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2年前に書いた『MBAと起業(1)』

今年7月の母校ケロッグ(米国イリノイ州にあるビジネススクールのケロッグであり、コーンフレークのケロッグではない)の学校説明会に出席することになった。時間のある連休中に学生時代に何を考えていたのかなぁと当時の自分のブログを読んでいたら、予想以上に秀逸なブログに、「昔の俺、頑張ってたな」と思ったので、そのまま転記します。MBAを目指す人には良い文章だと思います。原文(といっても日本語)はこちらから。時制は2009年です。

+++5回シリーズの1回目+++

4月17日、全米のMBA生が参加するメジャーなビジネスコンペティションの一つ、Tulane Business Plan Competitionで優勝することが出来ました。私自身勝利をまったく予想していなかったため、私たちのチーム名・Kaien(カイエン)が授賞式でコールされたときは数秒間まったく動けなかったほどです。もちろんビジネスプランで勝つことが実際に起業につながるほど世間は甘くはないのは百も承知ですが、賞金の約200万円と『優勝』という箔は今後プロジェクトを進めていく上で大きな原動力になってくれることは確かです。まだまだ進化・発展が必要なビジネスプランではありますが、Kelloggで1年弱にわたって行ってきたビジネスプラン作成について、このあたりで一度せき止めてお伝えすることが受験生の皆さんに有用なのではないかと感じました。特に私たちのプランが属する「社会企業」は現在のMBAにとって非常に大きな要素の一つになりつつありますので、この面からもホットな話題がお伝えできるのではないかと思います。今回から5回にわたって「MBAと起業」についてお伝えしていきます。

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(なお私たちのビジネスプランKaienの詳細については、http://www.kaien-lab.com  をご覧下さい。自閉症の方々をソフトウェア検証エンジニアとして雇用し、日本の製造業のソフトウェア開発において検証サービスを提供するというプランです)

ビジネスプランコンペティションについて
年明けの1月ぐらいから6月にかけて全米各地の大学・企業が主催するビジネスプランコンペティションが開催されます。文字通り、自分たちのベンチャープランを様々な形でアピールし、収益性や継続性・独創性などを審査され順位が決まるというものです。多くのコンペティションは1次審査(Executive Summary、2ページから4ページほどの文章での審査)、2次審査(Business Plan、15ページから30ページほどの文章での審査。ビデオを要求されることも)、そして決勝(ようやく会場に招待され、15分から20分程度のプレゼンとその後15分程度の質疑応答)という流れで行われます。優勝賞金が100万円(1万ドル)を超えるものでおそらく20大会以上、なかには賞金総額が数千万円という大会もあり、ビジネススクールに通う学生にとって時間と労力を費やす価値のあるイベントです。私たちKaienもあわせて7つのコンペティションにエントリーしました。これまでの戦歴は優勝×1、準決勝進出×2という感じです。大きな大会ですと参加数は500チーム程度、小さなものでも数十チームは参加します。なお1チームは1~5人程度。Kaienは人数制限がない限り6人で参加しています。Kelloggからは今年5チーム程度がさまざまな大会に出場しているようです。

Tulane Business Plan Competition
ニューオリンズにある米国南部の名門校、Tulane Universityが主催するビジネスプランコンペティションです。一般起業と社会起業の部があり、私たちは社会起業の部に参加しました。あわせて90チームほどの参加があったと聞いています。数あるコンペティションの中からなぜTulaneを選んだか?答えは簡単で担当の教授から推薦されたうちの一つだったからということになります。正直自分たちのプランにあったコンペティションを探すのはかなり大変な作業であり、この道に詳しい人からアドバイスを受けるのが賢明です。3回目に予定している『MBAと起業』でくわしくお話しますが、このあたりのサポートはさすがKelloggと感じさせるものがありました。

