修了生や、ガクプロやTEENSをご利用中のお子様を持つご家族など、Kaienと一緒に発達障害の魅力を世の中に広げていただいている方々へのインタビューシリーズです。第3回は、大学卒業と同時に就労支援を利用し、ソフトウェア開発企業に就職、現在も順調に勤続している金子さんにお話を伺いました。

仕事は能力や技能を社会に還元する手段

アルバイト応募もできなかった学生時代

 もともと初対面の方と話すのが得意でないのに加え、自己アピールをするのにも、とにかく自分に自信がありませんでした。アルバイトを含めて仕事というものを、かなり難しいことだと考えていたのです。電話は対面以上に苦手で、知らない人に電話をするとなるとアルバイトでも応募もできない状態でした(笑)。

 発達障害の診断が出たのは中学3年生か高校1年生のころ。診断名は広汎性発達障害でした。苦手さが表面化したのは高校のときです。単位制高校に通っていたのですが、卒業に必要な体育の単位が出席不足で、なかなか単位が取れませんでした。片道一時間超の通学時間に体育着という大きい荷物が加わるのが負担で。体育の授業に出なくてもよいから見学してレポートだけでもということになったのですが、今度はレポートに自由記述欄があって何を書いていいのか分からない。完璧主義だったので体育の出席率が足りなくなると他の科目も億劫になってしまい、高校は卒業まで5年かかりました。

 高校卒業に年数がかかった分、大学は気を引き締めて通いました。ストレートで卒業しましたが、大学では発達障害の苦手さが就活で再び顕在化することになりました。就活中の面接では、「うちではこの程度のことしかできませんが」と言われて、「私は能力が低いので問題ありません」と答えてしまったことも(笑)。就職に備えて法律や会計など勉強して資格も取ったのですが、面接官役の方に「資格取った“だけ”?」と言われたこともありました。それから面接がより怖くなってしまいました。

 初めは一般枠で約10社応募しました。一般枠をまず受けたのは、障害者枠だと生活できるほどの賃金はいただけないという話を信じていたからです。しかし一般枠で内定は出ず、心療内科の主治医の先生に相談。「最低限生活できるくらいのお給料はもらえるでしょう」と後押しいただき、地域の障害者支援センターにお世話になりながら、障害者枠の応募へ舵を切りました。

 しかし20~30社受けたにも関わらず障害者枠でも決まらずでした。このまま就活を続けてもなかなか決まらないだろうと思われました。そんな時インターネットでしったKaienに2011年4月から通い始めました。今でこそ発達障害の支援機関は増えましたが、当時、専門的な知見を持っていたのはKaienくらいだったと思います。

Kaienで自信がついた理由

 初対面の人に囲まれ緊張しながら、かつ就職がいつまでもできないのではないかという不安の中でスタートしたのですが、意外にもKaienの訓練は楽しかったです。会計帳簿など経理関係や、ソフトウェアの動作テスト、データ分析と、その傾向を資料にまとめてのプレゼンなどでした。

 私の通っていたころのKaienは麻布十番のマンションの一室を借りた小さなもの。鈴木さん(Kaien代表の鈴木慶太を指す)が常駐していて、訓練が終わった後はくだけて雑談をしましたね。訓練中の鈴木さんは淡々としてビジネスライク。一番覚えているのは面接練習です。何か言われても、割と適格だし、ぐさりとはこない。「遠慮なくものを言う」鈴木さんの存在は、緊張感を保つための、悪くないプレッシャーになりました。

 訓練で得た何より大きな変化は、自信がついたことです。同期の訓練生には就業経験のある方が多かったのですが、そうした方や、講師からも「できるね」と言ってもらえました。大学在学中にも、事務補助のインターンで悪くない評価をいただいたことがありました。でも2週間だけの勤務に来てくれた「お客さま」への、挨拶がわりの評価なのだろうと。自分への評価に慎重すぎて、穿って受け止めてしまっていました。しかしKaienではある程度長い期間を通じて評価をいただけた。それと今までと違ってマイナスのこともプラスの事も言われるので、お世辞でなく評価されているということに確信が持てたんです。うれしかったし、働くことのハードルが下りてきました。

 そうして就活を再開。といっても、受けたのはKaienから紹介された1社のみです。大手企業向けのプログラム開発で知られる会社に就職して、今も働いています。2011年7月に入社して、4年半が経ちました。

ブリーフケース
長い通勤時間を有効活用するための相棒が、ポーターのブリーフケース。東洋経済ほかの雑誌のほか、検定試験が近い時期はテキストを持ち運ぶ。

働く喜びを感じる現職

 現在の会社ですが、業種というよりは職種に惹かれました。業務内容は法律関係の資料整理の補助と、顧客に提出する書類の添削です。この会社なら経理や会計の知識が多少足しになるだろうとの、鈴木さんの見立てもありました。課題の自己アピールですが、一次面接は記述形式だったと思います。緊張しましたが、口頭で答えるよりは楽でした。二次面接では、Kaienの面接練習が生きたのでしょうか。現場担当者と話したのですが、システム開発業務全般に興味があって志望したことと、在学中、人手不足で引きこまれた文化会の業務を二年務めたことなどを話したと記憶しています。

 2年目からは、社内ツールの開発部門へ異動。初めの仕事から離れてしまいましたが、やりがいはあります。社員の作業を効率化させて、顧客に販売する商品の開発やサービスの効率化を支えています。社員向けのツールなので花形ではありませんが、必要なものです。この担当チームでは、自分が一番の古株になりました。使い方などの問い合わせも多いです。リーダー、というより、番頭のような役回りでしょうか。

 仕事は私にとって、教育や人生経験を通じて培わせていただいた能力や技能を、できる限り出し惜しみせずに社会に還元していくための手段。自分の作った社内ツールが、社内の人を助けて、顧客が良いサービスを受けられることは喜びです。この指針は働き始める前も今も変わってはいないと思います。実際に働いてみると、昔は働くということのハードルを、高く見積もりすぎていたなとも思います。

いつでも頼れる存在としてのKaien

 仕事帰りに赤くライトアップされた東京タワーを見ながら芝公園沿いを歩くと、今日も頑張ったなと、心地よい疲れを感じます。休日にはたまに一人カラオケへ。カラオケボックスを見かけてふらっと入るパターンです。最近はよく、花梨エンターテイメントさんの乙女ゲームの主題歌を歌います。

 そういえば、いま、鈴木さんやスタッフの方に会うことは久しくありませんね。忙しくて、気付くと時間が経ってしまっています。でも社長ブログやスタッフブログは読んでいますよ。サービス内容や会社の規模が変わりましたし、ブログやニュースの内容も変わっていきますけれど、雰囲気は当時からさして変わりませんので、創業時から志は一貫しているのかな、と思うところです。

 仮に今後、今の仕事で悩んだり、転職を考えることがあれば再びKaienにお世話になるでしょう。何か相談するにしても、すでに一度つながりがあるので、新しい相談先に行くよりハードルも低いですし(笑)。新しい所へのアプローチは、学生のころに比べてかなり慣れたとは思いますが、やはり少し苦手で……。私にとってKaienは、頼れる就活ツールです。会社が大きくなっていくのを見るのが楽しくて、相談が必要になればいつでも行ける、と思うと安心します。

