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TEENS ストライクゾーンをずらす難しさ

2012年11月13日

TEENSは発達に凸凹のある10代向けの学習支援、そしてプログラミングやPCなどの習い事を合わせた塾である。「社会性を高め、はたらく力を養う」ことを目的にスタートし半年程度。今、痛感しているのが、ストライクゾーンをずらすことの難しさである。

最近、福岡ソフトバンクホークスの内川聖一選手のインタビューを見た。

内川選手は自分が打てるボールと、野球のルールブックにあったり審判がコールするストライクゾーンは違う。たまたまストライクゾーンは誰かが作ったものであり、そのとおりに自分が打てるわけではない。自分のストライクゾーンは別にあり、実戦では「ストライクゾーンをずらして」対応することで、ヒットを量産していると、非常にわかり易い言葉で論理的に語っていた。(※素晴らしい野球選手だと思った。僭越ながら大変良い指導者になると思った。)


http://youtu.be/oDC-L7bsZ4Y?t=4m20s

このインタビューを聞きながら思ったことが、ひとつはお世話になっている某出版社の編集者に話し方が驚くほど似ていること。。。 もう一つが、おそらく内川選手はストライクゾーンをずらして打っているが、本来のストライクゾーンにも気を配りながら、つまりおそらく打ちにくいところはファールにしているだろう、ということである。(※インタビューでは諦めると言っているが)

実はこれ(当然後者)が、TEENSでも日々思っていることにつながるのである。

TEENSに来るお子さんは、文科省や学校の先生が決めたストライクゾーンを打てないことに苦しんでいる。具体的には漢字が苦手だったり、数学が苦手だったり、学力の面で苦しんでいるし、周囲の子どもから浮かないようにというソフト面で苦しんでいるお子さんもいる。

この「文科省・学校のストライクゾーン」は社会に出てからは意味があまりないようなストライクゾーンの設定であり、本来は打てなくてもどうでも良い(かは分からないが少なくともいくらでも他の道はあるはずの)ボールである。その現状が正直、僕は馬鹿らしく思うし、同じように思っている人の方が多いと思う。

(※ちなみに文科省や学校の先生が能力がないと言っているのではなく、社会の変化のスピードが早く、これからも加速していくと思うので、とてもルールが追いつけるレベルではないと思っている)

なので、発達に凸凹のある人たちが子どもの頃から自分本来の道を感じられるように、という思いからTEENSを作った。

しかし、現実は文科省のストライクゾーンにもある程度対応しないと、不登校になって自尊心をなくしたり、親御さんが不安に思ったりしてしまうのである。文科省の力は想像以上にこの世の中に力があるのだなぁというのがTEENSでの半年で悔しいことにわかった気がする。

「社会性を高め、はたらく力を養う」には、まず文科省のストライクゾーンには対応させてもらいつつ、内川選手の言う「打たされるのではなく自分のストライクゾーンをつくって、ボール球でも打ちに行く」ことをTEENSではしていくべきと思った。

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