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発達障害関連の社会起業(ソーシャルビジネス)

2013年7月6日

昨夜はETIC.で社会起業を目指す若者の”メンター”役をつとめた。来月は社会起業大学主催のイベントでノミネートいただいた。数カ月前にはなるがJapan Venture Awards 2013ではソーシャルアントレプレナー特別賞を頂いた。

僕自身は社会起業というのは、営利性と公共性(特に政策面への直接間接の提言)を目指すものだと思っている。(それが、NPO、各種団体活動、メディア、研究機関など、社会起業と似た組織・活動と決定的に違うところだと思っている。)

当社は後者の政策面へのこだわりがあまりない(※つまりこういう法律を作るべきとか、制度をこのように変えるべきという思想は今のところない)。このため僕には社会起業の要素は若干薄いと思うが、それでも、Kaien=社会起業、と思っていただける方は多く、社会起業的な場所に赴くことはそこそこある。

最近、「社会起業」というキーワードだけではなく、「発達障害」関連で「社会起業」をしたい、という相談を頂くことが多くなってきた。この1ヶ月ぐらいでは3人もの方からである。当社ニュースレターのお申込み欄でもそういったご相談をちょくちょく頂いている。

ご相談いただく方は、「福祉・教育・医療」の経験が無い方が多い。当社の非営利的な部分というと、発達障害についての社会への発信(特に企業組織への啓発)である。企業組織出身の方々がこの分野に入ってきていただけるのは、同じ視点から物事を考える仲間が増えることになり、大変心強いことである。

「営利企業だから儲け主義」でKaienは経営しているのかと時々いわれることがある。が、そもそも、当社スタッフには、もっと稼げる働き方を出来るはずなのに当社で働いてくれている。第一の目的がお金ではない。しかも営利企業といっても短期利益を目指さないといけない上場起業は全体のコ
ンマ数%ぐらいのごく一握りの会社である。当社にかぎらず「福祉・教育・医療」の世界で会社・団体を興す人は儲けは二の次の人がほとんど。

ただしお金が稼げなすぎるのも困る。僕がこの世界に入ったばかりの時は、仕事もなく、どうにかしたいということで様々なイベントや会合に出ていた。その時、福祉経験が長い方から、「この世界は夜バイトをしている支援者も多い。”昼間の仕事”だけでは生きていけないワーキングプア。志高く入るがその後の生活の苦しさから業界を去る若者が多く、組織としての支援技術が高まらない」というようなことを嘆かれたことがある。

社会起業という鎧を背負うと、あるいは、企業出身者だと上手に稼げるようになるか、というわけでもない。先日、行政の担当者から「行政に期待するところは?今の制度で足りないところは?」といわれて、「正直どうしても国に支援を期待するようなものはない。諸外国と比べても結構揃っているのでは」とお答えしたが、強いて言うと福祉の公共事業の担い手を他の産業から引っ張ってくるための人材教育の予算をつけてもらえたらなとは思う。

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