1次審査
Tulaneの1次審査の締め切りは2月上旬だったと思います。Kaienはすでに秋学期(9月から12月)にNew Venture Formulationという授業でプロトタイプが出来ていたビジネスプランでしたので、Tulaneの1次審査用に手持ちの資料を書き換えることはそこまで難しい作業ではありませんでした。ただMBAのエッセイでもいえることかもしれませんが、どのように書けば読み手のウケが良いのかということを知る必要があります。このあたりの勘所はKelloggの教授にアドバイスを受けていました。典型的なExecutive Summaryの流れを書きますと、第1段落はベンチャーの概要(サービス・プロダクト内容とミッションやビジョン)、第2段落は当該業界の現状とPain(苦しみ)、第3段落はPainを新サービス・商品をもってOpportunityにかえるか、第4段落はなぜこの経営陣がこのベンチャーにふさわしいか、第5段落は売り上げ・収益見込みと財務計画、最後にリスクとそれへの対策、になります。

2次審査
1次審査の結果が発表されたのは、提出から2・3週間後の2月下旬。それからやはり2週間ほどで今度は2次審査の締め切りでした。今度は1次審査で短くまとめ落としてしまった部分の枝葉を入れなおし、また新しく考え付いたところやパイロットプロジェクトをしたりしてわかった事実などを加え、より深くベンチャーの強みが伝わるようにします。また2次選考への案内と同時に1次審査のフィードバックももらえるため、それを参考に足りないとおもわれる部分を補強していくという作業も必要になります。Kaienの場合前述のようにドラフトは既にあったため、それを書き直していくという作業が中心となりました。

決勝にそなえて
3月上旬のビジネスプラン提出から2週間ほどたち、春休みを過ごしていたある日の午後、大会本部の方から電話で決勝進出の知らせが入りました。正直すこし期待していただけにホッとしました。やはりFinalistとなると周りの人たちの対応が変わりますので。。。その後、決勝用にビジネスプランを書き直し4月上旬に送付、そしてようやくビジネスプランコンペティションらしくプレゼンの準備が始まりバタバタしてきました。15分のプレゼンですので言えることは限られています。スライドの数も20枚ほど。この中で直感的にストーリーをジャッジに理解させ、さらにマネジメントチームの力や収益予想などの妥当性を上手く伝えていかないといけません。Executive Summary やBusiness Planと同じようなロジックですと、どうしても伝わりにくいところが出てきます。構成をがらがらかえ、それとともに覚えるべきコメントの内容も変わりという日々が続きました。予算の関係でニューオリンズへは2人しか行くことができませんでしたが、その2人の間でどのようにプレゼンを区切り、質問に答えるかということも事前に打ち合わせをしました。Kelloggの教授や学生の前でも数回にわたりリハーサルを行い、ある程度の慣れを感じたところで決勝の日を迎えました。

決勝
当日のジャッジはあわせて6人。決勝の面白みはひとつにジャッジと直接やり取りが出来る点、さらには競い合う相手チームが目の前にいる点です。特に今回は相手チームのレベルの高さに驚きました。Clean Indiaというチームが私たちの直前にプレゼンをしたのですが非常に説得力があり完成度の高いチームでした。ジャッジも15分の制限時間を越えて質問をしていたほどです。ですので「こういうチームがコンペティションで勝つんだなぁ」と妙に納得し、かえってリラックスして自分たちのプレゼンの順番になりました。他のチームのプレゼンは長く感じますが、自分たちのものになると15分+15分というのはあっという間です。幸いなことに大きなトラブルはなく、細かなところをのぞけばリハーサルどおりに物事が運びました。伝えたいことはほぼ伝えられましたし、質問も予想の範囲内でしたので自信を持って答えられたというのが持ち時間が終わった時の感想でした。

そして授賞式
あとは冒頭に書いたとおりです。なにがClean Indiaより良かったのかなぁと考えながら、トロフィーを貰い、よくプロゴルフの授賞式で見る巨大な小切手を受け取りました。Kelloggにきて最高な一日であったことは間違えないと思いますが、同時にプランがより現実のものになりつつある責任感のようなものも感じました。授賞式では社会起業支援で世界トップレベルにある団体の人たちとも話をする機会が持て、ネットワークを広げる場としても非常に意義のある場でした。

と時系列に沿っているだけで取りとめがなくなってしまいましたが、日本からの留学生があまりチャレンジしないビジネスプランコンペティションというものがどのように進んでいくかがお分かりいただけたのではないかと思います。次回以降はもう少し体系的な話にしていこうと思います。

2回目は私たちのプラン・Kaienについてです)

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Kaien会社ウェブサイト   http://www.kaien-lab.com
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