東京タワー
会社は都心に位置。たまに帰りがてら、東京タワーを見ながら芝公園内を歩く。

(取材 2016年1月)

金子翼さん:29歳・男性。2011年春の大学卒業と同時にKaienに入所。3カ月後にプログラム開発の会社に障害者枠で就職、現在に至る。

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Kaien新宿とガクプロ新宿 新オフィスへ引っ越し決定

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今のオフィスが手狭になった理由やそのほか大人の事情がありまして、新宿に3つ目のオフィスを借りることになりました。昨日契約してきました。当社としては10か所目の事業所になります。せっかく広くなるので、有効にスペースを活用していきたいと思います。

■現在

  • Kaien新宿(就労移行支援) ・・・ 新宿アイランドアネックス2階(西新宿6丁目)
  • 相談支援事業所Kaien新宿 ・・・ 新宿アイランドアネックス2階(西新宿6丁目) 
  • TEENS新宿(放課後等デイサービス) ・・・ 新宿アイランドアネックス2階(西新宿6丁目)
  • ガクプロ新宿 ・・・ ニッパンビル4階(西新宿7丁目)
  • 事務拠点 ・・・ ニッパンビル4階(西新宿7丁目)

■2月中旬ごろから

  • Kaien新宿(就労移行支援) ・・・ 西新宿ビル5階(西新宿7丁目)
  • 相談支援事業所Kaien新宿 ・・・ 新宿アイランドアネックス2階(西新宿6丁目) 
  • TEENS新宿(放課後等デイサービス) ・・・ 新宿アイランドアネックス2階(西新宿6丁目)
  • ガクプロ新宿 ・・・  西新宿ビル5階(西新宿7丁目)
  • 事務拠点 ・・・ ニッパンビル4階(西新宿7丁目)
つまり、就労移行支援とガクプロが西新宿ビルというビルに引っ越す予定です。

新宿駅西口を出て、北の方向(大久保や新大久保の方向)に徒歩約10分です。BOOK-OFFが1階にあるので間違えにくいと思います。

窓が多く、広々としています。特に今ガクプロは秋葉原の本部に通う人が多いですが、今回新宿でも同じぐらいの人数を受け入れられるスペースになりますので、積極的に集客していきたいと思います。僕もしばらく新宿にいる時間が長くなると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

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新時代の障害者雇用 powered by 発達障害

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昨夜はグリー社の特例子会社であるグリービジネスオペレーションズ社にお呼ばれして新年会でした。

僕の中で新年会という言葉は(九州にいるかいないかと言われている熊ほど)超珍しいです。記憶にある限り10年ぶりぐらいでしょうか。。。当社内では飲み会はほぼ存在しないですし、社外の呑み会も年に1,2度出席させていただくほど苦手なので、緊張して臨みました。

昨日の写真 グリービジネスオペレーションズ社 Facebookより

グリー社は2012年からのお付き合い。もうすぐ4年になります。つまり当社創業からまだ2年ぐらいの時から”支援”させていただいています。が、支援というと名ばかりで色々と学ばせていただいているというのが実際です。

当社支援事例より グリービジネスオペレーションズ社
http://www.kaien-lab.com/clientneeds/case_clientneeds/#gbo

グリービジネスオペレーションズ社の社長である福田さんとは今回初めてお会いしました。なんと1978年生まれとのこと。僕よりも若い30代の方が特例子会社の社長というのは皆無というぐらい珍しいのではないでしょうか。(多くの特例子会社社長は本体で成果を上げた後、50歳ぐらいで障害者雇用をしてみない!?と、キャリア最後の仕事として割り当てられることが多いため、それなりに年齢が高いケースが多いのです。) 飲み会の最後はイーロン・マスクの話題(イーロン・マスク氏が創業したSpaceXが昨年末に成功した使用済みロケットの着陸動画→こちら)が出るなど様々話題に飛びました。共通の話題があってよかったです。

実はグリビジネスオペレーションズ社では20人を超える当社修了生が働いている一方で、僕自身はオフィスを訪れたのは数回訪れた程度。具体的に知ることはここ数年あまりありませんでした。(当社と関係は続いているのですが、うちのスタッフが力を発揮してくれていましたので、僕は社員からの報告を読む程度でした。)で、わかっていた気になっていたのですが、やはり社長の福田さんと直接お話しを伺うと印象が変わるものです。僕から色々と伺いたいなと思っていたことがあったのですが、お話しの中で様々合点がいきました。

特に印象に残ったのが、親会社のグリー社の本業であるゲーム事業に関連する売り上げがかなり高いということ。巷では、障害者雇用というとバッグオフィス的(総務・人事・経理・軽作業)な仕事でほぼすべてなのですが、グリービジネスオペレーションズ社ではまったく売り上げ構成が異なるようです。つまり親会社を補完するような本業関連の仕事(ゲーム関連業務)が多いということです。これはかな~~~り珍しいです。お世辞抜きで今後の障害者雇用の先駆け事例となるような印象を持ちました。

障害者雇用というのは、安定しつつも、職域が狭いのがデメリットと思われていました。どの業種を当たっても、つまりメーカーであろうが、IT企業であろうが、人材・教育業であろうが、(障害者雇用の責任を担う)人事・労務部に近い部署であるバックオフィス的な業務を障害者枠にあてがうことが多いのが実際です。そういった仕事が切り出しやすく、実際上手に”障害者”が行える可能性が高く、リスクが少ないからです。王道なわけです。

むろん、そういった業務も重要ではありますが、20年30年と専門性を持って働けるにはやはり本業に絡んだ業務のほうが強い訳です。雇用の安定性や給与のアップなどを考えると本業に絡んだ障害者枠というのは今後ニーズが高まっていくと思われます。グリービジネスオペレーションズ社も、すでに表彰されています。

平成26年度障害者雇用職場改善好事例奨励賞受賞
http://greebusinessoperations.com/awards/

障害者雇用で非常に有名なユニクロ(ファーストリテイリング社)も、なぜ有名なのかというと、本業に絡めた店舗での雇用だからだと思います。前述のように、本業の一部を障害者雇用に組み込むのは、どの会社も理想とする障害者雇用なのですが、なかなか難しいわけです。

そんな中、若い企業であるグリー社が上手に本業に絡めた仕事を障害者雇用に充てられているというのはやはり特筆すべきことだと思うわけです。課題がゼロなわけはなく、むしろいろいろとあるわけですが、こういう次世代の障害者雇用を感じさせる事例に当社としても今後関わっていきたいなと強く思わせてもらえた夜でした。

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Kaien > NHK

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NHKに入局したのが2001年4月1日。辞めたのが2007年7月31日。その間、2313日。

Kaienを創業したのが2009年9月18日。今日は2016年1月18日で、2314日目。

つまり、ようやくKaienで働いている期間が長くなりました。Kaienでの2313日間はとても長くてNHK時代の何倍にも感じます。

NHK時代に学んだことが今どれだけ生きているか良くわかりませんが、お世話になった皆さんには感謝しています。ただしNHKアナウンサーを一つ目の職種にしてしまった、当時の自分の人生観・職業観にはほとほとため息が出ます。適当に選びすぎました。。。

自分に合っていない職種(NHKアナウンサー)と合っている職種(発達障害者の就職支援)を体験したことで、仕事選びの重要性を人生を通じて実験させていただいたようなものかもしれません。この経験から、当社のスタッフにも仕事を通じて楽しみを味わってほしいですし、当社に通う訓練生にも良い仕事に就いてもらいたいなぁと心から思うわけです。

なお、昨今のニュースを見ると、倫理観に関してはすでにだいぶ前から、Kaien >> NHK だと思いますが、今後も気を引き締めて行きたいと思います。

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発達障害と表情 申し訳なさそうな顔が難しい?

