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TEENSは今まで以上に拠点を増やしていきます厚労省方針 放課後等デイサービスの開設要件厳格化を受けて

 厚労省の話し合いの結果。「新規事業所は立てるな」という意味だと思います。まず報道をご紹介。

日経新聞 2017年1月6日 障害児向けデイサービス、開設要件厳しく 厚労省

(厚労省は)事業所の急増に伴い、テレビを見せるだけなど質の低い事業所が増えていることに対応する。同省は省令を改正し、放課後デイの事業所の指定を行う都道府県などに対し、4月から新基準で開設の適否を判断するよう求める。 新基準では、事業所に配置する職員を児童指導員や保育士、障害福祉サービスの経験者に限定する。そのうち半数以上は児童指導員か保育士とする。事業所の管理責任者の要件には、障害児などの支援で3年以上の実務経験を新たに加える。 厚労省によると、新基準は既存の事業所についても適用するが、人材確保のため経過措置を設ける方向で検討する。開設要件を満たさないまま運営している事業所に対しては、都道府県などが行政指導するとしている。

 

今回の厳格化のポイントは?

 ポイントを見ていきましょう。個人的な賛成度合いをあわせます。

(1)児童発達支援管理責任者の要件が厳格化される

 これについては大賛成です。そもそも、児童発達支援管理責任者の研修に行くと、まったく障害分野を知らない人、子どもに接したことがない人がたくさん来ていて、グループワークすらできない状態だそうです。というのも、高齢福祉の経験を持っているだけでも管理責任者になれてしまっている状況でしたので…。元々がおかしかったわけです。制度施行直後の4年ほど前は、放デイの事業所を一気に増やしたいという魂胆だったのかもしれませんが、今回の厳格化で分かる通り、予想以上に事業所は増えているはずなので、当初の目論見を達成したということでしょう。質の担保のためには遅すぎたぐらいです。

 ただ(2)のところとも絡みますが、経験年数である程度は専門性は高まるものの、本来は試験制度にするなど、長さではなく、実力勝負にしてほしいです。期間が短くても十分に責任者になれる人は多いはずだからです。ただ、資格制度・試験制度はとても面倒で出来ないのでしょうけれども…。

(2)現場には素人は一切入れなくなる。

 今、指導員は各事業所に2人いるところが多いと思いますが、その2人のどちらも、何らかの経験か資格(児童指導員・保育士・障害福祉での経験)が必要になるということです。しかもそのうちの半分以上が児童指導員か保育士でないといけないということ。つまるところ素人は現場支援に入れないですね。2人の現場スタッフのうち1人は児童指導員か保育士でないといけないし、もう一人も児童指導員か保育士であることが望ましいし、最低限障害福祉の経験がないといけないということでしょうから。

 他の福祉事業に比べてのこの条件は非常に厳しいです。あまり賛成はできません。「1人は資格・経験者にしてね」という部分は賛成できますが、「全員が何らかの資格・経験が必要」は、新しい考え方が福祉に入りづらくなりますし、(1)で書いたとおり素人だって意欲があって能力がある人はいるはずなので、資格・経験だけで質が高まるというわけではないと思うからです。繰り返しですが、本来は試験制度にしてほしいのですがね…。

(3)4月からの新規事業所は新しい基準を満たす必要がある。

 これは当社を含め、事業所を増やそうとしている人には大変な事態です。おそらく4月からスタートさせるために人を採用して、オフィスを確保して、というところが多いと思うからです。すでにヒト・モノ・カネを注いで準備しているところが、「厳格化された要件を見対していないので設置できません」という状態に陥るということです。3ヶ月前というのはあまりにも急だと思います。1年伸ばして2018年度からもうちょっとなんとかならないのかなぁと思います。つまり個人的には反対です。が、1年程度告知期間を設けてしまうと、旧基準のうちに駆け込みで事業所を立ち上げるだろうという厚労省の予想なのでしょう。やや騙し討ち的にしないといけなかった厚労省の苦悩が見てとれます。

