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シリーズ「10代の発達障害を考える」⑤ ギフテッド

発達に凸凹のあるお子様向けのTEENSが6月に2拠点目を出すことになった。TEENS横浜である。満員御礼が続くTEENS新宿も、新しく開設するTEENS横浜も、通っているお子さんが大人になって振り返った時に、「TEENSに通っていて良かった」と思ってもらえる、楽しく深く実り多い場としていきたい。TEENSを説明する意味もかねて、10代の発達障害について考えている。
5回目の今日は「ギフテッド」を考える。

息子が発達障害と診断されて間もないときに発見したデンマークのスペシャリスタナ社。主にアスペルガー症候群の人のミスを発見する力を活用してソフトウェアのバグ探しをしている会社である。この会社を見つけたときに、僕は本当に納得したし、感動した。それが当社を作る契機になっている。何しろ、通常ではマイナス面になりかねない細部へのこだわりが、この職種(ソフトウェアテスト)ではプラスの面として活用されていることに驚いた。美しさを感じた。

スペシャリスタナ (英語版)
http://specialisterne.com/

僕が「代表メッセージ」を書いたのは起業する前後。文章中に”類まれな能力”という記述があることからわかるように、僕も当初は、「発達障害=何かほかの人たちにない尖がりのある人」、というイメージであった。が、現実を見ると、「ギフテッド」な人にはなかなか会えるものではない。もちろん、いわゆる文系の職種でも理系の職種でも、「これは僕にはできない」と思える人には会う。でもそれは発達障害ではない人と変わらない頻度だと思う。

Kaien 代表メッセージ
http://kaien-lab.com/company/message/

”ギフテッド”の勘違い例は多い。例えば、IT業界と発達障害の親和性についてがある。つまり、最近、発達障害の特徴があったら、プログラマーにとか、デザイナーにとか、そういう風潮があるように思う。僕もその運動の一つの小さな力になってしまったとしたら申し訳ない。実際その勘違いをしていたが、最近は以下細字のように考え始めている。

IT業界=発達障害者向きはほぼ都市伝説 ・・・ たしかにIT業界にいる人で発達障害っぽい人が多いのは確からしい。でもそれは、発達障害だからIT業界に向くということをほとんど意味しない。IT業界→発達障害の傾向高め はうっすらと成り立つけれども、IT業界向き←発達障害 はほぼ成り立たないというわけである。 これにくわえて、数十年前のIT業界とは異なり、今は発達障害系の人には生きづらいIT業界である。というのも、臨機応変の作業とか度重なるニーズ・試用の変更とか、顧客やお客様とのコミュニケーション能力とか、かなりほかの業界よりも高いものが要求されるようになっていると思われるからである。

ギフテッド、つまり神から与えられた才能、と発達障害の人を持ち上げることは、IT業界への適性に限らず、現実を見ていない状態だと思う。発達障害は、正確には発達に凸凹が大きくみられる状態であり、本人のできないところ(凹)に比べると、びっくりするぐらいできるところ(凸)もあるということである。ただし、そのびっくりするところ(凸)が、神から与えられた才能、とまでは、とても言えないケースが多い。

だって、その子どこの子?といったら、自分の子ではないですか。。。僕の子が極端に才能があるわけは、自分の普通な素質を考えると、まあないと思う。それと同じく、他の発達障害児を持つ親にしても、他人の視点から見れば急に天才児が生まれる可能性はかなり低いことは明らかなことであるのに、自分の子になるとわからなくなってしまうのかもしれない。

なぜギフテッドと人は呼ぶのか?あるいは呼びたいのか?

一つ目の仮説は、カレンダーを恐ろしく記憶できてしまったり、百科事典を覚えてしまったりなどの、いわゆるサヴァン症候群を指しているときもあると思う。それは確かにすごいのは確かなのである。が、残酷なこというと、資本主義の世界で経済的な価値があるかが”職業偏差値”だとしたら、その指標からはあまり関係のないギフテッドということになる。サヴァンの特徴だけを物珍しげに話題にするのは、昔の見世物小屋のようであまり気持ちが良いものではない。その子、その人を、大きく一人の人間として丸々受け入れていないような気が、少なくとも僕は、する。

ギフテッドと呼ぶ理由。もう一つは、親がそう思い込みたいということもあると思う。これはとても僕の場合に当てはまる。まさか自分の子が。。。という思いから、自分の子を冷静に見られなくなり、なにか思い込もうとしないと、自分のバランスが保てなくなるような感じである。でも、それも、自省の念を込めてだが、自分の子を真の意味で受け入れていないように思う。ギフテッドでなくても子どもは子どもだし、日々一生懸命生きているのである。そこに変にストーリーを持ってこなくてもよいと思う。

ならば、子どもは皆ギフテッドだ!みたいな考えもあるであろう。もちろんそうだと思うし、人間皆そうなのじゃないですか!と答えたくなる。大人でも驚くべき成長を遂げることがある。それは物事をフェアにゆがみなくゼロベースでとらえているときにおこる気がしている。実はそれは発達障害の傾向でもあるのだけれども。。。

わが子が10代にもなると、さすがにその子の特徴が見え、ある程度の道筋も見え、ギフテッド論争はあまり聞かない。逆に言うと、診断間もない幼児から小学校低・中学年は、本当に親は混乱するし、そのトラップにはまりやすいと思う。もちろん、だれもが認め、資本主義社会の中で”も”価値のある才能を持っていればそれはギフテッドだと思う。しかしながら、そういったギフテッドでなくても、発達障害の長所がわが子にあることを親はきちんと理解してほしい。

「発達障害の長所を伸ばして課題を克服」みたいなメッセージは、様々な療育施設で、もしかしたらほぼすべての機関で使われているみたいである。おそらくその先駆けの一つであるのが当社なので、アイデア料をもらいたいぐらいではあるが、、、

若干、上にすでに書いてしまったが、6回目は「発達障害の長所」を取り上げたいと思う。ギフテッドでもなければ、ITでもないとすると、じゃあ何なのですか?ということ。それをまとめたい。

追記:発達障害天才説については過去に3、4つ記事を書いていました。以下お時間があればお読みください。

発達障害丁々発止6 『発達障害天才説 ピアニスト グレン・グールドの場合』
http://ksuzuki09.blogspot.jp/2012/01/blog-post.html

発達障害天才説について ~マイクロソフトやフェイスブックも!?~
http://ksuzuki09.blogspot.jp/2010/10/blog-post_1667.html

海外メディア 『アインシュタインを継ぐ少年?』
http://ksuzuki09.blogspot.jp/2011/04/blog-post_02.html

アインシュタインを継ぐ少年 続報
http://ksuzuki09.blogspot.jp/2012/01/blog-post_50.html

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