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TEENS(発達凸凹のある小中高生向けの学習支援・お仕事体験)として4か所目となるTEENS川崎がオープンして2週間。昨日から今日にかけて同じようなクレームを3件頂きました。もちろん開所直ぐはスタッフも落ち着かないし、お子様の特徴もこちらもつかめていないのでやや手探りで接するし、一方で親御さんの期待は高いし、みたいな感じでいろいろとすれ違いが起こりやすいのですが、今回は明らかに防げた凡ミスばかりでした。

というわけで、スタッフにアドバイス、というか叱ったわけです。本当は褒めて伸ばす上司になりたいですが、まあ百万回生まれ変わっても難しいと思いますので、最近は自分を受け入れることにしています。

僕は大学生になったぐらいから、あまり周囲の人に怒られることが無くなり、「大人って叱られないことなんだなぁ」となんだか寂しく感じた記憶があります。(※小さいころは、三日に一遍ぐらいのペースで親に怒られ、靴を履かされないまま、つまり裸足で、、、家の外に出された覚えがあります。今でいうと虐待だと思うのですが、、、まあ、、、それだけ性根が悪かった(過去形としたい)のでしょう。。。なので大人になってあまり怒られなくて、なんだか今の自分で本当に良いのか不安というかおぼつかない感じで不思議な気分になりました。)

で、ここ最近、叱りながらいつも感じるのが、この人、すまなさそうにするのが上手いな、つまり申し訳なさそうな表情が上手に出るタイプと、申し訳なさそうな表情が苦手なタイプがいるなぁということです。僕個人としてはあまりに申し訳なさそうな雰囲気が上手に作れ過ぎていると、それを見て、逆に怒りの燃料が溜まってしまう方なのですが、一般的に言って、申し訳ない時に、申し訳ない表情や声色が自然にできるとそれは人間生活を送っていくうえで便利なのだと思います。

困ったことに、発達障害系の人はこれが上手ではないようです。つまり、申し訳ない顔が出来ないのです。なので仕事で困るのですよね。。。

ものの本によると発達障害の人は表情の読み取りが苦手と言われますが、実際に様々に接していると、読み取り(受信)ももちろんですが、表情の表出(発信)も苦手そうなのは良くわかります。

特に表情の発信で、失敗すると困るのが「申し訳ない」顔です。これができないと仕事では結構困ります。仕事では失敗しないほうが難しいので、やっぱり申し訳ない雰囲気を出す必要は随所に出てきます。これが出来ないとお客様や周囲の上司同僚から良く思われず、仕事が徐々に続けづらくなってしまいます。

学校までの友達を作る関係では表情での発信というと「笑顔」ができるかが結構大きいと思います。でも、仕事でも「笑顔」は重要ですが、もっと重要なのは「申し訳ない顔」なのだと思います。もう少しいうと、笑えなくても、申し訳ない表情が適度に適切なタイミングでできれば、それなりに勤務を継続できるのではないでしょうか。

僕は、小さいころに裸足で冬の凍るような世界から暖かい家の中に入れてもらうためにいつの間にか申し訳なさそうな表情が上手にできるようになったのかもしれませんが、大人になってもなかなか申し訳なさそうにできない人にはどう教えたらよいのかなぁと、叱りながら考えたのでした。

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明日(1/6 水曜)の日経産業新聞に掲載されるようです

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タイトル通りです。それだけです。

いつも通りというか、いつもに輪をかけて、「親しみなく」取材に応じたので、どう書かれているかやや不安です。最近取材を受けると、まず説教から入ってしまって、、、ここ3,4社連続で、「もう少し勉強してから取材にきたほうが良いですよ」と言っています。今回はウェブサイトで簡単にわかる拠点数を聞かれたので、つい日経社はどういう教育をされているのか疑問に思ってしまいました。

というわけで、そもそも本当に掲載されるのかどうかも分かりませんが、もし日経産業新聞のファンの方がいたら職場で、あるいはどこで売っているのでしょうか?都会のコンビニ?でお買い求めください。

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福祉に税金を使うと経済的に無駄になるどころか得をする (2015年 今年のKaienの就職支援実績・社会的価値など計算しました)

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当社の営業は昨日で終了。お陰様で100人を超えるまでになった社員は年末年始休業で各地に散ってしまい、今日からは一人ぼっち。利用説明会や採用面接など自分一人で出来る部分を日々こなしていきます。

今日は年末恒例である、当社の実績のまとめをExcelで行いました。1年前にも記事を書いています。(Kaienの社会的価値 ~就労支援は税金を2倍にして社会に返している)昨年の計算シートが残っていたので、今年分の計算は数時間程度でサクッと終わりました。当社ウェブサイトにもアップしています。会社概要の最下部にある社会的価値がそれです。このブログにも画像で貼り付けます。

これを計算するためには、会社の納税額などはもちろん、主に就労移行支援に通っている人が、どれだけの確率で就職したか、どのぐらいの給与をもらっているのか、どのぐらい定着しているのか、などのデータが必要で、それを(論文が書けるほどには正確にはしていないですが)若干の誤差がある程度までは精度を高めて計算しています。以下ハイライトです。

 

■当社修了生の就職者数 161人/年

本当にこんなに就職したっけな…とデータを見直しましたが、正しいようです。今年1月の段階で4拠点、3月に池袋、12月に川崎を作って6拠点にはなりましたが、単純に割り算すると1拠点あたり30人程度にはなる計算です。

■当社修了生の定着率 90%超(1年)を維持

半年が95.2%、1年で見ると90.4%でした。ハローワークで聞いた世の中平均は75%ですので、だいぶ世間一般より高いでしょう。他社さんも80%とか数字だしていますが大体半年の数字ですので、その点、当社のOB/OGはみんな頑張って、そして楽しんで、就職後働いていることがわかります。

■当社修了生の平均月給 17.5万円を維持

今年は前年よりやや良くなって17.5万円/月でした。障害者枠の平均よりははるかに高いですが、まだ厳しい数字であることには変わりないと思っています。

■当社修了生の就活期間 6~7か月と短縮

内定が出て、当社の就労移行支援を終えるまでの日数です。(昨年と今年の加重平均で)208日でした。就活の期間がどんどん短くなっているようです。月数でいうと6~7か月ぐらいとなります。おそらくこの数字が他社と比べて驚異的に短いところです。具体的に言うと業界他社よりも2,3倍は短いと思います。定着支援が大変になってきていて、スタッフを増やすなどいろいろと工夫していますが、こういった数字で見ても1年で大きく変化があるなと感じます。