(4)既存事業所は経過措置がある。つまり新基準を満たすまで猶予期間がある。

 経過措置があるというのはこれは利用者側からすると当たり前ですね。急に要件が厳しくなって、放デイ難民が出てしまうと厚労省も対応に苦慮するでしょう。悪徳業者の退治を考えると既存事業所も新基準にしたいのでしょうが、1年か2年かわかりませんが、猶予はあるだろうというのは予想されました。なのでもちろんこの措置には賛成です。

 

厚労省の腹のうち

 ポイントでまとめたとおりの変更を決断した厚労省。そのご担当者とはお会いしたことはありませんが、以下のようなお考えだったのでしょう。

  • 公費を年間2000億円(障害福祉予算費では2割)も使っちゃっている…。このまま増やし続けることは出来ない。
  • そもそも2000億円の価値があればよいが、元々小中高生に向けた療育の効果は経済的な説明がつきづらい。
  • 説明がつきづらいどころか、アンパンマン放デイ(アンパンマンのビデオを見せて終わりのデイサービス)など明らかに療育の効果がないサービスが蔓延している。
  • そのうち、少数かもしれないが、悪徳業者は不正請求をし始めている。
  • これ以上事業所が増えると制度自体が崩壊する。
  • まずは入り口(新規事業所)を閉めて、そして既存事業所もレベルが低いところは自動的に退出するぐらいの、達成が難しい要件にしてしまおう。

 という感じだと思います。大切なのは「予算を絞らないといけない」というメッセージだと考えず、「制度を守ります」という厚労省の担当者からのメッセージだと信じ、受け取るべきだということです。

 個人的には、放デイのレベルの低さはなんとかならないのかなぁと問題意識は共有していたものの、以下にリンクを貼るように本当は自己負担の割合を高めるという手立てを打ってほしかったのですが…。

【参考】障害児向けのサービスの経済的価値をどう考えるか? Kaienの社会的価値 ~2016年を振り返る 後編~

【参考】障害児の就学支援 障害に合わせたガイドライン作成について ガイドラインよりも市場原理では?

 ただ、少し疑問なのが、放デイと似た制度であるものの、対象が未就学児向けである「児童発達支援事業」は今まで通りの設置基準だということです。こちらも質の問題が言われていると思いますし、不正請求の件も(おそらくですがどの事業でも出る問題だと思いますので)なくはないはずです。今後、放デイに引っ張られる形で児童発達支援事業も厳格化されるのかもしれません。

 それと、事業者ばかりにお叱りが来ているようにも見えますが、上のリンクの記事でも書いたとおり、利用者側のニーズが療育ではなく、単なるお預かりにある人も多いのではないかなぁと思います。つまり利用者側にも今回の厳格化で予想される激変(利用がしづらくなる、できなくなる)の責はゼロではないのかなと思います。

じゃあTEENSはどうするの?

 当社も3ヶ月前の2016年10月に5つ目の事業所を三鷹に作り、2017年も幾つか作っていく予定でした。まだオフィスの確保はしていませんでしたが、人材の採用はすでに行っています。なので今回のニュースで、「え、新規事業所立てられないかも」と思ったのは確かです。

 でも、結論から言うと、計画通りのペースかわかりませんが、コツコツと立てていく予定です。このためスタッフ採用も今までと同じように進めていきます。むしろ他の変な放デイが少なくなって、利用者の当社へのニーズは高まると予想されるので、計画以上の新拠点を立ち上げようかなと思っています。

 積極的に考えられている要因で最も大きいのが、当社の多くの既存スタッフが実は児童指導員の資格をすでに保有しているという事実です。また、就労移行支援事業所もあるので、「児童がやりたい」と思って入ってきたスタッフが、放デイで働く前に障害福祉の経験者になるための実践フィールドがあるというのもプラスに働きそうです。採用のときに児童指導員か保育士の資格保有者のほうが受かりやすくなるかなぁとは思うのですが、まあいい人だったら資格が入社時点でなくてもこれまで通り採用していきたいと思います。

 もちろん各自治体が新基準になったものの、事実上新規設置を認めないということを言う可能性もありますので、そこに左右されますが、当社としては新基準に十分に対応できるし、今回の厚労省の決定を前向きに受け止めていきます。

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