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富山大学の本 感想

2010年11月2日

東大や灘高などトップクラスの教育機関が発達障害の学生をサポートする態勢を築きつつある。そのパイオニアなのが富山大学。

そのスタッフチームが執筆した「発達障害 大学生支援への挑戦」がついに発行された。金剛出版から。先日本を送っていただいていながら、感想を書いていなかった。短くまとめたい。

当社にも関係のある就職活動支援ストラテジーも
最終第7章に載っている

色々と書かなくてはいけないが、キーワードをぐっと絞るとナラティブアセスメントとナレッジマネジメントの2つになるとおもう。(と偉そうに書いたが、副題を見るとまさに「ナラティブ・アプローチとナレッジ・マネジメント」と書いてあった。。。)

◆ナラティブアセスメント
僕の理解を言うと、自分の論理、自分目線のストーリーに執着しがちな人たちに対するアプローチ方法。具体的には、複数の立場の違う他者が、例外的な考え方も交えながら複数のストーリーを語りかけ、ひとつのことにひとつの意味しかストーリーしか見いだせずに苦しんでいる人たちに新たな視点を与えるというもの。当社が漠然としていた考えを書いていただいた感じである。これを前半部分で学術的に(なので大学の研究者や管理者向けに)書いていて、後半でその具体例を写真入りで(なのでより一般向けに)解説している。正直前半は大学の研究論文に慣れ親しんだ人でないと難しいので、後ろから読むことをおすすめしたい

◆ナレッジマネジメント
僕もあまり明るくない分野なので、深入りを避けたいけれども、富山大学を実際に訪問して思ったのが、支援組織がものすごく上手にマネジメントされているということ。というのも前述のナラティブアセスメントを使うときに多くのバックグラウンドの異なる関係者が関与する必要がある。親御さんも関わる。また大学の修学面から、通常の生活面、そして就職活動をカバーする。くわえて俗に「分かりにくい障害」といわれる発達障害に関係する組織を扱うわけである。こういった関係者や局面が多い割につかみにくい問題を扱う組織を上手にスタートさせ、継続していく際には??それには、見えない、表しにくい情報をどのように関係者間で共有し学びを深めていくか、それにはナレッジマネジメントが活用できるということだと思う。正直それ以上は、僕もこの本に凝縮されたものをつたえきれないのでぜひ読んでくださいという感じになる。組織の管理法はKaienももがいているところであり、なんどか通読させていただく上で新たな学びを感じ取っていきたいと思っている。

本のご購入はこちらから。前半は学術論文に近い体裁を取っていることもあってか、ハードカバー。それもあってかお値段は3200円と若干お高めである。裏事情を話すと、本の出版って1,2ヶ月でざっとまとめてしまうことが多いと思うが、この本は大学の看板を背負っているだけあって、とても長い時間を経たときく。とくにナラティブ・アプローチは、大学のみならず就業現場や生活の場面でも使えると思うのでぜひご一読いただきたい。

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