 

■当社の今年の社会的価値 2.7億円/年

で、今年当社が果たした社会的価値は 272,400千円という数字が出ました。当社や修了生、スタッフが税金などで収めたり、修了生が生活保護を脱して国庫の負担が減ったりして社会に貢献した額から、当社が税金を使わせてもらった部分(当社の主力は障害福祉事業でそれらの売り上げは自治体に請求している)を差し引いた額です。なお、創業以来の累計では6.1億円です。

いわゆるグロスではなくネットです。つまりもらった分から返した分は差し引きプラスの2.7億円というわけです。当社全体では税金を使わせてもらって、それの1.5~2倍ぐらいを国にお返ししているということになります。

■つまり福祉は社会の役に(経済的にも)たっていますよということ

投資銀行系で使うNPV(正味現在価値)で計算しているので、割引率なども含まれ、繰り返しですが、そこそこ正確な額だとは思います。ただ考慮しきれていない部分もあります。例えば、昨年も書いた通り、外部効果を入れるともっと大きな数字になる可能性がある一方で、他の支援団体との共同作業を考慮に入れていないためその点では小さな数字になる可能性もあるので、あくまで参考程度とお考えください。

それでも福祉にお金を使うと、社会的にはもちろん、実は経済的にもプラスになるんだよということを年に1回はしっかりお伝えしておきたいと思います。

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Kaienは日進月歩の遊園地 ~私とKaien 第2話~

『私とKaien』は当社の就労移行支援を利用していた訓練修了生や、ガクプロやTEENSをご利用中のお子様を持つご家族など、Kaienと一緒に発達障害の魅力を世の中に広げていただいている方々へのインタビューシリーズです。第2回は、TEENSやガクプロを利用し現在は大手企業の事務職で働いているご子息を持つIさんにお話しを伺いました。

Kaienは日進月歩の遊園地

ピンとくるところがあってTEENSへ

 うちの子の障害が分かったのは10歳のとき。でも小学校、中学とも普通級で、毎日通いました。周囲の方のサポートに恵まれてきたのだと思います。高校は、私がいいだろうと思った方向性でいくつか選択肢を出しました。そして本人に選んでもらいました。うちは、無理はさせない、苦手なことはしない、ゆるゆるです。結局、好きな先輩がいるところで最終決定(笑)。彼は人で決めてしまうところがありますね。まあ私もなんですけど。

 TEENSを始めるときもそう。鈴木さん(Kaien代表の鈴木慶太を指す)にピンと来るものがあったらしくて、「僕ここ通う」と。息子は海外のサッカーや野球の観戦が趣味で、過去の成績とか選手の身長とか客観的データが大好きなんです。そういうところは「自閉ちゃん」だなあと思います。鈴木さんも海外のスポーツに詳しくて、息子の話にうまく乗ってくれたみたい。

 Kaienのことは、割と初期の頃から知っていましたよ。でも知的に高い人向けに見えた。でも、息子が高校2年生になった春に子ども向けのサービス(TEENS)開設を知って、通い始めました。CGとかアニメーションとか、当時はすんごく難しいプログラムだったんですけどね。鈴木さん会いたさに頑張って1時間以上かけて通っていました。「今日は忙しそうだった」「今日は少し話せた」って。

息子が店長をしている!!

 高校時代はそれでよかったんですが、その後進路のことでいろいろ悩みました。彼のレベルでは大学・専門学校の入学は難しい。結局は星槎グループが付帯事業でしている横浜国際福祉専門学校の適応自立支援コースに入りました。2年間のプログラムなんですけど、就職したらいつでも修了できます。

 TEENSは18歳までなので、星槎に通うとともにガクプロにも通い始めました。親としては「大変だろうなあ」と思っていました。大学生に交じりながらですから。

 でもしばらくして、ガクプロに息子の様子を見に行ったら、びっくりしました。なんと職業訓練でオンライン店舗の店長をしていたんです。「これは○○君ね」と仕事を振ったり、学生の女の子が「やりたくない」って言って駄々をこねているのを、「それはあなたの仕事ですから私はしません」とか言っている(笑)。

 見通しの立たないことが大の苦手なんですが、手順や時間がはっきりしているガクプロは、彼にちょうどよかったのだと思います。

うちの子にあったお勧め求人

 いまの会社のお話があったのは、今年(2015年)のゴールデンウィークの頃。スタッフの方が「すごくいい求人があるんです」と勧めてくれました。後から、鈴木さんがうちの子に勧めてくれた求人だとわかりました。

 大手小売り業の本部で、とっても体育会系。お店でもないのに「いらっしゃいませ!」と朝、チームになってあいさつ三唱がある会社です。そういうの、発達障害の子は苦手じゃないですか。でも、うちの子は素直なのでできちゃいます。仕事も希望した事務関係の軽作業や入力です。

 鈴木さんによると、こちらの求人があったとき、真っ先に浮かんだのがうちの子だったそうです。ああ、うちの子分かってくれている、見ていてくれているんだなと思いましたね。

 パート勤務で一日6時間。他の会社や面接会も行ったんですが、「勧めてくれたからには」と思って、こちらを最優先に動きました。面接の前日には息子と夫と私の3人で、どんな雰囲気の会社なのか偵察へ(笑)。ビルの高層階で、とても明るい感じのフロアを見て、息子がにこにこーっとしたんです。これはご縁があるかもしれないと思いました。結果、面接が通って実習が決定。実習後、10日間で内定の通知をいただきました。

仕事の七つ道具から「ノート」 面接も担当してくれた上司にもらったノートには、日々の仕事内容と新しい作業内容をマニュアルとして記録している
仕事の七つ道具から「ノート」 面接も担当してくれた上司にもらった

親以外の誰かに頼れることの重要性

 「仕事楽しい?」と息子に聞くと、「楽しくはないけど、行けてよかった」。「よかった」のは、やることがあって、見通しが立つから。そして、必要とされていて、自分の場所があるから。彼は、人の役に立つことはうれしいんです。

 職場も、障害者だからといって彼に甘いわけではないと思います。ずっと普通教育できた彼には、似たような人がたくさんいる特例子会社より、そうした環境での自然なサポートが合っているでしょう。いろいろな人がいる場所で、年上の方に指導してもらいながら、自分ができる仕事をきちんとしていくのが。

 障害児の親御さんには、深刻な様子の方が多いですよね。正社員じゃなきゃだめだとか、10年後もこの仕事を続けてられるか、とか。でも子供の人生であって、親の人生ではない。形にはこだわらなくていいのではと思います。納税さえしてくれれば(笑)。いくらでもいい、払うことに意義があると。

 親はいずれいなくなります。でも一人で生きていけということではありません。必要な部分は福祉のお世話にもなりながら、親以外の誰かを自ら求め頼ることをしながら。そして10年後にその仕事がなくなっても、前向きに、その時いろいろなことを自ら判断できる人間に育っていてほしいって思います。それは障害があってもなくても同じことだと思うんです。

