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「現代のベートーヴェン」をゼロベースで聞きたい

2014年2月8日

そんな人いたのですね、という印象。今回の報道で初めて知った。ベートーヴェン好きだが、彼が耳が不自由だったから好きと思ったことは一瞬たりともない。今回の作品もよければ今後も演奏されるのだろうし、そうでなければ残らないのであろう。著作権法など大人の問題はあるにせよ、作品がどうかだと思う。(ベートーヴェンは交響曲5,6,9番が有名だが、7番2楽章が美しいので聞いたことがない方は聞いていただきたい。まさに耳がまったく聞こえなくなった頃の作品であるが、聞こえていたとしても価値は変わらない。)

今回の騒動。勝手にわが身に引き寄せてしまうと、、、昨日聞いた「発達障害の学生を支援するスタッフにはどういう人が良いのでしょう」という質問につながった。

これは、僕が昨日登壇した(独)学生支援機構と富山大学が主催・共催した「発達障害学生の特性を生かした社会参入~修学支援から就職支援へのリンケージ~」で受けた質問である。大学で学生支援のチームを作るために、どういうスタッフが適任かということだったが、どうやら「専門的な資格があるスタッフではないと、学内のほかの部署や教員・職員が聞く耳を持ってくれない」ということであった。素人が発達障害の学生をサポートしようと思っても、臨床心理士です!みたいに言わないと、取り合ってもらえないということ、と思われる。

多くの人が真実を見たり理解することは難しく、「人は見たいものしか見ない」(※塩野七生「ローマ人の物語」から、カエサルの言葉として)のは2000年も前から言われていることである。音楽作品を聞くというよりも、全盲の作曲家が書いたものとして消化し、支援の是非というよりも臨床心理士が言ったアドバイスとして消化するのであろう。全盲であるとよい作品になるかはわからないし、臨床心理士が良いサポートができるかもわからない。でも、何らかのストーリーや肩書があった方が、受け手としては頭の中の処理が面倒ではなく、良いものだと想像しやすいのであろう。

当社は、ほぼ素人集団なので、世間に当社がしっかりとサービスをする力があると納得してもらうのに時間と手間がかかる。だからこそ、「ゼロベースで人を見る力」があるスタッフを探さないといけない。(採用情報はこちら) 見たいものではなく、見えるものをしっかり見る力がやっぱり重要だ。(そしてそれは、実は、発達障害の人が得意なことでもある。)

今回の楽曲についても、(何度も試写をしたうえで放送したであろうが、結果的に事態を悪い方に引っ張ってしまった)Nスぺも見ていないし、曲自体も一音も聞いたことがないので、まっさらな気持ちで聞いてみたいと思う。(マーラーに似ている、らしく、マーラー5番ファンの僕としてはちょっと楽しみなのだが。。。あ、それが、先入観なのかもしれないが。。。)

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