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発達凸凹 高卒で就職か?進学か? バブル期並みの高卒内定率を受けて

2015年2月16日

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Kaienを立ち上げる前、米国留学の前は、NHKで働いていました。鹿児島と仙台です。地方で働いていて驚いたことの一つに、地方のハローワークでは大卒の就職率よりも、高卒の就職率を注視しているということです。実際、ローカルニュースでは高卒の就職率が上がった、下がったということがトップ記事になります。そもそも地方の県には大都市圏と違って大学が2,3しかありません。僕も何度も「鹿児島県内の高卒の就職率が・・・」というニュースをいつも違和感を覚えながら読んだものです。埼玉の奥地とはいえ、東京からの伝播のもとで育っていたという”偏り”を認識できた出来事の一つでした。

高卒就職内定率88.8%=バブル崩壊前水準まで回復―文科省
http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_tyosa-koyou-highschool-naitei

今回このニュースを読んで感じたこと。今TEENSやガクプロをしていて、しかも首都圏で情報感度高いインテリな親御さんたちに囲まれて支援をしていて、ついつい進学することが当たり前のように感じている自分がいることに気づきました。やはり自分が大学・大学院まで行ったので、どうしても自分の状態が”普通”と知らず知らずに思ってしまう。すなわち(よく発達障害の診断のある人に客観視が難しくてと言っていますが)自分でも客観視の出来なさを改めて認識しました。

今年、TEENSでも、高卒で就職が決まったお子さんがいます。障害者枠だけでなく、一般枠でも、です。つまりこのニュースの数字に入っている就職内定者の高校生がTEENSにも通っているわけです。一方で、大学や専門学校に進学して2年後、4年後、場合によっては大学院にも進んで6年後の就職を考えているお子さんもいます(というか進学組が圧倒的に多いです。) いったいどちらが最終的に得をするのか、楽しい人生につながるのか?

(過去のブログ記事から) 『発達障害のお子さんへ お勧めする大学とは?』
http://ceo.kaien-lab.com/2015/01/blog-post_15.html

特別支援学校(昔でいう養護学校)の高等部に進んでいると、15歳のころから「高等部を出たら就職するんだよ」と毎日のように言われ、毎年のように職場実習に1,2週間行くことになります。そこにフィットするお子さんは当然(高卒の資格ではないということもありますが)18歳で就職をするのが最適解だと僕は今までも思っていましたし、これからも思うと思います。ただ、それ以外の、つまり一般の高校に通っているお子さんは、高卒で就職するのは難しいと思っていました。つまり多くの場合首都圏にいるのであれば進学をしていく(行かざるを得ない)と考えていました。

理由は簡単で、一般の高校に通っている(TEENSに来るような)発達凸凹のお子さんは、目がまだまだ幼いのです。え、そんな基準・・・と思われるかもしれませんが、やはり第一印象で、まだまだ子どもだなぁ、、、と思われるか、この子だったら職業人として働けそうと思われるか、決まってしまう部分は多います。その分、(知的にはIQは低い子が多いわけですが)特別支援学校高等部のお子さんは目が明らかにしっかりとしているので、働けるのだと思います。そうではなく一般の高校に行ったお子さんは、同世代と比べるとどうしても幼く、とても働ける心持ち・面構えではないのでモラトリアムを伸ばす、しっかりと大人になっていくために進学するということが多いように思います。

今日のTEENS横浜の一コマ
こんなに無邪気に(学習支援の合間に遊んでいる)お子さんが
1,2年後に就職するとは、やっぱりなかなか思えないわけで。。。

でも、今回の記事を読んだり、TEENS内での動きを見ていると、僕ももう少し現場に出て世の中の風の変化を感じないといけないなぁと思いました。

高校を選ぶ段階(14歳ぐらいでしょうか)で、就職する傾向が強い高校に行ったり、特別支援学校に行ったりすることを決めるのはやはり親の考えが非常に大きくなると思いますし、そもそも中学受験で中高一貫校に行くと(多くの場合は大学進学を目指すお子さんが多いでしょうから)、周囲の影響で高校で就職するという選択肢をかなりの部分閉ざすことになる、ことになります。

そうなると、中学受験をするかを決めることになる小学校1~4年生ぐらいでは将来へのいくつかの扉が、選ぶ道によって(悪い意味でいうと)閉まり始めるということになり、なかなか親にかかるプレッシャーというのは大きいものだなぁと思います。

(過去のブログ記事から)  『発達の凸凹があるお子さん 中学受験はすべき?』
http://ceo.kaien-lab.com/2015/02/blog-post_15.html

うちも凸凹な子どもがいるわけなので例外ではないのですが、典型的なケースだと思っていて悩む部分が少ないので、親としては語弊を恐れずにいうと楽です。一方でボーダー層といいますか、どちらもあり得るなぁというケースはやはり親御さんは悩まれます。TEENSやガクプロ、就労移行をしている当社が、逆算で支援をする(つまり、大人になった時を想像してそこから今の支援内容を決める)力を使う必然性はこういう処にあるのだと改めて感じました。

また、一般の高校に”進んでしまった”けれども、やはり高卒で就職をさせたいという時に、TEENSやガクプロ、就労移行の力を使って、本人をその気にさせていく、ということは当社だから出来るだろうなとも思いました。

なかなか日々世の中動いてくれるので、サービスも常に進化する・対応する必要があり大変です。

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