 彼は双子の兄弟の兄なんです。弟は軽度の知的障害を持っています。彼ら2人には、「大学に行かないんだから、二十歳で社会人になるんだよ」と常々掲げてきました。弟は養護学校を卒業してすぐ、スポーツジムの清掃に就職。2人とも、成人前に社会人になれたので、親としては「よくやったね、えらいね」と思っています。親自身はその歳の時にはとてもできないことでしたから。

Kaienは遊園地

 Kaienはいろんな可能性を形にしてくれます。どんどん行動に移す鈴木さんと皆が二人三脚している感覚。お任せじゃなくて一緒に歩んで、日々変化して、それが面白い。

 そんなわけで私にとって、Kaienは遊園地(笑)。就労とか発達障害とか、テーマは重いじゃないですか。でも鈴木さんはそういう感じを漂わせない。「この人きっと何かしてくれるだろう」と思わせてくれる人です。

 ガクプロの内定コースができたときもそう。就職が決まったけど、ガクプロ続けたいと鈴木さんに相談したら2日後くらいに、「使い放題で末広がりの、おめでとう8,888円!」というお得な新コースが(笑)。これに振り替えて就職後も毎週土曜に通っています。飲み会まで参加して、すごく楽しいみたい。

 ガクプロに入るときは「学生の中で話合わないだろうな」とかわいそうだったんですが、皆と仲良くしています。Kaienは、19歳の彼にとっても遊園地なんです。すぐに新しいアトラクションを作ってくれるし、乗りたくなかったら乗らなくても大丈夫。彼はいま、19歳の青春を味わっているんです。

先輩とも会える「飲み会」では UNOやトランプにトレーディングカードを混ぜた オリジナルのルールで遊ぶ
先輩とも会える「飲み会」では UNOやトランプにトレーディングカードを 混ぜたオリジナルのルールで遊ぶ

(取材 2015年12月)

Iさん: 19歳・男性のガクプロ生の母。ご子息が高校2年生のときにTEENSに通い始め、ガクプロを経て大手企業に障害者枠で就職。

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ニュースレター

飲み会が苦手な発達障害のある大人向け 飲み会講座を開催

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今日はガクプロ。今年最終回でした。

以前から、当社では、週1以上の頻度で飲み会を開催しています。参加できるのは、ガクプロ生(大学生・大学院生・専門学校生)と、就労移行支援の現利用者(訓練生と言っています)・修了生などです。

発達障害の傾向のある若者は、飲み会(雑談がレベルアップした場で、しかもノリが必要な場)が苦手 → 行ったことがないのでどういう作法をすればよいのかわからない → 馬鹿にされそうで行く機会があっても行く勇気がない → 輪をかけて苦手になるというループに入っている人が多いです。ただし、別に人とかかわることが嫌いなわけではなく、人とつながりたいという気持ちは人一倍強い人が多いです。こうした負の連鎖から逃れてもらうために、一般的なノリが必要とされる呑み会ではない、好き勝手な飲み会を当社では開催しているわけです。

が、「好き勝手な感じで、気楽でよいよ」飲みだと、かえってしっかりとしたルールが欲しい発達障害のある人もいて、Kaien/ガクプロ飲みですら参加が難しかったり、「好き勝手な感じ」のKaien/ガクプロ飲みも、いつの間にか常連さんたちが暗黙知を作り上げたりして、”新規参入”がしにくいといった課題も見えてきていました。

ということで、今日は飲み会マスターともいえる僕(!?)が場を仕切り、飲み会のはじめから終わりまで、程よく構造化・ルール化して今年最後の呑み会を開催したわけです。まあまあ好評だったかなぁという印象でほっとしました。


写真にあるように、ホワイトボードに飲み会の掟・心得みたいなのを書いたうえで、頻繁に「飲み会のルールはこうですよ!」とか、リマインドを入れながらの不思議な飲み会でした。彼らはある程度ルールがあるほうが話がしやすいようで、いつもより盛り上がったかなぁと思います。適度な構造化と、実践の場でのルールのリマインド(および応用の仕方の教授)は、発達障害ではゴールデンルールです。

僕も学生の頃は毎日のように飲んでいた気がします。時々、線路を歩いたり、線路で寝たり、知らない街をさまよっていたり、早朝の下り電車で外や中で吐いたり(西武池袋線の皆さん、本当にご迷惑をおかけしました…)と、まあいろいろしました。が、飲み会より仕事のほうが面白いからでしょうか…今は飲み会は毛嫌いする体質になりました。事実、昨年は忘年会も新年会も一つも参加せず(というよりそもそも呼ばれず・・・)という感じです。飲み会が嫌い・苦手な気持ちは案外わかるからこそ、こういう風にしていればまあしのげるよ的な教えができる不思議な飲み会を今後も月1ぐらいでしていこうかなぁと思っています。

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30度角の発達障害と、360度角の定型発達

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今日午前は、フルタイムスタッフの「全員集合」(全体会議)でした。日中の活動を挟んで夕方から夜はインターンの「全員集合」でした。

朝からスタッフに怒ってしまい、精神的にも肉体的にも疲れ、(やはり元気があると怒れる体力があるのですが、一方で自分への後悔の念みたいのがあってもちろん精神的にも疲れます)、夜は夜でインターンの学生たちの奔放さというか若さを感じて、なんというか自分との違いを見せつけられて、また疲れたと言う感じです。。。

どうしても僕は、「自分ができることは、当社のスタッフもできるはずだ」、と思いこんでしまうことがあります。発達障害的に言うと自閉ですね。。。いつの間に自分が普通、他人は自分と一緒、みたいな視点に落ち込みやすいということです。仕事の出来る営業マンは、当たり前のことをしているのでノウハウと言っても言語化できないといいますが、それに似た感じで、僕もそれなりに仕事ができる方だと思うので、当たり前(だと僕は思っている)をしてくれないスタッフについて、なんでそんな当たり前のことができないんだ、手を抜いているんじゃないか、と思ってしまうということです。

もちろん僕の前で手を抜くスタッフはそもそも雇うわけがないので、頑張っていながら当たり前のことがまだ当たり前になっていないだけのことなのですが、その辺が僕にはすぐにわからない。というか感情的に抑えにくい。。。我ながら自閉的だと思います。。。

ケロッグのMBA時代に、マーケティングの基礎の基礎の考え方として、「あなたは自分が普通だと思っているかもしれないけれども、マーケターとして重要なのは自分が異常だと知ることだ」ということを再三教わりました。つまり、自分がおいしいと思っているものは市場調査をするとみんなはそう思わなかったり、自分が売れないと思った商品が売れたりということはよくあるので、自分の主観を信じないようにね、ということだと思います。(※とはいえ、仮説を立てる時はやはり自分の主観直感を信じるべき時もあり、この辺りの使い分けが難しい訳ですが…)

上司として他人に動いてもらう時も、やはり「自分は異常」という法則は当てはまると思っていまして、なんとか自分=異常を毎朝自分に言い聞かせてから働いているつもりです。それにも関わらず、各人の多様性を認識できず、それを活かすようにできなかった自分の未熟さに、朝から凹んだわけです。

発達障害は僕の感覚では30度の角度の世界です。ひとり一人とても個性がありますが、でも根っこは似ています。大体こんな感じかなという予想が行動面でも思想面でも立てやすいです。もちろん予想が立てやすいことと、多くの場合それが世間一般とずれているのでそれを修正する方法がわかるということは違うのですが、やはり予想がついて大体こうなるだろうな、という構えたところに来てくれると支援しやすいです。なので僕はこの世界の支援がやりやすいし、好きなのだと思います。

一方で、定型発達の世界(スタッフ含む)は、360度の角度、つまり全方位に気を張らないといけません。いわゆる定型発達の人は、ビジネスマナー的には、ある程度当たり前の行為をしてくれるので、その辺は予想しやすいのですが、何を重要視するか(つまり価値観・思想)とか、どのような感情の揺らぎをするかとか、人それぞれ違い過ぎます。同じ時代に、同じ場所で、同じ日本語をしゃべっているのに、かなり違います。。。なのでそういう人たちと対応すると案外疲れます。。。少なくとも発達障害の人の、いい意味でのシンプルさ・単純さがないので、複雑すぎて予想しにくいのです。

発達障害の人の就職支援の時もいろいろ大変でしょうと言われますが、30度の角度を狙っていけばよいので、案外職種など限られていますので、狙いはしやすいです。一方で定型発達の人の場合は良い意味でも悪い意味でも可能性がありすぎて、アドバイスがしにくくなります。もし学生時代の昔の自分がキャリアカウンセリングを受けに来たら、これもそこそこできるだろうし、これもまあまあかな、なのでどの職種でもいいんじゃない、みたいなカウンセリングになってしまって、ほとんど意味がなかったと思います。普通のキャリアカウンセリングって、いったいどういうことをしているのでしょうか?発達障害の人が対象だから僕はキャリアカウンセリングができているのだと思います。

さてさて、今日の夕方は、当社のインターンが大集合!!、だったわけで、そこには360度の様々な角度から、ありとあらゆる生命体が集まってきており、まあまあいろいろ予想外なことがあって、朝の出来事の内省で疲れた心にダブルパンチみたいな感じでした。しかも、そういう有象無象が集まる会社の一社員ではなく、実はその会社のトップが自分!!、という事態にいつの間に陥っている事実に、改めて気づかされてしまいました。

会社を興したくて起こすような人は、もう少しドライに、人をコマのように使うのでしょうけれども、僕のように、一応ナイーブな存在の人間がたまたま社長になったケースは、社内で働く一人一人の情報が脳に入りすぎて、やや大変です。。。上述の自閉的という自己評価とは正反対ですが、瞬間的に自閉スイッチが入るだけで、普段は逆に外部からの情報流入が多いタイプなのかもしれません。。。

当社の社是として「多彩を活かす」というのがあるのですが、これは発達障害の多彩さもそうですが、スタッフの多彩さも意味しています。特に当社の場合は、20歳から70歳までの人が働いており、バックグラウンドも福祉だけではなく、ITや人材、教育、医療、広告、などと多岐にわたるため、多彩さを活かすことが何よりも出来る職場なのですが、言うは易く行うは難し、で、本当に大変です。

 
というわけで、まとまったかわかりませんが、一般的に難しいと言われる30度角の発達障害の人たちとのやりとりが楽な理由と、一般的にやりやすいと言われる360度角の定型発達の人たちとのやり取りが大変だという理由の、僕なりの、今日の事例を用いた、まとめでした。

最後に、世間はすっかりクリスマスシーズンです。我が家の、、、と言いたいですが、当社のオフィスの入っているビルの共用部分にはきれいな花やクリスマスツリーが飾られています。ひまわりとばらぐらいの区別しかつかない僕ですが、花はスタッフにポインセチアと教えられ、名前を覚えました。

  

日々日々の業務としては、オフィスの移転という大事が年末に入って発生していますが、来週には希望的観測としては収まると思われますので、なんとか気持ちよくクリスマスと新年を迎えたいと思っています。

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朝日新聞掲載のご報告と、明日(LD学会)・明後日(就労支援フォーラムNIPPON 2015)の講演のお知らせ

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朝日新聞の神奈川県版に載せていただきました。

TEENS最新情報 朝日新聞朝刊(神奈川県版)に掲載 『発達障害 就労へ手助け』


朝日デジタルの記事はこちら

一足先に就労移行支援事業所・Kaien川崎は今週開所しました。20人を超える人が通っています。1月からは今回掲載してもらったTEENS川崎(放課後等デイサービス)がオープンするという形です。バタバタの中での取材なので、いつも以上に粗野な応対でしたが、、、本当に申し訳ありません、、、きちんと記事にしてもらいました。感謝です。

明日は400人ぐらいが出席するであろうLD学会でお話しします。
http://www.jald.or.jp/symposium/symposium_2015.pdf

明後日は1000人以上が参加するであろう就労支援フォーラムNIPPON 2015でお話しします。
http://www.jpna.jp/sfnippon/

当社が利用者向けに始めた(でも外部の方も参加は可能な)~なるほど発達障害 Kaien Meetup~というセミナーも明後日です。。。
https://kaienmu.doorkeeper.jp/events/34135

物事が重なる時は重なるもので、、、毎日新聞の取材も本日受けて、来週以降は日経新聞の方もいらっしゃるらしく、、、先ほどはADHD学会からも2月の講演依頼がありました。

集客という面からも、当社のメッセージを発信して啓発につなげることからも、セミナー・取材はお受け出来る限りしていきますが、かなり余裕のあった夏から秋に来てくれたらよかったのに・・・と思うのでした。今は本当にギリギリです。

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サークル。第二の学校。いや、第一の学校かも。

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週100時間勤務はまだ続いていますが、当社6か所目の就労移行支援事業所・Kaien川崎が今日開所。僕の仕事もやや落ち着いてきたかなぁと言う感じです。ちょうど人事考課の時期でして、40人の面談がきょう始まるなど季節的な忙しさは師走だからやっぱりあるはあるのですが、久しぶりに感じた「仕事終わらないかも」、「もう少し働いたら倒れるかも」、というのは無くなってきました。

というわけで、やや余力ができた分、渾身の力を込めて?ウェブサイトのガクプロ(発達障害のある大学生・専門学校生向けのプログラム)のページをリニューアルしました。

先週の土曜日のガクプロの時間に、ふと思いついて、ガクプロの主だった利用者たちに、ガクプロってどういう場所?というアンケートを配って、それを咀嚼しながら、新たに数ページを構成しなおしています。

トップページ http://www.kaien-lab.com/gakupro/univ/

就活のページ http://www.kaien-lab.com/gakupro/data-g/

職業訓練のページ http://www.kaien-lab.com/gakupro/program-g/

自己理解のページ http://www.kaien-lab.com/gakupro/fresh/

時間・場所・申込み http://www.kaien-lab.com/gakupro/venue/

この記事のタイトルにも使ったように『サークル。第二の学校。いや、第一の学校かも。』などと、まさに的を射たコメントをくれるガクプロ生が多くてびっくりしましたし、うれしくなりました。

なお、コラム的に書いたのが『発達障害支援の空白地帯 大学・専門学校』と『防ごう! ぼっち就活』。 下にも貼り付けてしまいますが、ぜひ上のリンクから辿ってみてください。

発達障害支援の空白地帯 大学・専門学校

発達障害のある子どもや成人の支援体制が進む中、支援の空白地帯がぽっかりと残っています。それが大学や専門学校です。現在の法体系では、高等教育(大学・大学院・専門学校)に障害児者が進むことはほとんど想定されていません。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA空白地帯にも関わらず、大学・専門学校は、自分で授業を選択する履修制度だったり、クラスという単位がほとんどなく所属する場が持ちにくかったり、学力とは関係の薄い就活力を磨く必要があったりと、最も支援が必要な期間と言っても過言ではありません。このため高校までは落ち着いて通学で来ていた人も大学時代に通えなくなる例も多々あります。留年率は10%を超え、中退率も一般より高いのは事実です。
こうした現状のもと、親御様たちからの強い要請を受けてサービスを開始したのが、発達障害のある学生向けのプログラム「ガクプロ」です。仲間づくりと自己認知、そして就活に役立つイロハが身につく支援内容です。

防ごう! ぼっち就活

発達障害(含・疑い)をもつ大学生がはまりやすい「(ひとり)ぼっち就活」。一人だけで抱え込み、就活へのプレッシャーを感じ過ぎ、就活に関する行動を具体的に起こせないまま卒業を迎えるケースがあります。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA昨今の就活事情は親世代の状況とは大きく異なり、複雑怪奇ともいえます。情報の渦の中から、自分に必要な情報を取り出して、優先順位をつけながら就職活動を進めていく力が求められます。そしてその力はどの学生でも難しいものです。周囲(ガクプロや大学の学生課・キャリアセンター等)にすら頼ることを思いつかない学生がガクプロにも多く在籍しています。
そういった学生をぼっち就活から救い、当社のネットワークに入って人に頼りながら進む安心感を感じてもらいます。

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「私とKaien」で伝えたいこと

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今日は一人のお子さんがTEENSの利用最終日でした。TEENSの開始当時からもう4年間ぐらい通い続けてくれたお子さんです。背もとても高くなりました。身体の強い子ではなく、2週間に一度、TEENSに来るときに自分の体調をベストに持っていくために努力しているとお母様から伺ったこともあります。自分を変えたところということで学校の発表でTEENSを取り上げてくれたこともあります。今や部活でリーダーもしているそうです。

TEENSはそろそろ卒業だろうなと、思っていたらご自身からTEENSに行かなくてももう大丈夫という発信があったとのこと。当社と薄く関係を持ちつつ、でも利用は徐々に少なくなっていくというのが寂しいですが理想的であります。その子に人生の核の一つは与えられただろうなという実感があるので大丈夫だろうと思う反面、やっぱり気になります。小学校や中学校の卒業式では全く感傷的な気持ちにならなかった僕ですが、当社を良い意味で巣立っていく人たちには思いが残ります。不思議な気持ちです。

今日、私とKaienの第1話を公開しました。大げさに言うと当社と苦楽を共にした方々(利用者ですけれども同士みたいなものです)のインタビューシリーズを作ろうと1か月ほど前に考えつき、その当社なりの形です。

私とKaien 第1話 小さな成功体験を、一歩一歩重ねていくこと
http://www.kaien-lab.com/newsletter/%E7%A7%81%E3%81%A8kaien-%E7%AC%AC1%E8%A9%B1/

このシリーズを始めた理由は、当社がその辺の同業他社と並列に見られ始めたという気持ち悪さがありました。お金稼ぎなんでしょう、とか、中身は無いんじゃないの、とか、他とどう違うのかわからないというような声が聞こえ始めたわけです。Kaienが全然違うサービスなのにどうわかってもらえるのか、この1か月ぐらい悩んでいました。

どこが当社の特徴かというと、成果とか、プログラムの中身、とかではなく、存在理由というか、魂の部分というか、立ち位置の部分というか。。。そういう洗練されていない土臭さに他との違いがあると思っています。ただの業者じゃないんだということです。利用者層と一体化しているコミュニティの一員と言う感じでしょうか。でもそれって自分たちで叫んでも伝わりにくいです。

じゃあどうしたら伝わるか。当社の利用でただ単に就職ができたとか、の数字ではなく、人生にインパクトを与えられたとか、心に道標・人生の軸みたいのを与えられたとか、実際の生身の人間の声や物語が一番強いだろうと思ったわけです。それが冒頭のお子様の話であり、今回の私のKaienの第1話で取材に応じてくれた中沢さんでもあります。

僕は国内線に乗る時は必ずANAを使います。機内誌の中にあるエッセイ「お弁当の時間」が好きだからです。お弁当を語る中でその人の人生が見えますし、取材者の温かみが伝わってきます。私とKaienはそのテイストで、まとめてもらっています。共通点、わかっていただけますでしょうか?

また、私とKaienという名前は、もともとぼくがNHK鹿児島時代に「桜島と私」という朗読コーナーを持っていたことに由来します。NHKでは「富士山と私」とか「立山と私」とか、山と自分の人生を掛け合わせた文章を画像に載せてプロのアナウンサーが朗読するというご当地テレビコーナーがあります(ありました、かもしれない)。新人時代、鹿児島局で担当させてもらったのが「桜島と私」で、おそらく一二を争うほど印象深い仕事です。鹿児島の(語弊を恐れずにいうと)名もなき市民が、桜島との日々の対話の中で励まされ、普通の人生でありながら、色鮮やかに生きる感じが、NHKを離れて10年15年たった今も、僕の中でくっきり残っています。桜島とまではいかないけれども、きちんと当社の思想が一人一人に伝わっていくようになりたいなということで、「私とKaien」にしました。

今は第2話を取材中。1か月に1回、毎月25日に公開予定です。次はクリスマスというわけですね。ぜひぜひお楽しみに。またぜひぜひご感想をお寄せください。まだフォーマットに改善の余地がありそうですので、ご意見お待ちしています。

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小さな成功体験を、一歩一歩重ねていくこと ~私とKaien 第1話~

『私とKaien』は当社の就労移行支援を利用していた訓練修了生や、ガクプロやTEENSをご利用中のお子様を持つご家族など、Kaienと一緒に発達障害の魅力を世の中に広げていただいている方々へのインタビューシリーズです。1回目は、創業間もなく当社とつながり、複数の会社を経由した後、今地元長野で働かれている中沢さんにお話しを聞きました。

中沢秀幸さん  小さな成功体験を、一歩一歩重ねていくこと

 KaienのWEBサイトを見つけたときのこと、よく覚えています。2009年の年末、こたつに入って、パソコンで就労移行の支援機関を探していました。キーワードは「発達障害」と「就労」。ヒットの上位にある会社のWEBサイトはどれも、真面目過ぎて暗い印象だったんです。そんな中でKaienは、明るいサイト・デザインで使いやすいのも良かった。検索ページの奥、7ページ目くらいだったでしょうか。その場ですぐ母親に、「良さそうな会社見つけたよ」と言ったら、「いいんじゃない」って。
 無職になって3年。長野の実家で親のすねをかじる34歳のニートでした。切羽詰まって親にも八つ当たりをしてしまっていましたね。甘えていたんです。
 年が明けた2010年1月、東京へ、慶太さん(Kaien代表取締役の鈴木慶太を指す)の講演を聞きにいきました。東京の病院で発達障害の診断を受けたのもこの頃です。診断が出るか出ないかというときに聞いた講演で、なぜか「この人のやることなら大丈夫」と思いました。診断が出ても大丈夫だと。つかむわらを見つけた気持ちでした。

Kaien訓練所開設とともに利用スタート

 2010年4月、Kaienが就労支援プログラムを開始するのと同時に、利用を始めました。訓練ではコミュニケーションの何たるかを知りました。訓練の前と後では、人との付き合い方が劇的に変わったんです。ソフトウェアやIT、ワードやエクセルといったデスクワークの基礎を初めて学びながらホウレンソウ(報告・連絡・相談)を実行。それまで一方通行で終わっていた人とのコミュニケーションが、双方向で取れるようになっていきました。
 3カ月の訓練の後、8月に人材派遣会社の障害者枠で、経理アシスタントとして就職。念願かなっての就職でしたが、この年の年末、慶太さんに厳しい注意を受けることになります。体調を崩して10日間ほど欠勤してしまったんです。支援機関の方にも、「社会人として自覚が足りない」と注意されました。さらに、上司が私の業務報告を負担に思っていることも分かって。一方的で長い報告をしているという自覚が、全くなかったのもショックでした。訓練で学んで変わったつもりが、まだまだだと気づいたんです。
 これがターニングポイントになりました。身なり、話し方、聞き方、すべて変えようと決めたんです。「ここで変わらなきゃ一生変われない」と。決意を実行に移して、自分の変化を実感するまでに一年半かかりました。自分が少しずつ変わっていくにつれて、自分を取り巻く状況も段々と良くなっていきました。それまでモノクロにしか見えなかった景色に、一つずつ色が加わっていったと言えばいいでしょうか。ひと息にカラフルな画になったわけではありません。一色、一色、感覚のセンサーが増えていくように感じていました。

働く基準を示してくれた人

 変化の手ごたえをつかんだ頃に、大手IT企業の特例子会社G社への就職が決まりました。Kaien経由の転職です。すでに人材派遣会社を退職し別の大手人材派遣会社の特例子会社を経て、Kaien訓練後、2度目の転職でした。
 G社への入社は自分にとって大きな成功でした。ところが、そうした成功体験の後には試練が伴うのだと、実感することになったんです。仕事では初めてのリーダー業務に苦労しました。リーダーとしてどう振る舞えばいいのか分からない。試行錯誤の繰り返しで、納期のプレッシャーもありました。プライベートでは人間関係で、コミュニケーションの難しさに悩みました。受信も発信もうまくいかない。定量的に言えないけれど、肌感覚でずれていると感じていました。でも、慶太さんが言っていたんです。「人間同士、完全に分かり合うことはできない」と。「それでも価値観の重なる部分がある。その同じ部分を繰り返し確認することが必要なんだ」とも。KaienのWEBサイトにもありますね。

PH2
ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院のコースター。ケロッグはKaien代表・鈴木慶太の母校にあたる。第一期の訓練生3人だけがもらった特別な餞別

 慶太さんの考えは、働くにあたっての基準の一つになりました。例えば、私には働く上で大事にしていることが5つ。効率良く、責任を持って、成果を出すこと。チームを大切に、規律を守ることです。G社では業務リーダーとしてメンバーの強みを活かすため、自分の個人的な感情を差し挟まずに、話す内容でその人の能力を判断しようと心掛けました。自分と趣味や馬が合わなくても、その人がある業務について的を射た発言をしていれば、評価しようと。慶太さんからはたくさんの影響を受けています。

不思議な縁から長野の実家へ

 業務リーダーの仕事も一年は苦労が絶えませんでしたが、業務が軌道に乗って少しずつ自信が付いてきました。そして、一般枠の人と同じ条件の職場で、自分を試してみたくなってきたんです。
 それで転職したのが今の会社です。この10月から長野に戻って、製麺会社で働いています。知人に紹介されての転職で、東京勤務のつもりでいたところ、長野本社勤務の話が出てきたんです。通販サイトでそばやラーメンを購入いただき、ネットバンキングの入金情報を本社のシステムに落とし込む仕事です。
不思議な縁で、実家にも戻ることになりましたが、悪くないなと思っています。なぜなら、自分が変わったことを知っているから。これがもしニートのままだったら、戻る気にはなれなかったでしょう。無職の時代は、いつ終わるともしれないトンネルの中にいました。自信がなく、スキルがなく、お金もない。自分が何者かが分からなかった。
 今では自分を客観視できるようになりました。履歴書の志望動機も正直に書けました。自信がついて、自分を飾る必要がなくなったからです。仕事の実績やスキル・アップがあったから、ここへ戻ってこられた。今、一般枠の人と同じ環境で仕事を任されているところです。今の会社で全うしたい。しなければいけないと考えています。Kaienに出会う前も数えると、転職も9回に上りますから。

自尊心を取り戻して気付いた故郷の美しさ

 Kaien後、順調にキャリアを重ねたように見えるかもしれませんが、そんな華々しいものではありません。私の場合は大きなターニングポイントがありましたが、やはりそれでも、一日一日の積み重ねなんです。訓練生の方に言いたいのは、変化は一朝一夕では訪れないということ。小さな成功体験を積み上げていくほかないんです。私も、今また成功を手にしたわけですから、新しい試練があるかもしれないと謙虚な気持ちでいます。そうすれば心構えができますから。
 Kaienは自分の人生を好転させてくれた、本当に大きな存在です。定着支援や転職時にも、Kaienのサポートには変わらない心強さを感じていました。今の生活が続いて安定したら、株主になりたいと考えています。配当金目当てじゃないですよ(笑)。何か恩返しがしたいんです。今は「かいえんぴあ」(Kaien利用者・修了生限定のクローズドSNS)で週に一度ブログをアップしています。「ようこそ先輩」(Kaienの修了生が訓練生に向けて就活の体験談を語るイベント)の登壇は5回を数えました。これからもずっと、つながっていきたい。
 今はまだ、特にお酒を飲むときに、横浜や東京の都会が恋しくなります(笑)。こちらは車での移動だし、飲める場所が自宅くらいですから。実家から車で山を10分ほど上がると、諏訪盆地を一望できる場所があるんです。毎朝車で、その眺めを見ながら走っています。たまに雲海も出るんです。無職のときは雲海が出ると、「なんだ辛気臭い」と思っていました(笑)。それが今見ると本当にきれいで、ちょっと神々しいくらいなんです。

PH1
通勤時に一望する諏訪盆地。日によっては雲海が見られることも

(取材 2015年11月)

中沢秀幸さん:39歳男性。34歳でKaienを利用。修了後、障害者枠にて3社での勤務を経て現職。

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